打越さく良の発言 (厚生労働委員会)

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○打越さく良君 立憲民主・社民の打越さく良です。
 本法律案は、昨年の第二百十回臨時国会での審議が見込まれたため、当時から、業界団体などから早期成立を望む声が上げられました。その一方、ハンセン病患者、元患者や障害者団体などの方々から、感染症の感染者等に対する差別、偏見を助長するものだと厳しい批判も出されました。
 これには歴史的な経緯があります。感染症予防法は、九八年に伝染病予防法、性病予防法、後天性免疫不全症候群予防法を統合して制定されました。
 当時の公衆衛生審議会は、過去におけるハンセン病患者を始めとする感染症患者に対する差別や偏見が行われた事実や、らい予防法が存在し続けたことが、結果として患者、入所者とその家族の尊厳を傷つけ、多くの苦しみを与えてきた事実、同法が平成八年に廃止されるに至った経緯への深い反省が必要であると指摘し、現行の伝染病予防法は集団の感染病予防に重点を置いてきたことから人権の尊重に配慮した法律とは言い難い、今回の見直しに当たっては、患者、感染者を社会から切り離すといった視点で捉えるのではなく、患者の人権を尊重し、差別や偏見なく一人一人が安心して医療を受けて早期に社会に復帰できる等の健康な生活を営むことができる権利、個人の意思の尊重、自らの個人情報を知る権利と守る権利等に配慮することが重要であると述べています。
 日本の公衆衛生行政が差別的で人権への配慮が足りなかった点が厳しく指摘されました。こうしたことから、関連する法律においても、差別や偏見が助長される要因は注意深く摘み取っておかなければなりません。
 日弁連は、宿泊拒否制限の緩和について、宿泊を必要とする者に宿泊場所を提供する、野宿、行き倒れ防止という観点から、宿泊施設の公共性に鑑み、一次的に宿泊客の身体や生命の安全を確保し、ひいては憲法十三条、二十二条に由来する移動の自由を担保すると、重要な意義を強調しています。このことから、宿泊拒否を可能とする事由は極めて限定されなければなりません。
 ハンセン病の元患者やHIV感染者への宿泊拒否事案への反省から、いわれのない宿泊拒否など決して繰り返してはならないことは、旅館業法の見直しに係る検討会、厚生労働省はもとより、業界団体、患者団体等全てに共通する問題意識でした。こうしたことから、衆議院において法案に対して述べられた様々な懸念について与野党が真摯な協議を行い、事業承継の経過措置等を含む修正が行われたことに敬意を表します。
 第五条において、「伝染性の疾病にかかつていると明らかに認められる」を「特定感染症の患者等である」と改められたことについて、衆議院で我が党の阿部知子議員の質問で、その等が拡大解釈を生まないかとの懸念が表明されています。現行規定の伝染病の疾病にかかっていると明らかに認められる場合と、衆議院厚生労働委員会における答弁で等に当たるものとして示された感染法上の疑似症患者又は無症状病原体保有者には隔たりがあるように思われます。
 どのような運用が行われるのか、阿部議員の問題意識である無症状者はどのような取扱いとなるのか、分かりやすく説明をお願いします。

発言情報

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発言者: 打越さく良

speaker_id: 26780

日付: 2023-06-06

院: 参議院

会議名: 厚生労働委員会