山崎誠の発言 (本会議)
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○山崎誠君 立憲民主党の山崎誠です。
会派を代表して、政府提出、脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案について、反対の理由を申し述べます。(拍手)
まず、法案の前提となる岸田政権のグリーントランスフォーメーションの基本方針についてです。
エネルギーは、言うまでもなく、私たちの暮らし、産業、社会に不可欠なインフラであり、その安定供給は、国がその責任を担う重要分野です。まきから石炭、石油、ガスなど化石燃料へ、そして原子力へ。さらに、今、気候危機を受けて、再生可能エネルギーへとシフトしようとしています。人類の発展とともにエネルギー源も変化し、産業もエネルギーとともに育ってまいりました。私たちは、こうした歴史的な変化の中にエネルギー政策を位置づける必要があります。
さらに、ウクライナ戦争を受けて、世界は、資源産出国に依存する化石燃料から、エネルギーの自給自足を可能にする再生可能エネルギーへのシフトを加速しようとしています。武力攻撃の目標となる原発は、その存在自体が国家安全保障上のリスクであるとの認識も広まっています。
例えば、ドイツは、四月十五日に、残っていた三基の原発を停止し、脱原発を完了しました。それに合わせて、再生可能エネルギーの導入目標を引き上げ、二〇三〇年までに電力の八〇%を再生可能エネルギーにすることを決め、化石燃料からの脱却を加速化しています。
世界が再生可能エネルギーへのシフトを加速しているのに、岸田政権は日本独自の路線を取ろうとしている、それが原発回帰を中心とした岸田GXです。衰退する日本産業の再生の道がこの選択肢なんでしょうか。この方向性で日本は発展できるのでしょうか。
日本は地震大国であり、元々、原発の運転には適しておりません。日本の原発の耐震基準は、住宅メーカーの基準よりも低いと言われている。千ガルを超える地震が頻発する日本では、原発は常に過酷事故のリスクにさらされています。また、国家間の緊張が高まっていると言われる中で、武力攻撃の目標とされる原発を日本は動かし続けてよいのでしょうか。
東京電力福島第一原発事故から十二年が過ぎましたが、いまだに原発事故は収束に至っていません。次々と問題が発覚している。一号機では、圧力容器を支える土台のコンクリートが広範囲にわたって溶け落ちてしまっていることが判明、地震に耐えられるか、再評価が必要な状況です。廃炉現場は大変厳しい現実を抱えています。原発回帰を決めるのであれば、この東京電力福島第一原発事故の収束にめどをつけること、そして全ての被災者の完全な生活再建を実現してからにしていただきたい。今も被災のただ中にある福島の皆さんには、到底、原発回帰は御納得いただけません。国民の理解は得られません。
一方で、日本の再生可能エネルギー、これは大変豊かであります。日本は再生可能エネルギー大国です。環境省が昨年四月実施した我が国の再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査では、我が国には電力供給量の二倍の再エネポテンシャルがあるとの結果が報告されています。例えば、営農型太陽光発電、ソーラーシェアリングと蓄電池を組み合わせて導入することで、日本の電力消費の大きな部分を安定供給することが可能なのであります。太陽光のみならず、風力、水力、地熱、バイオマス、大きなポテンシャルを有するのが日本です。
厳しいエネルギー事情にある今こそ、再生可能エネルギー導入に高い目標を掲げるべきです。中長期的には、再エネも原発もではなく、再エネです。日本が選ぶ道は、原発依存からの一日も早い脱却、再生可能エネルギーへのシフトしかありません。
世界で大きく成長している再生可能エネルギーや蓄電技術などの分野を日本はGXでもっと後押しすべきです。原発の市場は再エネに比べて極めて小さく、限られています。安倍政権下、トップセールスで進められた原発輸出は、ことごとく失敗、実績はゼロです。せっかく日本がリードをしていた太陽光パネル、風力発電装置、蓄電池などの技術分野ですが、今市場を支配しているのは、中国や韓国の企業です。日本の最後のとりでである自動車もEV化に乗り遅れ、厳しい状況になりつつあります。自公政権の産業政策の失敗の結果ではないでしょうか。世界は日本の都合で動いてくれません。岸田政権の都合を世界は忖度はしてくれません。与党の皆さんは、こうした不都合な真実にしっかりと向き合っていただかなければなりません。
GX脱炭素電源法について問題点を指摘します。
東京電力福島第一原発事故を教訓に、安全最優先といいながら、運転期間の定めを利用政策だとして規制の対象から外そうとしています。運転停止期間も加えて六十年を超える運転を認めようとしています。どんなに厳格な検査を実施しても完全ではありません。そのことを考えれば、高経年化した原発を停止するのではなく運転するということは、安全の後退であると誰の目にも明らかです。東京電力福島第一原発事故を教訓に定められた原子力安全規制の柱である、重大事故対策の強化、バックフィット制度、四十年運転規制、そして規制と利用の厳格な分離について、これらに変更を迫る立法事実は存在せず、堅持しなければなりません。
今回の原子力基本法改正では、原子力産業への支援が国の責務、基本的施策として詳細に規定され、原発依存を固定化するものとなっています。どんな支援を予定しているかも定かではありません。経済合理性を失った原発を動かし続けるために国がお金を出すということ、税金を使うということでしょうか。
こうした国の支援は、再生可能エネルギーの導入にこそ注がれるべきです。著しくバランスを欠く原発優遇は、再エネシフトの遅れをもたらします。大きな問題です。長期にわたる対応が必要となる原発廃炉や使用済核燃料の廃棄問題に関する国の関与と協力を明確にすることは重要ですが、原発延命のための原発優遇は全く次元の異なる問題です。
GXの推進を、低迷する日本経済の復活のチャンスにしなければなりません。GX、エネルギー政策については、国民的議論が必須です。政府が進めている経済産業省主導のGXは、この点が決定的に欠けています。経産省の産業政策はことごとく失敗に終わっている。国は、過去の反省を踏まえて、大企業だけではなくて、広く、有識者、中小企業、働く皆さんの声、国民の声を集めて真のGXを実現するよう強く求めて、反対の討論といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)