天畠大輔の発言 (厚生労働委員会)

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○天畠大輔君 代読します。
 今の答弁で見守りという言葉がありました。これが私たち重度障害者の生命線となります。
 資料一を御覧ください。
 厚労省の通知にもあるように、重度訪問介護による見守りは、日常生活に生じる様々な介護の事態に対応するための支援です。私が今日こうして質疑に立てているのも、起床時の車椅子への移乗、食事、トイレ、着替え、自宅から国会までの移動、その全てを介助者がひとときも離れることなく支援してくれているからです。加えて、頻繁に顎が外れ、呼吸困難になる私は、常に介助者がそばにいなければ、生命維持すらできません。私が生命維持と社会参加を実現できているのは、必要に応じて介助者が常に対応できるよう、そばにいる見守りの支援が認められているからです。見守りを含めた二十四時間の介助保障がなければ、社会参加はおろか生命維持もできない、それが重度障害者である私の現実なのです。
 この見守りの考え方は介護保険にはありません。これでは、健常者と同じように地域で生活し、社会参加をする権利は保障されません。重度訪問介護の起源は一九七〇年代からの重度障害者による命懸けの運動です。各地域でつくられた重度障害者の介護保障制度が二〇〇三年に支援費制度という国の制度へ移行し、二〇〇六年の障害者自立支援法により、名称が現在の重度訪問介護になりました。このとき、重度訪問介護に見守りが含まれるのか否かが、障害当事者にとっては生死を分かつほど問題でした。重度訪問介護の見守りの考え方がなければ、長時間の介護保障は実現されないからです。
 ここで、介護保障運動の中心的存在であった新田勲氏の言葉を引用します。見守り介護の本質は命の保障ということです。障害が重くなればなるほど、突発的な事故や発作、急変が起きます。私もいつ何どき硬直や発作が起きるか分かりません。介護人がいない時間があるということは、私のような重度障害者にとっては非常に恐ろしい状況なのです。介護人が常に脇にいて、障害者はそれによって安心して命を保障されて初めて生きていけるのです。手足の動かしたいときに動かして、喉が渇いたときに水を飲んで、会話したいときに会話して、体調が悪いときに対応する、これこそが全身性重度障害者の自立の見守り介護という介護保障なのです。こうした新田氏らの強い働きかけにより、重度訪問介護に見守りという文言が残りました。
 さらに、資料二のとおり、二〇〇六年六月十四日、衆議院国土交通委員会において、園田康博議員が厚労省に質問し、重度訪問介護の支援内容に見守りが含まれることを明確にしました。
 大臣、重度障害者が地域で健常者と同じように生きていくに当たり、見守りがどれだけ重要な支援なのか分かっていただけたでしょうか。
 ここで、介護保険優先原則の話に戻りますが、重度訪問介護を利用している当事者が介護保険に移行することは、介助者の見守りが認められなくなるということであり、死に直結します。介護保険優先原則について、より適切な運用がなされるよう、留意すべき具体例を事務連絡として示すとのことですが、主管課長会議資料にもある介護保険の訪問介護と重度訪問介護の違いをきちんと明記することが必要不可欠だと考えます。
 大臣、いかがでしょうか。

発言情報

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発言者: 天畠大輔

speaker_id: 21963

日付: 2023-05-23

院: 参議院

会議名: 厚生労働委員会