纐纈厚の発言 (財政金融委員会)

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○参考人(纐纈厚君) 御質問ありがとうございます。
 まず、問題の前提といたしまして、恐らくは、攻められたらどうするのかというところから多分議論が発しているんだろうというふうに思います。私は、大事なことは、攻められないこの国づくりはどうあるべきかということを優先して考えておきたい。そのこともある意味では理想主義という形で一蹴されることが往々にして多いわけなんですけれども。
 例えばスイス、これは武装中立でございます、御案内のとおり。スイスは、今でも大体四千人程度のプロの軍人しかおらず、そして国民皆兵制を取ってございます。つまり、もし侵略を受けた場合にのみ、家に持っている銃でもって立ち向かうというような方向性を取っている。だから、武装中立というのも一つの方法かもしれませんけれども、私は、そういう武力によって平和を守る、あるいは守られた平和が本当の平和だとは思っていません。
 ただ、こう言いますと、まあ学者のたわ言っていうふうにお聞きいただくことになるかもしれませんけれども、例えば、じゃ、もう一つ、コスタリカの例をよく引き合いに出されますね。
 コスタリカの場合には、隣国との内戦状態あるいは紛争状態が長きにわたって続いていた。ところが、アリアスという大統領が、無軍備、非武装中立政策を取った。結果、いろんなプロセスがございました。そうそう簡単に、言うほど簡単ではありませんけれども、内戦状態、紛争状態、国境紛争が基本的にはなくなりました。
 いや、それはコスタリカだからできた、あるいはスイスだからできた、日本のようないわゆる大国においていわゆる真空地帯をつくることは逆に紛争の種をまきかねないという議論はすぐ出てくるわけですけれども、果たしてそうなんでしょうか。果たして、日本が非武装中立を決断したときに、果たして、さあ、待ってましたといってどこそこが日本を侵略する、そのメリットはどこにあるのかということをしっかり考えた場合に、私は、無軍備イコール真空地帯ができ上がって、そこに待ってましたといって手を出すということは、私はあり得ないと思います。
 それからもう一つ、万々が一、相手の土俵に乗ります、攻められたらどうするかっていう、これは私は余りしたくない話なんですけれども、御質問いただきましたからあえてしますけれども、それはもう非暴力、無抵抗です。
 となりますと、じゃ、殺してくれという話になります。つまり、死を課して私は平和を守る、それだけの価値のある平和国家であれば、場合によっては死を課してでもやっぱりこの平和国家を守る、守るに値する国家をどうつくっていくのかということが問われると思います。
 これ、やや、防衛の問題というよりも哲学的な問題になるかもしれませんけれども、いずれ、そういう方向性の中で、命の安全保障論的なものが主軸を示す安全保障政策のトップに立つ、こういう時代をやはり私たちはつくり上げないと、また再び戦前回帰型の軍国主義になっていくっていう、これ極めて単純な物言いかもしれませんけれども、それはやはり重ねて申し上げたく思います。
 以上でございます。

発言情報

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発言者: 纐纈厚

speaker_id: 11235

日付: 2023-06-01

院: 参議院

会議名: 財政金融委員会