羽田次郎の発言 (本会議)
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○羽田次郎君 立憲民主・社民の羽田次郎です。
ただいまの令和三年度決算の報告について、会派を代表して質問いたします。
本来であれば、昨年の臨時国会でこの決算の本会議質疑が行われるべきでしたが、召集直後の財務大臣の不在や相次ぐ閣僚の辞任など、政府・与党内での混乱により、通常国会冒頭となってしまいました。決算審議を予算編成に反映させるという参議院の取組をないがしろにする事態を招いたことについて、岸田総理の弁明を求めます。
岸田総理は、御自身の特技として聞く力を挙げておりますが、答弁を差し控えるという答弁拒否が安倍、菅政権と同様に頻繁に繰り返されていることは、取りも直さず聞く気がないことの表れです。国会での十全な議論は主権者たる国民の理解の前提であり、本日よりしっかりとお答えいただきたい。是非そのことを御表明ください。
臨時国会が閉じた後、十二月十六日に安保関連三文書が閣議決定されました。一九五四年の発足から今日まで専守防衛に徹してきた我が国の自衛隊に敵基地攻撃力を備えたミサイルを配備するのであれば、まさに日本の防衛政策の大転換となります。防衛予算をNATO並みの対GDP比二%に増額するというのも、まず総額ありきで、国民に見える形で中身の議論が全く行われていません。安定財源をどうするかについて、責任ある内閣の総理大臣として明確にお示しください。
賃金アップの要請をしながら法人税を上げるというのは、経営者から理解を得られないでしょうし、復興特別所得税の転用に至っては言語道断です。全く別の目的で集めた血税を防衛費に充てるという手法は、まやかしとしか言いようがありません。
安全保障政策の大転換と、それに伴う膨大な国民負担をお決めになったのであれば、国民の信を問うのが当然です。一日も早く国民の信を問うお考えがあるか、総理の御決意をお聞かせください。
令和二年の初めから国内での新型コロナウイルスの感染拡大が始まり、かつてない規模で財政出動がなされました。今年、今年度に入り、物価高への対策なども加わり、巨額の予備費が更に計上されるなど、財政民主主義を無視した予算編成が繰り返されました。この先もしっかりと対策を打つためには、これまで三年ほどの財政出動の問題点やコロナ対策による効果の検証を行う必要があるという考えから質問いたします。
令和三年度予算は、当初予算百六・六兆円に加え、二年度から三年度への繰越額が過去最大の三十・七兆円、さらに過去最大の三十五・九兆円の補正予算が追加された結果、歳出予算全体で百七十三・三兆円まで膨れ上がりました。その執行の結果である決算では、予算の使い残しである不用額が六・三兆円となり、二年連続で過去最大を更新しました。また、使い切れず翌年度に先送りした繰越額は二十二・四兆円に上り、不用額と合わせると歳出予算の一六・六%が未執行となりました。
特に、主要経費別で最も多い二・四兆円の不用額が生じた中小企業対策費は、当初予算千七百四十五億円、二年度からの繰越額が十一・三兆円あったにもかかわらず、補正予算で三・九兆円積み増し、十五・六兆円の予算規模となりました。なおかつ、実際に支出できたのが九・九兆円と、二年度からの繰越額分にも達しておらず、まさに丼勘定と言わざるを得ません。
岸田政権は、令和三年度補正予算と四年度当初予算を合わせた十六か月予算を掲げ、巨額の経済対策を打ち出しました。しかし、三年度決算が明らかにしたのは、切れ目のない経済財政運営という美名の下、会計年度独立の原則の例外である繰越しを多用した挙げ句、結局、使い切れず、過去最大の不用額を生じさせたという事実です。
この多額の繰越額や不用額は、財政法上、特に緊要となった経費に限られているはずの補正予算を政府・与党が数字ありきで積み上げたことを裏付ける証拠と言えます。岸田政権は、昨年六月に閣議決定した骨太の方針二〇二二において、コロナ禍での累次の補正予算について、その使い道、成果について、見える化するとしています。政府自らが掲げたこの方針に従って、補正予算の使い道、成果を明らかにすることは当然ですが、それに加えて、なぜこれだけの多額の繰越額や不用額が生じたのか、とりわけ補正予算編成時における各経費の緊要性や積算、執行の見通しについても徹底的に検証し、公表すべきであると考えますが、総理の御見解を伺います。
会計検査院は、前年同様、令和三年度決算検査報告においても、新型コロナウイルス感染症対策に関連する各種施策に係る予算の執行状況について報告しています。令和元年度から三年度のコロナ関連事業の予算総額は九十四兆四千九百二十億円に上り、そのうち三年度から四年度への繰越額は十三兆三千二百五十四億円、三か年度の不用額は四兆六千七百四十四億円となっています。
このように、多額の繰越額や不用額が生じている状況を踏まえて、前年度の検査報告においては、国民の理解と協力を得ながら新型コロナウイルス感染症対策を進めていくために、広く情報提供することが望まれると指摘されており、政府の自主的な対応が期待されていました。ところが、三年度の検査報告では、予算の執行状況を示す基本的な情報である支出済額、繰越額及び不用額並びに補助金等の余剰額について分かりやすく情報提供することが望まれると、前年度と同じ問題に対してより具体的な指摘がされています。これは、全く状況が改善していないことを意味しているのではないでしょうか。
各府省等は、予算編成時には、予算書に加えて、豊富な補足資料を自主的に公表しています。予算執行の結果である決算においても、事業ごとの支出済額、繰越額及び不用額等の情報を補足資料として積極的に公表すべきではないでしょうか。
昨年六月の決算委員会締めくくり総括質疑において岸田総理は、検査報告の趣旨をしっかり受け止め、令和三年度及び四年度における新型コロナウイルス感染症対策について国民に対して丁寧な説明を行いたいと述べられました。総理の現状認識と具体的な取組方針についてお答えください。
厚生労働省は、都道府県を通じて、新型コロナウイルス感染症患者等の受入れのための病床確保事業に係る交付金を交付しています。対象となる病床は、患者等を入院させるために確保した病床のうち、空床となっている病床や患者等を受け入れるために休止した病床で、病床確保料は医療機関の種別や病床区分ごとに一日一床当たりの単価が定められています。
十三都道府県及び令和二年度に交付金を受けた百六医療機関を会計検査院が検査したところ、患者が入院していて病床確保事業の対象とならない期間中の病床数を延べ病床数に計上していたり、病床区分を誤って、単価がより高額な区分の病床確保料を適用するなどしたため、九都道府県の三十二医療機関で五十五億九百十八万円もの交付金が過大に交付されていた事態が明らかとなりました。
医療機関において制度の理解や確認が十分でなかったことが原因と思われますが、都道府県が医療機関から提出を受けた事業実績報告書等の内容を厚労省に提出していることを踏まえると、都道府県の審査が十分でなく、厚労省の指導も適切でなかった可能性があります。
交付金を有効活用して多くの命を救った医療機関が大多数だと思いますが、緊急的な事業についての事後確認は特にしっかり行わねばなりません。これは、雇用調整助成金や持続化給付金の状況を見れば自明のことです。今回指摘された事態の受け止めと再発防止策について厚生労働大臣に伺います。
新型コロナ感染拡大により休業を余儀なくされた雇用主が雇用調整助成金の支給を受けて休業手当を支払ったにもかかわらず、さらに従業員個人が休業手当が支払われていないとして休業支援金を申請し重複支給となったケースや、休業支援金を複数回申請して二重支給となったケースも指摘されています。時間を掛けずに支給を行えるよう、事前審査より事後審査に、事後確認に重点を置いたことは理解できますが、その事後確認が適切に行われていないと指摘された点について政府としてどのような対応を取っているのか、厚生労働大臣に伺います。
国土交通省は、水門や排水施設等の河川管理施設の整備等を行うとともに、河川管理施設を整備する都道府県等に対して防災・安全交付金等を交付しています。ゲートやポンプ等といった河川構造物の耐震性能調査が行われた二十二施設について会計検査院が検査したところ、十五施設は旧耐震基準の建物であり、このうち九施設において、河川管理施設全体での耐震性能が確保されているか不明であったり、対策の検討が行われていなかったりした事態が明らかとなりました。
巨大地震後の津波や豪雨など複合災害の危険がある中、河川管理施設が操作できなくなると深刻な水害につながりかねません。今回指摘された点についての受け止めを国土交通大臣に伺います。
また、河川管理施設の多くは高度成長期に造られて老朽化が進んでおり、全国で同様の事態になっているのではないかと危惧されます。今回は二十二施設を抽出して検査した結果ですが、全国に整備されている河川管理施設全体での耐震性能の確保に向けた今後の具体的な取組について、国土交通大臣に伺います。
新型コロナ感染拡大の影響を受けている地域経済や住民生活の支援を通じて地方創生を図る目的で、原則として使途に制限のない臨時交付金が各自治体に交付され、これまで通算で十七兆千二百六十億円が予算化されています。この交付金を用いて実施されている事業を会計検査院が調べたところ、例えば商品券の配布事業では、使用期限までに商品券が使用されず、未換金相当額が商工会に滞留しているケースがあり、中小企業者向け信用保証料の補助事業では、繰上償還で過払い分の信用保証料が返金されたにもかかわらず、これを補助対象事業費から除かないまま自治体に滞留しているケースが少なからず見付かったとのことです。さらに、多くの自治体で交付金を使った事業の効果の検証が実施、公表されていないことが判明しています。
自治体の使い勝手を考えて使途を制限しないとするからには、説明責任を果たすことが重要だと会計検査院は指摘しています。政府として、今後どのように未使用分の返還や効果検証を求めていくつもりか、地方創生担当大臣に御答弁をお願いいたします。
今国会でも過去最大の予算案が審議されています。限られた財源をどのように配分するかが時の政権の姿勢を示します。平和創造のための戦略的外交もないままに、防衛費に桁違いの比重を置く今の政権与党に対し、私たちは、子供、若者支援、社会福祉に重きを置きます。給食費無償化や、幼保の現場、障害者福祉施設、介護施設で奮闘される職員皆様の処遇改善、保育士の配置基準の見直し等を訴えています。適正な防衛予算は確保しつつも、夢と希望の持てる多様で持続可能な社会を実現するために、今後も国会での議論を深めてまいることをお誓いし、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕