内田眞一の発言 (議院運営委員会)
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○参考人(内田眞一君) お答え申し上げます。
賃金あるいは雇用の状況というのは、この十年間でそれ以前に比べて改善してきたことは事実だと思います。実際、大規模緩和の下で雇用者数が増え、賃金も上昇、ベアが復活したことに象徴されるように賃金の上昇というのも見られたわけです。ただ、思ったほど賃金が上がらなかったという御指摘があることは全くそのとおりだと思います。
この点は、もちろん今まで経済、長引くデフレの下で、物価、それから賃金、どちらも上がらないことを前提とする慣行が根付いていた、それがなかなか変わらなかったということが基本でございますし、また、これ自体はとてもいいことなのですが、この間、高齢者、女性の方々の労働参加が進みました。そのことによって雇用が回復したわけですから、これは良いことなのですが、労働市場という観点から見ますと、供給が増えたわけですので、賃金が思ったほど上がらない要因にはなったというふうに思います。
そういう意味では、私自身は、雇用者数が増えたこととも併せてこの点は評価すべきではないかというふうに思っております。
コロナ後の最近の動きを申し上げますと、この部分は、女性の就業率というのがもう欧米に引けを取らないところまで上がってきておりますし、高齢者の皆様からの追加的な労働供給もだんだん難しくなってきておりますので、賃金には上昇圧力が掛かりやすい状況がマクロ的には生じております。
その上に、今回、物価高ということもあるわけでございますので、今回の春闘も含めて、労使双方には是非とも積極的な賃上げをお願いしたいというふうに思いますし、日本銀行としては、金融緩和をしっかりと維持することでそういうことができる環境、企業に収益があり十分賃金を払える環境をつくってまいりたいというふうに思っております。