氷見野良三の発言 (議院運営委員会)

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○参考人(氷見野良三君) 氷見野でございます。
 本日は、所信を述べる機会をいただき、ありがとうございます。
 私は、一昨年の夏までの三十八年間、経済政策、金融行政に携わってまいりました。そのうち半分ぐらいの期間は国際関係の仕事で、主要国の金融機関等関係当局の集まりで議長や事務局長を務めたこともあります。また、金融庁では、銀行、証券、保険、資本市場など、金融行政の様々な分野を経験してまいりました。この間、日本銀行、特に金融機構局の皆さんとは密接に連携しながら仕事を進めてまいりました。
 今般、副総裁としてお認めいただきました場合には、国際的な仕事や金融行政の経験を生かし、もう一方の副総裁とともに全力で総裁を支え、また、政策委員会の議論に貢献してまいりたいと思います。
 私は、経済政策の運営に当たっては、幅広く対話を行い、深く分析して、機動的に対応することが大切だと考えてまいりました。予断なくファクトを押さえ、受け止めていくことがあらゆる政策判断の出発点だと考えております。
 また、足下の状況の分析とともに、大きな変化にも目を配っていかなければなりません。この数年間を見ても、コロナやロシアによるウクライナ侵略など、想定外の事態が続きました。こうした中、経済のグローバル化が巻き戻しに転じたのではないかとすら論じられております。
 金融技術革新を通じ、マネーというものの形態や働き方も変化しつつあります。また、データの収集と活用をめぐるイノベーションは、経済活動の根本までを変えていくかもしれません。こうした変化は、日銀の仕事にもあらゆる面で影響を与えていくと思います。
 日本銀行の仕事については、これまでも関心を持ってまいりましたが、大変深く幅広い仕事であり、虚心坦懐に学んでいきたいと思っております。ただ、せっかく機会をいただきましたので、現時点の私の考えを幾つか述べさせていただければと存じます。
 まず、金融政策についてです。
 日銀法第二条には、「日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする。」とあります。
 私は、国民が期待しているのは、毎年少しずつでも生活が良くなっていくという展望と実感が得られる経済の実現だと思います。そのためには、賃上げを伴う形で物価安定の目標を持続的、安定的に実現していかなければなりません。経済、物価の状況に加え、金融仲介機能の状況、緩和の副作用などについても注意深く見ていく必要がありますが、現在の状況と見通しからすれば、現在の日本銀行の政策は適切であり、金融緩和により経済を支え続ける必要があると考えております。それが政府の施策や経済界の取組と相まって構造的に賃金が上がる状況を生んでいく、そうした姿を目指すべきと考えます。
 物価の安定と並ぶ日本銀行の使命である金融システムの安定につきましては、現在、具体的に懸念のある状況とは受け止めておりませんが、海外では隠れていた脆弱性が表に出る事例も幾つか出ております。不均衡や脆弱性がどこかに潜んでいないか、注意深くモニタリングしていく必要があると思います。
 また、金融システムの安定をめぐる国際ルールの交渉の在り方は、リーマン・ショック以降全く局面が変わっております。アジェンダの設定に貢献する、積極的に提案を行う、そして、場合によっては広く国際世論にも訴えかけていくといったことにも取り組んでいければと思っております。
 私が勤めておりました金融庁は、日銀と異なり歴史の浅い組織ですが、それだけに、草創期のベンチャー企業的な雰囲気をどう守り発展させていくか、工夫を重ねてきた組織でもあります。私も長官時代、マネジメント改革、働き方改革、職員が自発性を発揮しやすい環境づくりに努めてまいりました。そのまま日銀に当てはまるわけではないと思いますが、参考になる点があれば、そうした面でも貢献できないだろうかと考えております。
 大変重い仕事ですが、取り組む機会をいただければ全力を尽くす考えであります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

発言情報

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発言者: 氷見野良三

speaker_id: 974

日付: 2023-02-28

院: 参議院

会議名: 議院運営委員会