纐纈厚の発言 (財政金融委員会)

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○参考人(纐纈厚君) 中国の海洋進出は、確かに多くの日本人あるいは世論の中に脅威感情をかき立てていることは間違いございません。
 海警という形ですけれども、大変軍艦に近い船艦を出してきておりますし、また、日本が固有の領土だと主張しております尖閣の周辺にも、ある意味ではどんどん出てまいります。そのことは、可視化された脅威として常に大きな問題となっております。だからこそ、中国との関係性の改善というものは必要だと思います。
 どうしたらいいかという問題につきましては、やはり日中の、一九七二年の日中共同宣言のあそこに戻りつつ、やはり中国との対話再開というものをやっぱり念じるべきだろうと思います。朝鮮とも平壌宣言がございました。中国とも、今申しましたように一九七二年の日中共同宣言等々で両国は平和関係を構築するんだということを強く強く、当時の多くの先生方も御尽力をいただいて和解をつくってきたわけです。しかし、だんだんだんだんと中国の軍拡が進み、そして日本とアメリカとの関係性が強化されるに従って、日中関係が非常にこじれてまいりました。
 私先ほど申しました日中和解というのは、即無理であっても、和解なき協調、和解なき平和というのはあり得ると思います。幾つかのプロセスを経て、漸次、段階的にであれ、中国との接近外交というものをやる。相手の懐に飛び込み、そして胸襟を開くということは、中国の人たちも言います。先ほど御紹介いただきましたけれども、もう今までに二十以上の大学で講演とか講義を現在も続けておりますけれども、中国のいわゆる知識人、メディアの人、研究者、何と言っているかというと、もちろん中国の核兵器なり中国の通常戦力の拡大というのはあくまでアメリカの対中国包囲戦略に対する対抗措置である、決して私たちから向かうことはないんだと。
 これ信じるか信じないかはそれぞれもちろん皆さん方も御自由だと思いますけれども、私は、長年彼らとの付き合いの中で確信的に得ているのは、彼らは経済力によって世界のリーディングセクター、引っ張り役を任じようとしているのであって、軍事力によってではない。もう既に、先ほど繰り返しておりますように、中国のGNPは二千七百兆円、IMFの統計でありますけれども、世界第一位でございます。そのせっかく勝ち得た経済大国を、紛争や侵略戦争等々で台なしにするわけがない。十四億の民を食わせていくことはできない。
 それから、もう一つ付け加えさせていただきますと、中国は資源大国ではなく資源小国です。じゃ、資源をどこから持ってくるかと。海洋です。海洋をもし封じられれば、中国は兵糧攻めに遭って、十四億の民は飢え死にしかねない、論理的には。そういう恐怖感を彼らは持っています。なので、海洋は常に自由にしておきたいというのが彼らのある意味では戦略です。ならば、お互いに折り合えるチャンス、折り合える議論の余地というのは十全にあると思います。
 是非是非、皆さん方の御尽力で、日中和解という方向性の中で日本の安全保障を考えていただきたい。日中和解が日本の最大の安全保障と、これはもう繰り返し繰り返し申し上げたいというふうに思います。
 以上でございます。

発言情報

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発言者: 纐纈厚

speaker_id: 11235

日付: 2023-06-01

院: 参議院

会議名: 財政金融委員会