赤嶺政賢の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○赤嶺政賢君 日本共産党の赤嶺政賢です。
私は、日本共産党を代表し、安保三文書について質問します。(拍手)
岸田政権が昨年閣議決定した安保三文書は、歴代政府が建前としてきた専守防衛さえ投げ捨て、敵基地攻撃能力の保有に公然と踏み切るものです。さらに、研究開発や公共事業まで軍事に組み込み、国民には歳出削減と増税を押しつけ、GDP二%への大軍拡を推し進めるものです。
総理は、平和国家としての歩みを変えるものではないと言いますが、憲法九条に基づく日本の在り方を根底から覆し、国の外交も内政も軍事最優先で進める軍事国家そのものではありませんか。
今回の敵基地攻撃能力をめぐる議論で欠かすことのできない視点は、在日米軍基地の存在です。
一九五二年に発効した日米安保条約に基づき、今なお、全国百三十か所以上の米軍基地が存在し、世界最大の約五万四千人の米軍兵力が駐留しています。世界で唯一、空母打撃群と海兵遠征軍が前方展開し、横須賀の原子力空母や、長距離巡航ミサイル、トマホークを搭載した十一隻のイージス艦、数百機に及ぶ岩国、三沢、嘉手納の空母艦載機や戦闘攻撃機、沖縄の海兵隊や佐世保の強襲揚陸艦など、いつでも出撃できる体制を取っています。しかも、近年、オスプレイや無人偵察機の配備、海兵沿岸連隊への改編など、新たな部隊の増強が相次ぎ、地上発射型の中距離ミサイルの配備まで取り沙汰されています。
戦後、アメリカは、先制攻撃戦略を公然と掲げ、国際法違反の侵略戦争を繰り返してきました。こうしたアメリカの強大な攻撃戦力が日本に存在し、周辺諸国に脅威を与えてきたことが、地域の緊張を生み、軍拡を誘発する要因になってきたのではありませんか。
そこに日本も加わり、他国に攻撃的脅威を与える兵器を日米一体で更に増強することが憲法九条に反することは明らかではありませんか。こうした敵基地攻撃能力の増強は、地域の緊張を一層高め、際限のない軍拡競争に陥り、戦争の危険を引き寄せることになるのではありませんか。
今、アメリカは、同盟国を巻き込みながら、敵基地攻撃とミサイル防衛を一体化させた統合防空ミサイル防衛、IAMDを構築しようとしています。
総理は、IAMDに参加することはない、全く別物だと言いますが、今でも、日米のイージス艦は、データリンクを経由し、一体的に運用しているのではありませんか。トマホークの使用時だけは別物になるなどという荒唐無稽な説明は通用しません。
日米は独立した指揮系統に従って行動するといいますが、日本がトマホークを使用するのに必要な地形情報も攻撃目標の位置情報も、米軍から入手するのではありませんか。日米で攻撃目標の重複を避け、攻撃に最適なイージス艦を瞬時に選択するには、高度に自動化されたシステムと指揮系統の一元化が必要なのではありませんか。日米間で調整要領を検討するとしているのも、そのためではありませんか。
南西諸島から南シナ海に至る地域の島々に長射程ミサイルを配備する計画は、元々、アメリカの軍事戦略から始まったものです。日本の敵基地攻撃能力がIAMDに組み込まれ、米軍の指揮統制の下で運用されることになるのは明らかではありませんか。
アメリカは、二十年前に始めたイラク侵略戦争で多数の米兵の犠牲者を出しました。それ以降、同盟国や同志国を戦争の最前線に立たせるやり方に変えてきています。
米中の覇権争いが軍事衝突に発展したとき、戦場になるのはアメリカ本国ではありません。沖縄を始めとする日本列島であり、東アジアの国々です。政府は、この地域で絶対に戦争をさせない、そのために米中双方に緊張を高める行動をやめるよう働きかけ、地域の全ての国を包摂する平和の枠組みを発展させるために全力を尽くすべきではありませんか。
二〇〇八年の日中共同声明は、国交正常化以降の両国間の合意を踏まえ、双方は、互いに協力のパートナーであり、互いに脅威にならないことを確認しています。こうした共通の土台を再確認し、平和と友好の関係を確かなものにしていく外交にこそ、政府は取り組むべきではありませんか。
今必要なのは、戦争の準備ではありません。平和のための準備です。