近藤宙時の発言 (国土交通委員会)
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○参考人(近藤宙時君) 近藤でございます。
今日は、このような最高の立法府の方にお呼びいただきまして、ありがとうございます。と同時に、大変緊張しておりますので、ろれつが回らなくて聞き取りにくいということもあると思いますが、御容赦願いたいと思います。
資料に従いまして御説明させていただきたいと思います。
国民最大のインフラの一つであります高速道路が日本の大動脈と言われております。これに血を通わせるということで日本が元気になると。現在血が通っているかどうか、それについて御説明させていただきたいと思います。
一、めくりいただきまして、資料の方ですけれど、一枚目から三枚目は先生方見慣れたデータではないかと思いますし、ここへ載せるのはどうかと思いましたけれども、今、日本の経済環境というものが異次元の改革が必要と思われるくらいにかなり危機的な状況にあるということを再認識していただければというふうに思います。時間もございませんので、説明は省略させていただきます。
四枚目の右下に数字でページを打っていますが、四ページ目でございますけれども、現時点で地域格差がなくなってはいないということを示すデータでございます。表につきましては、普通の都道府県の並びではなく、埼玉から岐阜まで、俗に言う太平洋ベルト地帯といいますか、太平洋地域を中心にしてございます。端に行くほど東西南北にこの地域から離れていくと。離れていく地域ほどやはり格差が拡大しているということがこの表二つを重ね合わせると実感いただけるのではないかなというふうに思います。
続きまして、五ページ目でございますけれども、これも皆様方には見慣れた数字でどうという数字ではないのですが、インバウンドが最高潮を示しました二〇一九年度の統計の観光に関する統計データでございますけれども、その最高潮のときでもインバウンドは一五%に満たず、日本国民による国内観光、宿泊旅行といったものが八〇%の、観光消費の、占めております。ということは、国内の、日本人による国内観光旅行を二割増やすだけで、インバウンドをこれから最大値であった二〇一九年度の二倍にするよりも効果的だということがお分かりいただけるかと思います。
六ページ目でございますけれども、これは自分でも調べておりましてびっくりした数字なんですが、コロナのロックアウトという前代未聞のときに政府が支給しました特別給付金の使い道をニッセイ研究所がアンケートで聞いたデータと、それからこれも、これは右の方は、もし十億円当たったらという夢のような使い道を聞いたと。いずれにいたしましても、国民の財産形成、あるいは取りあえず貯蓄といったものを除きますと、旅行がしたいというのが日本人の余暇といいますか、願望の一番大きなものだということがお分かりいただけるのではないかなと思います。
続きまして、七ページ目でございますけれども、では、その旅行がしたい日本人、本当に旅行が世界的に見て活況を呈しているのかという点でございますが、比較に使いましたのはドイツとイギリスでございます。
国交省さんの方では高速道路の距離制の例としてポルトガルやギリシャを距離制だといって大きく挙げていらっしゃいますけれども、ポルトガルやギリシャは日本とかなり経済環境が異なっております。やはり日本と比較するのはドイツ若しくはイギリスではないかというふうに思います。理由は簡単でございまして、GDPが近いと。イギリスに関してはフランスとインドにちょっと抜かれて七位になっておりますが、人口とか面積考えますと、最も日本に近い国がドイツとイギリスであろうと。
人口とかのデータはそこに載せておりますけれども、世界的に比較する、また比較する場合に、自分よりも下というよりは、どちらかといえば目標になるところと比較するのが正しいのではないかと思いますけれども、そんなようなデータをいろいろ載せておりますが、赤いところ、ここだけがこの日独英の三国の中で大きく違う点でございまして、一人当たりの国内旅行の消費額、それから高速道路の延長区間、あと、ちょっと注目的なのがドライバーの年間走行距離ですけれども、これは全国のデータはございませんで、日本は東京、ドイツがベルリン、イギリスがロンドンというところのオーナードライバーの走行距離の平均値ということでございまして、日本が断トツ低いということが分かるかと思います。
続きまして、八ページ目でございます。
人流の後は、最も高速道路の大きな役割としての物流でございます。なかなかいいデータがなかったんですけれども、百キロという少量の貨物を五十キロ輸送する場合、先進諸国と比べたデータでございますが、日本を一〇〇としますと、ほかの国は大きく上回っておりまして、日本が、本当に業界の御努力だと思いますけれども、大変有利な安いコストで物流が行われているということが分かるかと思います。
ところが、多分高速道路を利用するということになると思いますが、十トンの大きな荷物を千キロ輸送する場合のコストになりますと、この日本の物流コストの優位性が大きく崩れます。また、下に書いてございますが、これ国交省さんのアンケート調査の結果ですけれども、トラック業者の約九割が高速道路の利用を控えているという回答をされております。
九枚目でございますけれども、これはもう本当に先生方には言わずもがなでお叱りをいただくかもしれませんけれども、改めまして高速自動車国道法と道路法の趣旨を載せております。
それを見ますと、高速道路というのは、政治、経済、文化上特に重要な地域と地域、拠点と拠点を結ぶというのが使命だというふうに読み取れるかと思います。また、道路法の方の要請でございますけれども、交通の発達ということは、交流、人流、物流の交流を活発化し、また公共福祉というのは、ここでいう公共福祉は、高齢福祉のような文脈の福祉ではなく、間違いなく経済の発展、ストレートに言いますとGDPの増大に期することを目的とすると読み替えてもいいのではないかと思います。
そのような法律の目的といいますか、規定がありますので、高速道路料金の制度を考えるときには、やはり重要な地域と地域の交流、人流、物流を最大限に活発する料金制度なのかどうか、また日本経済を下支えし、増進するような料金制度なのかということを考えるのが一番重要なのかなというふうに思います。
十枚目でございますけれども、高速道路の目的が達成されているかというところで、NEXCO三社の料金収入と通行台数から割り出すと、一台当たり、これは普通車から大型車まで全部含めてですが、八百十六円の支払ということになっておりまして、それを計算いたしますと二十七キロになります。これは、全て普通車とみなして計算して二十七キロですので、現実にははるかに高い大型車、特大車も走っているわけですから、二十七キロ未満だということが分かると思います。二十七キロというのは、とても地域と地域、重要な拠点と拠点を結ぶような高速道路の本来の目的ですね、法律が規定しております目的から外れているのではないかなというふうに感じます。
また、高速道路というと東京に在住の方は首都高を思い浮かべられると思うのですが、首都高は大変混雑しているので、高速道路イコール渋滞路という御認識も国民の方にはお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんけれども、全国的に見ますと、高速道路の利用、それほど混雑しているという状況には遠い状況にあるのかなというふうに思います。
十一枚目でございますけれども、高速道路料金ですけれども、五十を超える、まあ五十を超えるのか二十を超えるのか分かりませんけれども、細かい例外措置、例外料金制度を含めますと五十ぐらいあると言われております。大口・多頻度割引、これは大企業ほど、トラック業界ですね、有利になるという割引でございます。また、ジャパン・エクスプレスウエー・パス、これは外国人向けに一週間、二週間の定額制、距離制ではなく定額制で販売されているパスでございます。そういったような制度が幾つもありまして、そういう状態というのは、システム屋さんの目から見ますと制度疲労を起こしているというような状況ではないかと。抜本的な改革が必要な制度になっているというふうに考えざるを得ないということ。
また、コロナの負債の償還からまだ国民、脱出し切れておりません。ここで抜本的な改革をする必要があるのかなと。
また、利用者ですけれども、一九七〇年、これは東名、名神が全線開通したときの人口でございますが、三千六百万人ほど、二十代から四十代、一番高速道路を利用するであろうというような元気な人々の数がいたんですが、二〇一八年にはもう既に三割ほど減りまして、さらに二〇三八年、これは僅か十五年後でございますけれども、には二千百万人と四割も減少するというような状況があって、こういった状況を見た場合にも、その多くいた人口を前提とした料金制度がいいのかどうかという問題があると思います。
続きまして、申し訳ございません、開いていただきまして、十二ページ目でございますけど、今のような状況を見ますと、普通車四百円で、下に若干書いてありますように、大型車千五百円、また特大車二千五百円、これは道路損耗率が重量の二乗に比例して増大するということもありますし、またまた、トラック、バス、近距離ではなく長距離を走るということを前提にされていると思いますので、こんなような料金でいきますと、普通車四百円でも現行の二兆四千億の料金収入を確保できるので、償還も何もかも何の問題もない。一円の国費の出費も必要なく四百円で乗り放題にできるかと思います。
また、償還金が約五割占めておりますので、永久有料化してしまえば、そこにありますように、二百円で走り放題になるのかなと。使った分だけ払うことが是にかなっているという答弁を何度も見たことがあるんですけれども、燃料費、人件費、車両費、保険料、それからその他もろもろ、利用者が利用する高速道路で鉄道のように距離に応じて必要な費用があるのかどうかという点から考えても、乗り放題、サブスクというのは是認される制度かなというふうに考えます。
続きまして、定額制すると何がいいかという点でございますけれども、まずは物流コスト、長距離の物流コストが低廉化します。千五百円でトラック走り放題になりますので、国際競争力も上がりますし、地域から、例えば北海道、東北から東京という地域間移出も増大するということで、地域格差の是正につながるかなと。人流コストの低減ですけれども、観光産業の活発化もありますけれども、やはり人と人が出会うことで新たな付加価値、新たな価値の創造という点が大きいかと思います。
また、高速道路利用者が増えれば増えるほど、事故の削減とか二酸化炭素の排出、SDGsにも貢献するということは、国交省さんの方の試算で出ております。
さらに、出口コスト、出口で料金所が要りませんので出口の増設が非常に容易になり、元々定額制でした首都高を考えていただければ結構ですけれども、首都高には出口が二キロに一か所、その他の一般高速道路は十キロに一か所ですので、非常に簡単にできる。要するに、出口渋滞を解消できるというふうに考えております。
最後のページ、十四ページですけれども、一度実験をされておるというふうに思います。麻生内閣のときの千円上限制度でしたけれども、これは非常に片肺というか一部分の実行でございました。土日だけ、ETC車、搭載車だけ。それから、観光バスも対象外ということで、観光バスは減少しております。にもかかわらず、年八千億円の経済効果があったと。トラックも対象外でしたので、物流にも効果がある定額制、いかな効果があるかというのはある程度証明されているのかなと。
よく失敗と言われていますけれども、ピークをつくってしまったと。元々渋滞しやすい土日のみ実施しまして、ピーク時をよりピークにした。ピークということは過剰資産を持つということです。平日の少ないときは過剰資産になってしまうということでございますので、これをなくす全日定額制ならこういったことはさばけるのかなと。また、完全実施ではございませんでしたので、出口を増設することができず、出口渋滞が一層激しくなったというようなことが考えられます。
最後のページは、こういった定額制について決議しているのは、私だけではなくて経済同友会さん等もされているところで、参考までに載せさせていただきました。
ありがとうございます。