高良鉄美の発言 (外交防衛委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○高良鉄美君 沖縄の風の高良鉄美です。
 一九九六年、九五年ですね、九月の少女暴行事件に対して沖縄県民の怒りが爆発し、八万五千人が結集した一〇・二一県民総決起大会が開かれました。翌十一月には、沖縄に関する特別行動委員会、SACOが日米両政府によって設置されています。その設置から五か月後、九六年四月十二日、橋本総理とモンデール駐日大使により、普天間飛行場の五年ないし七年以内の全面返還の合意が発表されました。それがその年の十二月にSACOの最終報告として取りまとめられました。
 七年というのは二〇〇三年ですが、その翌年の二〇〇四年、普天間飛行場に隣接する沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落しました。二〇〇三年に全面返還されていれば起きなかった事故です。
 最終報告から十年後の二〇〇六年には、普天間飛行場を二〇一四年に返還するとした米軍再編ロードマップが合意されました。ところが、返還するとした二〇一四年二月に、安倍総理が、普天間飛行場の五年以内、つまり二〇一九年の運用停止を約束しました。しかし、これもほごにされ、現在まで全て実現していません。期限を付けては延びて、期限を付けては延びているわけです。
 九六年から二十七年間、沖縄県民は普天間の危険性にさらされ続けています。危険性の除去どころか、二〇一九年以降、沖縄県内の米軍と自衛隊を合わせた基地面積は増加しています。
 今般の自衛隊機墜落事故、これはもう非常にその隊員の安否、そして亡くなられた方の冥福を祈るわけですけれども、沖縄県民はやはり墜落の危険といういろんな危険性、それにさらされていると言っていいと思います。
 九六年四月、この日米両政府の普天間飛行場の全面返還合意に沖縄県民は本当に大喜びしたんです。しかし、その約束は果たされず、県民は大変失望しました。他国との約束を破れば外交問題となり、信頼を失ってしまいます。信義則というのは法律でつくっているわけではなくて、これは法の支配です。米国追従の日本が他国から信頼されるだろうかと懸念しています。
 そこで、前回に続き、米国追従にはリスクがあるということを踏まえ、国際情勢の分析について伺います。
 今月十一日に、米ドルの基軸通貨としての地位、あるいはペトロダラー体制を突き崩そうという動きについて、サウジアラビアを例にお話ししました。引き続き、世界の脱ドルの動きについて質問します。
 お配りした資料は、前回紹介しました筑波大学名誉教授の遠藤さんが四月六日にインターネットに公開された記事です。遠藤さんは、中国共産党に対しネガティブな見方をされる方です。ちなみに、遠藤さんは、安倍総理の事件の後、昨年の月刊誌Hanadaで本来だと安倍元総理と対談することになっていたということを明らかにしています。
 資料の図表の三を御覧ください。
 中国、ブラジル、インド、ASEANなど様々な国に脱ドルの動きが見られます。三月二十八日のASEANの部分では、図表三ではドルなどと書かれていますが、詳しく言いますと、米ドルのほか、ユーロ、円、イギリス・ポンドの依存度を下げるということが話し合われたわけです。
 三月三十日のロシアの下院副議長の部分が分かりにくいと思いますので少し説明しますと、その発言は、BRICSがダーバンで開催される組織のサミットで発表される新通貨の開発に取り組んでいるというものでした。新通貨ができるということは、これ注視しなければならないと思います。
 日本の新聞、テレビは、英米系の情報源に頼るためか、リベラル系と言われるものも含め、英米に都合の悪い情報は余り載りません。英米でもいろんな意見があるわけですが、日本の新聞では、あるいはテレビでは、バイデン政権に都合の悪い情報は余り流れてきません。
 ドルの動きにしても、例えば、トランプ前大統領は、今月初め、我々の通貨が暴落し、遅かれ早かれ世界標準でなくなることは、率直に言ってこの二百年における我々の最大の敗北になるでしょう、我々をグレートパワーでなくならせるような、これほどまでに大きな敗北はありませんでしたと述べています。ですから、米ドルの崩壊の可能性は相当高いと考えているんだと思います。
 世界でもアメリカ国内でも、全然違った物の見方、考え方があります。前々回、衆議院予算委員会での川上参考人の、本当に日本は大丈夫か、アメリカの戦略に乗って、いや、バイデン政権の戦略に乗って政策は展開しているが、もしトランプが現れた場合どうするんだ、真逆になるんじゃないか、我が国ははしごを外された段階でどうするんだというふうな声が実は民主党政権の研究員から上がっているとの発言を紹介しました。
 今お話ししている脱ドルの動きは、結果によってはアメリカの政権交代よりはるかに大きな影響を及ぼすものです。米国内では、CNNやFOXもこの件を取り上げ、日本語に翻訳されているものがSNSで流されています。今、日本の主流の議論が世界からもアメリカからも懸け離れた余り単純なものになっている、こんな議論の状況は危ないのではないかと私は思っています。
 世界におけるいろんな物の見方、考え方を紹介しますけれども、資料の図表一には、二ページ目ですね、サウジとイランの和解後の中東における和解外交雪崩現象が書かれています。これらを見ても、中東の親米産油国といった見方は見直すべきであることが分かると思います。図表一の下の方、二行、下の二行ですけれども、あるいは最後のページの遠藤さんの解説も示唆があると思います。
 ちなみに、この中東でも対ロ制裁に参加した国はありません。親米のイスラエルすら対ロ制裁には加わっていません。
 また、その次のページの図表の二ですが、各国、地域、組織の要人が訪中ラッシュの中身が書かれています。四月二日には林外相も訪中をされておりますけれども、非常に重要なことだと思います。前回、この委員会では、対米貿易と対中貿易、いずれが多いのか、国ごとに塗り分けた図をお配りしましたが、世界における中国の地位の高さが想像できると思います。図表三、これは訪問者のことですけれども、そのほかですけれども、国の問題ですね。
 図表三の動きの後の動きですけれども、マクロン大統領の訪中があります。先日の訪中後、ドル依存を減らす必要があると述べたことが重要です。これは、平木委員もちょっと言及しましたけれども、G7の中でフランスのマクロン大統領が言ったことです。
 そこで、脱ドル化について質問します。
 政府は、世界における脱米ドルの動きはどこまで広がっていると分析されていますか。中ロにとどまらず、BRICSにもとどまらず、相当拡大しているのではありませんか。外務省に伺います。

発言情報

speech_id: 121113950X00920230420_176

発言者: 高良鉄美

speaker_id: 17859

日付: 2023-04-20

院: 参議院

会議名: 外交防衛委員会