纐纈厚の発言 (財政金融委員会)
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○参考人(纐纈厚君) 御質問ありがとうございました。
二点御質問をいただきました。
一点は、膨らむ防衛費が日本の経済力に対して、相当のある意味ではダメージ、あるいは相当の負担を強いているのではないかと、このことをどう考えるかという御質問だったと思います。
五ページの資料をお示ししたのは、先ほどとかなり重なったお答えになるかもしれませんけれども、日本の経済力の現在とこれからというものを長期的に捉え返した場合に、これだけの防衛費負担というものが、今後日本の経済力が復活、そして国民の暮らしの安定、安全のために、これはマイナスにこそなれプラスになるとは一つも思いません。逆に、例えば、今日たくさん話が出ましたけれども、中国、朝鮮等々の脅威がもしあるとしても、その脅威をまずなくすことによって防衛費負担を減らすことが、また、これもまた同時に安全保障の非常に重要な目標になるんだろうと思います。
私は、どこまでお金を積み上げれば安全が担保されるかということは、まさに際限のない、先ほども少し出たようですけれども、まさに軍拡のスパイラルにもう既に日本は入ってしまいました。そういう意味でいうと、どこかでやはりこの軍拡のスパイラル、負の連鎖を断ち切る工夫をやっぱりしなければいけない。そのためにどういう知恵を絞り出すのかということでは、実はもう様々な提案が出ているんだろうと思います。国会の場でそれがどこまで議論されているかは十分私は把握しておりませんけれども、その点は十分にやっぱり今後先生方も含めて御議論いただければというふうに思います。
そして、二点目、日米安保。日米安保、日米軍事同盟をどう考えるかという大変大きな問題でありますけれども、簡単に申しますれば、私は、日米安保が戦後の日本の安全保障に非常に貢献したとは実は全く思っておりません。日米安保によって、例えば先ほどから出ましたような中国からの直接、間接侵略、あるいは朝鮮からの侵略等々が防止できた、そのために日米安保が機能したとは思っていないわけです。いや、むしろ、そういう侵略を防いだのは日本国憲法、まさに第九条であって、最大のいわゆる防衛力を発揮したものが日本国憲法第九条だと私は信じておりますし、なので護憲の立場を貫徹したいというふうに思っております。
そしてまた、同時に、日米同盟によって日本の外交力の柔軟性を非常に欠いてしまう。様々な形で全ての国々とやっぱり等距離外交をしいていくという方向性の中で戦後の日本は歩み始めたのでありますけれども、残念ながら、五一年、日米安保条約が締結された時点で、日本の外交というものが、あるいは日本の防衛というものが、アメリカ仕込みの日本外交、アメリカ仕込みの日本の防衛という形になってしまったことは、これはやっぱり否定できないだろうというふうに思います。
やはり日本人ですから、それは認めたくない気持ちは分かるんですけれども、客観的、史料的に見れば、やはり日本はアメリカから、ある意味ではアメリカもとっても大事な国でありますけれども、日米安保条約を日米友好条約に切り替える、あるいは自衛官の方々を防衛省からあるいは消防庁等に配置換えをする等々の方向性の中で、やっぱり自衛隊の段階的軍縮と日米安保の段階的な解消という方向性の中で、本当の意味での日米安全保障というものが成り立つんだろうという、そういう議論を私どもは実はやっているわけでございまして、なかなか遠い話かもしれませんけれども、そういう中長期的な戦略というものをやはりきちっと検討に値すべきであるというふうに私は考えております。
以上でございます。