財務金融委員会安全保障委員会連合審査会

2023-04-28 衆議院 全95発言

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会議録情報#0
令和五年四月二十八日(金曜日)
    午前九時三分開議
 出席委員
  財務金融委員会
   委員長 塚田 一郎君
   理事 井林 辰憲君 理事 越智 隆雄君
   理事 中西 健治君 理事 宗清 皇一君
   理事 櫻井  周君 理事 末松 義規君
   理事 住吉 寛紀君 理事 稲津  久君
      青山 周平君    石井  拓君
      石原 正敬君    小田原 潔君
      大塚  拓君    大野敬太郎君
      加藤 竜祥君    金子 俊平君
      神田 憲次君    神田 潤一君
      小泉 龍司君    高村 正大君
      塩崎 彰久君    津島  淳君
      中山 展宏君    葉梨 康弘君
      藤原  崇君    八木 哲也君
      若林 健太君    階   猛君
      野田 佳彦君    福田 昭夫君
      藤岡 隆雄君    道下 大樹君
      米山 隆一君    藤巻 健太君
      岬  麻紀君    伊藤  渉君
      山崎 正恭君    前原 誠司君
      田村 貴昭君    吉田 豊史君
  安全保障委員会
   委員長 鬼木  誠君
   理事 大塚  拓君 理事 國場幸之助君
   理事 宮澤 博行君 理事 若宮 健嗣君
   理事 伊藤 俊輔君 理事 篠原  豪君
   理事 三木 圭恵君 理事 浜地 雅一君
      大岡 敏孝君    木村 次郎君
      武田 良太君    渡海紀三朗君
      中曽根康隆君    長島 昭久君
      細野 豪志君    松島みどり君
      山本ともひろ君    玄葉光一郎君
      重徳 和彦君    渡辺  周君
      浅川 義治君    美延 映夫君
      河西 宏一君  斎藤アレックス君
      赤嶺 政賢君
    …………………………………
   財務大臣政務官      金子 俊平君
   防衛大臣政務官      木村 次郎君
   参考人
   (慶應義塾大学総合政策学部教授)
   (公益財団法人国際文化会館常務理事)
   (APIプレジデント)  神保  謙君
   参考人
   (東京大学公共政策大学院客員教授)        高見澤將林君
   参考人
   (元海上自衛隊自衛艦隊司令官)          香田 洋二君
   参考人
   (嘉悦大学教授)     高橋 洋一君
   財務金融委員会専門員   二階堂 豊君
   安全保障委員会専門員   奥  克彦君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法案(内閣提出第一号)
     ――――◇―――――
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塚田一郎#1
○塚田委員長 これより財務金融委員会安全保障委員会連合審査会を開会いたします。
 内閣提出、我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法案を議題といたします。
 本日は、本案審査のため、参考人として、慶應義塾大学総合政策学部教授、公益財団法人国際文化会館常務理事、APIプレジデント神保謙君、東京大学公共政策大学院客員教授高見澤將林君、元海上自衛隊自衛艦隊司令官香田洋二君、嘉悦大学教授高橋洋一君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
 この際、参考人各位に一言御挨拶申し上げます。
 本日は、御多用のところ御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 まず、参考人各位からそれぞれ十分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人は委員に対し質疑することができないことになっておりますので、あらかじめ御了承願います。
 それでは、まず神保参考人にお願いいたします。
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神保謙#2
○神保参考人 慶應義塾大学の神保でございます。
 本日は、貴重な機会にお招きいただきましたことを委員の皆様に深く御礼申し上げたいと思います。
 私自身は、安全保障、防衛問題の専門家として、また、本日は参考人として、防衛政策、軍事、財政、それぞれの専門の皆さんがいらっしゃいますので、私の方からは、今回の戦略三文書と、その防衛力の抜本的な強化の前提となっている考え方について申し上げまして、その後の議論に資する形で問題提起をさせていただければと思っております。
 本日お配りした資料に沿って進めていきたいと思います。
 まず、前提となる、日本を取り巻く安全保障環境について申し上げます。
 これまでの、安全保障政策の従来からあった前提というのは、アメリカの圧倒的な軍事的優位が西太平洋、アジア太平洋において確立していたということを前提に組み上げられてきたということだったと思います。
 今日の前提は、それが、特に中国のいわゆるA2AD、接近阻止、地域拒否環境が拡大することによって、アメリカの前方展開戦力及び戦力投射能力の優位性自体が自明とは言えない状況となってしまっているということに加えて、日本と中国との関係でいいますと、大体二〇〇五年ぐらいまでは日本の防衛力と中国の軍事費というのは大体同じぐらいの規模だったわけですけれども、それが今日であると四倍、五倍。防衛費の対GDP比一%のまま二〇三〇年代を迎えたとすると、恐らく実質の軍事費の差というのは一対九から一対十へと拡大する、そのぐらいの物すごいギャップの拡大というものが生じているという状況です。
 その中で、二〇一八年十二月の防衛計画の大綱では、初めて、もし自衛隊が航空、海上優勢が確保できない場合、こういう文言が加わったことに見られるように、様々な自衛隊・防衛省の戦力評価の中で、この優勢という概念が、海上及び航空面に関して極めて厳しい環境になっているということを前提として組み上げられた安全保障戦略であるというふうに考えております。
 その中で、今回の三文書では、必ずしも、これが何々戦略であるという戦略の名称自体は明示していないわけなんですけれども、専門家の立場からして、これは、いわゆる日本が採用した積極的な拒否戦略、アクティブディナイアルということが今回の鍵概念であるというふうに捉えております。
 これはどういう概念かというと、必ずしも、今回の防衛費の増強、実質、防衛費、GDPの二%ということを一つの目安としてこれから積み上げていくわけでございますけれども、仮にこの二%を達成したとしても、中国の軍事費にマッチするような規模が確保できるとは言えません。こちらの表にあるように、恐らく、二%を確保したとしても、二〇三〇年代前半の日本の防衛力は恐らく中国の軍事費の五分の一程度であろうというふうに考えているわけでございます。
 したがって、日本の防衛力が確保すべき能力というのは、必ずしも、中国の軍事力と日本の防衛力を規模的に、量的にマッチさせて、そこで均衡を保つことによって抑止力を発揮するというよりは、そうではなくて、中国が仮に力による現状変更を試みようとしたとしても、それがペイしないような形で、つまり、彼らのいわゆる作戦遂行能力自体を自衛隊の能力がどれだけ拒否できるかということによって組み立てられた拒否的抑止の概念、これによって積み上げられたのが今日の三文書が目指している防衛力の姿だというのが私の解釈ということでございます。
 それに従って、二番以降、どのような形で装備計画等を作り上げていったのかということを申し上げていきたいと思います。
 二ページ目以降を御覧いただきますと、陸海空それぞれの形で様々なこれから装備、能力を培っていくということなんですけれども、防衛省が示しました主たる七分野というのは大変重要であるということでございまして、基本的な考え方は、向こう五年間は、現有の装備をより充実化させていって、それがいわゆるサステーナビリティーとか強靱性といったものに資する形で強化をしていく。特に、武器弾薬、そしてその貯蔵施設、そしてそれをいわゆる機動戦力としてモービライズしていくための装備というものが向こう五年間大変重要だということが、七分野の以下の最後の二つですね、示されたところで強調されていた内容でございます。
 それと同時並行的に目玉として挙げられているのがいわゆる反撃能力を含む話ですけれども、先進的なスタンドオフ防衛という体制を様々なプラットフォームによって整えていくということと、そして統合ミサイル防空、総合的なミサイル防衛システムというものを整備していくということが大事な要素となっているということでございます。
 重要なことはタイムラインでございまして、向こう五年間と、そしてそれから二〇三二年までに、我々の自衛隊がどのような形で、安全保障環境にマッチした形で、積極的な拒否戦略を充当するために必要な装備を整えていけるかということがこれからの装備計画の中では大変重要だということを申し上げたいと思います。
 この統合ミサイル防空に関しましては、当然、今、北朝鮮、中国は様々なミサイルを強化しているわけですけれども、そのミサイルの種類、撃ち方、その運用の仕方というものが大変多様化しているわけでございます。
 そういったことから考えますと、従来の二層構え、いわゆるPAC3とSM3による低高度と中高高度の防衛に加えて、例えば、巡航ミサイル、極超音速、変則軌道のミサイル等に対応できるようなシステムとして二〇二〇年代後半を迎えていくということが今まで以上に大変重要な投資ということになると思います。
 スタンドオフ防衛能力と反撃能力に関しましては、様々な御意見がこの委員会の中でもあるということを承知しております。こちらも、細かくいくと、対北朝鮮に関しましては、当然、日本を射程に収めるミサイルの脅威をどれだけ局限するかということを、ミサイル防衛の強化を通じて強化すると同時に、その反撃能力を装備することによって、飛来するミサイルの総数を超えたり、あるいはその被害を局限したり、場合によっては北朝鮮のミサイル発射という作戦機能自体を妨害していく、こういったことに使っていくことが大変重要だということに考えているのに加えて、当然、東シナ海、非常に広域な海や、そして中国本土を含めた陸地、いわゆる固定目標に対しても我々が攻撃をできる能力を持つことによって、自衛隊自身の攻撃の縦深性、縦深性というのは広く深いという意味ですけれども、それを上げることによって我が国の防衛自体の体制というものを手厚くしていくと同時に、当然、これから考えるべきは、より高強度の、台湾海峡危機等を踏まえた様々なクライシスのシナリオに対しても、日本の装備というものが、自らの防衛と、そして同盟の協力という中で、その威力を発揮していくということのために装備計画を整えていくということが大変重要であろうというふうに考えているわけでございます。
 三番目は、先端技術の軍事分野での応用と研究開発ということでございますけれども、少子高齢化がこれからも進む日本の中で、日本の自衛隊の人員の充足率を整えていく、これからも大変難しい時代を迎えていくということになると思います。
 その中で、できるだけ、先進的なテクノロジーと、そして無人化技術、人工知能等のプロセッシングや識別機能、そしてそれをどういうふうに意思決定の中に応用していくのかという仕組みを整えることによって自衛隊の機能というものを飛躍的に伸ばしていくための研究開発、科学技術分野への投資というものを積極化していく必要があるというのが三番目でございます。
 四番目は日米同盟でございますけれども、この日米同盟が直面する最大の課題は、冒頭にも申し上げましたように、中国の軍事力の近代化による接近阻止、地域拒否の環境の拡大であるということに考えております。
 その中で、日米同盟の基本的な方針というのは、このA2AD環境の下であったとしても、アメリカ軍が前方展開を確保し、その戦域内、つまり、第一列島線と中国がみなすような地域の中で戦えるような作戦をしっかりと支援していく体制というものが重要だということになると思います。
 この中で、アメリカの海空軍の最新鋭の攻撃アセットが展開できるようになる状況というものは重要ですし、また、先ほど申し上げましたような、先進的なスタンドオフ攻撃を可能にするような追加アセットの配備というものを通してアメリカ軍が活動できる領域というものを確保するということが大変重要だということになっております。
 時間も限られておりますので、最後の六番と七番を申し上げて冒頭の発言を終わりにしたいというふうに思います。
 六番は、防衛技術基盤の拡充、国際共同研究、装備移転ということでございますけれども、この五年の期間を使いまして、日本の防衛技術基盤の強化、技術イノベーションを加速する仕組みというものを、是非構築を強化していただきたいというふうに考えております。とりわけ、無人化システム、ロボティクス、ナノテクノロジー、そして人工知能の領域、これが軍事分野で、各国で様々な形で実装化される中で、日本にとって戦略的に重要な分野で技術的な優位性を確保するということが大変重要ということでございます。
 そのために、防衛装備庁の体制強化、あるいは、国内企業や大学との連携強化や国際共同研究体制の強化を通じて、未来における戦い方の在り方ということについての革新的な改革というものを是非御支援いただきたいというふうに考えているところでございます。
 最後に、防衛力の抜本的な強化に向けた財政基盤、まさにこの委員会が対象としている議題ということでございますけれども、ポツの二番目、戦略性に基づいた防衛力の整備という観点から、実効的な防衛力の確保、七分野への重点的な配分をするとともに、日本の防衛構想に適合することを前提として、今後の技術革新のタイムラインに沿った、様々な技術というのはアベーラビリティーのタイムラインが異なるわけでございますから、これに沿った研究開発への投資と、防衛産業と技術基盤の確保ということが、予算の傾斜配分ということで大変重要だということが一点目でございます。
 最後に、財政的基盤の整備と最適化への努力ということですけれども、四十三兆円という向こう五年間の予算の確保の中でもということなんですが、戦略的な防衛力の整備のための自衛隊の組織改編、戦力組成の最適化、装備体系の最適化、特にレガシー装備体系を見直し、優先順位を明確化し、様々な事業に関する見直しということを並行的に進め、仕様の共通化、最適化、調達の効率化、長期契約の活用や開発費の高騰リスクの低減、そして安全保障上の優先度を踏まえた研究開発の重点化、研究開発のプロセスの最適化などを通じた努力を通じまして、財政の基盤整備というものを効率的に進めていくということがこれからの防衛政策にとって喫緊の課題であるということを申し上げたいと思います。
 私からの問題提起とさせていただきました。どうもありがとうございました。拍手
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塚田一郎#3
○塚田委員長 ありがとうございました。
 次に、高見澤参考人にお願いいたします。
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高見澤將林#4
○高見澤参考人 御紹介いただきました高見澤です。
 今日は、貴重な機会をありがとうございます。
 昨年十二月に策定された戦略三文書に示されております国際情勢認識、政策課題、事業内容、いずれを取りましても、賛否はありますけれども、画期的なものであるというふうに考えております。
 私は、今回の戦略というのは、国際社会の多面的な構造変化に対応して、我が国として分野横断的で実践的対応力を緊急的に整備する、それとともに、機能的、限定的な抑止力の構築を図り、持続的で不可分一体の安全保障力の実現を目指すものだというふうに言えるかと思います。
 これまで、大綱の見直しなどにおいては、その都度、国際情勢認識と構想のアップデートが図られてきたわけです。残念ながら、それを裏づける予算配分には大きな制約がありました。
 お配りしてあります資料一を御覧いただきますと、ここに大きな谷ができているわけでございまして、仮に、一番左の年から四半世紀、二十五年間、年率一%でもいいから継続的な伸びが確保されていたという場合には、令和四年の防衛予算は六・三兆円を超えているということになるわけでして、この累積効果、いわば負の累積効果というのが非常に大きい。もしそれが順調に伸びていれば、累積のお金も含めますと、状況は大きく改善されていたのではないかという感じがしております。
 そういうこともあって、今回、大幅な資源増加と、しかも、安全保障と経済財政の関係について明確な位置づけがなされたということは、非常に意義深いものではないかと考えております。
 これによりまして維持整備費ですとか施設整備などに光が当たったということは、資料二を御覧いただきますと、非常に維持費が高騰化している、しかも人員は非常に厳しいという中で、即応態勢や装備品の可動率の低下という自衛隊の現場が抱えていた問題、それが少しでもその苦悩の解消につながるものではないかというふうに考えております。
 新たな戦略におきましては、資料三に示すとおり、我が国の安全保障を支えるために強化すべき国内基盤というものが掲げられておりまして、この中に、経済財政基盤の強化が最初に来ております。安全保障と経済成長の好循環、有事の際の持続的な対応能力の確保、有事の際の財政需要の大幅な拡大への対応などの観点から、経済、金融、財政の基盤の強化に不断に取り組む重要性が指摘されました。また、それが防衛力の抜本的強化を含む安全保障政策を継続的かつ安定的に実施していく前提でもある、こういう認識が示されております。この点は今後の対応を考える上で重要な視点であると思いますし、まさにそのために本委員会で法案審議が行われているものと認識をしております。
 岸田総理が、「スピード感を持って防衛力を抜本的に強化していきます。」と述べられたのは、実はウクライナ侵攻前の令和三年の十二月の所信表明演説だったわけです。つまり、ロシアのウクライナ侵攻の前に起きたことなのに抜本的な強化ということを言っていたわけですけれども、この一年以上にわたるウクライナ侵攻の、戦争の展開というのは、我が国としても、幅広い分野における総合的で持続的な対応能力を確保することがいかに重要かということを再認識させるものでありました。
 この背景には、やはりウクライナ戦争以前から生じていた国際社会の多面的な構造変化があると思います。その点については資料四を御覧いただきますとよく分かるわけですけれども、私は、この中でも、グローバリゼーションと相互依存のみによって国際社会の平和と安定は保障されないことが改めて明らかになったということ、さらには、インド太平洋地域、とりわけ東アジアにおいて、戦後の安定した国際秩序の根幹を揺るがしかねない深刻な事態が発生する可能性が排除されない、この二つの認識が重要だというふうに考えております。
 資料五と六は、少し細かい資料になりますけれども、これまで累次策定されてきた防衛大綱の国際情勢認識などの変遷を示したものです。青い部分は相互依存関係による国際関係の安定化ということでございますけれども、三〇大綱をやや別にすれば、この点が強調されてきたというふうに思います。
 そしてまた、防衛力についても、深刻な事態を想定した必要な対応能力を確保する、そういう視点より、その時点の現有防衛力を基準に調整を行うという手法が取られてきたということが否めないと思います。長い間我が国が前提としてきた戦略環境、こうした戦略環境にこれまで見られなかった質的変化が生じた結果、新たな対応が迫られている。それが防衛力のプランニングの面でも財政面でも迫られているということではないかと思います。
 したがいまして、今回の特別措置法案というものは、こうした国際情勢の変化を踏まえて、その悪化を防ぎ、これを反転させるという観点から評価すべきものだと考えております。
 また、新たな防衛力整備計画の検討に当たっては、資料七にあるような形で、相手の能力と新しい戦い方を踏まえ、想定される各種事態への対応について、能力評価等を通じた分析により将来の防衛力の在り方の検討が行われたわけでございます。そして、その上で、防衛力の達成目標について、編成定数とか装備規模という従来の手法にとどまらず、それに先立って主要分野ごとの能力目標が示されております。しかも、五年後と十年後という二段階の目標を具体的に設定したということであります。ですから、今回の三文書において、このように諸計画の体系が明確になったということも画期的なことではないかと考えております。
 いずれにいたしましても、こうした事業の具体化には従来の戦略の実施過程とは全く異なる発想と格別の努力が求められていると考えます。検討を先送りせずに結論を出すスピード感、それから、事業の見える化など透明性のあるプロセスの確立が不可欠だと思います。また、これを実現するためには、財源やそれに加えて人材の確保が大きな課題であると思います。これらの措置の実施に当たっても、新しいアプローチに見合うような、従来にない機動的な手法を積極的に取り入れることが重要であると考えています。
 今回の戦略三文書には、こうした観点が随所に含まれております。非常にすばらしい点もあると思います。しかし、私は、計画の策定よりもその具体化というのがいかに困難かということを非常に強く感じておりますので、資料八にありますけれども、こうした戦略を実現するための方策について、繰り返しになりますけれども、この場で私が重要と考える点を述べさせていただきたいと思います。
 その項目は五つありますけれども、ここでは、官民協力の体制の確立のためのソフトウェアの強化、さらには、変化に応じて柔軟に計画、事業を見直すメカニズムの確立、そして、関係府省の各種事業の見える化、生きたデータベース化、さらには、計画の戦略的、機動的実施、検証のためのメカニズムの構築ということで書いております。
 その中では、まず何より、政府による積極的な情報発信、あるいは関係者間における機微なものを含めた情報共有を可能にする制度の導入、さらには国民の安全保障意識の形成、定期的な訓練やセミナーなどを通じたオール・ジャパンとしての能力の検証などが必要だというふうに思っております。
 また、年度予算制度の制約の克服や安全保障環境への加速化という観点からは、柔軟に計画、事業を見直し、機動的かつスピーディーに計画を実施していくということが非常に重要であると思います。そのためには、研究開発における進行段階での目標水準の引上げ、あるいはリスクが高くとも先端的な内容を目指す研究に対する支援の拡大、あるいは事業の進捗の加速化に対するインセンティブ規定の活用、集中的整備のための予算の柔軟配分、さらには機動的な資金の活用や会計手続などの簡素化であります。
 こうしたことは安保委員会でも審議された法案でかなりの実現はしておりますけれども、更に加速化させていく必要があるのではないかというふうに思っております。
 最後になりますけれども、新たな国家安全保障戦略の最後に「結語」として、「我々は今、希望の世界か、困難と不信の世界のいずれかに進む分岐点にあり、そのどちらを選び取るかは、今後の我が国を含む国際社会の行動にかかっている。」、こういう「結語」がございます。
 私自身、新たな戦略のこの言葉には非常に共感するものでありまして、まさに、先を見通すための情報の統合力、変化に対する感度豊かな戦略的機敏さ、そして、計画を実行、検証、改善し続ける粘り強さというものが必要だというふうに思っております。
 国会及び政府におかれましては、官民を挙げて幅広い人材がこうした認識の下に、それぞれの持ち場で積極的に対応できるような環境を構築していただきたい。そのために、複数の選択肢と結論に至る思考過程、さらにはその判断に至った考慮要素を明示され、客観的なデータと関連情報を十分に発出され、検証を踏まえた政策の機動的な転換と迅速な実施に努めていただくようお願いするところでございます。
 今日は、御清聴ありがとうございました。拍手
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塚田一郎#5
○塚田委員長 ありがとうございました。
 次に、香田参考人にお願いいたします。
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香田洋二#6
○香田参考人 元自衛隊OBの香田でございます。
 今までお二方の参考人が、我が国の新しい防衛戦略、取組、問題点、特徴等を非常に正確に話されまして、私は今日、この委員会の元々の趣旨から、財源確保ということについて元自衛官から見てどのように映るかということについて申し上げます。
 それ以外については、小異はありますけれども、ずっとある意味一緒にやってきた仲間で、ほぼ大きなところは一緒でございますので、元自衛官がお金のことを言うのかと言われそうでございますけれども、少し、今まで現場でやってきた者から、予算というものがどういうふうに見えているのか、あるいは予算確保がどういうふうに映っているのかということについて申し上げたいと思います。
 まず、令和五年度以降の我が国の防衛力の抜本的な強化、このための防衛力をGDPの約二%というところまで増額するという政策につきましては、私が自衛隊に入隊した頃なんですが、三木内閣以来のいわゆるGDP一%の目安といいますか、シーリングに強く縛られてきた、その中で防衛大学校それから自衛隊で四十年以上を勤務してきた者としては、やはり画期的なものとしてこれは支持もしますし、高く評価されるものだというふうに考えます。
 今回の特別措置法につきまして、私自身が専門家ではありませんので、財務省あるいは各政党のホームページ等で、私自身、限られた範囲でございますけれども、勉強したところですと、今回の特別措置法というのは、防衛費の増加分、これをカバーするために税外収入所要として約四兆六千億円必要である、こういう見積りの下、現行法でカバーできない事項、つまり、一兆二千億円程度の外国為替資金特別会計繰入措置、それから財政投融資関連で約二千億円、それから国立病院機構、地域医療機能推進機構等の繰入金約一千億円ということで、合計一兆五千億円を確保するための法律というふうに認識をしております。
 ただし、これでは当然、総額四兆六千億円の増額分をカバーできませんので、この特措法の差額、約三兆一千億円につきましても特別会計の繰入金などの税外収入を充当して、全体として増額をする防衛予算を確保するという大きな考えに立っているというふうに認識をしております。
 そして、今回の特措法の措置、それとそれ以外の税外収入、これによって防衛費の増額分を賄うという手法につきましては、防衛費増加分の収支バランスを取るという政府の一つの重要な政策としては評価できるものというふうに考えます。
 ただし、同時に、本来、我が国の防衛というものは社会保障あるいは教育などと並ぶ国家と我が国社会の礎でありまして、その観点からは、今回の防衛費負担の政策、政府の方針の柱であるバランスシートの確保で所要予算措置を講じるということについては、やはりいささか不十分であろうというふうに考えるところであります。
 つまり、我が国の防衛、これに国民がそれぞれの立場でひとしく参画をする。よく負担と言われますけれども、これはやはり参画が必要だというふうに考えますけれども、そういう国家の基本を重視して、それから予算措置を取っていく。つまり、究極的には、税金で国民に防衛費の増額をお願いするということが、自衛隊としては、国民にお願いすることは多くなるんですけれども、自衛隊と国民の距離、我が国の安全保障、防衛と国民の距離というのは、結果的には一番近くなるんじゃないかというふうに考えるところであります。
 特に、私が自衛隊に勤務した経験から申し上げますと、我が国の防衛は全国民の責任という基本的な事項が、今まではですよ、憲法へのある意味の遠慮、あるいは、更に昔になりますけれども、各党の大幅な安全保障政策、防衛政策の対立によって、国防が国民の重要な、一番の事項なんだ、社会の基礎なんだということについて掘り下げた論議がなされてこなかったということについては、自衛隊におりながら、非常に苦く、歯がゆい思いをしてきたところも事実でございます。
 そして、今回、自衛隊の能力強化あるいは防衛費の増額につきまして大多数の国民の理解と支持が間違いなく高まっている現状でありますけれども、この時点で、国民に改めて、我が国の防衛は、自衛隊の占有物にあらず、全ての国民がひとしく対応すべき国家の基本であるという大原則を、国会として理解をしていただく、あるいは、政府の政策として理解をしていくという観点からの論議が非常に重要ではないかというふうに考えております。
 時間の制約で、今まで申し上げてきたことをまとめますと、今回の予算確保政策論議、この中で、元自衛官として、そして実際に海上自衛隊の予算を直接十年間担当した立場として見ますと、やはり欠けているところというのは、我が国の防衛の最も重要な要素である、国民一人一人がそれぞれの立場で直接間接に国防に関与していく自覚、これを養成するという政府と国会の覚悟と決意、ここが問われるところだというふうに考えます。
 国民のこの自覚なくしては、幾らGDPの二%というふうな大きな予算を投入して整備をした最新装備あるいは最強の防衛体制を完全に機能させることは不可能である、あるいは非常に難しいということは、まさに今のウクライナの国民の方々の頑張り、これが示すところだというふうに考えます。
 その裏づけとして、国民の防衛への参画意識の高揚という基礎事項を防衛予算を通じて実行する。そのためには、財源というものをどうするかということについて慎重かつ精緻な論議が必要だというふうに考えます。
 最後に、国民の参画意識なき自衛隊の我が国防衛任務の完遂、これは極めて困難であると考えます。厳しく申し上げれば、不可能に近いというふうに言えると思います。
 ということを申し上げまして、また、この機会を与えていただいたことに感謝を申し上げまして、私の陳述を終わります。
 ありがとうございました。拍手
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塚田一郎#7
○塚田委員長 ありがとうございました。
 次に、高橋参考人にお願いいたします。
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高橋洋一#8
○高橋参考人 高橋洋一でございます。
 本日、このような機会を与えていただきまして、誠にありがとうございます。
 私の方は、資料を用意しましたのでそれに沿ってお話ししますけれども、元々財務官僚だったので、もしおまえが担当だったらどのように予算を組むか、そういう観点をちょっと入れながら話をさせていただきたいと思います。
 最初に二ページ目ですけれども、新たな防衛力整備に関する財源確保というので、これは事務局からいただいた資料ですけれども、防衛力整備の水準が四十三兆円ですけれども、予算総額としては四十・五兆円。それで、これは今の予算を伸ばして二十五・九兆円ですから、追加的には十四・六兆円という形であります。
 それで、その中で内訳がありまして、十四・六兆円の中で、上から、税制措置、これは増税ですね。次に防衛力強化資金、これは今回の法律の話だと思います。それとあと決算剰余金の活用、これがあって、その後に歳出改革というのがあって、それぞれ数字が出ているんですね。防衛力強化資金は四・六兆円、決算剰余金の活用というのは三・五兆円、あと歳出改革というのが三と書いてあるんですね。なぜか一番上の赤い数字だけ余り数字が書いてないんですけれども、引き算すれば出てきます。引き算すれば三・五です。五年間で三・五を確保すればいい、そういうふうなことであります。
 多分これは、色を変えているのはちょっと意味がありまして、青いやつとそうじゃないやつと分かれていますね。
 青いやつというのは、私の経験では、歳出改革というのは、言うはやすしで、いろいろな省庁から非常に文句が来るので、結構これは実行するのは難しいです。あと決算剰余金の話、これは財務省の方がかなり、いろいろな会計操作の関係で数字が動き得るやつですね。
 それで、その後の数字をこの法律でということで、先ほどから言われましたけれども、外為特会の話というのと財投、それとあとその他というので四・六兆円ということであります。
 その次の三ページ目。
 私は財務官僚だったんですけれども、アメリカに留学したときに、何を勉強してもいいと言われたので、元々データ分析が趣味だったので、戦争の確率というのを、過去の戦争データをデータ分析して、どのようにしたら減るかという話をやりました。もちろん今までの御発言になった参考人ほど専門家ではなくて、非常に漠とした話なんですけれども。
 そのときに、過去の、三百年間ぐらいですかね、戦争データを見ていますと、大体三つぐらいの要素で戦争の確率は決まる。それで、それをどういうふうにやるかというと、戦争の確率は減らせるというのが実は統計的には言えます。
 一つは、相手国が民主主義国かどうかというのは非常に大きな違いがあります。
 これは、日本をそのまま当てはめますと、周辺三か国は非民主主義国で核兵器保有国ですから、これは極めて危険地帯という形に出てきます。これはもういかんともし難いですね。要するに、相手国の話ですから。
 そうすると、二番目、三番目でやるんですけれども、防衛費のアンバランスというのを防ぐというのが一番、ファーストステップですね。今回は、この防衛力強化というのはその第一歩というふうに評価できると思います。
 三番目は、同盟関係を強化するということです。
 これは、ちょっと前に安保法制をやっていただいたのでそれなりに戦争確率は減っているんですけれども、それでも不完全であります。
 でも、一番目がある以上、二番目と三番目でやるしかない。
 これがいわゆる抑止力という話でして、実際に相手を思いとどまらせるという意味で、簡単に言っちゃうと、何かあったときには二倍返しする、三倍返しする、そういうふうな言い方になります。そういうことで相手に思いとどまらせるというのが一番ポイントであって、そこが結構データ分析で出るんですね。実際、こういう防衛力の話とか、同盟関係を強化しますと、戦争確率は有意に減ります。
 ということで、今回、その意味では、総論的には結構評価はできるんですけれども、あと、財源の話にちょっと関わっていきたいと思います。それは、次の四ページ目を御覧になっていただきたいと思います。これで四つほど。
 私が若しくはあれでしたら、先ほど申し上げた外為。外為といっても、これは利差益というやつでして、昔からやっているやつです。その意味では新しい手法ではなくて、私は以前、小泉政権のときに埋蔵金男と言われましたけれども、そのときもやりました。
 それで、それ以外でちょっと考えられるのを四つほど挙げました。
 一つは建設国債、もうちょっと増額できるでしょうと。それとあと、国債整理基金特会で債務償還費が使えますねと。それとあと、外為特会、ここは評価益ですね、評価益のところは使えますよと。それからもう一個は、ふるさと納税というのがありますね。それぞれについてお話ししたいと思います。
 最初の建設国債ですけれども、ここは、安倍元総理が防衛国債を言って、次の五ページ目の資料です。
 今度の新しい予算では、それなりに広がっています。建設国債対象経費というのは予算総則に全部載っているんですけれども、以前は、防衛省のところは欄がなかったですね。欄がなくて、海上保安庁のところしかなくて、海上保安庁のところで船舶建造費しかなかったんですね。それに今回は防衛省の欄ができておるので、これはこれで一歩前進だと思いますけれども、ちょっと見ると、海の話ばかりですね。何でほかの話がないのかよく分からないです。多分、海上保安庁に合わせたんでしょう。海上保安庁を建設国債対象経費でやって、私はいろいろなところで言いましたけれども、海上保安庁は当然のことながら海のものしかないんですけれども、自衛隊は陸も空もあるわけですから、どうしてここは海なのか私にはよく分からないところであります。
 ちなみに、ここにずっと防衛省の欄がなかったのは、私は物すごく不思議に思っていまして、ちょっと変な仮説を持っております。私は元々財務官僚でしたし、GDP比一%というのがずっと続いたというのもちょっと不思議な話なのでここにも変な仮説を私は持っておりまして、ずばり言うと、防衛省の会計課長、これが財務省からの出向者であるからというのが私の仮説であります。まだ検証されておりません。大体、出向して変な予算要求をすると帰ってこれなくなるといううわさがあったということだけ言っておきます。本当にそうだったかどうかは分かりません。
 あと、国債を出すと大変だということに対しては、実は、財政を見るときに、これはバランスシートで見るのが当たり前です。まず、連結された政府、それが次の六ページにあります。
 ここで、政府の子会社を全部含めた、連結したもので見るというのが普通です。これは統合政府という見方です。そういう観点から出すと、当分の間大丈夫なんですね。
 実は、このほかにも隠れた資産として徴税権というのが数百兆ありますので、日本の財政がちょっとやそっとではへこたれるような話ではないということだけ言っておきたいと思います。
 実は、債務が、国債が大きいから大変だと言う人がいますけれども、普通はこのバランスシートで見ていて、これが実は財政の破綻確率に極めて関係があるというのは過去のデータから見ても実証もされているところでもあります。
 これは、もうちょっと言うと、建設国債を出していて、抑止力の観点から考えると、実際に資産はまだ残るんですよね。だから、その意味で、財政を余り悪化させる話じゃないので、こういうふうに国債を活用するという手はあるとは思います。
 次の七ページ、これは国債に関連する話ですけれども、債務償還費というのがありまして、これは日本独特であります。ちなみに、これは財務省の資料から、私も役人のときにこれも書いた記憶があるんですけれども、それから取ってきました。
 先進各国、これは減債基金という言い方をするんですけれども、実は、国債整理基金みたいなもので、基金を積んでおくというのはないです。ですから、その意味では、債務償還費を計上する国もない。だから、あれを使ってもどうってことない。あれを使ったらどうなるかというと、その分、国債が出ていますので、ある意味で防衛国債と同じような形になります。これが普通であります。
 ですから、国債を使うのは全然不思議じゃなくて、例えばドイツなんかも今回のウクライナ危機の関係で基金をつくりましたけれども、これも国債でやっております。
 その次のページ、これが外為で、利差益というのは今回も入っています。そこは分かります。でも、評価益の話。これは、評価益を入れると残高が減るんですけれども、日本は評価益を使っていないという資料であります。
 G20の中で外貨準備が、これは大体外為特会の資産なんですけれども、これの対GDP比を見ると、変動相場制の国、自由変動相場制と書いてありますけれども、日本だけが突出して大きいというので、非常に変な形になっております。ですから、これを活用するという手はあるんだと思います。
 その次は、ふるさと納税、次のページ、九ページ目に入ります。
 この制度、実は私が結構関わってつくって、菅さんが総務大臣のときにつくったんですけれども、言ってみると、寄附するけれどもその分だけ税額控除するという仕組みで、非常に珍しい制度であることは間違いないんです。
 ですから、これをもって、寄附するけれども税金がその分安くなるという意味で、その当時、中川秀直さんが、これは家計が主計官になるのか、そういうふうな面白い表現をされましたけれども、全くそのとおりです。
 この点について、財務省の方は、これは予算から外れるから問題だという言い方をするんですけれども、税額控除するというのは法律で決めるわけなので、実は議会統制は整っています。要するに、議会統制するときに、法律と予算という二つのやり方があるというだけでして、財務省はいつも、これは予算じゃないからいかぬと言うんですけれども、それは自分で集めて配るのが仕事の人が言うというだけで、これはある意味で非常に民主的なやり方であります。
 ですから、こういうのを活用するという手もあると思いますし、これでやると納得感が非常に高いですね。ですから、それで活用するという手もあるということも申し上げておきたいと思います。
 以上、また繰り返しになりますけれども、四つほど、財源、簡単に確保できるのがあるので、何で増税なのか私にはちょっとさっぱり分からないというところで話を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。拍手
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塚田一郎#9
○塚田委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
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塚田一郎#10
○塚田委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。高村正大君。
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高村正大#11
○高村委員 自由民主党の高村正大です。
 神保先生、高見澤先生、香田先生、高橋先生、ありがとうございました。
 いろいろ質問も作ってきたんですけれども、今日ちょっと伺った中で、僕はすごくやはり正しいなと思うのが、香田先生の、我が国の防衛は、自衛隊の占有物にあらず、全ての国民がひとしく負担するべき国家の基本、これはまさにそのとおりだと思うんですね。
 そして、高橋先生がおっしゃった、新たな財源の中で、水色の部分、削減する部分というのはなかなか各省庁も受け入れられない、これも多分事実なんだと思います。
 今のこの厳しい安全保障環境が長引けば長引くほど、この部分で今考えている財源じゃなかなか足りなくなってくることが想定されると思います。
 そして、やはり安定財源というのを考えた場合、高橋先生は、まだ国債とかいろいろな余地がある、あるいはほかの財源もあるというお話だったんですけれども、やはり、我々は、国民がしっかり自分事として防衛を考える際に、正面から、消費税も含めた、消費税をタブー視しない、こういった増税の議論もしていかなければならないんだと思います。
 この点について、四名の参考人の先生方から、どういう御意見かということを伺えればと思います。
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神保謙#12
○神保参考人 まず、香田参考人がおっしゃられた、国防、日本の防衛は、自衛隊の占有物にあらず、国民がひとしくこれは責任を負うべき課題、そのとおりだと思います。また、防衛費、そしてこの自衛隊が強化された状態の受益者は誰かというと、これは国民一人一人ということになります。
 もちろん、そこに、どこに基地があるのか、どのような自治体が負担をしているのかというのはそれぞれ検討しなければならない内容だと思いますけれども、安全の受益者は国民だというのはそのとおりだというふうに思います。
 したがいまして、その受益者である国民が防衛にどのような形で関わるのかということにおいて、ある特定の人が出すというよりは、それぞれの国民が出していく方式というものが適当ではないか、ということを考えるというのが一点でございます。
 今回の法案の中で審議されているのは向こう五年間の話なんですけれども、実は、この防衛体制というものを持続的にしていくためには、更に五年、二〇三二年までの財政支出の規模、水準というものが一体どういう推移を描くのかということも踏まえた形での制度設計というものが大変重要なのではないかというふうに思います。
 五年間の予算の確保、いろいろ岸田総理以下、御準備されたということは大変高く評価したいというふうに思うんですけれども、それでは次の五年をどうしていくのかということも踏まえて制度設計をするということがもう一つの大きな課題ではないかと考えているところでございます。
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高見澤將林#13
○高見澤参考人 今の御質問でございますけれども、安全保障の、国民が全体として考えていくべきというのは、私が先ほど配った資料の中にありますけれども、社会的基盤あるいは知的基盤ということで、まさに国民一人一人が安全保障意識をしっかり持つような形で、いろいろな知識も得て、判断材料を持った上でクリティカルシンキングをするということが非常に大事ではないかというふうに思っております。
 それから、財源の問題につきましては、今回の防衛力整備計画におけるいわゆる流れ出し、二〇二七年度予算以降に支出が必要な経費というのは非常に大きなものがございますので、そういったものを安定的に確保するためには、やはり長期的な視点が必要ではないかというふうに思っております。
 それで、私は、消費税の問題につきましては、ヨーロッパにいた経験からしますと、やはり、スウェーデンのようなタイプであるとか、いろいろな形ができるのではないか。ですから、教育、医療に対する非常に手厚い負担、それから、セーフティーネットを構築しながら、それぞれの人が積極的にいわゆるスキリングができるような環境をつくりながら、消費税というような形でやるというのは、私は一つの大きな方策ではないかなというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、所得税率の問題もございますので、あくまで税は総合的な対応ということが専門家の考えだというふうに思いますけれども、私はやはり、とにかく積極的に、前向き志向でいく、縮み志向ではなくて、前向きな投資をする、そのためにはお金が必要だ、そのためにも税収を確保しなければならないという、縮み志向ではなくて、そういう前向き志向でいくべきものだというふうに考えております。
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香田洋二#14
○香田参考人 そもそも論としてはやはり税金ということを考えているんですけれども、私があえてここで今回申し上げさせていただいたのは、バランスシート論、財源論を余り、そこに集中してやりますと、国民は、我が国の防衛というのはやはり他人のことで、頭の上で空中戦をやっているというイメージを持たせるんじゃないか。
 そこで、私が政府と国会の覚悟と決意であると申し上げたのは、この論議の中で、私は、完全に税金でできると思う、恐らく非常に難しい、私自身も海上自衛隊の予算をやっていましたので。あるいは、今、高橋参考人が言われましたように、財源というのはいっぱいあるのでもっと利口にできるはずだという、これも知恵ですよね。恐らく、そのどこかの中間点であるんですが、その論議の過程の中で、国民の皆様に、あなたたちなんですよということをどう理解していただくか、そこが皆様に対しての真価が問われるところだと思います。
 ということを私は申し上げましたし、今の御質問に対するお答えとさせていただきたいと思います。
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高橋洋一#15
○高橋参考人 防衛支出というのは非常に外部性がある支出ですね。あと、将来に対する投資。これは、参考人の方からも意見がありましたね。
 外部性があって、非常に将来に対する支出というものですと、ファイナンス論からいうと、これは実は国債が筋になります。国債だといっても、別に返さないというわけじゃないですからね。要するに、返す期間の問題の話だけなんですね。ですから、その意味では国債を出してやるのが筋で、ですから、ドイツなんかもそういう形でやったんだと思います。
 その意味で、税金だ税金だというと財源論としてもっともらしいんですけれども、それは経済をちょっと縮めてしまいます。大体、将来投資をするときに全部経常利益でやりますかと企業経営者に聞いたら、それはやらないというのが普通ですね。ですから、その意味で、私は、ファイナンス論から、税金だというのは直ちにいかないと思います。
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高村正大#16
○高村委員 ありがとうございました。
 本当に、我々国会議員もしっかりと覚悟を持って国民に説明していく、こういうことをしなければならないというのはまさにそのとおりだと思います。
 そして、ちょっと、元々考えてきた質問を少しさせていただきたいと思います。
 今、我が国を取り巻く安全保障環境は、本当に厳しさを増している。そして、その中で、防衛力の強化、整備が喫緊の課題だということは、多少程度の違い、あるいは方向性の違いがあっても、ほとんど全ての方々の共通認識だと思っております。そして、何も、防衛力の強化というのは、戦争をするためじゃなくて、戦争を起こさないため、あるいは、それによって外交力を強化して、相手が、日本に手を出したら自分たちも大変な目に遭うから、やはり戦争はできないな、こういうことを思ってもらうことが最も大切だと思っております。
 今回、防衛費を大幅に増加させる以上、真に実効的な防衛力整備を進めてほしい、このように思っております。
 この防衛力整備に当たって、もちろん、我が国の特性を踏まえていかなければならない。我が国は海洋国家である、こういった地理的な特性もあります。こういったことを含めながら、今回の防衛力整備計画において、この地理的な特性がしっかりと考慮されているとお考えかどうか。この五年間で四十三兆円という非常に大きな防衛力整備計画の内容について、各参考人がどのように評価をされているかについて、教えていただければと思います。
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神保謙#17
○神保参考人 御質問ありがとうございます。
 私は、防衛力の内容を判断するに当たって幾つかの指標があると思っていまして、一つは規模、そしてもう一つは質、最後は運用、特に即応能力というところだと考えています。委員おっしゃいましたとおり、どのように戦争を起こさせないようにするのか、抑止力をどのように高めていくのかということを図るときに、この三つの指標というのはそれぞれ大変重要な役割を果たすということでございます。
 ロシアのウクライナ侵攻、なぜウクライナそして西側諸国はロシアのウクライナ侵攻を抑止できなかったのかということを考えたときに、これは検証が当然必要ですけれども、恐らく、ロシア側、そしてその意思決定者である最高指導者であるプーチン大統領が、このウクライナ戦争を、侵攻することによって得る利益は、それによって抵抗されるコストよりも高いと判断した。その判断というのは、恐らく相当程度過小評価だった。つまり、自分に対する過大評価、抵抗する側に対する過小評価であったということがあるんだと思います。
 この評価をしっかりと一致させて、やはり、どこかに侵攻したら、自分たちにとってより高いコストがかかるようになるんだなということは、それに応じた規模と質と即応能力が備えていられるか、それに一致していれば我々は正しい投資をして、それが足りなければ、それは正しい投資をしていないということになるんだと思います。
 その点でいいますと、特に、向こう五年間、現有装備をより実効的に高めていく努力というのは大変重要でありまして、例えば、今、ウクライナ戦争においてロシア軍が一日に使う弾薬量は数万発というふうに言われています、一番多いときは六、七万発というふうに。自衛隊は弾薬量は当然公開していないわけですけれども、同じような形で戦闘を行った場合にどの程度自衛隊の継戦能力が保てるのかというのは、恐らく大変これは厳しい数字になるだろうと私は想像しております。
 したがって、その継戦能力を通じて、日本がしっかりと、負けないための持続的な戦闘能力を維持するというのはまず大変重要な投資であるということは申し上げたいと思いまして、そのための予算が確保してあるということについては、大変心強いことであるというふうに思っております。
 また、日本の地理的な特性、特に中国、北朝鮮、ロシアと、我々は三正面を今相手にしているわけですね。前大綱のときまでというのは、これはウクライナ戦争が起こる前でしたから、我々が正面に見定めるべき北朝鮮と中国の軍事力に対して、ロシアは、どちらかというと、より、プラスとは言えないけれども、マイナスをできるだけ下げていく役割として、日ロの二国間の協力を深めていく、こういう戦略性があったんだと私自身は理解しているんですけれども、これも、昨年の二月二十四日の侵攻以降、日本政府は対ロ政策を完全に転換したということにおいていいますと、戦略論としては極めてコストのかかる方式ですけれども、我々は三正面の相手を対象とせざるを得ず、また、その三正面の相手には異なるパッケージングで防衛力を整備しなければいけないということを考えると、できるだけ、この三つの相手に対して共通基盤で整えられる装備は何かということをしっかりと考える。
 例えば、統合ミサイル防空というのは、これは広域防空ですから、北朝鮮であろうと中国であろうと、ロシアが仮に極東配備したミサイルがあったとしても共通で対応できるとか、あるいは、機動展開能力というのは、例えば、どこに装備が置かれていたとしても、比較的短時間で機動展開をして、そこで対処能力を示すことができる、こういった能力をそろえていくということが、いかに日本の安全保障の特性にとって重要かということを物語っているということであると思いますので、必ずしもこれがその脅威だけに特化した装備というよりも、より汎用性の高い装備として整えられているかどうかというのが一つの質の判断基準として大変重要なポイントではないかと考えております。
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高見澤將林#18
○高見澤参考人 簡潔に申し上げたいと思います。
 まず、地理的な特性といった場合に、私は、やはり非常に大きいのは、中国、台湾、それからロシア、北朝鮮もありますけれども、やはり、海洋国家であるし、それから災害に非常に弱い国である。ここの部分を考えたときに、日本の対応というのは三重、四重に厳しいということでありますので、ある意味、そういった複雑な脅威に対してどういうふうに対応するかという優先度づけですね。
 それから、予算計上には皆さん熱心なんですけれども、実際にどう使われて成果が上がっているかという、そこの部分の検証と柔軟な対応というものをもっともっとやっていかなければいけないのではないかというのが、非常に、印象です。
 それで、あえて、宇宙、サイバー、いろいろなドメインがありますけれども、私は、やはり今後の日本の防衛力の設計に当たっては、情報、これは警戒監視能力もありますし、認知戦領域も含めた情報力の部分と、あとは、やはり水中ではないかと。水中優勢というか、我が国の周辺の海域における戦力というものをどういうふうに展開して、それで抑止力を高めていくのかということではないかなと。
 最後に申し上げれば、やはり意思決定のスピードだというふうに思います。これは、やはりいろいろな経済の問題でも、どの時点で対策を打つかによって大きく結果が変わってくると思いますけれども、国会も含めまして、日本全体としての意思決定のスピードを高めるということが非常に重要ではないかと思っております。
 以上です。
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香田洋二#19
○香田参考人 まず、実際に、冷戦時代にソ連、冷戦の後、テロとの対立の環境、それから中国と現場で向き合った身からしますと、恐らく皆さんに一番欠けているのは、中国も北朝鮮も日本を怖がっているということですよ。我々は間違いなく、同じ、高村先生が言われたような脅威意識を持っています。相手も同じです。我々はただの何もしない人じゃないんですよね。
 ということは、彼らが我々に対して脅威意識をどう持つか、その中で、より健全な脅威、機能する脅威としてどうするかというのがこれからの防衛力整備であり、国民の皆様からいただく四十三兆円であり、いかに機能する自衛隊をつくり上げていくか、あるいは我が国の防衛体制をつくり上げていくかということに尽きますので。
 理解できます。もう本当に大変だ大変だというのはあるんですけれども、実は、兼ね合いで相手も同じように考えている。
 北朝鮮は強がっていますけれども、実は、この国、我々日本というものを下手に軽んじると、また別の意味のしっぺ返しが当然あるということを考えないとしたら、北朝鮮の指導部、北朝鮮の軍、ロシア、中国も、同じように大したことはない。ちょっとこれは言い過ぎですけれども。逆に言うと、それぐらい考えているという、その中で我が国をどうやっていくかということなので、二%、一%が無力だということでは決してないということなんですよね。
 ということと、あと、もう一つだけ申し上げますと、実は、よく、今、南西列島線防衛と言われていますけれども、これは、ちょっと今回の安全保障戦略で一部触れられているんですが、中国が南シナ海で、東シナ海でいかに悪さをしようと、中国が絶対変えられないのは地形です。
 この地形は、日本とかフィリピンとかインドネシアとか、中国が支配できていないんですよね。この地形というのは、評価のしようはありましょうけれども、多く見れば人民解放軍全軍に匹敵するぐらい、うまく使えば我が国に使えるわけです。そして、今我が国が持っているんです。これをどう使うかというふうな論議が、大変だ大変だという論議の中で忘れられている。
 これは、私は、真剣にやっていただければ四十三兆円というのがもっと上手に使える、その知恵はないものかということについて是非お願いをいたしたいというふうに考えます。
 以上です。
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高橋洋一#20
○高橋参考人 私は、量と質、質の点について余り答弁する資格がないので、先ほどの数量分析という形で、量だけをお話をします。
 ちょっと前まででしたら、仮想敵国は一つ、一つでGDP比一%ということで満足していたというんでしたが、今度は三つあるわけですよね。そうしたら、普通に考えればGDP三%。これはそのぐらいの方が多分政治的メッセージも大きいと思いますし、ここは多々ますます弁ずということになっちゃいますけれども、少なくとも、三つぐらいで非常に危険地帯、三つの国があって危険地帯であることは間違いないですね。ですから、その意味では、対外的なアピールをするためのGDP比三%ぐらいあっても私は全く不思議はないと思います。
 ただし、これを直ちに用意するのは大変だというのはそのとおりだと思いますので、ですから、財源の話についても長期的に、これは将来投資ですから、ゆっくり議論していただいて、やっていただければいいのかなというふうに思います。
 以上です。
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高村正大#21
○高村委員 ありがとうございます。
 もちろん、これから長い視点で、今の環境が変わらないとしたら、しっかりと防衛力整備を更にしていかなきゃいけないと思うんですが、今回、防衛力を抜本的に強化しようというのは東アジアの環境が悪いという前提だったと思います。
 ただ、今後の外交交渉とか、あるいは専制的な国の制度が倒れて、我々と比較的共通の価値観を持てるような国に周りの国々がなった場合というのは、これは元の水準まで防衛費を下げてもいいと思われるか。そうすると、いろいろな、これから子供、子育てとか、更にお金を使わなきゃいけない分野はたくさんあると思うんですね。そういった柔軟な運用ができるようなことを、これからこの五年間は今回のパッケージでいくにしても、その後を考えた場合、果たして、周りの国が少し我々と価値観を共通できるようになってきた場合、防衛費を減らしても、柔軟にやってもいいとお考えか。それとも、それでもまだまだほかに脅威は出てくるはずだから、ある程度、二%程度の防衛費は維持していかなきゃいけないとお考えか。ちょっとその辺についても教えてください。
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神保謙#22
○神保参考人 歴史的な経緯からすると、冷戦期にアメリカとソ連は莫大な国防力、国防費を使って、冷戦が終結した後に、当然、ソ連は崩壊してロシアになってしまうわけなんですけれども、アメリカもまた財政の中における対GDP比の支出というものを大幅に減らしたんですね。たしか、クリントン政権期には二・九%まで下がった。今はまた三・幾つに戻る。ブッシュ政権のときには、対テロ戦争をやっていましたから、五%ということで、あの大国アメリカでさえ、いろいろ独自の会計制度、予算制度がありますけれども、アメリカを取り巻く環境によってその国防費の支出の規模というものを結構柔軟に変化させてきたということは大きいと思います。
 各国の防衛費、国防費を分析しますと、意外と対GDP比というのは変動があるんですね。極めてこれが定量的に続いている国が二か国あって、一つは日本、もう一つは中国です。非常に興味深いことであるというふうに思います。
 ただ、今の御質問に従って言いますと、やはり向こう十年間は、これから中国の、仮に習近平体制が三期、四期と増えていき、そして台湾に関する問題が最大の焦点となるとすると、この緊張感と防衛力の規模というのは依然として強化するフェーズにあるだろうというふうに思います。この緊張感を仮に抜本的に超えることができたとすると、それはやはり日本を取り巻く安全保障環境を適正に評価した中で防衛費の水準を定めていくということができると思います。
 二つ目。
 ただし、そこまで増えた軍事力、日本を取り巻く軍事力を例えば軍備管理や軍縮によって減らしていくということになった場合、軍事管理、軍縮論のもう一つの前提は、相手とのある程度の均衡を達成した中で一緒に減らすということなので、そこでも、一方的に減らすのがいいのか、一緒に減らすという外交を取るのかというところでもう一つの考え方が問われるのではないかと思います。
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高見澤將林#23
○高見澤参考人 私は、基本的には、検証制度なりプロセスを透明化することによって、そういう柔軟な対応ができるようにすべきであるというふうに考えております。
 仮に、二〇二七年度なりの防衛関係費の水準が八兆円とか九兆円、さらにはという状況になった場合には、維持的な経費の部分と緊急的に整備した部分の経費というものがかなりかかっていくと思いますけれども、そこの部分で余裕が出てくる部分というのは当然あるのではないかなというふうに思いますので、それが恒久的に維持されるものではなかろう。
 むしろ、政策的な選択としては、防衛関係費の構造を、いろいろなパターンをつくって、その中でどういう選択肢が可能なのかというようなことを議論するということが、優先度を考える場合にはできるのではないか。
 ただ、この十年ということで考えると、私は、それは非常に難しいのは事実だと思います。
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香田洋二#24
○香田参考人 直截的な返事は、情勢に応じて防衛費の増減があり得べしということだと思います。
 今は非常に評判の悪い、その昔の基盤的防衛力というのは、これは基盤的なので、外的影響に関係なく一定の防衛力を維持する、それが、先ほど高見澤参考人が言われました、我が国の自衛隊の規模が一定だったというわけですけれども、ただし、これも情勢判断を間違うと、今のヨーロッパになるわけですね。
 実は、オバマ大統領が二〇一六年に、何でNATOは約束どおり二%にしないんだと怒った一番の根っこというのは、冷戦が終わった後、NATOは寝てしまったわけです。本来やるべき、ロシアも、ヨーロッパの脅威がなくなる、ボスニア・ヘルツェゴビナの民族紛争はあるけれども、これは何とか対応できるだろうということで、大幅に下げた。ところが、ああいう独裁者が出た。今から増減しようとすると、これからやはり十年かかりますよ、NATOが本当に対応するためには。
 ですから、重要なことは、減らすのはいいんですが、同時に、政府は、自分の大福帳の中にプランA、B、C、Dは常に持っていて、こういう事態のときは、ここを手当てをして、こういう防衛力の回復をするんだというプランなき単なる減少というのについては、ほとんど意味がない。ヨーロッパ、ドイツ、フランスが今失敗していて、今何とかしようとしていますけれども、間に合っていません。ということが起きるんじゃないか。
 まさに、そこの政府の読み方、あるいは国会の皆さんの読み方一つだというふうに思います。
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高橋洋一#25
○高橋参考人 私の話はいつも単純過ぎて申し訳ないんですけれども、先ほどの戦争確率というのでいいますと、非民主主義国というのは実は数量的に表せるんですね。北朝鮮は、民主主義指数、デモクラシーインデックスというんですけれども、これは一ですね。中国は二、ロシアは三です。これが六より大きいのを民主主義国といいます。
 民主主義国になれば、これは当然のことながら、先ほどのフォーミュラ、式からいくと、戦争確率は低くなるので、その意味では、そこを補う意味で、防衛力というのは減らすことは可能は可能です。これは、でも、あくまで理論的な話であります。
 実際にそれをどのようにオペレーションするかというのは、これは極めて難しい話ですから、中期計画なんかを練りながら具体的に考えなきゃいけないんですけれども、頭の体操としては、その外的要因がなくなれば、防衛力を減らしても構わない。
 現に、今まで、仮想敵国を一個として、非民主主義国は三つもあったんですけれども、一個しか考えないからGDP比一%だったんでしょう。これは全然根拠はないんですけれども。それであれば、多分、今は理論的には三になるし、それがもう一個、非民主主義国が、三つが二つになれば、これは二%になってもいい、理論的にはそういうことが言えるかと思います。
 ただし、繰り返しますけれども、実際問題は、中期計画を行いながら、現状、情勢を踏まえながらやらなきゃいけないので、慎重には対処すべきだと思います。
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高村正大#26
○高村委員 ありがとうございました。
 時間ですので終わります。
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塚田一郎#27
○塚田委員長 次に、稲津久君。
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稲津久#28
○稲津委員 公明党の稲津久でございます。
 今日は、四人の参考人の皆様には、大変お忙しい中お越しいただき、そして、先ほどの意見陳述、また、今日御答弁いただけるということで、心から感謝、御礼申し上げる次第でございます。ありがとうございます。
 最初に質問させていただくのは、それぞれ四人の参考人に順次お話を伺いたいと思っておりますが、先ほどは、高村先生のところは全て神保先生から始まっていきましたので、じゃ、私の方は高橋先生から、御質問に順に御回答いただければと思います。よろしくお願いします。
 その中身につきましては、防衛力の強化の今回の議論は、財源のスキームの評価についてお伺いしたいと思います。
 御案内のとおりですけれども、今回のこの法案の中に、防衛力強化のための資金を創設をして、そしてそれを対象経費の財源に充てていくということ。それともう一つは、この計画の中には、防衛力強化資金のみならず、歳出改革、決算剰余金の活用、そして税制措置を行う、こういうたてつけになっているんですけれども、ここは本委員会でも様々な議論がありました。
 この財源のスキームについて、分かりやすく言うと、法律事項になっているものと、そうでない予算措置でやっていくものと、税制でやっていくもの、このスキームについての、まず、それぞれの参考人の皆様の御意見をいただきたいと思います。
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高橋洋一#29
○高橋参考人 基金をつくるかつくらないかという話ですと、かつても防衛力整備計画、こういう計画はあったんですけれども、基金はつくらないでやるということも可能は可能だと思います。
 ただ、基金をつくるというのは、私はどうも、増税のにおいがはっきり言ってするんですね。基金をつくると増税をしやすいというのは、私の官僚のときの経験であります。
 ですから、基金をつくらないで毎年毎年の予算でやるという手もあるし、だから、整備計画で全体を示す、ただし毎年毎年の予算でやる。特に、決算剰余金の話とか歳出カットなんて、あんなのは無理ですよね。無理ですから、それは、だから、毎年毎年の予算でやるしかないのかな。ただし、全体を示すことは必要だから、整備計画では示す。
 でも、それでも基金をつくるというので法律を作るというのは、こう言ってはなんですけれども、増税をしたいというか、そういうのが裏に見え隠れしているのかなと、私はちょっと邪推をしております。
 以上です。
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