川崎政司の発言 (憲法審査会)
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○法制局長(川崎政司君) お答えいたします。
まず、一点目の問題につきましては、諸外国の制度について見る場合には下院と上院に分けて見てみる必要があるのではないかと思います。
まず、下院につきましては、選挙区割り等について投票価値の平等が考慮されるのが通例であり、例えば、アメリカでは州内の選挙区間では可能な限り人口が同数でなければならないとされる一方、ドイツ、フランス、イギリスでは選挙区間の平均人口や有権者数からの乖離に関する基準などが定められているところでございます。このほか、イタリアやカナダでは、憲法上、各州への定数配分は人口に比例して行うことが定められております。
また、アメリカ、ドイツ、フランスでは、較差や偏差等について、司法裁判所あるいは憲法裁判所によって違憲等の判決が出されたことがあるということでございます。
他方、上院につきましては、連邦制、世襲貴族制を取り入れるなど構成原理が違っているものが少なくなく、上院で人口比例を取り入れている国としては、間接選挙であるフランスや、小選挙区比例代表混合制であるイタリアなどがございますが、その較差は必ずしも小さいものとはなっていないというふうに承知をしております。
二点目でございます。
二点目につきましては、裁判所が憲法八十一条によって違憲審査権を付与されていること、憲法が選挙制度あるいは国会の裁量を枠付けているものとして選挙に関する原則を規定しており、憲法十四条一項、四十四条ただし書が平等選挙について定め、その要請の中には投票価値の平等の要請が含まれることなどからすれば、裁判所が投票価値の平等の観点から両議院の選挙制度について審査を行うことが直ちに三権分立に反するようなことはないのではないかというふうに思います。
ただ、最高裁も述べているように、両議院の選挙制度の仕組みの決定は、原則として国会の広い裁量に委ねられ、かつ、憲法が定める二院制の趣旨をいかなる選挙制度によって実現していくかは、参議院の性格、機能や衆議院との異同の反映も含め、国会の合理的な裁量に委ねられているほか、参議院選挙と投票価値の平等との関係の理解には様々な考え方があり、また、かつては五倍を超える較差を最高裁も合憲としていたにもかかわらず、次第に投票価値の平等を重視する姿勢を強め、参議院の選挙制度につき投票価値の平等の要請が後退してよいと解すべき理由は見出し難いとし、その仕組み自体の見直しにまで最高裁が言及することの当否につきましては、あるいは議論のあり得るところかもしれません。
以上でございます。