神保謙の発言 (財務金融委員会安全保障委員会連合審査会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○神保参考人 御質問ありがとうございます。
 私は、防衛力の内容を判断するに当たって幾つかの指標があると思っていまして、一つは規模、そしてもう一つは質、最後は運用、特に即応能力というところだと考えています。委員おっしゃいましたとおり、どのように戦争を起こさせないようにするのか、抑止力をどのように高めていくのかということを図るときに、この三つの指標というのはそれぞれ大変重要な役割を果たすということでございます。
 ロシアのウクライナ侵攻、なぜウクライナそして西側諸国はロシアのウクライナ侵攻を抑止できなかったのかということを考えたときに、これは検証が当然必要ですけれども、恐らく、ロシア側、そしてその意思決定者である最高指導者であるプーチン大統領が、このウクライナ戦争を、侵攻することによって得る利益は、それによって抵抗されるコストよりも高いと判断した。その判断というのは、恐らく相当程度過小評価だった。つまり、自分に対する過大評価、抵抗する側に対する過小評価であったということがあるんだと思います。
 この評価をしっかりと一致させて、やはり、どこかに侵攻したら、自分たちにとってより高いコストがかかるようになるんだなということは、それに応じた規模と質と即応能力が備えていられるか、それに一致していれば我々は正しい投資をして、それが足りなければ、それは正しい投資をしていないということになるんだと思います。
 その点でいいますと、特に、向こう五年間、現有装備をより実効的に高めていく努力というのは大変重要でありまして、例えば、今、ウクライナ戦争においてロシア軍が一日に使う弾薬量は数万発というふうに言われています、一番多いときは六、七万発というふうに。自衛隊は弾薬量は当然公開していないわけですけれども、同じような形で戦闘を行った場合にどの程度自衛隊の継戦能力が保てるのかというのは、恐らく大変これは厳しい数字になるだろうと私は想像しております。
 したがって、その継戦能力を通じて、日本がしっかりと、負けないための持続的な戦闘能力を維持するというのはまず大変重要な投資であるということは申し上げたいと思いまして、そのための予算が確保してあるということについては、大変心強いことであるというふうに思っております。
 また、日本の地理的な特性、特に中国、北朝鮮、ロシアと、我々は三正面を今相手にしているわけですね。前大綱のときまでというのは、これはウクライナ戦争が起こる前でしたから、我々が正面に見定めるべき北朝鮮と中国の軍事力に対して、ロシアは、どちらかというと、より、プラスとは言えないけれども、マイナスをできるだけ下げていく役割として、日ロの二国間の協力を深めていく、こういう戦略性があったんだと私自身は理解しているんですけれども、これも、昨年の二月二十四日の侵攻以降、日本政府は対ロ政策を完全に転換したということにおいていいますと、戦略論としては極めてコストのかかる方式ですけれども、我々は三正面の相手を対象とせざるを得ず、また、その三正面の相手には異なるパッケージングで防衛力を整備しなければいけないということを考えると、できるだけ、この三つの相手に対して共通基盤で整えられる装備は何かということをしっかりと考える。
 例えば、統合ミサイル防空というのは、これは広域防空ですから、北朝鮮であろうと中国であろうと、ロシアが仮に極東配備したミサイルがあったとしても共通で対応できるとか、あるいは、機動展開能力というのは、例えば、どこに装備が置かれていたとしても、比較的短時間で機動展開をして、そこで対処能力を示すことができる、こういった能力をそろえていくということが、いかに日本の安全保障の特性にとって重要かということを物語っているということであると思いますので、必ずしもこれがその脅威だけに特化した装備というよりも、より汎用性の高い装備として整えられているかどうかというのが一つの質の判断基準として大変重要なポイントではないかと考えております。

発言情報

speech_id: 121105369X00320230428_017

発言者: 神保謙

speaker_id: 12334

日付: 2023-04-28

院: 衆議院

会議名: 財務金融委員会安全保障委員会連合審査会