香田洋二の発言 (財務金融委員会安全保障委員会連合審査会)

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○香田参考人 元自衛隊OBの香田でございます。
 今までお二方の参考人が、我が国の新しい防衛戦略、取組、問題点、特徴等を非常に正確に話されまして、私は今日、この委員会の元々の趣旨から、財源確保ということについて元自衛官から見てどのように映るかということについて申し上げます。
 それ以外については、小異はありますけれども、ずっとある意味一緒にやってきた仲間で、ほぼ大きなところは一緒でございますので、元自衛官がお金のことを言うのかと言われそうでございますけれども、少し、今まで現場でやってきた者から、予算というものがどういうふうに見えているのか、あるいは予算確保がどういうふうに映っているのかということについて申し上げたいと思います。
 まず、令和五年度以降の我が国の防衛力の抜本的な強化、このための防衛力をGDPの約二%というところまで増額するという政策につきましては、私が自衛隊に入隊した頃なんですが、三木内閣以来のいわゆるGDP一%の目安といいますか、シーリングに強く縛られてきた、その中で防衛大学校それから自衛隊で四十年以上を勤務してきた者としては、やはり画期的なものとしてこれは支持もしますし、高く評価されるものだというふうに考えます。
 今回の特別措置法につきまして、私自身が専門家ではありませんので、財務省あるいは各政党のホームページ等で、私自身、限られた範囲でございますけれども、勉強したところですと、今回の特別措置法というのは、防衛費の増加分、これをカバーするために税外収入所要として約四兆六千億円必要である、こういう見積りの下、現行法でカバーできない事項、つまり、一兆二千億円程度の外国為替資金特別会計繰入措置、それから財政投融資関連で約二千億円、それから国立病院機構、地域医療機能推進機構等の繰入金約一千億円ということで、合計一兆五千億円を確保するための法律というふうに認識をしております。
 ただし、これでは当然、総額四兆六千億円の増額分をカバーできませんので、この特措法の差額、約三兆一千億円につきましても特別会計の繰入金などの税外収入を充当して、全体として増額をする防衛予算を確保するという大きな考えに立っているというふうに認識をしております。
 そして、今回の特措法の措置、それとそれ以外の税外収入、これによって防衛費の増額分を賄うという手法につきましては、防衛費増加分の収支バランスを取るという政府の一つの重要な政策としては評価できるものというふうに考えます。
 ただし、同時に、本来、我が国の防衛というものは社会保障あるいは教育などと並ぶ国家と我が国社会の礎でありまして、その観点からは、今回の防衛費負担の政策、政府の方針の柱であるバランスシートの確保で所要予算措置を講じるということについては、やはりいささか不十分であろうというふうに考えるところであります。
 つまり、我が国の防衛、これに国民がそれぞれの立場でひとしく参画をする。よく負担と言われますけれども、これはやはり参画が必要だというふうに考えますけれども、そういう国家の基本を重視して、それから予算措置を取っていく。つまり、究極的には、税金で国民に防衛費の増額をお願いするということが、自衛隊としては、国民にお願いすることは多くなるんですけれども、自衛隊と国民の距離、我が国の安全保障、防衛と国民の距離というのは、結果的には一番近くなるんじゃないかというふうに考えるところであります。
 特に、私が自衛隊に勤務した経験から申し上げますと、我が国の防衛は全国民の責任という基本的な事項が、今まではですよ、憲法へのある意味の遠慮、あるいは、更に昔になりますけれども、各党の大幅な安全保障政策、防衛政策の対立によって、国防が国民の重要な、一番の事項なんだ、社会の基礎なんだということについて掘り下げた論議がなされてこなかったということについては、自衛隊におりながら、非常に苦く、歯がゆい思いをしてきたところも事実でございます。
 そして、今回、自衛隊の能力強化あるいは防衛費の増額につきまして大多数の国民の理解と支持が間違いなく高まっている現状でありますけれども、この時点で、国民に改めて、我が国の防衛は、自衛隊の占有物にあらず、全ての国民がひとしく対応すべき国家の基本であるという大原則を、国会として理解をしていただく、あるいは、政府の政策として理解をしていくという観点からの論議が非常に重要ではないかというふうに考えております。
 時間の制約で、今まで申し上げてきたことをまとめますと、今回の予算確保政策論議、この中で、元自衛官として、そして実際に海上自衛隊の予算を直接十年間担当した立場として見ますと、やはり欠けているところというのは、我が国の防衛の最も重要な要素である、国民一人一人がそれぞれの立場で直接間接に国防に関与していく自覚、これを養成するという政府と国会の覚悟と決意、ここが問われるところだというふうに考えます。
 国民のこの自覚なくしては、幾らGDPの二%というふうな大きな予算を投入して整備をした最新装備あるいは最強の防衛体制を完全に機能させることは不可能である、あるいは非常に難しいということは、まさに今のウクライナの国民の方々の頑張り、これが示すところだというふうに考えます。
 その裏づけとして、国民の防衛への参画意識の高揚という基礎事項を防衛予算を通じて実行する。そのためには、財源というものをどうするかということについて慎重かつ精緻な論議が必要だというふうに考えます。
 最後に、国民の参画意識なき自衛隊の我が国防衛任務の完遂、これは極めて困難であると考えます。厳しく申し上げれば、不可能に近いというふうに言えると思います。
 ということを申し上げまして、また、この機会を与えていただいたことに感謝を申し上げまして、私の陳述を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 香田洋二

speaker_id: 34219

日付: 2023-04-28

院: 衆議院

会議名: 財務金融委員会安全保障委員会連合審査会