石橋通宏の発言 (法務委員会)

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○委員以外の議員(石橋通宏君) ただいま議題となりました難民等の保護に関する法律案及び出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する法律案につきまして、発議者を代表いたしまして、提案の趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。
 初めに、難民等の保護に関する法律案の提案の趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。
 現行法制度では、難民認定は外国人の出入国管理を担う入管当局が行っており、公平性、中立性や専門性、透明性が確保されていません。また、難民認定の基準が全く不透明であり、難民条約や人権諸条約、国際連合難民高等弁務官事務所等の見解を踏まえた基準に基づく適切な保護が担保されていません。その結果、我が国の難民認定率は一%未満と、先進諸国に比べ極めて低く、かつ、本来保護されるべき補完的保護対象者や無国籍者等も保護されておらず、G7の一員として極めて恥ずかしい状態が放置されています。
 本法律案は、難民等認定の公平性、独立性、専門性を確保するため、現行の出入国管理及び難民認定法から難民の認定等に関する規定を分離して新規制定法とした上で、難民等及び難民等の認定の申請者の権利利益の保護を図り、もって難民等に関する問題を解決するための国際社会の取組に寄与するため、難民等の認定及びその在留資格に係る許可等、難民等及び難民等の認定の申請者に対する生活上の支援に関する施策等について定めようとするものであります。
 その主な内容は次のとおりです。
 第一に、条約難民、補完的保護対象者及び無国籍者の定義について、難民条約や国際人権諸条約及び国際連合難民高等弁務官事務所等の見解を踏まえ、新設する難民等保護委員会がその規則で定めることとしております。
 第二に、新たに、法務省の外局として、独立行政委員会である難民等保護委員会を設置し、同委員会が専門性、透明性ある形で難民等の認定を行うこととしております。
 第三に、難民等保護委員会は、国際連合難民高等弁務官事務所等の見解を踏まえ、難民等の認定基準を定めて公表することとし、併せて難民等該当性の立証責任の緩和その他の認定手続等に係る改善を行うこととしております。
 第四に、難民等に対する定住者の在留資格取得の不許可事由及び難民等認定申請者に対する仮滞在の不許可事由をそれぞれ緩和するほか、一時庇護許可者及び仮滞在許可者が最低限度の生活を維持するために必要な就労を許容する等の難民等の保護の制度に係る改善を行うこととしております。
 第五に、難民等及び難民等認定申請者に対する生活支援に関して、基本理念を定めるとともに、国及び地方公共団体の責務を明らかにすることとしております。また、生活支援基本計画の策定や、生活に困窮する難民等認定申請者に対する生活維持費の支給等を規定することとしております。
 続いて、出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する法律案の提案の趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。
 現行の出入国管理及び難民認定法は、退去強制令書による収容の期限を定めておらず、国際的にも悪名高いいわゆる原則収容主義の下、長期収容が問題となっています。また、現行の入管法上の収容には司法審査が介在せず、行政府の内部手続のみで完結してしまっています。一方、他のG7諸国では、収容期間について、上限を規定するか、判例で合理的期間内に制限し、あるいは収容開始後の独立の機関による審査を導入するなどしています。いずれの措置もない国は日本だけです。
 令和二年九月には、国際連合人権理事会の恣意的拘禁作業部会から、こうした日本の出入国管理における収容について、国際人権規約のうち自由権規約に違反しているとの指摘を受けています。
 また、現状、日本国外への退去を命じられたにもかかわらず本邦に残留する外国人は、送還されれば迫害を受け命の危険にさらされる難民等に該当することや、日本で生まれ育った子供たち家族との分離を望まない長期在留者など真にやむを得ず帰国できない事情がある者が少なくありません。我が国から退去させることが人道上不適当な外国人の保護を図るため、在留特別許可に係る手続を充実させることが必要です。
 本法律案は、このような出入国管理に関する国際的動向や現状等を踏まえ、収容の適正化、在留特別許可の適正化等を図るための所要の改正を行おうとするものであります。
 その主な内容は次のとおりです。
 第一に、在留特別許可の申請制度を設けるとともに、在留特別許可の要件の明確化を行うほか、事情変更による再度の在留特別許可の申立ての制度を設けるなど在留特別許可に係る手続の充実その他の違反審判の手続に係る改正を行うこととしております。
 第二に、退去強制令書発付処分の取消し訴訟を提起可能な期間内及び取消し訴訟が裁判所に係属する間における送還停止効を設けることとしております。
 第三に、退去強制を受ける者等の収容については、原則、収容は行わず、先進諸国で採用されている収容代替措置による対応を行うこととし、真に逃亡のおそれがあるときに限り、裁判官の発付する収容許可状により行うこととして、あわせて、容疑者の収容期間を短縮するほか、退去強制を受ける者の無期限収容を撤廃して、六月の収容上限に達した場合は放免することとしております。
 第四に、地方裁判所に対する収容許可状の失効申立て及びこれによる放免制度を設けるほか、逃亡のおそれがないとき又は疾病等による治療等を緊急に行う必要が生じたため収容の継続が相当でなくなったときは必要的に仮放免するものとするなど、仮放免制度に係る改正を行うこととしております。
 第五に、出入国在留管理基本計画に定める事項に、外国人の入国及び在留の管理に当たっての外国人の人権の尊重に関する事項を加えることとしております。
 第六に、この法律の施行の日の前日において退去強制事由に該当する外国人について、一定の要件を満たすことにより、定住者の在留資格の取得を許可する制度を設けることとしております。
 このほか、十六歳未満の外国人が所持する在留カード及び特別永住証明書の有効期間を見直すことなど、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が両法律案の提案の趣旨及び主な内容であります。
 何とぞ御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
 ありがとうございます。

発言情報

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発言者: 石橋通宏

speaker_id: 20059

日付: 2023-05-16

院: 参議院

会議名: 法務委員会