森田祐司の発言 (決算委員会)

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○会計検査院長(森田祐司君) 会計検査院は、国会法第百五条の規定に基づき令和三年六月七日付けで参議院議長から会計検査及びその結果の報告の要請がありました「放射性物質汚染対処特措法三事業等の入札、落札、契約金額等の状況」につきまして、環境省等を対象に検査を行い、会計検査院法第三十条の三の規定に基づき五年二月三日にその結果の報告書を提出いたしました。その報告書の概要を御説明いたします。
 検査しましたところ、各事業の入札、契約などの状況、特に、一者応札となったものに係る契約金額の状況について、環境省福島地方環境事務所が締結した契約九百八十四件のうち一般競争契約の一者応札率が四九・三%となっていたり、一者応札となった契約の平均落札率が九四・六%となっていたりしていました。そして、積算単価の適用について、誤って予定価格積算作業時点から一年以上前の時点の物価資料単価を適用しており、その結果、材料費が割高となっていた工事契約が見受けられたり、当初契約金額に対する増額変更金額の累計の割合が三〇%を超える契約件数が百六十九件となっていたりなどしていました。
 また、各事業に係る受注者の事業実施体制等及びこれに対する国の監督等の状況について、環境省は、不法投棄等の事案の発生を受けて、監督等の仕組みを見直していましたが、見直し後においても、結果として不法投棄等の事案が発生していました。
 検査の結果を踏まえた会計検査院の所見といたしましては、環境省において、契約ごとに一者応札等となった要因を把握するなどして競争性の確保について引き続き取り組むこと、予定価格を適切かつ経済的に積算するための取組を行うこと、請負工事等の発注に当たって大幅な増額変更とならないよう取組を行うこと、不法投棄等の事案の発生を防止するために必要な制度や効果的な仕組みの整備を検討することなどに留意して、放射性物質汚染対処特措法三事業等に適切に取り組む必要があると考えております。
 会計検査院としては、放射性物質汚染対処特措法三事業等の入札、落札、契約金額等の状況について今後も引き続き検査をしていくこととしております。
 これをもって報告書の概要の説明を終わります。
 次に、会計検査院は、会計検査院法第三十条の二の規定により国会及び内閣に対して、令和五年二月三日及び三月二十九日に計二件の報告書を提出いたしました。その報告書の概要を御説明いたします。
 まず、「東日本大震災からの復興等に関する事業の実施状況等について」を御説明いたします。
 検査しましたところ、平成二十三年度からの十年間の復興期間において措置された予算現額の合計額四十四兆七千四百七十八億余円の令和二年度末現在における執行状況は、支出済額三十八兆一千七百十一億余円、復興期間全体の執行率は八五・三%となっていました。また、同復興期間に国から交付された財政支援等のうち、特定被災自治体に交付されたものは計十九兆三千三百八十九億余円、このうち岩手、宮城、福島各県に交付されたものが計十七兆六千七百九十六億余円となっていて、全体の九一・四%を占めていました。
 防潮堤の完成率は、三年度末現在で九二・一%となっており、津波災害警戒地域の、(発言する者あり)区域の、ありがとうございます、指定の状況を見ると、四年九月末現在で岩手、宮城、福島各県のいずれにおいても指定されていませんでした。福島県の避難指示・解除区域市町村では帰還環境整備事業を実施していますが、避難指示の解除後も住民の帰還が順調に進んでいないため、利用されないままとなっているなどの施設が見受けられました。また、内閣総理大臣の認定を受けた復興再生計画に基づく事業等の進捗状況を確認したところ、同計画に記載された事業等のうち完了している事業等が占める割合は、おおむね一〇%台にとどまっている状況となっていました。復興庁は、同計画は、計画期間終了後、国による検証等を行うこととなっていないとしていました。
 検査の状況を踏まえた会計検査院の所見といたしましては、復興庁及び関係府省等は連携して、三年度から五年間の第二期復興・創生期間において各事業が円滑かつ着実に実施されるよう努めること、災害に強い地域が形成されるよう、多重防御のための施策を円滑に遂行していくよう助言等を行っていくこと、帰還環境整備事業により整備された施設の利用状況等を把握したり、帰還困難区域が設定されている市町村の課題等を把握したりなどして、これらを踏まえて支援、助言等を行っていくことなどに留意するなどして、第二期復興・創生期間における復興施策の推進及び支援に適切に取り組む必要があると考えております。
 会計検査院としては、今後も復興等に関する事業の実施状況について引き続き注視していくこととしております。
 次に、「新型コロナウイルス感染症に係るワクチン接種事業の実施状況等について」を御説明いたします。
 検査しましたところ、計八億八千二百万回分の新型コロナウイルス感染症に係るワクチンを確保することとしたことについて、厚生労働省がワクチンの確保に当たり作成していた資料には、確保することにした数量に係る算定根拠が十分に記載されておらず、それ以上の説明は得られませんでした。また、同省におけるワクチンの在庫数量の把握状況について、同省は、納入数量と配布数量との差引きにより在庫数量を算出するなどしたことを示す記録を作成しておりませんでした。さらに、新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業費国庫補助金に係る都道府県及び市町村が実施するワクチン接種事業のうち、ワクチン接種に協力した接種実施医療機関等に支払われていたワクチン接種に係る協力金について、一部の自治体は、ワクチン接種に係る協力金の全部又は一部について、明確な根拠に基づくことなく支払内容や支払単価を設定するなどしておりました。
 検査の状況を踏まえた会計検査院の所見といたしましては、厚生労働省は、今後、ワクチンと同様に確保する数量に不確定要素のある物資を緊急で確保する場合であっても、当該数量に係る算定根拠資料を作成して保存し、事後に当該数量の妥当性を客観的に検証することができるようにすること、また、ワクチン等の管理を適切に行うために、基本的な情報となる在庫数量を適時適切に把握することができるよう体制を整えること、さらに、都道府県及び市町村に対して、ワクチン接種に係る協力金を補助対象経費とする場合は、明確な根拠に基づいてワクチン接種に係る協力金の支払内容、支払単価等を決定するよう指導することなどに留意する必要があると考えております。
 会計検査院としては、新型コロナウイルス感染症に係るワクチン接種事業の実施状況等について引き続き注視していくこととしております。
 これをもって報告書の概要の説明を終わります。

発言情報

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発言者: 森田祐司

speaker_id: 5697

日付: 2023-04-05

院: 参議院

会議名: 決算委員会