経済産業委員会

2023-04-18 参議院 全255発言

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会議録情報#0
令和五年四月十八日(火曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     岩渕  友君     小池  晃君
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     小池  晃君     岩渕  友君
 三月二十九日
    辞任         補欠選任
     越智 俊之君     野上浩太郎君
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     野上浩太郎君     越智 俊之君
 四月三日
    辞任         補欠選任
     小林 一大君     山崎 正昭君
 四月四日
    辞任         補欠選任
     山崎 正昭君     小林 一大君
     岩渕  友君     小池  晃君
 四月六日
    辞任         補欠選任
     越智 俊之君     衛藤 晟一君
     小池  晃君     岩渕  友君
 四月七日
    辞任         補欠選任
     衛藤 晟一君     越智 俊之君
 四月十日
    辞任         補欠選任
     越智 俊之君     古庄 玄知君
     小林 一大君     猪口 邦子君
 四月十一日
    辞任         補欠選任
     猪口 邦子君     小林 一大君
     古庄 玄知君     越智 俊之君
 四月十七日
    辞任         補欠選任
     北村 経夫君     堀井  巌君
 四月十八日
    辞任         補欠選任
     堀井  巌君     生稲 晃子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉川 沙織君
    理 事
                青山 繁晴君
                石井 正弘君
                中田  宏君
                田島麻衣子君
                石井  章君
    委 員
                生稲 晃子君
                越智 俊之君
                太田 房江君
                片山さつき君
                小林 一大君
                長峯  誠君
                堀井  巌君
                松村 祥史君
                村田 享子君
                森本 真治君
                石川 博崇君
                里見 隆治君
                猪瀬 直樹君
                礒崎 哲史君
                岩渕  友君
                平山佐知子君
   衆議院議員
       修正案提出者   関  芳弘君
       修正案提出者   小野 泰輔君
   国務大臣
       経済産業大臣
       国務大臣     西村 康稔君
   副大臣
       内閣府副大臣   太田 房江君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        里見 隆治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山口 秀樹君
   政府参考人
       内閣官房GX実
       行推進室長
       兼経済産業省経
       済産業政策局長  飯田 祐二君
       内閣官房GX実
       行推進室次長
       兼経済産業省産
       業技術環境局長  畠山陽二郎君
       内閣官房GX実
       行推進室次長
       兼経済産業省大
       臣官房審議官   龍崎 孝嗣君
       財務省主計局次
       長        中村 英正君
       経済産業省大臣
       官房長      藤木 俊光君
       経済産業省大臣
       官房審議官    弓削 州司君
       経済産業省大臣
       官房審議官    藤本 武士君
       経済産業省大臣
       官房審議官    恒藤  晃君
       資源エネルギー
       庁長官官房資源
       エネルギー政策
       統括調整官    南   亮君
       資源エネルギー
       庁長官官房資源
       エネルギー政策
       統括調整官    山田  仁君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       井上 博雄君
       資源エネルギー
       庁資源・燃料部
       長        定光 裕樹君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      松山 泰浩君
       国土交通省道路
       局次長     佐々木正士郎君
       環境省大臣官房
       政策立案総括審
       議官       角倉 一郎君
       環境省大臣官房
       審議官      松本 啓朗君
       環境省総合環境
       政策統括官    上田 康治君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に
 関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
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吉川沙織#1
○委員長(吉川沙織君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、北村経夫君が委員を辞任され、その補欠として堀井巌君が選任されました。
    ─────────────
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吉川沙織#2
○委員長(吉川沙織君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房GX実行推進室長兼経済産業省経済産業政策局長飯田祐二君外十六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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吉川沙織#3
○委員長(吉川沙織君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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吉川沙織#4
○委員長(吉川沙織君) 脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。西村国務大臣。
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西
西村康稔#5
○国務大臣(西村康稔君) おはようございます。
 脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 世界的規模で、カーボンニュートラルの実現に向けた大規模な投資競争が激化しております。こうした中で、我が国においても、二〇五〇年カーボンニュートラル等の国際公約と産業競争力の強化を通じた経済成長を同時に達成するグリーントランスフォーメーション、いわゆるGXを実現するため、官民で連携して、今後十年間で百五十兆円を超えるGX投資を実現する必要があります。
 そのためには、今後十年間で二十兆円規模の大胆な先行投資支援を行うとともに、炭素排出に値付けを行う成長志向型カーボンプライシングを将来導入する方針をあらかじめ示すことにより、事業者の先行投資を促進する仕組みを措置する必要があります。
 本法律案は、こうした内容について取りまとめ、令和五年二月に閣議決定されたGX実現に向けた基本方針に基づき、所要の措置を講ずるものであります。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、政府は、脱炭素成長型経済構造移行推進戦略を策定することとします。
 第二に、設備投資支援等、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する施策に充てることを目的として、政府は、令和五年度から令和十四年度まで、脱炭素成長型経済構造移行債を発行するための措置を講ずることとします。
 第三に、令和十年度から、化石燃料の輸入事業者等から化石燃料賦課金を徴収するとともに、令和十五年度から、発電事業者に対して二酸化炭素の排出枠を有償又は無償で割り当て、有償で割り当てる排出枠の量に応じて発電事業者から特定事業者負担金を徴収するための措置を講ずることとします。
 第四に、脱炭素成長型経済構造移行推進機構に、化石燃料賦課金及び特定事業者負担金の徴収、排出枠の割当て、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行に資する事業活動を行う者に対する債務保証等の支援等を行わせるための措置を講ずることとします。
 第五に、政府は、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行に資する投資の実施状況等を踏まえ、施策の在り方について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずることとします。また、排出枠等に係る制度を実施する方法を検討し、この法律の施行後二年以内に、必要な法制上の措置を講ずることとします。
 以上が本法律案の提案理由及びその要旨でありますが、この法律案につきましては、衆議院で修正が行われたところであります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。
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吉川沙織#6
○委員長(吉川沙織君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員小野泰輔君から説明を聴取いたします。小野泰輔君。
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小野泰輔#7
○衆議院議員(小野泰輔君) ただいま議題となりました脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律案の衆議院における修正部分につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 この法律案では、五年後や十年後に開始する制度についても規定していますが、我が国の繁栄を持続可能なものとするための重要な経済成長戦略としてGXを進めていくためには、二酸化炭素の排出に関わる国内外の経済動向等に応じ、枠にとらわれることなく柔軟に制度設計を考えていくことが必要であります。
 衆議院における法案審議においても、施行後二年以内に講ぜられる法制上の措置において、カーボンプライシングの開始時期や規模、対象について見直すことも排除されない旨の答弁がありました。
 本修正は、このことを踏まえ、法制上の措置に先立つ検討の対象を法文上でも明確にするものであります。
 次に、修正部分の内容を御説明申し上げます。
 附則の検討条項を修正し、政府が施行後二年以内に法制上の措置を講ずる際には、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する施策の在り方についての検討も行うことを明記することとしております。
 以上であります。
 委員各位の御賛同を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
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吉川沙織#8
○委員長(吉川沙織君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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中田宏#9
○中田宏君 おはようございます。自由民主党の中田宏でございます。
 今日は長丁場の委員会でありますから、大臣始め御答弁いただく皆様方にはどうぞよろしくお願いを申し上げます。私も、今から一時間弱、まとまった時間を使って、極めて重要なこの法案に対しての質疑をじっくりと大臣中心にお伺いを申し上げていきたいというふうに思っております。
 おととい、十六日ですけれども、G7の気候・エネルギー・環境大臣会合が札幌で行われました。ここでも天然ガスの段階的な廃止、これを合意をしたという、こうした報が流れておりますけれども、あらゆる角度から考えても、このGX推進というのは、我が国の私はもう浮沈を懸けたこれは極めて重要な取組だと、こう考えていますから、冒頭も申し上げたように、これ重要だということで、大臣を中心にということでお伺いをしたいと思っているわけです。
 まず、先月EUが公表したネットゼロ産業法案というのがありますので、これを御紹介したいと思います。
 このネットゼロ産業法案でありますけれども、アメリカのインフレ抑制法に対抗して、EUの動きとして報じられています。ただ、実は、このEUが示した法律案でありますけれども、提案理由の一つとして、本日審議を今からする我が国のグリーントランスフォーメーション、GX政策、これがこの資料の中に出てくるんです。資料の一、御覧をいただきたいというふうに思います。
 資料の一、これ英文でありますけれども、一番下、赤で囲ってあるところ、その一行目のジャパンズというふうに書いてあるところから以下三行ですけれども、これは、今申し上げたとおり、我々のこの今審議をするGX推進法案、これが出てくるんですね。すなわち、日本を意識をして、EUも負けてはならぬということで、日本も本気、EUも本気ということで、世界中を挙げて投資競争ということになる、これがEUの意識であります。
 そういう意味では、我が国が先んじてこの法案を打ち出して、脱炭素と、そして、今日は繰り返すことになりますけれども、経済成長、これを共に実現をしていかなければならないわけであって、その具体策を示すことができたという点はこれ大いに評価をすべき法案だというふうに考えています。
 ただ、この脱炭素と経済成長の両立というのは、これ当然ですが、言うはやすし行うは難しということでありまして、例えば、もう一つ資料を御覧いただきたいと思いますけれども、資料の二、慶応大学の野村浩二先生のこれは分析です。
 この分析、御覧をいただきますと、二〇〇八年から二〇一九年の間に、この十年の間に、我が国のエネルギー生産性は一・四ポイント改善をしていることが分かります。そのうち〇・四ポイント、つまり三割になるんですけれども、これはエネルギー多消費産業の海外移転や規模縮小などの産業構造変化によってもたらされたというふうに分析されています。つまり、どういうことかといえば、省エネは進んだ、けれども国内産業が縮小しているという可能性、これをこの分析は物語っているわけです。
 そういう意味では、脱炭素、これを実現すればよいということではなくて、脱炭素だけを実現するんだったら、ビジネスを中止、工場を閉鎖、海外に移転すると、こうした経済規模を縮小していくということが最も簡単な対応策になるわけです。しかし、これは、当然ですけれども、我が国が目指すものではありません。自らの排出削減、これを進めながら、我が国の強みを生かして世界の排出削減に貢献する、世界への貢献ということも通じて我が国の経済規模も拡大させる、そして産業競争力、経済成長を実現していくということがこの推進法の目指すところ、私はそう考えるわけでありまして、それこそ我が国が目指していくGXであると、そう考えます。
 その意味において、まず冒頭でありますけれども、GX担当大臣、西村大臣の、まず、今のこれから質疑に入っていく前提、これについて大臣の意気込みをお伺いをしたいというふうに思います。
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西
西村康稔#10
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のように、いかに産業競争力を強化し、経済成長と両立させながらこのカーボンニュートラルを実現していくか、そしてそのことを日本がリードしていくということが重要であるというふうに全く共通の認識を持っております。まさに先週末開かれたG7の札幌での気候・エネルギー・環境大臣会合におきましても、グリーントランスフォーメーション、GXということが初めてコミュニケに盛り込まれております。GXの各国と確認をしたところであります。
 このGXの実現に向けては、日本の強みである技術を生かした革新的技術開発を進め、まさに民間の創意工夫も引き出しながらイノベーションを創出していくということが重要でありますし、このコミュニケのあちこちにイノベーションの重要性がちりばめられております。
 例えば、日本発の次世代太陽電池のペロブスカイト、これも書き込まれておりますし、浮体式の風力発電も開発するといったことも書かれております。また、水素、アンモニアの重要性についても共有をしたところでありますし、日本としては、例えば抜本的なCO2削減を実現する水素還元製鉄、こういったことにも取り組んでいきたいというふうに考えております。
 このため、まさに今回の法律案で、成長志向型カーボンプライシング構想ということで、官民で今後十年間で百五十兆円を超える投資を引き出していくために、まずはGX経済移行債を活用した二十兆円規模の大胆な先行投資支援を行っていくと、これによってイノベーションを引き起こし、世界をリードしていきたいというふうに考えております。
 いずれにしても、技術で、イノベーションで世界をリードしながら、経済成長と脱炭素化、と同時にエネルギーの安定供給も含めて、両立、実現をしていきたいというふうに考えております。
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中田宏#11
○中田宏君 ありがとうございます。
 排出削減だけを進めていくというような取組であれば、これは環境政策としては当然重要ということになります。ただ、環境政策といった面における脱炭素であれば、既存の予算もこれは存分に存在をしているわけです。そういう意味では、これまでも措置されてきた予算、これを十分に活用して取り組んでいくということをこれは継続をしていかなければいけない。
 ただ、今回、このGX推進法ということに関しては、脱炭素と経済成長、この両方をこれはしっかりと勝ち取っていかなければいけない、それが日本経済が浮揚していくという意味において極めて重要だということになるわけです。そういう意味では、我が国として、何としてもこれは実現をしていかなければならない挑戦という観点から、以下、順次の質問をしてまいりたいというふうに思います。
 まず、GXの実現に向けた戦略ということについてお伺いをしていきます。
 まず、この法案でありますが、GX経済移行債、それから成長志向型カーボンプライシングなど、我が国がGXを実現していく、そのために必要となる画期的な政策が規定をされていまして、先ほども申し上げたように大いに評価をしたいというふうに思っています。
 一方で、こうした政策でありますが、これ、GXの実現に向けて必要な手段、ツールです。それらをいかに有効に活用していくか、これこそが最も重要な論点ということになります。ツール設計の詳細に関する議論、これはもちろん重要なんですけれども、それだけに終始することなく、脱炭素と経済成長の同時実現という大目標に向けて、野心的でしたたかな戦略を構築、そして実行していかなければこれはならないと考えます。
 本法案の第六条ですけれども、GXを総合的かつ計画的に推進するための戦略を策定、実行するとしまして、脱炭素成長型経済構造移行推進戦略が規定をされています。こうした戦略なんですね、この戦略を策定して着実に実行していく際には、単に政策ツールを並べたということではなくて、私は、大目標から逆算をして、我が国はどこに一体勝ち目があるのか、どこに投資を重点的にやっていくべきなのかという分析を官民、国内外の知見も踏まえてまず実施をする、その上で必要と思われる投資促進策を実行していくというこの順番、これが必要だというふうに考えますけれども、政府の見解はいかがでしょうか。
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飯田祐二#12
○政府参考人(飯田祐二君) 先生御指摘いただきましたとおり、GXの実行に向けましては、国内外における市場、技術開発の動向などを踏まえた上で、必要と考える分野に限定をして投資促進策を講じていくことが重要であるというふうに考えております。投資促進策におきましては、成果が出ることが明確なものは民間に任せる一方で、技術の不透明性が高くリスクのある革新的技術開発を官民で協調して進めることが大変重要です。
 その執行に当たりましては、これも御指摘いただきましたとおり、技術開発や競争力の状況等について外部の専門家の目を入れた仕組みも入れて実行してまいります。加えて、排出削減と産業競争力強化、経済成長を両立する観点から、効果の高い施策に重点を置いて取り組んでいくことで、御指摘いただきましたとおり、勝ち目のあると考えられるものに投資が促される仕組みを講じてまいりたいというように思っております。
 その上で、投資促進策を講じた後には、官民でのGX投資の進捗状況、グローバルな動向や経済への影響、技術開発の動向なども踏まえて、定期的に進捗評価を行い、効果的な見直しを実施することとしております。
 これらの取組を通じまして、産業競争力強化、経済成長及び排出削減の同時実現に向けて効果的な投資促進策を実行してまいりたいというふうに考えております。
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中田宏#13
○中田宏君 今御答弁いただいたように、勝ち目のあるものはもうこれは民間で、そしてリスクがあるものを官民協調でという、このこと極めて重要ですし、後でこのことは更にお聞きをしていきたいというふうにも考えています。
 今答弁いただいたように、投資を促すツールの議論というだけではなくて、日本はこの先どこに投資していくべきなのかということをですね、この中身、その分析も是非しっかりとまずやっていただきたいというふうに思います。
 その際、一つ留意していただきたいことがあって申し上げますと、経営学においては世界的な経営学者のクレイトン・クリステンセン氏が提唱したイノベーションのジレンマという理論があります。現在のビジネスの延長線上にあるそれこそ日本語、カイゼンを重ねる優良企業は、新しい革新的な技術を軽視してしまってその地位を失うリスクがあるというものです。
 このジレンマが生じる理由の一つとしては、クリステンセン氏は、存在しない市場は分析はできないということを挙げています。分かりやすい分析は時に十分にデータの取れる既存の市場を優先した結果を導きがちであるからこそ、新しい技術革新などの変化を見落として、結果、優良企業が新興企業に敗退をしてしまうということが起こるということでもあります。
 したがって、現在得られている確実な情報だけを頼りにしないで、将来国内外で一体どのような市場変化が起きていく可能性があるのか、その変化をもたらす条件は一体何なのか、こうした点について複数のシナリオ、これを踏まえた分析を是非行っていただきたいというふうに思います。
 さて、その観点から、外需獲得に向けた方策ということをお伺いをしていきたいと思います。
 特に経済成長、先ほどから申し上げていますけれども、この目的に照らせば、我が国の一部の産業が国内で成長するということだけではなくて、我が国経済全体をどう広げられるかという視点が必要であります。例えば、排出量の多い産業は衰退をしていくと、で、グリーンな産業はどんどん成長するというような国内における産業、企業間の富の移転となるのではなくて、排出削減を軸にビジネスを変革するということで、特にアジアを中心とした旺盛な需要を獲得して経済全体のパイを拡大していくということが必要だと考えます。
 この点、ちょうど先月末に地球温暖化対策に関する国際団体、WBCSDが、企業が顧客企業などの排出削減にどの程度貢献するかを定量化するためのガイダンスを策定しました。お手元、資料三ですね、英語の資料で、エグゼクティブサマリーと書いてある資料を御覧をいただければというふうに思います。ここに書いてあるのがその今申し上げたガイダンスになります。
 省エネ、低排出の家電や産業用品などは、作れば作るほど自らの排出量は増加する一方で、顧客企業や社会全体の排出貢献には大きく貢献をするため、こうした貢献が世界的に評価されるためのルールが整備されれば、世界の排出削減に貢献しながら経済成長を実現することができます。すなわち、省エネ製品を例えば家電メーカーが作ったと、省エネ製品ですから、作れば作るほど脱炭素にはこれは貢献すると、ただ、作っているメーカーは、これは炭素を多く出すということになってしまうわけですよね。
 そういうことまでトータルで考えていくというこの画期的なルール形成の裏には、西村経済産業大臣のリーダーシップの下でルール形成に向けた取組が進められてきたというふうにも承知をしています。
 こうしたルール形成の取組を通じて国内外の需要を喚起しながら、それに応える日本製品を投資支援によって磨き上げていくと、こうした需給両側の措置が重要だと考えます。
 特にアジアということです。アジアについては世界全体の排出量の約半分を占めています。大きな排出削減需要があると思われますが、ヨーロッパなどと比べれば再生可能エネルギーの導入ポテンシャルは小さく、単に太陽光パネルを導入すれば排出削減が進むというわけにはいかない課題があります。しかし、アジアは二〇五〇年までに経済規模は約三倍に、電力需要もやはり三倍になるという推計があります。こうした経済成長のポテンシャルを生かしながら排出削減を進めていく難しさであります。
 こうしたアジア特有の事情もある中で、アジアの排出削減と経済成長を実現していくためには、まさに今回のGXのような排出削減と経済成長の双方に資する取組に対する膨大な需要がある、そう考えていいと思います。
 そこで、国内での投資支援と併せて、アジアを中心とした排出削減需要の獲得に向けて、いかにルール形成も含めた需要創出策を講じていくのか、我が国はそれをいかに経済の成長につなげていくのかという観点についてお伺いしたいと思います。
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西
西村康稔#14
○国務大臣(西村康稔君) まさに御指摘のとおり、日本が強みを有する省エネ技術などを通じてアジアなど排出削減ポテンシャルの高い地域の脱炭素化に貢献していくことは、世界全体でネットゼロを実現していく上でも重要だというふうに認識をしております。
 その観点から、経産省では、企業による削減貢献を定量化する仕組みの構築、まさに省エネ型の商品を作れば、それは貢献するわけでありますので、そうした削減貢献を定量化する仕組みの構築に向けて、御指摘の国際的な民間団体であります持続可能な開発のための経済人会議、WBCSDとともにその具体化に取り組んできているところであります。
 先週末開催されましたGXのこの会合におきましても、この削減貢献量を認識することの重要性、そして、それが脱炭素技術の展開を加速するための資金動員につながり得ること、また国際標準の必要性など、今後の発展に向けた期待と課題についてGXの各国間で初めて共通の認識を持つことができたわけであります。
 また、先月には、アジアの国々とともに、各国の事情に応じたエネルギートランジションを目指すアジア・ゼロエミッション共同体、AZECを枠組みとして立ち上げたところであります。
 GXの会議でも、二〇五〇年に向けて、排出削減が講じられていない化石燃料はフェーズアウトするという大きな方向性を共有したところでありますが、一方で、グローバルサウス、アジアを中心とするグローバルサウスの国々のこの成長に伴うエネルギー需要に対応するためにも、この天然ガス、LNGの重要性についても記載がされているところであります。
 AZECパートナー、アジアの国々とも協力し、省エネルギー、再エネルギー、そして水素、アンモニア、CCUS、こうした我が国に強みのある脱炭素技術に対する需要を創出することができれば、御指摘のようにスケールメリットを生かして技術導入コストを低減させることは可能でありますし、加えて、標準づくり、ルール作りですね、といった政策協調や脱炭素技術の開発、実証、実装に向けた支援を行うことで我が国の技術のアジアでの展開、これを図り、ひいては我が国の経済成長につなげていくことができるものというふうに認識をしております。
 こうした考えの下で、国内におけるGX経済移行債を活用した先行投資支援による我が国企業の技術開発、イノベーションによって競争力を強化していくことに加え、このような仕組みやプラットフォーム、またルール作りを主導することによって、世界の成長エンジンとも言われるアジアの脱炭素化に貢献していくと同時に、脱炭素技術に対する需要を取り込み日本の経済成長にもつなげていきたいというふうに考えております。
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中田宏#15
○中田宏君 今、アジア・ゼロエミッション共同体ということも言及がありましたけど、これも日本がリードをして合意形成をしてきたということになりますし、是非、西村大臣にはルールメーキング、このことをしっかりと世界でやっていただいて、そうした国際戦略と一体的に国内の投資促進策を進めることで排出削減と経済成長の両立を推進していってもらいたいというふうに思います。
 次に、投資促進策の方針ということについて更に聞いていきたいと思います。
 国内の投資促進策でありますが、我が国が誇る排出削減技術を踏まえて大胆な先行投資支援を行うということでありますが、再エネからCO2の回収等に至るまで、GXに関連する技術は様々存在をしています。それぞれの技術の開発段階、特性などによって、民間企業だけでは負い切れないリスクの規模、性質は大きく当然異なるわけですけれども、いかに効果的、効率的に投資を促していくのかということが問われます。
 例えば、今や時価総額でトヨタを超えているアメリカのテスラ社でありますが、二〇〇八年に初のスポーツカータイプの電気自動車を販売開始しましたけれども、その後、アメリカ・エネルギー省傘下の機関から四億ドル超のデットファイナンスの支援を受けました。
 資料を御覧いただきたいと思います。テスラの車が載っている資料ですね。資料のこれは四であります。これが、アメリカのエネルギー省がテスラの支援、デットファイナンスを決めたときのこれは広報しているホームページということになります。
 これを機にテスラは、現在もテスラ社の主要マーケットである一般自動車業界に参入をしていったわけです。ある意味では、それまではテスラの車というのはマニアが乗っていた車というものから、一気にこれ、アメリカの国民が憧れる大衆車というふうになって、そしてどんどんその先、今や自動車メーカーという具合にテスラは発展をしていったわけです。
 実は、当時のテスラ社は、工場の新設など莫大な初期投資が必要だったものの、民間金融機関からの資金調達には失敗をしていたんですね。その初期投資を実行する資金があれば将来収入の獲得が見込まれるという状況にはあったわけですが、必ずしもこういう場合は補助金である必要はなかったので、結果として国への返済が必要となるデットファイナンスを活用したということになります。その結果、今申し上げるように、テスラは大発展をするという具合になっていきます。
 このように、ここで言いたいことは、技術や企業によっては、従来のような補助金よりも、出資や債務保証などを国が提供することによって民間の資金供給を拡大させつつ企業に何らかの返済を求めていくという、こうした形の方が効率的、効果的に投資が進むという場合が多くあると思います。何から何まで補助金という形で支援するのではなくて、案件によっては出資や債務保証などの支援措置を講じていくことで対象企業のコミット強化も含めて効果的な支援が実現できる、そう考えます。
 さらに、もう一言申し上げれば、十年間で二十兆円というのは、年平均で二兆円ということです。はっきり言って限られた予算ということになります。これをいかに効果的に使っていくかということ、この観点もあります。ここら辺について政府の見解を伺いたいと思います。
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龍崎孝嗣#16
○政府参考人(龍崎孝嗣君) お答え申し上げます。
 GX経済移行債を活用いたしました二十兆円規模の支援措置については、先般閣議決定をいたしましたGX実現に向けた基本方針におきまして、排出削減のみならず、経済成長、競争力強化を重要な要件として位置付け、民間企業のみでは投資判断が真に困難な事業であること、それから技術革新性、事業革新性があるものといった考え方を支援基準として示してございます。
 御指摘のとおり、支援策の実施に際しては、この基本方針にも示しておりますとおり、個々の事業によって実用化の段階、事業リスク、市場、製品の性質、それから企業の様々な資金調達手法が異なりますので、これらに即して補助金、出資、債務保証などを適切に組み合わせて効果的、効率的に実施していくことが重要と考えてございます。こうした、リスクなどに応じて公的資金と民間資金を組み合わせるブレンデッドファイナンスの考え方、これは欧米を始め各国でも重視されてきておりまして、様々な方策が検討、実施されているところでございます。
 我が国といたしましても、二十兆円規模の公的資金を効果的、効率的に活用できるよう、こうした取組を深化させまして、GX投資を強力に促進してまいりたいと存じます。
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中田宏#17
○中田宏君 補助金はもらったら終わりという、まあ垂れ流して終わりという意味ではありませんけれども、しかし、補助金、使ったら終わりのものと違って、是非、デットファイナンスとうまく組み合わせて、本当にここは肝だと思いますね、効果的な、そうした企業のやっぱり背中を押していく、こうしたお金の使い方を是非してもらいたいというふうに思っています。
 その意味で、関連して、省庁間の縦割りということについてもお聞きをします。
 今回の投資促進策の実施に当たってもう一つ取り上げたいのは、この省庁間の話なんですね。日本では、カーボンプライシングということについては、脱炭素に向けた政策で、これは長きにわたって検討が行われてきています。だが、ですが、なかなか結論に至ることはありませんでした。
 実は、環境省が最初にカーボンプライシングの検討始めたの、これ聞いたところ、平成三年ということなんですね。もう三十年たっているということですよ。以降、環境省、経産省がそれぞれ検討してきました。今回のGX推進法案は、この長年の課題にある意味では答えを出したというふうにも言えると思います。
 しかし、肝腎なのは、今後二十兆円という予算は、例えば、言いたくありませんが、経産省幾ら、環境省は幾ら、国交省は幾らというような各省庁間の区分を前提にして割り振っていったり、その割り振りに向けて省庁間で争いを繰り広げていくというようなことになってはこれ困るんですね。
 冒頭にも私申し上げたとおり、世界各国は国を挙げてこのGXの投資競争を加速させているわけです。そういう意味では、我が国では霞が関の中の縦割りによってぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃやっている、そんな暇はないわけで、そうしたことをやって遅れていくなどという、これはもう致命的になりかねません。そういう意味で、重要なのは脱炭素と経済成長、もうとにかくこの一点において政府を挙げて省庁の縦割りではない目標達成をしていくことと私は考えます。
 そこで、今後、GXを実行していくに当たっていかに省庁の縦割りを打破して政府を挙げて有効な取組を進めていくつもりか、西村大臣、是非お願いしたいと思いますが、いかがですか。
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西
西村康稔#18
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のとおり、例えば経産省がこのカーボンプライシングに慎重な対応があった面も含めて各省庁間で温度差はかつてはあったものと思いますが、今や、御指摘のように、脱炭素化とエネルギー安定供給、そして経済成長、これを実現していくんだということで政府もう一丸となって取組を進めるということで一致をしております。
 そうした中で、GXの実現に向けた取組を加速していくには、御指摘のような省庁間の縦割りを排していく、まさに一丸となって取り組んでいくことが重要であります。
 こうした観点から、二月に閣議決定を行いましたこのGX実現に向けた基本方針については、総理を議長、GX実行推進担当大臣であります私を副議長とするGX実行会議において、財務大臣や環境大臣などの関係大臣にも御参画いただき、取りまとめをしているところであります。この基本方針に基づいて、本法律案により具体化した成長志向型カーボンプライシング構想についても、引き続き関係大臣と連携して政府を挙げて取り組んでいきたいというふうに考えております。
 さらに、GXの推進に当たっては、GX投資の進捗状況やグローバルな動向、経済への影響、技術開発の動向なども踏まえて、進捗評価や必要な見直しを効果的に行っていくことが重要であるというふうに考えております。この進捗評価についても、GX実行会議の場などを通じて関係大臣とも連携して行いながら、各省庁間、まさに一丸となって連携しながら取り組んでいきたいというふうに考えております。
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中田宏#19
○中田宏君 環境省にもお聞きをしたいんですけれども、先ほど申し上げたとおり、カーボンプライシングの議論、これ環境省がまだなかったときから始まっているわけですね、環境庁ですよ。その頃から始まって様々検討してきたということになるわけですけれども、今回、成長志向型のカーボンプライシング構想というのは、環境省としてもそうした検討の成果が十分に踏まえられたものになっているのか、そして今後どのように取り組んでいくのか、この点、環境省にお聞きをしたいと思います。
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上田康治#20
○政府参考人(上田康治君) お答えいたします。
 今回の成長志向型カーボンプライシング構想は、大胆な先行投資支援、カーボンプライシングによる先行投資インセンティブ、新たな金融手法の活用を組み合わせたパッケージで脱炭素に向けた取組を強力に進めるものであると認識しております。こうした政策パッケージは、これまで環境省で検討していたポリシーミックスとしてのカーボンプライシング、また予見可能性を高め段階的に負担を引き上げていくことによる価格効果の発揮、さらには収入を活用した脱炭素投資の促進といった点が反映されていると受け止めております。
 カーボンニュートラルの実現は政府一丸となって取り組むべき課題であり、環境省としても、その目的の実現に向け、引き続き経済産業省を始め関係省庁と連携しながら脱炭素に向けた取組を着実に進めてまいりたいと考えております。
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中田宏#21
○中田宏君 環境省の方もこれで、そういう意味においては一つの大きな節目というような、そうした答弁だと今聞きました。
 経産省の見解、そして環境省の見解、これいずれも聞いて、ほかにも省庁ありますけれども、是非これは、政府を挙げてということですから、先ほど言った縦割りというのは、これは霞が関の話ですよね。そういう意味では、西村大臣、先頭に立っていただいて、先ほど大臣も言及したGX実行会議、これはもうまさに政治ですから、政治、政治家、政府、ここがしっかりと方向性を誤らないように、政府全体としての取組としての成果を上げていくということに向けた予算、その利用、これをお願いしていきたいというふうに思います。
 次に、各論に入っていきたいと思いますが、GX経済移行債の発行方式についてお伺いをしたいと思います。
 GX分野における民間資金の活用に向けては、本法案の第七条に規定されている脱炭素成長型経済構造移行債の発行方式も重要だと認識しています。金融関係者からは、このGX経済移行債について、日本が世界初のトランジション国債の形で発行して国内外の金融市場から信認を得ることができれば、民間事業者においてもその活用が一層進展するという、こうした期待の声も聞こえます。
 そこで、政府として、今回のトランジション国債、どのような発行形式を検討しているのか、お伺いをします。
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畠山陽二郎#22
○政府参考人(畠山陽二郎君) お答え申し上げます。
 今般の成長志向型カーボンプライシング構想におきましては、百五十兆円の官民GX投資を引き出すためにGX経済移行債を発行いたしまして、これにより二十兆円規模の支援を行い、企業の脱炭素に向けた先行投資を促進してまいります。
 その上で、我が国では、二〇二一年夏に、これは民間事業者でございますけれども、企業が初めてトランジションボンドを活用して以降、約一兆円の資金調達がなされておりまして、今後活性化が期待されるところでございます。
 まさに、御指摘のGX経済移行債の発行方式につきましては、こうした昨今の市場状況、市場動向なども踏まえつつ、これまでの建設国債や特例公債などの国債と同様に同一の金融商品として発行する統合発行に限らず、国際標準に準拠した新たな金融商品として発行する個別銘柄発行、例えば御指摘のようなトランジション国債としての発行も目指して検討しているところでございます。
 政府として、国内外の金融市場から信認を得る形で発行をし、民間事業者によるGXのための資金調達を促進するという観点も含めて具体的な発行方式の検討を進めていきたいと、このように考えております。
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中田宏#23
○中田宏君 再生可能エネルギーなど既に完成されたグリーン技術だけじゃなくて、今回の場合は水素、アンモニアなど革新的なイノベーションの取組も含めて対象となるわけですから、取組の進捗によっては排出削減効果は変わり得るわけですね。そういう意味では、グリーンウオッシュ、すなわち見せかけの排出削減というようなことに当たらないのかというような、そうした懸念を持つ向きも、これは一方にはあると聞いています。
 そこで重要となるのは、ガバナンスの論点です。資金を調達したら終わりということにしないことですね。すなわち、GX経済移行債によって調達した資金は適切に管理されているのか、脱炭素と経済成長という本来の政策目的のためにしっかり使われているのか、こうした点を国民やGX経済移行債の投資家など広く社会に開示をしていく、それを継続的にアップデートしていくということが重要だと考えます。これは、先ほど議論させていただいた二十兆というのは、考えてみれば年に二兆円ですよと、限りはあるんですよというそうした観点、予算を有効に活用していくという点からも極めて重要な仕組みであると考えます。
 そのために、トランジション国債として発行する場合は、国債発行により調達した資金を何のために活用して、その成果をどう分析、開示していくのか、こういったことをあらかじめ開示した上で国際基準に基づいて第三者認証を得るということになりますよね。
 先ほど、統合発行ではなく個別発行ということ、これに言及がありました。私は大いにこれ賛成しますけれども、それはなぜかといったら、今申し上げたように、何のために活用して、その成果はどういうふうになっているのかという分析、開示、こういったことをしていかなければならない第三者認証を得るということになるからです。
 その意味で、これガバナンスということになるわけですけれども、GX経済移行債の発行に当たって、そうした開示の仕組みということについてどういうふうに導入をしていくのか、これについての見解をお聞きします。
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西
西村康稔#24
○国務大臣(西村康稔君) 二〇五〇年カーボンニュートラル実現に向けては、もう議論になっておりますとおり、今後十年間で百五十兆円超の官民投資が必要であります。こうした移行プロセスに必要な資金の供給を行うものがトランジションファイナンスであります。先週のGX気候・環境・エネルギー大臣会合におきましてもその有用性が認識、確認されたところであります。
 GX経済移行債については、こうした国際情勢も踏まえつつ、金融市場や社会に対して適切な開示を行う仕組みを導入することでその信認を得ていくことが重要であります。
 そのため、GX経済移行債を個別銘柄として発行する際には、他国や民間企業での事例も踏まえて、脱炭素に移行するために適切な資金使途、それから支援を行う案件の選択、選定方法、さらに調達資金の管理方法、また支援による排出削減効果等の評価、公表方法などフレームワークをあらかじめ示した上で、それらが国際資本市場協会、ICMAによる国際基準に準拠していることについて第三者認証を得ることを想定をしております。
 今後、国内外の債券市場における類似の事例や足下の市場動向等を踏まえつつ、関係省庁とも連携して更に検討を深め、急いでいきたいというふうに考えております。
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中田宏#25
○中田宏君 私は方向性、大賛成ですね。是非、これ世界初ですよ、トランジション国債をこうした形で発行していけば。是非これ、今大臣御答弁いただいた方向でしっかり進めていただきたいというふうに思います。
 それでは次に、中堅・中小企業のGXについてお伺いをしていきます。
 本法案の基礎になる事項を示しているGX実現に向けた基本方針でありますが、本法案と密接に関連するものであるため、是非取り上げて議論したいと思うんですね。
 GXの分野は、プライム上場企業などの大企業を中心に取組が先行しています。ただ、これを大企業に限った話としてはならないと思います。何よりも日本の強みはサプライチェーンとも言えるわけで、コロナを経てその重要性というのは、これ国民の間にもサプライチェーンというのはもう十分重要だということを認識されました。
 日本企業だけではなくて、例えばアップル。アップルは、自社のサプライヤーに対して再エネ由来の電力を使用するということを要請していまして、それに応じられない場合は取引を終了する可能性も示唆しているわけです。そういう意味では、中小企業を含むサプライヤーに対しても排出削減要請は確実に世界で強まりつつあります。
 こうした中、我が国全体のGXの実現に向けては、サプライチェーン上の大企業、中小企業を別々に支援していくだけでは限界がある、そう考えます。むしろ、大企業、中小企業が逆に連携をしてサプライチェーン全体でGXに挑むような取組を支援していくべきではないかと考えますけれども、現段階で政府はどのように考えていますか。
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西
西村康稔#26
○国務大臣(西村康稔君) 産業の競争力を維持強化することとカーボンニュートラルの実現を同時に達成するためには、委員御指摘ありましたとおり、大企業のみならず中小企業も含めたサプライチェーン全体でGXの取組が不可欠であります。
 こうした考えの下で、カーボンニュートラルに向けた移行にいち早く取り組む六百社以上の企業群から構成されるGXリーグにおきまして、自らの排出削減だけでなく、サプライチェーンでの排出削減についての取組をGXリーグの参画の要件としております。
 また、下請中小企業振興法の振興基準への下請事業者の脱炭素化に係る取組の追加や、あるいはグリーン化の取組も対象としておりますパートナーシップ構築宣言、これらの更なる拡大も進めているところであります。
 加えて、自社だけではなく、サプライチェーン全体での排出削減の取組が評価される基盤を整備するという観点から、製品のライフサイクル全体での温室効果ガス排出量を見える化するいわゆるカーボンフットプリントの算定ルールに関するガイドラインを策定したところであります。
 こうした取組を通じまして、大企業と中小企業が連携したサプライチェーン全体での脱炭素化を促進するとともに、ものづくり補助金のグリーン枠拡充であるとか事業再構築補助金のグリーン成長枠の要件緩和であるとか、また中小機構における相談窓口の設置など、GXに取り組む中小企業の方々に対して様々な支援策を総合的に講じていきたいというふうに考えております。
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中田宏#27
○中田宏君 是非お願いしたいと思います。
 環境省も、スコープ3削減目標を有する大企業などが主導してサプライチェーン上の他の企業と連携した排出削減を進める取組に対しては支援策を講じています。その活用状況や今後の見込みはどうなっているか、環境省にお伺いします。
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角倉一郎#28
○政府参考人(角倉一郎君) お答え申し上げます。
 環境省におきましては、サプライチェーンの排出量の削減を目指す企業を対象に、具体的な削減対策の検討や実行計画の策定等を支援するモデル事業を令和元年度から実施しており、これまでに支援した企業は十九社に上ります。さらに、モデル事業によって得られた知見をガイドブックとして取りまとめ公表することで、幅広い企業によるサプライチェーン排出量の削減に向けた取組を後押ししてきたところでございます。今年度は、本モデル事業の継続とガイドブックの更新に加えて、新たに中小企業の脱炭素経営を地域ぐるみで支援する体制を構築するモデル事業を実施する予定でおります。
 また、環境省では、サプライチェーン全体での脱炭素経営促進に向けた情報交換と支援体制構築の場としてグリーン・バリューチェーン促進ネットワークを設置しております。このネットワークへの加入社は令和五年三月時点で百八十四社に上っており、こうしたネットワークの場も活用して関係各省庁と連携し、政府一丸となって企業の取組を後押ししてまいりたいと考えております。
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中田宏#29
○中田宏君 今、西村大臣と環境省から答弁をしてもらいましたけれども、サプライチェーン全体での取組というのは極めて重要であります。
 かつて系列というふうに言われた企業間の垂直型のつながり、これ大分、このDXの時代と、そしてグローバリゼーションということがあり、かなり水平型に移行してきたというふうには言えますけれども、しかし、現段階でもまだまだ日本にこの垂直型のつながりというのは残っています。
 こうした実態というのは、半導体、家電など海外の水平分業型の製造業にある意味では負けてきた要因というふうに、時代遅れだと批判をされることもあります。ただ、私は、日本のこうした物づくりの在り方というのは、現段階、これから先はサプライチェーンという垂直型の中における最先端を走り得るものになるかもしれない、逆にですね、そう考えています。
 脱炭素という極めて野心的な目標を実現をしていくためには、先ほどの言及もありましたCFP、カーボンフットプリントなどに加えて、新たな製品、ビジネスモデルの開発が鍵になってきます。そこで生きてくるのは、垂直的な企業間連携によるすり合わせ型の製造工程ではないかとも思うわけで、中小企業を含めた製造業の方々には、是非こうした観点も踏まえて、日本の物づくりに誇りを持って今後もGXに取り組んでいただきたいというふうに考えます。
 それでは、GXにおける日本の強みを更にもう一つお伺いをしたいと思うんですけれども、繰り返し言ってきましたけれども、本法案によって実現を目指していくのは脱炭素と経済成長、この両方であります。排出削減のみを求めてきたというこれまでの地球温暖化対策、一方で経済合理性のみを求めてきたこれまでの産業政策とも、これまあ今両極端な事例ですけれども、異なって、世界各国がこれは総合的な政策競争ということになっているわけです。
 カーボンニュートラルというゴールはヨーロッパの産業戦略だという指摘も一方ではありますけれども、ただ、現実見てみれば、ウクライナ危機や米中対立などの事態も経て、脱炭素というゴールに向けた道筋はかなり複雑で不確実なものとなって、その不確実な領域で主導権を握るべく、米、中、EUを始めとして各国政府が国を挙げた戦略を打ち出しているのが今日の世界情勢です。
 そこで、このGX推進法、いま一度、大臣に最後お伺いをしたいと思うんですが、こうした競争の中で我が国は一体どこに勝ち目があると思うか、大臣にお伺いをします。
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