高良鉄美の発言 (外交防衛委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○高良鉄美君 大丈夫ですか。それでは、継続しましょう。
 昨日、参議院本会議で趣旨説明が行われた基盤強化関連法について質問いたします。
 資料、今日かなり幾つかつづっておりますけれども、一を御覧ください。グラフがあります。五月二十日付けエコノミスト、まだ日本語版が出ていないもので、国会図書館からいただいた英語版記事から図表を抜粋したものです。
 四月二十日の本委員会で、購買力平価GDPにおいてBRICSがG7を抜いたという話をしましたが、これがまさにその分かりやすいグラフですので、将来どうなるのかというと、もうこの差が開く一方で、G7が世界を主導する時代が終わる可能性が高いと思っています。
 岸田政権は、G7広島サミットやNATO事務所の日本開設の動きなどで西側諸国との連携を深めています。これは世界の動きを踏まえた上でのこととは余り思えません。同様に、日本の主流メディアも、世界で起こっている出来事をきちんと伝えておらず、世界から隔絶された異様な言論空間になっているように思います。
 これから質疑が行われる基盤強化法案も、現実に起こっている様々な出来事を踏まえずに作られているように見えるという点で同じような問題があるように思います。そういった視点から質問をいたします。
 今日は、今回のこの基盤強化法案の目標とする装備品製造等事業者の基盤の強化のために国が施策を講じることあるいは海外の装備移転には、そもそも私は反対の立場です。これから、しかし、この今回の法案というのは、こういった視点とかいうことの立場から議論する必要性は乏しいと思っています。なぜなら、今回の法案については、私は、そもそも防衛産業の現状も衰退の原因も正しく見ていない、その結果、法案で取られた施策もあさっての方向を向いて、目指すところの実現可能性はほぼないと思っているからです。
 与党の皆さんは、国産の防衛装備品は優れており、武器輸出の制限を撤廃すれば海外にすぐにでも売れると思い込んでいる方もおられるかもしれません。しかし、国産の装備品の多くは低性能、高価格で、自衛隊でしか通用しないガラパゴス状態というのが実態のようです。
 つづりの資料二の方の六枚目ですね、この資料二は、財政制度等審議会に財務省から毎年出されている資料の中から必要なものを選んでつづったものです。
 このC2、国産のC2輸送機というのがありますけれども、表の下から二番目、二のつづりの六枚目ですね、この輸送機ですけれども、一機当たりの機体の単価は米国製のC17輸送機とほぼ同じ額です。それにもかかわらず、表の上から二番目の括弧内ですね、最大貨物の重量はこのC17の半分以下です。そして、その下の、下から三番目の一機当たりのライフサイクルコスト、どれだけもつかというと、このC17の二・五倍以上ということですね、お金、コストがですね。ということで、こういうような形になっているんだという、これ海外に売れますかと。量産すれば埋められる価格の差じゃないです。
 なぜこういうことになっているのか。防衛産業側の問題もあると思いますけれども、防衛省・自衛隊側の問題をまず考えてみたいと思います。
 資料二の一ページと二ページを御覧ください。昨年四月、財務省提出の資料です。
 防衛省の要望を忠実に踏まえた開発を行った結果、世界市場で売れる装備品はほとんどない。防衛関連企業は、装備品の開発、生産において、防衛省からの度重なる仕様変更、少量生産を含め、顧客の要望に応えることを求められ、自社の強みを追求しにくい状況、自衛隊向け仕様は世界的にニッチで、マーケットは国内のみとあります。
 資料二の五ページは、昨年十一月提出の資料ですけれども、上の方の三つ目の丸では、現在、防衛省では、防衛産業の基盤維持に向け、サプライチェーンリスクの回避のための企業支援などの対症療法を進めているが、本質的な課題解決アプローチが求められるのではないかと指摘されています。財務省は、今回の法案の主たる内容を対症療法と評価しているわけです。
 このページの、今言ったページの下の青い部分ですけれども、ここでは、原因を深掘りし、自衛隊独自の特殊な要求性能、海外ニーズがない機能・仕様を追求、同種品でも頻繁なシリーズ変更、中期的な調達計画がずさんを列挙しています。
 財務省にお尋ねします。
 お配りした資料二を御覧ください。二〇二一年十一月の財政制度等審議会の資料では、主要航空機を部品単位でコスト分解したところ、量産取得開始等から比較して、間接調達部品の平均単価上昇率は約五〇%から約一四五%、自衛隊の独自仕様の追求等の問題が指摘されています。こういった問題の原因がどこにあるとお考えでしょうか。財務省、よろしくお願いします。

発言情報

speech_id: 121113950X01620230525_152

発言者: 高良鉄美

speaker_id: 17859

日付: 2023-05-25

院: 参議院

会議名: 外交防衛委員会