猪瀬直樹の発言 (決算委員会)

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○猪瀬直樹君 日本維新の会、参議院幹事長の猪瀬直樹です。
 今日は、政府のウクライナに対する支援の在り方について問題提起をさせていただこうと思っています。
 今、ウクライナは、ダムが決壊して、また反転攻勢というふうなことのようですが、大変な状況にあります。ロシアがウクライナに侵攻して戦争が始まったのは昨年の二月二十四日です。我々は、二月二十日の北京オリンピック、冬季オリンピックの閉会式、花火がたくさん上がって日本の選手も活躍して非常に平和な気分の中にいたわけですけれども、大変驚いたわけです。こういうロシア侵略のニュースに衝撃を受けながら、ウクライナに対して日本が何ができるか、どういう国際貢献ができるか考えました。そのとき浮かんだのが、湾岸戦争という我々が関わった歴史であります。
 昨年十一月九日の憲法審査会でも発言したんですけれども、一九九一年の湾岸戦争の当時、日本は、多国籍軍への財政支援、計百三十五億ドル資金援助を行いました。当時の為替レートでは一兆七千億円、日本の防衛予算が四・二兆円ですから、日本の防衛予算の四割を拠出したわけです。大変な金額でした。にもかかわらず、日本が湾岸戦争終わった後に感謝国リスト三十か国から除外され、クウェート政府が発表した感謝国リストから除外されて日本の名前なかったんですね。我々は、ある意味では、価値相対主義の中にいてバブルの中で浮かれていたところで、冷や水を浴びせかけられたような気持ちでありました。
 一九七〇年に三島由紀夫が市ケ谷の自衛隊で自決したときに、その少し前に、要するに、戦後民主主義とそこから生じる偽善についてこのように言いました。このままなら日本は、無機的な、空っぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜け目がない、経済大国が極東の一角に残るだろうと、こういうことを言っていたんですが、まさにこのときの日本の財政支援というのが無に帰したということで、国際社会から大変な批判を浴びたということであります。
 二〇二〇年四月、三年前ですけれども、コロナ禍が始まった直後に岡本行夫さんがお亡くなりになりました。岡本さん、僕より一歳年長の方ですが、お付き合いもありました。岡本さんが亡くなる直前まで書いていた原稿が、「危機の外交 岡本行夫自伝」と、こういう形でまとまりました。大変、中読むといろんな教訓とか現場のにおいが沸き立ってきます。岡本さんはこの著書の中で、湾岸危機のときに、実はお金だけじゃなかったんだと、現場が走り回りながら、多国籍軍のニーズを受け止めて、そして装備品として、トヨタのランドクルーザー五百台、三菱パジェロ三百台、合計八百台の四輪駆動車を何とか提供したんだと、こういうことを書いています。残念ながら、そういう財政支援以外にやったことは、当時、こういうことやっちゃいけないんだというふうな空気の中で、ほとんど知られることなく、メディアも触れませんでした。そういうことで実はやっていたんだということをちょっと申し上げたいんですが。
 それから三十年経過した現在、今ウクライナ戦争で日本の政府の支援は、キール世界経済研究所というところの資料によれば、総額で世界第五位であります。諸外国と遜色はないように見えます。しかし、このうち九〇%以上は財政支援なんですね。ウクライナ戦争で自衛隊がこれまでに提供した装備品は、御存じのように、防弾チョッキ、ヘルメット、それから、ドローンといっても小型の民生用のやつをたった五十台。
 そんなことで、自衛隊は、自前の装備品の中から分け与えるという、これは防衛装備移転三原則で非殺傷性の物資に限られるということだけじゃなくて、ちょっとパネル出していただきたいんですが、資料お手元にありますけれども、(資料提示)この黄色い枠のところに書いてあるんですけども、財政法九条の特例、自衛隊法第百十六条の三、要するに、不用品だとか要らなくなったものは提供できると、こう書いてあるんですね。だから、要は、要らなくなったもの、そういうものを渡すだけだという規定がある。
 防衛大臣、お尋ねします。
 自衛隊は自分のお古しか支援できないのかと、ウクライナが必要としている装備品、殺傷兵器じゃなくてもいいから、できるだけ役に立ちそうなものを送るという発想がないのかと、相手側のニーズにかなっているようなものをできないのかということについてお答え願いたいと思います。

発言情報

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発言者: 猪瀬直樹

speaker_id: 12449

日付: 2023-06-12

院: 参議院

会議名: 決算委員会