舟山康江の発言 (憲法審査会)
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○舟山康江君 国民民主党・新緑風会の舟山康江です。
参議院の緊急集会の規定について意見を述べさせていただきます。
現憲法は、世界の中でも条文数も文字数も著しく少なく、余白の多い憲法と言えます。そのため、条文の変更を経ないままに、政府による恣意的な解釈の変更が何度も行われてきた歴史があるのは御承知のとおりです。
また、学説の解釈が大きく分かれるような条文も多いわけですけれども、今回のテーマである参議院の緊急集会に関する条文もその一つであり、例えば、衆議院議員の任期満了による総選挙の場合にも緊急集会が開けるか否か、その期間はどのくらいかという単純な問いかけに対しても解釈が分かれるような状況にあります。
このままでは、いざ実際にそういう事態が発生した際に大混乱に陥るのは必至であり、行政府による権力の濫用を防ぐという憲法の重要な役割が失われる事態も招きかねません。にもかかわらず、いつまでも両論併記のままで放置し続けるというのは、立憲主義の危機であると同時に、立法府の怠慢ではないかと私は考えます。改めて、曖昧さを払拭するためにも憲法の議論は必要です。
私たち国民民主党は、昨年末、緊急事態条項の条文案をまとめました。憲法への緊急事態条項の追加を検討、というと、戦前の軍部の独走やドイツのナチス台頭のように、緊急事態に名を借りて政府が好き勝手に暴走するのではないか、国民の権利が奪われるのではないか、といった懸念の声がたくさん聞こえてきます。緊急事態では、平時よりも強度の措置が必要とされる場合もあります。そして、どうしても国全体が正気を失いがちになるというのが歴史の教訓です。
新型コロナ発生の初期を思い出してください。突然、何の法的根拠もなく、学校一斉休校や営業自粛要請が内閣から一方的に宣言され、国会の関与もないまま、国民の権利が侵害されました。
こうした反省を生かし、逆に、どんな緊急事態でも同じ歴史を繰り返さないよう、あらかじめ、権力濫用を防ぎ、民主的な統制を強めるための基準を整備すべきです。
折しも、日本を始め世界各国が自然災害、感染症の蔓延、武力攻撃、テロなど、想定外の緊急事態に幾度も直面しています。だからこそ、内閣の暴走を止めるための手段として、手続的統制、すなわち国会や最高裁による関与・統制、内容的統制、すなわち人権制限の限界、緊急時でも絶対に侵してはいけない権利の範囲などを規定する、緊急事態権力統制条項を設ける必要性を訴えています。
こうした緊急事態と現行憲法による参議院の緊急集会を切れ目なく組み合わせて、あらゆる緊急事態下においても国民の生命と財産、そして人権を守れるような法制度を構築することが立法府の責務であると私は考えています。
先般、国民民主党が日本維新の会、有志の会とまとめた緊急事態条項の条文案では、議員の任期延長の実体的要件として、武力攻撃、内乱・テロ、自然災害、感染症の蔓延、その他これらに匹敵する事態の発生と、選挙の一体性が害されるほどの広範な地域において国政選挙の適正な実施が七十日を超えて困難であることが明らかであることを挙げています。実体的要件に七十日を超えて困難、と入れることで、緊急集会と議員の任期延長のすみ分けを明確に図っているものです。
緊急集会の機能はやはり一時的、暫定的なものであって、その期間には限界があり、七十日を超える長期にわたってまで無制限に緊急集会開けるようにすることは規定の濫用にならないかと懸念しています。
まず、七十日を超えて緊急集会開くことの妥当性について、法制局長に御所見をお伺いします。
もう一点、緊急集会における予算の議決についてお聞きします。
憲法五十四条三項には、「前項但書の緊急集会において採られた措置は、臨時のものであつて、次の国会開会の後十日以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失ふ。」とあります。この条文は、やはり緊急事態はあくまで臨時の措置だということだと思いますけれども、長期にわたる予算の議決が許容されるのか。
この二点についてお聞きします。