中田宏の発言 (経済産業委員会)
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○中田宏君 今御答弁いただいたように、勝ち目のあるものはもうこれは民間で、そしてリスクがあるものを官民協調でという、このこと極めて重要ですし、後でこのことは更にお聞きをしていきたいというふうにも考えています。
今答弁いただいたように、投資を促すツールの議論というだけではなくて、日本はこの先どこに投資していくべきなのかということをですね、この中身、その分析も是非しっかりとまずやっていただきたいというふうに思います。
その際、一つ留意していただきたいことがあって申し上げますと、経営学においては世界的な経営学者のクレイトン・クリステンセン氏が提唱したイノベーションのジレンマという理論があります。現在のビジネスの延長線上にあるそれこそ日本語、カイゼンを重ねる優良企業は、新しい革新的な技術を軽視してしまってその地位を失うリスクがあるというものです。
このジレンマが生じる理由の一つとしては、クリステンセン氏は、存在しない市場は分析はできないということを挙げています。分かりやすい分析は時に十分にデータの取れる既存の市場を優先した結果を導きがちであるからこそ、新しい技術革新などの変化を見落として、結果、優良企業が新興企業に敗退をしてしまうということが起こるということでもあります。
したがって、現在得られている確実な情報だけを頼りにしないで、将来国内外で一体どのような市場変化が起きていく可能性があるのか、その変化をもたらす条件は一体何なのか、こうした点について複数のシナリオ、これを踏まえた分析を是非行っていただきたいというふうに思います。
さて、その観点から、外需獲得に向けた方策ということをお伺いをしていきたいと思います。
特に経済成長、先ほどから申し上げていますけれども、この目的に照らせば、我が国の一部の産業が国内で成長するということだけではなくて、我が国経済全体をどう広げられるかという視点が必要であります。例えば、排出量の多い産業は衰退をしていくと、で、グリーンな産業はどんどん成長するというような国内における産業、企業間の富の移転となるのではなくて、排出削減を軸にビジネスを変革するということで、特にアジアを中心とした旺盛な需要を獲得して経済全体のパイを拡大していくということが必要だと考えます。
この点、ちょうど先月末に地球温暖化対策に関する国際団体、WBCSDが、企業が顧客企業などの排出削減にどの程度貢献するかを定量化するためのガイダンスを策定しました。お手元、資料三ですね、英語の資料で、エグゼクティブサマリーと書いてある資料を御覧をいただければというふうに思います。ここに書いてあるのがその今申し上げたガイダンスになります。
省エネ、低排出の家電や産業用品などは、作れば作るほど自らの排出量は増加する一方で、顧客企業や社会全体の排出貢献には大きく貢献をするため、こうした貢献が世界的に評価されるためのルールが整備されれば、世界の排出削減に貢献しながら経済成長を実現することができます。すなわち、省エネ製品を例えば家電メーカーが作ったと、省エネ製品ですから、作れば作るほど脱炭素にはこれは貢献すると、ただ、作っているメーカーは、これは炭素を多く出すということになってしまうわけですよね。
そういうことまでトータルで考えていくというこの画期的なルール形成の裏には、西村経済産業大臣のリーダーシップの下でルール形成に向けた取組が進められてきたというふうにも承知をしています。
こうしたルール形成の取組を通じて国内外の需要を喚起しながら、それに応える日本製品を投資支援によって磨き上げていくと、こうした需給両側の措置が重要だと考えます。
特にアジアということです。アジアについては世界全体の排出量の約半分を占めています。大きな排出削減需要があると思われますが、ヨーロッパなどと比べれば再生可能エネルギーの導入ポテンシャルは小さく、単に太陽光パネルを導入すれば排出削減が進むというわけにはいかない課題があります。しかし、アジアは二〇五〇年までに経済規模は約三倍に、電力需要もやはり三倍になるという推計があります。こうした経済成長のポテンシャルを生かしながら排出削減を進めていく難しさであります。
こうしたアジア特有の事情もある中で、アジアの排出削減と経済成長を実現していくためには、まさに今回のGXのような排出削減と経済成長の双方に資する取組に対する膨大な需要がある、そう考えていいと思います。
そこで、国内での投資支援と併せて、アジアを中心とした排出削減需要の獲得に向けて、いかにルール形成も含めた需要創出策を講じていくのか、我が国はそれをいかに経済の成長につなげていくのかという観点についてお伺いしたいと思います。