齋藤健の発言 (法務委員会)
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○国務大臣(齋藤健君) まず、刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
性犯罪は、被害者の尊厳を著しく侵害し、その心身に長年にわたり重大な苦痛を与え続ける悪質、重大な犯罪であり、厳正に対処することが必要です。
平成二十九年には、刑法の一部を改正する法律により、性犯罪の構成要件を見直すなどの改正が行われましたが、同法の附則において、性犯罪における被害の実情や改正後の規定の施行状況等を勘案し、性犯罪に係る事案の実態に即した対処を行うための施策の在り方について検討を加えることとされており、性犯罪について、被害の実情や事案の実態に即した規定とすることが求められています。
そこで、この法律案は、近年における性犯罪をめぐる状況に鑑み、この種の犯罪に適切に対処できるようにするため、刑法及び刑事訴訟法を改正し、所要の法整備を行おうとするものであります。
この法律案の要点を申し上げます。
第一は、性犯罪の罰則規定が安定的に運用されることに資するため、強制わいせつ罪及び準強制わいせつ罪並びに強制性交等罪及び準強制性交等罪をそれぞれ統合した上で、同意しない意思の形成、表明、全うが困難な状態でのわいせつな行為又は性交等であることを中核とする要件に整理し、不同意わいせつ罪及び不同意性交等罪とするものであります。
第二は、若年者の性被害の実情に鑑み、現行法上十三歳未満とされているいわゆる性交同意年齢について、十六歳未満とした上で、その者が十三歳以上であるときは、行為者が五歳以上年長である場合に処罰することとし、これにより、十三歳未満の者に対してわいせつな行為又は性交等をした者に加えて、十三歳以上十六歳未満の者に対し、わいせつな行為又は性交等をしたその者より五歳以上年長の者についても、不同意わいせつ罪又は不同意性交等罪として処罰することとするものであります。
第三は、若年者の性被害を未然に防止するため、わいせつの目的で、十六歳未満の者に対し、威迫、偽計、利益供与等の手段を用いて面会を要求する行為等を処罰対象とする罪を新設するものであります。
第四は、性犯罪の被害申告の困難性等に鑑み、性犯罪についての公訴時効期間を五年延長するとともに、被害者が十八歳未満である場合には、その者が十八歳に達するまでの期間に相当する期間、更に公訴時効期間を延長するものであります。
第五は、被害状況等を繰り返し供述することによる心理的、精神的負担を軽減するため、いわゆる司法面接的手法を用いて被害者から聴取した結果等を記録した録音・録画記録媒体について、一定の要件の下、反対尋問の機会を保障した上で、主尋問に代えて証拠とすることができることとするものであります。
このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
なお、刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案については、衆議院において一部修正が行われております。
続いて、性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
平成二十九年には、刑法の一部を改正する法律により、性犯罪の構成要件を見直すなどの改正が行われましたが、同法の附則において、性犯罪における被害の実情や改正後の規定の施行状況等を勘案し、性犯罪に係る事案の実態に即した対処を行うための施策の在り方について検討を加えることとされています。
近時の性的な姿態の撮影行為等をめぐる実情に鑑みると、性的な姿態を撮影する行為や、こうした撮影行為により生成された記録を提供する行為等は、撮影対象者に重大な権利利益の侵害を生じさせかねないものであり、こうした行為等に厳正に対処し、そうした撮影行為により生成された記録等の的確な剥奪を可能とすることが喫緊の課題となっています。
そこで、この法律案は、性的な姿態を撮影する行為等の処罰規定を整備するとともに、そうした撮影行為により生成された記録等の剥奪を行うための手続等を整備し、もって性的な姿態を撮影する行為等による被害の発生及び拡大を防止するため、所要の法整備を行おうとするものであります。
この法律案の要点を申し上げます。
第一は、性的な姿態を撮影する行為、これにより生成された記録を提供する行為等について、罰則を新設するものであります。
第二は、性的な姿態を撮影する行為等の犯罪行為により生じた物を複写した物等の没収を可能とするものであります。
第三は、検察官は、その保管している押収物が性的な姿態を撮影する行為等により生じた物又はこれを複写した物等である場合において、当該押収物が電磁的記録を記録したものであるときは、その記録状況等に応じて、当該押収物に記録されている電磁的記録を消去し、又は当該押収物を廃棄する措置を講ずることができるものとし、当該押収物が電磁的記録を記録したものでないときは、これを廃棄することができるものとするなどの仕組みを設けるとともに、これらの措置等について聴聞手続や不服申立て手続等に関する規定の整備を行うものであります。
このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、この法律案の趣旨であります。
何とぞ慎重に御審議の上、速やかに可決くださいますようお願いいたします。