末松義規の発言 (本会議)

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○末松義規君 立憲民主党の末松義規です。
 私は、立憲民主党・無所属の会派を代表し、ただいまの財務金融委員長塚田一郎君解任決議案に対して、賛成の立場から討論します。(拍手)
 冒頭ですけれども、先ほど、青山議員の方から、階議員が委員会の採決についてあたかも事実誤認のような発言がありましたけれども、私は、野党の筆頭理事としてその場に居合わせました。そこでしっかりと、委員長塚田一郎君が、次の委員会において質疑終局、そして採決ということを表しながらやってきた、これはまさしく確認していることじゃないですか。
 確かに我が国の安全保障環境が厳しくなったとはいえ、政府の閣議決定や今回のいわゆる防衛財源確保法は、総理の指示により防衛費の対GDP比を二%とするために、今後五年間において四十三兆円以上の防衛費を国民に強いるだけでなく、それ以降の三十年間に年間十兆円の防衛費として計算すれば、総額三百兆円以上の防衛費負担を将来の国民に強いることになる大変重大な課題を提示しています。したがって、念には念を入れた幅広い審議がなされるべきことは当然のことであります。
 これまでの財務金融委員会等における審議については、塚田一郎財務金融委員長の下で、終始協力的であった与党筆頭理事と、そして私、野党筆頭理事の合意に基づき、財務金融委員会の審議はもとより、二回に及ぶ財務金融委員会、安全保障委員会の連合審査、一回の財務金融委員会での参考人質疑、さらには一回の財務金融委員会、安全保障委員会の連合審査による参考人質疑を含む合計三十六時間の審議実績があることは、それなりに高い評価をしておりました。
 一方、これらの審議を通じて、しっかりと詰めていかなければならない様々な重大課題が浮上してきたことも事実です。財務金融委員長塚田一郎君が、深く審議すべきこれらの具体的な課題を最終場面で無視して、審議打切りを宣言し、強行に採決しようとしたことは、無責任のそしりを免れません。
 具体例を申し上げます。
 その第一は、令和十年度以降の武器購入等の後年度負担が別途十六・五兆円もかかるという問題です。
 今回の防衛力整備計画では、新たに必要となる事業に係る契約額、つまり物件費が四十三・五兆円あり、そのうち令和十年度以降の次期防衛力整備計画へ流れ出す後年度負担が十六・五兆円もありますが、その財源が何ら示されていないという大問題があります。
 第二には、防衛財源確保法案といいながら、その内容は税外収入の確保に限られ、法律による財源確保が一部に限られていることです。
 民主党時代に制定された三・一一関連の復興財源確保法においては、歳出改革、決算剰余金、税外収入、税制措置について、それぞれが法律にしっかりと規定されていました。それは先ほど階議員が言ったとおりであります。
 今般の防衛財源確保法案では、税外収入に関する部分についてのみの財源確保であり、その他の項目については閣議決定のみです。防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源を確保するための法律案と称しているにもかかわらず、その内容は全く不十分なものです。復興財源確保法のようにフルスペックの財源確保の規定を盛り込んで、再提出すべきです。
 第三に、本法案で確保する税外収入の多くが、本法律案がなくても一般財源として来年度に繰入れ可能なものであることです。
 例えば、外為特会の繰入れについては、令和五年度剰余金を前倒しで繰り入れるものであり、本法案による措置がなかったとしても、来年度の予算審議を経て一般財源に繰り入れることが可能であるにもかかわらず、前倒しで繰り入れるという異常な形を取ることの必要性について、幾ら質問しても、合理的な説明がありません。
 第四に、決算剰余金関係について算定根拠の妥当性が説明できていないことです。
 決算剰余金から毎年七千億円を防衛費に活用するとしていますが、その算定根拠は、過去十年間の平均の一・四兆円の半分の七千億円であるとのことです。
 しかし、令和二年度の決算剰余金は、コロナ対策下で、四・五兆円という異常値であります。通常の統計学に基づくならば、このような異常値は除外して算定し直すべきです。しっかりと算定するのであれば、コロナ前の過去二十年間、平成十二年から令和元年という長期間の平均値が適切であり、その場合には、決算剰余金の平均は九千三百億円となります。したがって、防衛費充当額はその半分の四千六百五十億円となり、政府見積りの七千億円の六六%にすぎなくなります。
 第五に、国債には頼らないと岸田政権が大見えを切ったことがうそであったことです。
 当初予算の約四割、補正予算の約九割が国債による財源です。それが、不用という形を通じて結果的に決算剰余金となり、防衛財源になります。つまり、防衛財源は、そもそもからして国債に大きく頼っているのです。そして、今後も国債に大きく頼っていくことになるんです。
 さらに、別の目的で大きく積み上げられた予備費についても、不用が生じれば防衛財源として使われることになるという点についても、明確な答弁がありません。
 第六に、政府が今後五年間で三兆円強を捻出するという歳出削減や一兆円強の税制措置についても、法律で担保されておらず、具体的な歳出削減見込みも不明、そして税制の開始時期も不明という非常に曖昧な説明に終始していることです。
 最後になりますが、我々が最も看過できない塚田委員長の判断ミスは、我々が理事会や委員会で幾度となく要求してきた被災地での地方公聴会の開催を拒否して採決を強行したということです。
 政府は、防衛増税として、復興特別所得税の防衛費への流用を掲げ、課税期間を延長しました。このだまし討ち的なやり方は、いまだ復興の途上にある被災地の方々の心情を著しく傷つけ、じゅうりんするものであります。
 まずは、今回の全体の枠組みを審議することにおいては、心情を傷つけられ、不安におびえる被災地の方々に対して真摯に向き合い、当然のことながら、今回の審議中に被災者の方々の御意見をしかるべく拝聴するというのが筋です。同様に、謙虚に国民の声に耳を傾けると大言壮語してきた岸田政権の政治の大原則というべきものではないでしょうか。
 それに加えて、被災地での地方公聴会というのは、たった一日で済むものです。なぜ、しかるべき手続の一日を惜しんで地方公聴会開催を拒否するのか、与党として、被災地の方々と国民全体に対して明確に説明していただきたいものです。
 なお、その後、この点に対する妥協案として、与党より、本法律案採決後に被災地に対して委員派遣を行うといったような、地方公聴会もどきの開催提案がありました。しかし、これはいわゆる子供だましと言わざるを得ず、被災地の方々に寄り添った姿とは全く似て非なるものです。
 この妥協案に乗って採決を強行しようとした財務金融委員長塚田一郎君の責任は免れません。
 以上、審議の最終段階になって、残念ながら、まずは採決ありきという立場に終始した財務金融委員長塚田一郎君に対して解任が適当であると考え、私の賛成討論といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 末松義規

speaker_id: 17550

日付: 2023-05-12

院: 衆議院

会議名: 本会議