大野泰正の発言 (災害対策特別委員会)
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○大野泰正君 それでは、報告させていただきます。
去る八月三日、秋田県において、令和五年梅雨前線による大雨に係る被害状況等の実情を調査してまいりました。
参加者は、三浦信祐委員長、足立敏之理事、野田国義理事、下野六太理事、青島健太委員、嘉田由紀子委員、仁比聡平委員、また、現地参加されました進藤金日子議員、寺田静議員、そして私、大野泰正の十名であります。
現地調査の概要を御報告いたします。
本年の梅雨前線による全国的な大雨のうち、七月十四日から十六日にかけては、東北地方に停滞した活発な梅雨前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み続けたため、総降水量が四百ミリを超えるなど、秋田県内各地では、観測史上一位の雨量を記録する大雨となりました。
この大雨による被害により、同県内では五城目町において一名がお亡くなりになりました。また、秋田市では中心市街地で発生した大規模な内水氾濫によって、約二万五千戸が浸水したと見られており、市民生活に甚大な影響を及ぼしております。さらに、各地における土砂災害や複数の河川での同時多発的な氾濫により、農地、林地、林道なども深刻な被害を受けました。
現地におきましては、まず、秋田市雄和に赴き、左手子地区の雄物川直轄河川改修事業の工事現場を車窓から視察いたしました。
国土交通省によれば、雄物川では、平成二十九年七月の浸水被害の発生を受け、同年度内に激甚災害対策特別緊急事業を実施した後、防災・減災、国土強靱化のための、いわゆる三か年緊急対策、五か年加速化対策によって、河道掘削及び堤防整備を継続してきたとのことでした。今回の大雨では、河道掘削に加え、上流の玉川ダムで特別防災操作として約四十時間に及ぶ貯水を実施した結果、約八十八センチの水位低減という大きな治水効果が認められたとのことでした。
次いで、五城目町馬場目に赴き、馬場目川の氾濫により被災した河川堤防や農地を視察いたしました。
秋田県によれば、視察現場では、馬場目川の堤防が約五十メートルにわたって決壊し、農地に大量の土砂が流入したため、決壊箇所を大型土のうで塞ぐなどの応急対策を実施したとのことでした。今後は、破壊された用水路の復旧を緊急に実施するとのことでありました。
また、馬場目川水系土地改良区で営農する水土里ネット馬場目川水系の加藤理事長からは、昨年の水害からの復旧の中で、二年続けて被災したことから、復旧事業における農家の自己負担を極力なくしてほしい旨の要望がありました。
次いで、秋田市添川に赴き、土砂災害現場を視察いたしました。
県によれば、視察現場は、山腹斜面の崩壊により、直下の人家、県道、農地へ土砂が流出した場所で、災害関連緊急治山事業を林野庁や秋田市と検討しているとのことでした。また、今回の大雨では、県内における林道や林地の崩壊が非常に多いのが特徴で、林野庁も歴史的な災害との認識を示しておりました。
次いで、秋田市南通において、浸水被害により五十六時間通行止めとされた明田地下道を車窓から視察いたしました。
秋田市によれば、同地下道は、市街地を流れる太平川の氾濫により、十五日午後八時に深さ六・一メートルまで浸水しましたが、市街地の東西の往来に重大な支障を及ぼすことから、連休明けの朝の通勤時間帯までに開通させるために、急ピッチで作業が行われ、十七日午後十時には通行止めが解除されたとのことでした。
次いで、秋田市中通において、主要地方道である秋田岩見船岡線に沿って流れる旭川に面した歩道の崩落現場を視察いたしました。
県によれば、視察現場では、十五日の大雨によって旭川の水位が高い状態で継続したところ、同日深夜に歩道が崩落していることが確認されたとのことでした。そのため、車道とともに通行止めとされましたが、復旧工事の結果、二十八日には車道の通行止めが解除されたとのことでありました。
次いで、秋田県庁にて、佐竹秋田県知事、穂積秋田市長、渡邉五城目町長にそれぞれ見舞金を手交した後、佐竹知事から要望書を受領いたしました。
その後、派遣委員との間で、避難情報の発令に係る体制とタイミングの在り方、内水ハザードマップの予測精度の向上、住まいの再建についての国への要望、今後の中小河川における治水対策の進め方について意見交換が行われました。
以上が調査の概要であります。
今回の調査では、雄物川直轄河川改修事業のように、防災・減災、国土強靱化の継続的な取組が大きな効果を発揮したことから、引き続き国土強靱化実施中期計画による切れ目のない対策の実施が重要となることが改めて認識されました。
特に、佐竹知事からは、想像を絶する大雨による大規模な内水氾濫の発生は、今後のまちづくりなどで大きな課題となるのではないかとの指摘もあり、内水氾濫対策や中小河川における治水対策の一層の推進の必要性を痛感いたしました。また、避難情報が一層適時的確なものとなるよう、国の機関と自治体との連携の緊密化を始めとする体制の充実も重要であると感じられました。
さらに、同じ場所で複数年連続して被災した農業者の自己負担の在り方についても、新たな課題となっていると改めて強く認識した次第であります。
終わりに、今回の調査に当たり御協力をいただきました皆様に心から感謝を申し上げ、被災地の一日も早い復旧復興をお祈りし、派遣報告といたします。