本会議

2023-01-24 参議院 全41発言

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会議録情報#0
令和五年一月二十四日(火曜日)
   午後一時一分開議
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○議事日程 第二号
  令和五年一月二十四日
   午後一時開議
 第一 国務大臣の報告に関する件(令和三年度
  決算の概要について)
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○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
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尾辻秀久#1
○議長(尾辻秀久君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の報告に関する件(令和三年度決算の概要について)
 財務大臣から発言を求められております。発言を許します。鈴木俊一財務大臣。
   〔国務大臣鈴木俊一君登壇、拍手〕
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鈴木俊一#2
○国務大臣(鈴木俊一君) 令和三年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書を会計検査院の検査報告とともに国会に提出し、また、令和三年度の国の債権の現在額並びに物品の増減及び現在額につきましても国会に報告いたしましたので、その概要を御説明申し上げます。
 まず、令和三年度の一般会計の決算につきましては、歳入は百六十九兆四千三十一億円余、歳出は百四十四兆六千四百九十五億円余であり、差引き二十四兆七千五百三十五億円余の剰余を生じました。
 この剰余金は、財政法第四十一条の規定により、既に令和四年度の一般会計の歳入に繰り入れております。
 なお、令和三年度における財政法第六条の純剰余金は一兆三千八百十一億円余となります。
 次に、令和三年度の特別会計の決算でありますが、同年度における特別会計の数は十三であり、これらの決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算のとおりであります。
 次に、令和三年度における国税収納金整理資金の受入れ及び支払につきましては、同資金への収納済額は九十兆四千七百七億円余であり、支払命令済額及び歳入組入額は八十九兆六百五十四億円余でありまして、差引き一兆四千五十三億円余が令和三年度末の資金残額となります。
 次に、令和三年度の政府関係機関の決算でありますが、その内容につきましては、それぞれの決算書のとおりであります。
 次に、国の債権の現在額につきましては、令和三年度末における国の債権の総額は二百四十二兆一千三百五十四億円余であります。
 次に、物品の増減及び現在額につきましては、令和三年度中における純減少額は千二百八十九億円余であり、この結果、令和三年度末における物品の総額は十四兆九千百九十一億円余となります。
 以上が、令和三年度の一般会計歳入歳出決算等の概要であります。
 なお、令和三年度の予算の執行につきましては、予算の効率的な使用や経理の適正な処理に努めてきたところでありますが、会計検査院から三百十件の不当事項等について指摘を受けましたことは誠に遺憾であります。
 今後とも、予算の執行に当たっては一層配慮をいたし、その適正な処理に努めてまいる所存であります。
 何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。拍手
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尾辻秀久#3
○議長(尾辻秀久君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。和田政宗君。
   〔和田政宗君登壇、拍手〕
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和田政宗#4
○和田政宗君 自由民主党の和田政宗です。
 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました令和三年度決算について質問いたします。
 決算に対する質疑に先立って、総理の欧州、北米訪問について伺います。
 今月、岸田総理は、G7議長国として、フランス、イタリア、英国、カナダ、そして米国を訪問し、各国首脳に我が国の防衛力強化の方針について説明した上で、抑止力や対処力の強化に向けての協議を行いました。
 厳しい安全保障環境に直面し、大きな決断を下していくことが求められている首脳間での率直なやり取りを通じ、安全保障関係において各国との更なる強化、深化が図られました。また、改めて、各国との間で、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の重要性の認識も共有されました。欧州にとっても、インド太平洋は安全保障上、将来を左右する重要な地域であるとの認識も深まりました。
 米国との間では、バイデン大統領が、日米同盟と日本防衛に完全に全面的に関与と言及しつつ、日本の反撃能力の開発や効果的運用で協力を強化する方針が示されました。
 私は、今回の総理の欧州、北米訪問と各国首脳との会談は、日本の安全保障、ひいては世界の安全保障にとって大きな意味があるものだったと考えております。
 そこで、総理から、この国会の場で、これらの会談における具体的な成果は何か、その上で、G7広島サミットに向けて、今回の成果をどう更に発展させていくつもりなのか、これらの点について説明いただきたいと思います。
 参議院での決算審議の意義について伺います。
 参議院は、決算重視の姿勢の下、決算をめぐる議論を深めてまいりました。この努力の積み上げにより、決算の院としての役割がより明確になったものと考えております。
 そもそも、決算審議では、毎年度の予算が正しく使われ、目的を達成したのかという観点から議論をし、それを次の年度の予算に反映させていくことが大切です。この観点から、本日、来年度の政府予算案の国会審議の前に、与野党の合意の下、令和三年度決算への代表質問が行われることは、参議院のみならず、予算を執行する政府としても大きな意味があると申し上げます。
 そこで、予算執行する行政府の長である総理として、参議院での決算審議の意義をどのように考えておられるのか、さらに、参議院での決算審議をどのように事業執行に生かしていく考えなのか、これらについての御所見をお聞かせください。
 令和三年度決算検査では、国民の関心の高い事項として、コロナ対策関連や社会保障、国民生活の安全性の確保、情報通信等に重点を置いて調査を行っています。その結果、検査全体で三百十件、四百五十五億円の指摘がなされました。鈴木財務大臣は、これらの指摘をどう受け止め、それを踏まえてどのように予算執行していくお考えでしょうか。伺います。
 地域の実情に応じた取組が可能となることから、全国の地方自治体では地方創生臨時交付金へのニーズが大変高くなっています。しかし、今回の決算検査では、公的機関の水道料金の減免などで不適切な扱いが確認された事業がありました。その背景には、国から取扱いが示されていなかったという事情があります。
 国においては、交付金を充当できない場合を明確に自治体に示すべきです。一方で、余りにも子細に使途事例を提示すると、現地の実情に合った事業を展開することにちゅうちょをし、結果として自治体の自主性をそぎかねません。
 自治体には、しっかりと効果検証し、公表してもらうことは当然として、最も現地の事情が分かる自治体に任せるという地方創生臨時交付金の趣旨を貫きつつ、自治体間で、効果の高い先進的な交付金活用事例を具体的に共有し合うことなどで好事例を全国に広げていく、いわゆる横展開も図るべきではないかと考えます。岡田地方創生担当大臣の御所見を伺います。
 残念ながら、コロナ対策の給付金や助成金では、不正受給や重複支給等が発生しました。迅速さが最も求められる状況だっただけに、事務負担の軽減化と審査の簡素化を重視することは正しかったと思いますが、不適切事案の回避のために役所の保有するデータが十分に活用されなかった点は改善の余地があります。所管する役所だけではなく、役所間の横の連携を取りながら、支給を受けた事業者等への訪問調査を含めた実地調査についても実効性が上がるように対応してほしいと考えます。
 そこで、今回判明した不正受給や二重支給等の事案をよく分析し、今後、同様の事態が生じた場合には、事務の軽減と迅速性、そして適正な支給が両立できるようにデータの共有とデジタル化などの制度や工夫を講ずべきですが、総理の御所見を伺います。
 今回の決算検査報告でも、地方自治体等の事業において、公共的な施設の設計ミスや不適切な工事施工で、安全性が劣ったり災害時に機能が発揮できなかったりする不適切な事案が指摘されています。自然災害等から国民の生命と財産を守る防災施設の設計に誤りがあれば、災害発生時に本来の機能を発揮できないばかりか、安全性に関わる致命的なミスとなり、突然、崩落や転倒をし、悲劇を引き起こすおそれもあります。
 一方で、事業を進める地方自治体等では、技術系職員を確保することが難しくなり、構造物や非常用設備等の耐震性や安全性について確認できる体制を整えることができないという声も聞こえます。高度経済成長期に整備された社会インフラは、既に更新期を迎えており、日頃の点検も欠かせません。
 公共的施設などの社会インフラが本来持つべき安全性や防災機能を維持し、国民の生命と財産を守ることができる社会にするには、国土交通省の道路や河川等の事務所や官庁営繕部など国の地方出先機関が持っている技術系職員のマンパワーや技術力を生かすべく、地方における国の出先機関と自治体との技術協力や職員派遣等の連携強化が必要ですし、その前提として、何よりも国の地方出先機関の技術系職員の体制充実を図るべきと考えますが、斉藤国土交通大臣の御所見を伺います。
 さらに、国が持つ技術力、研究力を積極的に活用することで、行政の効率化を図り、より高い効果を上げることが可能です。
 国士交通省の機関である国土地理院は地図等で国民の皆様に知られていると思いますが、今や地理空間情報を活用した社会づくりを牽引する組織として様々な活動を展開しています。例えば、地理空間情報を活用することで、リアルタイムで災害情報を把握し、リスク情報を提供することが可能となり、ハード、ソフト両面からの防災・減災、国土強靱化事業の強化を図ることができるようになります。
 国の機関が有する科学技術力、イノベーション力を更に高め、国益に直結させることで、事業効果を更に上げ、予算を有効に活用するという観点から見れば、国土地理院のような技術開発や研究を担う国の機関においても人材や予算の充実を図ることが不可欠と考えますが、今回の決算を踏まえつつ、どのように予算執行していくお考えでしょうか。この点を総理にお伺いして、私の質問を終わります。拍手
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
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岸田文雄#5
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 和田政宗議員の御質問にお答えいたします。
 欧州、北米訪問における各国首脳との会談の成果及びそれをG7広島サミットに向けてどのように発展させていくかについてお尋ねがありました。
 今回訪問した、G7メンバーであるフランス、イタリア、英国、カナダ及び米国のそれぞれの首脳とは、二国間の懸案、協力について、そしてウクライナ情勢を始め緊迫している地域の情勢認識について、率直かつ突っ込んだ意見交換を行いました。
 また、私から各国首脳に対し、G7広島サミットに向けた議長国としての考え方を説明し、今年一年を通じたG7プロセスの進め方についてじっくりと話し合うことができました。その結果、G7が結束して法の支配に基づく国際秩序を守り抜くべく連携していくことについて、改めて確認することができました。
 安全保障に関しては、昨年末に策定した我が国の新たな国家安全保障戦略等の内容に関し私から各国首脳に対して説明をし、いずれの首脳からも前向きな反応をいただきました。
 今回、各国首脳と意見交換を重ねる中で、国際社会を主導していく責任の重さと日本に対する期待の大きさを改めて強く感じる歴訪となりました。各国首脳との議論も踏まえ、引き続きG7各国と連携しながら、G7広島サミットに向けた準備を進めてまいります。
 参議院における決算審議の意義等についてお尋ねがありました。
 これまでの参議院における決算審議に対する改革を踏まえ、政府としては、決算の早期提出や審議内容の予算への反映などに取り組んでまいりました。
 特に、参議院における警告決議に対しては、指摘事項の一つ一つについて次年度以降の予算に反映させるなど、適切に対応した上で、政府として、講じた措置を国会へ御報告しております。
 政府としては、これらの国会決議を重く受け止めるとともに、今後とも、事務事業の是正改善を行い、予算執行や次年度以降の予算に適切に反映させてまいります。
 コロナ対策の給付金や助成金についてお尋ねがありました。
 コロナ禍において、様々な助成金等により事業主や国民に対して支援を行ってきたところですが、事務負担の軽減や迅速支給を図る一方で、不正受給が発生したこと、これは遺憾なことです。
 会計検査院の指摘等も踏まえ、既に必要な措置を講じているところですが、引き続き、事務負担の軽減を図りつつ、迅速かつ適正な支給が可能となるよう、デジタル技術の活用も含め、各助成金等に応じた対応を講じてまいります。
 研究開発を担う国の機関における人材や予算の充実についてお尋ねがありました。
 研究開発を担う主要な国の機関や独立行政法人について申し上げますと、令和五年度当初予算において、運営資金として、令和四年度よりも多い約七千五百億円を計上するとともに、令和四年度補正予算においても、JAXA、産業技術総合研究所など向けの予算として約二千億円を計上するなど、必要予算の確保を行っています。
 また、各機関において競争的研究費の獲得に向けた取組を強化しています。
 人材についても、各機関における計画的な人事、人材育成に加え、大学や民間企業との人事交流等による優秀な人材の確保に努めています。
 今後とも、効率的かつ適切な予算の執行や人材の確保に向けた取組を着実に進め、我が国としての科学技術力、イノベーション力の向上を進めてまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。拍手
   〔国務大臣鈴木俊一君登壇、拍手〕
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鈴木俊一#6
○国務大臣(鈴木俊一君) 和田政宗議員の御質問にお答えいたします。
 決算検査報告の受け止めと予算執行への反映についてお尋ねがありました。
 令和三年度の決算検査報告において、三百十件、四百五十五億円の不当事項等の指摘がなされたことは誠に遺憾であります。
 財政当局としては、あらゆる機会を捉えて、各省庁に対し、予算の厳正かつ効率的な執行と会計経理の適正な処理を行うよう要請してきたところであります。
 今後とも、会計検査院の報告の趣旨も踏まえ、一層努力してまいりたいと考えております。拍手
   〔国務大臣岡田直樹君登壇、拍手〕
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岡田直樹#7
○国務大臣(岡田直樹君) 和田政宗議員にお答えいたします。
 地方創生臨時交付金についてお尋ねがありました。
 議員御指摘のとおり、自治体において使途や効果の公表がなされることは重要と考えており、昨年末の制度要綱の改正において公表を制度化した上で、速やかな公表を促しております。
 また、国としても、臨時交付金を充当できない場合をお示しし、自治体からの質問や相談に丁寧に応じるとともに、臨時交付金の効果検証に取り組んでおり、交付金の効果的な活用に資するよう、検証結果を公表し、自治体に広くお知らせしております。
 さらに、他の自治体の実施計画の内容についても、自治体の計画作成の参考となるよう交付決定後に速やかにホームページ上で公表し、情報提供をしているほか、電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金については、効果的と考えられる推奨事業メニューを国から提示しているところであります。
 引き続き、これらの取組を通じ、自治体が地域の実情に応じたきめ細かな支援を行えるよう後押しをしてまいります。拍手
   〔国務大臣斉藤鉄夫君登壇、拍手〕
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斉藤鉄夫#8
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 和田政宗議員から地方出先機関の技術系職員の体制充実についてお尋ねがございました。
 昨今の激甚化、頻発化する自然災害や老朽化するインフラに対応するため、地方整備局等、等というのは北海道開発局が入るという意味ですが、地方整備局等の地方出先機関が、技術職員が不足する地方公共団体に対して技術的支援を進めていくことが重要であると認識しています。
 地方整備局等では、地方公共団体に対し、災害発生時においては、テックフォースによる被災状況調査や排水活動など、インフラの迅速な復旧に向けた支援を行っております。また、平時においては、インフラメンテナンス等に関する技術的助言や高度な技術力を要する施設の直轄診断、修繕代行などの支援を行っております。
 このような支援を的確に行うためにも、現場の最前線を担う地方整備局等において必要な人員体制を確保することは極めて重要であり、これまでも体制を拡充してきたところでございますが、引き続き必要な人員の確保に努めてまいります。拍手
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尾辻秀久#9
○議長(尾辻秀久君) 羽田次郎君。
   〔羽田次郎君登壇、拍手〕
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羽田次郎#10
○羽田次郎君 立憲民主・社民の羽田次郎です。
 ただいまの令和三年度決算の報告について、会派を代表して質問いたします。
 本来であれば、昨年の臨時国会でこの決算の本会議質疑が行われるべきでしたが、召集直後の財務大臣の不在や相次ぐ閣僚の辞任など、政府・与党内での混乱により、通常国会冒頭となってしまいました。決算審議を予算編成に反映させるという参議院の取組をないがしろにする事態を招いたことについて、岸田総理の弁明を求めます。
 岸田総理は、御自身の特技として聞く力を挙げておりますが、答弁を差し控えるという答弁拒否が安倍、菅政権と同様に頻繁に繰り返されていることは、取りも直さず聞く気がないことの表れです。国会での十全な議論は主権者たる国民の理解の前提であり、本日よりしっかりとお答えいただきたい。是非そのことを御表明ください。
 臨時国会が閉じた後、十二月十六日に安保関連三文書が閣議決定されました。一九五四年の発足から今日まで専守防衛に徹してきた我が国の自衛隊に敵基地攻撃力を備えたミサイルを配備するのであれば、まさに日本の防衛政策の大転換となります。防衛予算をNATO並みの対GDP比二%に増額するというのも、まず総額ありきで、国民に見える形で中身の議論が全く行われていません。安定財源をどうするかについて、責任ある内閣の総理大臣として明確にお示しください。
 賃金アップの要請をしながら法人税を上げるというのは、経営者から理解を得られないでしょうし、復興特別所得税の転用に至っては言語道断です。全く別の目的で集めた血税を防衛費に充てるという手法は、まやかしとしか言いようがありません。
 安全保障政策の大転換と、それに伴う膨大な国民負担をお決めになったのであれば、国民の信を問うのが当然です。一日も早く国民の信を問うお考えがあるか、総理の御決意をお聞かせください。
 令和二年の初めから国内での新型コロナウイルスの感染拡大が始まり、かつてない規模で財政出動がなされました。今年、今年度に入り、物価高への対策なども加わり、巨額の予備費が更に計上されるなど、財政民主主義を無視した予算編成が繰り返されました。この先もしっかりと対策を打つためには、これまで三年ほどの財政出動の問題点やコロナ対策による効果の検証を行う必要があるという考えから質問いたします。
 令和三年度予算は、当初予算百六・六兆円に加え、二年度から三年度への繰越額が過去最大の三十・七兆円、さらに過去最大の三十五・九兆円の補正予算が追加された結果、歳出予算全体で百七十三・三兆円まで膨れ上がりました。その執行の結果である決算では、予算の使い残しである不用額が六・三兆円となり、二年連続で過去最大を更新しました。また、使い切れず翌年度に先送りした繰越額は二十二・四兆円に上り、不用額と合わせると歳出予算の一六・六%が未執行となりました。
 特に、主要経費別で最も多い二・四兆円の不用額が生じた中小企業対策費は、当初予算千七百四十五億円、二年度からの繰越額が十一・三兆円あったにもかかわらず、補正予算で三・九兆円積み増し、十五・六兆円の予算規模となりました。なおかつ、実際に支出できたのが九・九兆円と、二年度からの繰越額分にも達しておらず、まさに丼勘定と言わざるを得ません。
 岸田政権は、令和三年度補正予算と四年度当初予算を合わせた十六か月予算を掲げ、巨額の経済対策を打ち出しました。しかし、三年度決算が明らかにしたのは、切れ目のない経済財政運営という美名の下、会計年度独立の原則の例外である繰越しを多用した挙げ句、結局、使い切れず、過去最大の不用額を生じさせたという事実です。
 この多額の繰越額や不用額は、財政法上、特に緊要となった経費に限られているはずの補正予算を政府・与党が数字ありきで積み上げたことを裏付ける証拠と言えます。岸田政権は、昨年六月に閣議決定した骨太の方針二〇二二において、コロナ禍での累次の補正予算について、その使い道、成果について、見える化するとしています。政府自らが掲げたこの方針に従って、補正予算の使い道、成果を明らかにすることは当然ですが、それに加えて、なぜこれだけの多額の繰越額や不用額が生じたのか、とりわけ補正予算編成時における各経費の緊要性や積算、執行の見通しについても徹底的に検証し、公表すべきであると考えますが、総理の御見解を伺います。
 会計検査院は、前年同様、令和三年度決算検査報告においても、新型コロナウイルス感染症対策に関連する各種施策に係る予算の執行状況について報告しています。令和元年度から三年度のコロナ関連事業の予算総額は九十四兆四千九百二十億円に上り、そのうち三年度から四年度への繰越額は十三兆三千二百五十四億円、三か年度の不用額は四兆六千七百四十四億円となっています。
 このように、多額の繰越額や不用額が生じている状況を踏まえて、前年度の検査報告においては、国民の理解と協力を得ながら新型コロナウイルス感染症対策を進めていくために、広く情報提供することが望まれると指摘されており、政府の自主的な対応が期待されていました。ところが、三年度の検査報告では、予算の執行状況を示す基本的な情報である支出済額、繰越額及び不用額並びに補助金等の余剰額について分かりやすく情報提供することが望まれると、前年度と同じ問題に対してより具体的な指摘がされています。これは、全く状況が改善していないことを意味しているのではないでしょうか。
 各府省等は、予算編成時には、予算書に加えて、豊富な補足資料を自主的に公表しています。予算執行の結果である決算においても、事業ごとの支出済額、繰越額及び不用額等の情報を補足資料として積極的に公表すべきではないでしょうか。
 昨年六月の決算委員会締めくくり総括質疑において岸田総理は、検査報告の趣旨をしっかり受け止め、令和三年度及び四年度における新型コロナウイルス感染症対策について国民に対して丁寧な説明を行いたいと述べられました。総理の現状認識と具体的な取組方針についてお答えください。
 厚生労働省は、都道府県を通じて、新型コロナウイルス感染症患者等の受入れのための病床確保事業に係る交付金を交付しています。対象となる病床は、患者等を入院させるために確保した病床のうち、空床となっている病床や患者等を受け入れるために休止した病床で、病床確保料は医療機関の種別や病床区分ごとに一日一床当たりの単価が定められています。
 十三都道府県及び令和二年度に交付金を受けた百六医療機関を会計検査院が検査したところ、患者が入院していて病床確保事業の対象とならない期間中の病床数を延べ病床数に計上していたり、病床区分を誤って、単価がより高額な区分の病床確保料を適用するなどしたため、九都道府県の三十二医療機関で五十五億九百十八万円もの交付金が過大に交付されていた事態が明らかとなりました。
 医療機関において制度の理解や確認が十分でなかったことが原因と思われますが、都道府県が医療機関から提出を受けた事業実績報告書等の内容を厚労省に提出していることを踏まえると、都道府県の審査が十分でなく、厚労省の指導も適切でなかった可能性があります。
 交付金を有効活用して多くの命を救った医療機関が大多数だと思いますが、緊急的な事業についての事後確認は特にしっかり行わねばなりません。これは、雇用調整助成金や持続化給付金の状況を見れば自明のことです。今回指摘された事態の受け止めと再発防止策について厚生労働大臣に伺います。
 新型コロナ感染拡大により休業を余儀なくされた雇用主が雇用調整助成金の支給を受けて休業手当を支払ったにもかかわらず、さらに従業員個人が休業手当が支払われていないとして休業支援金を申請し重複支給となったケースや、休業支援金を複数回申請して二重支給となったケースも指摘されています。時間を掛けずに支給を行えるよう、事前審査より事後審査に、事後確認に重点を置いたことは理解できますが、その事後確認が適切に行われていないと指摘された点について政府としてどのような対応を取っているのか、厚生労働大臣に伺います。
 国土交通省は、水門や排水施設等の河川管理施設の整備等を行うとともに、河川管理施設を整備する都道府県等に対して防災・安全交付金等を交付しています。ゲートやポンプ等といった河川構造物の耐震性能調査が行われた二十二施設について会計検査院が検査したところ、十五施設は旧耐震基準の建物であり、このうち九施設において、河川管理施設全体での耐震性能が確保されているか不明であったり、対策の検討が行われていなかったりした事態が明らかとなりました。
 巨大地震後の津波や豪雨など複合災害の危険がある中、河川管理施設が操作できなくなると深刻な水害につながりかねません。今回指摘された点についての受け止めを国土交通大臣に伺います。
 また、河川管理施設の多くは高度成長期に造られて老朽化が進んでおり、全国で同様の事態になっているのではないかと危惧されます。今回は二十二施設を抽出して検査した結果ですが、全国に整備されている河川管理施設全体での耐震性能の確保に向けた今後の具体的な取組について、国土交通大臣に伺います。
 新型コロナ感染拡大の影響を受けている地域経済や住民生活の支援を通じて地方創生を図る目的で、原則として使途に制限のない臨時交付金が各自治体に交付され、これまで通算で十七兆千二百六十億円が予算化されています。この交付金を用いて実施されている事業を会計検査院が調べたところ、例えば商品券の配布事業では、使用期限までに商品券が使用されず、未換金相当額が商工会に滞留しているケースがあり、中小企業者向け信用保証料の補助事業では、繰上償還で過払い分の信用保証料が返金されたにもかかわらず、これを補助対象事業費から除かないまま自治体に滞留しているケースが少なからず見付かったとのことです。さらに、多くの自治体で交付金を使った事業の効果の検証が実施、公表されていないことが判明しています。
 自治体の使い勝手を考えて使途を制限しないとするからには、説明責任を果たすことが重要だと会計検査院は指摘しています。政府として、今後どのように未使用分の返還や効果検証を求めていくつもりか、地方創生担当大臣に御答弁をお願いいたします。
 今国会でも過去最大の予算案が審議されています。限られた財源をどのように配分するかが時の政権の姿勢を示します。平和創造のための戦略的外交もないままに、防衛費に桁違いの比重を置く今の政権与党に対し、私たちは、子供、若者支援、社会福祉に重きを置きます。給食費無償化や、幼保の現場、障害者福祉施設、介護施設で奮闘される職員皆様の処遇改善、保育士の配置基準の見直し等を訴えています。適正な防衛予算は確保しつつも、夢と希望の持てる多様で持続可能な社会を実現するために、今後も国会での議論を深めてまいることをお誓いし、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。拍手
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
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岸田文雄#11
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 羽田次郎議員の御質問にお答えいたします。
 決算審議の予算編成への反映等についてお尋ねがありました。
 決算結果を予算編成作業に適切に反映し、予算の効率的かつ適切な執行につなげていくことは重要であると考えております。また、これまでの参議院における決算審議に対する改革を踏まえ、決算の早期提出などに取り組んでおり、令和三年度決算については、昨年十一月に国会へ提出するとともに、令和五年度予算編成等に反映してきたところです。
 提出した決算を御審議していただく具体的な日程等は国会においてお決めいただくものと承知しておりますが、いずれにせよ、政府としては、引き続き、決算書類の早期提出、そして決算結果の予算への反映、これに努めてまいりたいと考えております。
 答弁を差し控えるとの答弁についてお尋ねがありました。
 国会において、政府の方針や政府による決断を形にした予算や法律案について、国会の場において国民の前で正々堂々と議論をする、これは大変重要なことであると考えており、施政方針演説の中でもその旨申し上げました。
 他方、いただく質問の中には、国会の権能に属することであり政府の立場からお答えすることが適当でないと考えられるもの、また、外交や危機管理、市場への影響などの観点からお答えすることが適当でないと考えられるもの、また、議論が行われている最中であり予断を持ってお答えすることが適当でないと考えられるものなどがあり、一定の限られた場合にはお答えを控える旨申し上げることがあることは事実であります。
 しかしながら、そうした場合であっても、極力私の考えを丁寧に説明するよう心を砕いており、御指摘のような、聞く気がないとか答弁拒否との御指摘は当たらないと考えております。
 防衛予算増額に向けた安定財源についてお尋ねがありました。
 抜本的に強化される防衛力は将来にわたって維持強化していかなければならず、これを安定的に支えるため、令和九年度以降、裏付けとなる毎年度約四兆円のしっかりとした財源が必要となります。財源確保に当たっては、国民の御負担をできるだけ抑えるべく行財政改革の努力を最大限行った上で、それでも足りない約四分の一については、将来の世代に先送りすることなく、令和九年度に向けて、今を生きる我々が将来世代への責任として対応すべきものであると考えております。
 その際、税制措置について国民の負担感をできるだけ抑える観点から、個人、法人への影響については最大限配慮する仕組みにすることとしております。
 こうした内閣の方針について、国民の皆様に御理解を深めていただけるよう、国会での議論を含め、引き続き丁寧な説明を行っていく考えです。
 そして、いずれにせよ、何についてどのように国民の信を問うのかということについては、時の内閣総理大臣の専権事項として適切に判断をいたします。
 令和三年度決算の繰越額や不用額の要因についてお尋ねがありました。
 令和三年度決算については、新型コロナの感染の影響が不透明な中で、事業者等への支援に万全を期すため十分な予算を措置したことや、地方自治体や事業者等からの申請を受けて支出するものが多いといった事情もあり、繰越しや不用が生じたものと考えております。
 また、補正予算編成時においては、経済対策の速やかな実行に向けて、それぞれ緊要性のある政策課題に対応するために必要額を精査した上で計上しており、その際には、内閣府の経済財政諮問会議などの場で、外部有識者の御意見も伺いながら経済対策を策定してきたところです。
 さらに、経済対策に盛り込まれた主な事業については、経済財政諮問会議において執行状況のフォローアップを行い、公表をしているところです。
 新型コロナの関連事業の情報提供等についてお尋ねがありました。
 会計検査院による令和三年度決算検査報告において、御指摘の所見で示されたとおり、新型コロナ対策事業の透明性や国民への説明責任は重要であると考えております。
 政府としては、検査報告の趣旨をしっかりと受け止め、先ほど申し上げた経済財政諮問会議における経済対策のフォローアップ、これを活用しながら、新型コロナ対策について国民に対して丁寧な説明を行ってまいりたいと考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。拍手
   〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
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加藤勝信#12
○国務大臣(加藤勝信君) 羽田次郎議員より、二問の御質問をいただきました。
 病床確保料についてお尋ねがございました。
 今般、新型コロナの病床確保料が過大に支給されていた事案が生じたことは大変遺憾であります。
 会計検査院の指摘を踏まえ、昨年、都道府県に対し、令和三年度の交付分を含め、全医療機関に同様の事例について自主点検を依頼し、適切な執行に向けて周知徹底を図るとともに、過大な支給について国庫への返還手続を進めております。
 また、昨日都道府県に発出した事務連絡により、必要な看護師等が確保されていないことを理由に入院受入れ要請を断った事例の有無を把握し、適切な運用に努めるとともに、新型コロナ受入れ医療機関における病床確保料の状況などについて実態調査を行い、必要な見直しに向け検討を行ってまいります。
 雇用調整助成金と休業支援金の重複支給等への対応についてお尋ねがございました。
 会計検査院から、支給後の確認が適切に行われていないために雇用調整助成金と休業支援金の重複支給等が発生していると指摘されたことを踏まえ、厚生労働省としては、本省において重複支給が疑われる事業所等のリストを作成し、リストに基づき労働局が事実関係の調査を行い、不正受給が判明した場合、不正受給額を返還させる措置を講じたところであります。
 今後とも、適切に事後確認を行うとともに、事前においても適切な確認を行い、こうした事案が生じないよう努めてまいります。拍手
   〔国務大臣斉藤鉄夫君登壇、拍手〕
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斉藤鉄夫#13
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 羽田次郎議員から、河川管理施設の耐震診断及び今後の取組についてお尋ねがございました。
 今般、会計検査院から指摘を受けた河川管理施設は、災害対策に不可欠な施設であり、このような施設が耐震性を満たすための取組は重要な政策課題であると考えております。今回、指摘を受けた九つの施設については、直ちに耐震診断及び概略設計等の耐震対策に着手いたしました。
 さらに、全国に整備されている河川管理施設全体の耐震性能の確保に向け、検査を受けた施設以外についても、緊急性の高い施設から速やかに耐震性能を確認し、順次対策を進めているところでございます。
 国土交通省としては、全国に整備されている河川管理施設の耐震性能を確保し、河川管理施設が災害時に適切に機能するよう、対策を進めてまいります。拍手
   〔国務大臣岡田直樹君登壇、拍手〕
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岡田直樹#14
○国務大臣(岡田直樹君) 羽田次郎議員にお答えいたします。
 地方創生臨時交付金についてお尋ねがありました。
 会計検査院からの指摘を踏まえ、昨年十一月四日付けで自治体に通知を発出いたしまして、御指摘の未使用分について、既に交付決定している他の事業に充てられる場合を除き、関係法令に基づき適切に国庫返還する必要がある旨、関係省庁と連携して周知をいたしております。
 また、自治体による効果の検証についても、昨年九月に評価、公表事例を示すとともに、会計検査院からの指摘も踏まえ、昨年末の制度要綱の改正において公表を制度化し、速やかな公表を促しております。
 引き続き、関係省庁と連携しながら、臨時交付金の適切な運用に努めてまいります。拍手
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尾辻秀久#15
○議長(尾辻秀久君) 下野六太君。
   〔下野六太君登壇、拍手〕
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下野六太#16
○下野六太君 公明党の下野六太です。
 私は、ただいま議題となりました令和三年度決算報告について、会派を代表して岸田内閣総理大臣及び関係閣僚に質問いたします。
 参議院では、熟慮、再考の府としての独自性及び六年間の安定した任期を持つ院にふさわしい役割として決算審査を重視してきました。決算の審査は、国の予算が適法に目的どおり使用されたか、その効果を発揮することができたかといった観点から予算の執行状況を審査し、不適正なものや非効率なものがあれば内閣に警告するなどして後年度の予算編成や政策遂行に反映させ、一層適正なものとするという重要な意義を有します。その意味で、本日ここに、来年度予算審議が衆参両院で始まる前に決算の審議入りができたことは極めて意義深いものと評価し、以下、具体的に質問いたします。
 まず、令和三年度決算では、一般会計の歳出が百四十四・六兆円、歳入が百六十九・四兆円となり、税収は、コロナ禍で落ち込んだ企業業績の持ち直しなどを背景に、六十七兆円と二年度の六十・八兆円を上回り、二年連続で過去最高を更新しました。しかしながら、三年度の新規国債発行額は五十七・六兆円で、公債依存度は三九・九%と二年度の七三・五%からは大幅に減少したものの、歳出の約四割を国債で穴埋めする状況となっています。その結果、三年度決算ベースでのプライマリーバランスは三十一・二兆円の赤字となりました。
 また、会計検査院による三年度決算検査報告では、掲記件数三百十件、四百五十五億円に上る無駄な支出等が指摘されました。足下では、円安とウクライナ危機による物価高騰により、国民生活は大きな打撃を被っています。財政が依然として危機的な状況にある我が国においては、行政による不適切な契約や非効率な予算執行によって限られた財源を浪費することはあってはならないと思います。
 令和三年度決算及び検査報告における指摘を踏まえ、予算執行の更なる適正化、効率化に向けた総理の決意を伺います。
 次に、農業分野について質問します。
 国際的な原材料価格の上昇や円安の影響など、今、食料安全保障の強化が国家の喫緊かつ最重要課題となっています。そのため、政府は年末に食料安全保障強化政策大綱を決定し、今後、予算面においても関連施策を実施していくことになりますが、予算を適切に執行していくことが何より重要です。
 その点、例えばTPP等関連政策大綱を振り返りますと、策定当時、最重要品目を中心に、体質強化対策や経営安定、安定供給への備えなどが盛り込まれたものであり、毎年必要な予算が計上されています。
 令和三年度決算検査報告では、TPP等関連対策により造成された基金のうち、畜産・酪農収益力強化総合対策基金の使用見込額が百二十三億円過大であった事態や、水産業競争力強化基金において使用見込みがない基金残高が十二億円となっている事態が指摘されました。
 会計検査院の指摘への受け止めと今後の具体的な改善策とともに、今後、食料安全保障強化政策における予算執行の適正化に向けた決意を農林水産大臣に伺います。
 次に、林業の再生についてお尋ねします。
   〔議長退席、副議長着席〕
 木材の利用促進を図るための地方の安定的な財源を確保するために森林環境譲与税が創設されました。令和元年度から令和三年度における森林環境譲与税の執行額合計は四百四十五億円。譲与額の五三%が執行される一方、四七%が基金積立てとなっている現状があります。令和六年度から森林環境税の徴税が始まる中、譲与税の執行率を高めることが急務です。森林環境譲与税においては、その使途として、間伐や木材利用の促進という内容もあります。需要を継続していくためには、学校校舎などの公共施設の木質化を一層推進するべきと考えます。
 東京都日野市では、森林環境譲与税を活用して、多摩地域産の木材を利用した体育館の木質化を実施しています。このような取組を森林環境譲与税の有効活用事例として広く周知してはと考えますが、農水大臣の見解を伺います。
 次に、林道、作業道を含めた路網の整備について伺います。
 平成三十年度の年間路網開設延長の内訳は、林道等が六百二十キロ、森林作業道が一万四千三百六十四キロとなっており、相対的にコストの低い森林作業道の整備が先行し、路網の骨格となる林道の整備が遅れている状況となっています。また、近年は、豪雨災害等が頻発し、山地災害が激甚化、多様化する中で、年間の被災延長が開設延長を上回る状態となっており、走行可能な林道の実質的な総延長は増加していない状況にあります。
 林道等の路網は、地域の生活環境の改善や地域振興にも寄与しています。また、災害時には公道の代替路として利用されるなど、求められる役割も多様化してきています。今後、森林資源の更なる充実や森林の多面的機能を持続的に発揮させるためには、森林と人とをつなぐ路網の役割はますます重要なものとなります。
 林業の再生、特に木材の安定的な供給に向けて、路網整備について国としてどのように取り組むのか、農水大臣の所見を伺います。
 二〇二二年の出生数は八十万を割る見込みとなりました。過去最少を毎年更新し続ける状況であり、想定より八年も早く少子化が進んでいます。
 公明党は、昨年、少子化、人口減少を克服するために、子育て応援トータルプランを発表しました。ライフステージや年齢などに応じた支援策を明記し、結婚、妊娠、出産から社会に巣立つまでを切れ目なく支えるようにしています。具体的には、出産育児一時金の増額や児童手当の拡充、子供医療費助成制度を高校三年生まで拡大するなどを盛り込んでおります。
 政府は、昨年度補正予算で、子育て家庭支援の基盤整備のために六百二億円を安心こども基金に計上し、その中で、家事、育児等に対して不安、負担を抱えた子育て家庭、妊産婦、ヤングケアラー等がいる家庭の居宅を訪問し、家事・育児支援を実施しています。この施策は、支援を必要とする子育て家庭の孤立を防ぐなど、極めて重要なものですが、利用料が生じる場合があることから、支援を必要とする御家庭への支援につながらないのではと懸念されています。所得にかかわらず支援を受けられるようにすべきと考えますが、厚労大臣の御所見を伺います。
 次に、GIGAスクール構想について伺います。
 令和三年度決算検査報告では、GIGAスクール構想について指摘されました。
 政府は、経済的な理由でインターネット環境を整えられない家庭に貸与するためのWiFiルーター購入費を自治体に補助する事業を行っております。会計検査院が二十一都道府県の二百七十八市町村等が整備した約二十二万台のルーターを検査したところ、令和二年度に補助事業を実施した二百四十二市町村等において、約十八万台中六割を超える約十一万台が納品から一年以上一度も貸与されておらず、約八万台は今後の使用見込みがない事態が明らかとなりました。これらは、コロナ禍を受けてインターネット環境を整備した家庭が想定より増加したことが原因とも指摘されておりますが、国費で整備された多数のルーターが死蔵されている状況は適切とは言えず、有効活用策の検討など早急な改善が必要です。会計検査院の指摘に対する受け止めと今後の具体的な改善策を伺います。
 円安とウクライナ危機による物価高騰により、国民生活は大きな打撃を被っています。今こそ、国民が安心して、納得のいく効率的な予算の執行が大切なときだと思います。
 公明党は、今後とも常に現場主義に徹し、国民の声に耳を傾け、国民生活を守るために全力で取り組んでいくことをお誓いし、質問を終わります。
 ありがとうございました。拍手
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
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岸田文雄#17
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 下野六太議員の御質問にお答えいたします。
 令和三年度決算と決算検査報告への対応についてお尋ねがありました。
 会計検査院の決算検査報告において多くの指摘を受けたこと、まずこのことについては誠に遺憾なことだと考えます。そして、私から各大臣に対して、検査報告事項の確実な改善に努めるよう指示を改めて行ったところであります。
 我が国の財政が厳しさを増している中で、予算の効率的かつ適切な執行を行うことは重要であり、政府として、決算の審議内容や決算検査報告の指摘事項等を踏まえ、今後とも事務事業の是正改善を行い、そして予算執行や次年度以降の予算に適切に反映してまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。拍手
   〔国務大臣野村哲郎君登壇、拍手〕
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野村哲郎#18
○国務大臣(野村哲郎君) 下野六太議員より三問質問をいただきました。
 御質問にお答えをいたします。
 予算執行の適正化などについてのお尋ねがありました。
 農林水産省としては、令和三年度決算に係る会計検査院の指摘を踏まえ、TPP等対策の効果が十分に発揮されるよう、効率的な施策の実施に取り組んでまいります。
 具体的な改善策として、指摘を受けました基金については、基金管理団体に対し使用見込額の適切な把握や基金残高の有効活用などの指導等を行うとともに、TPP予算の執行状況を政策単位で公表するよう改善することで、より分かりやすく情報提供を行うこととしております。
 また、食料安全保障の強化につきましては、過度な輸入依存からの脱却に向けた構造転換対策に係る予算を現場においてしっかり活用していくことが重要であり、予算の適正な執行に努めてまいります。
 次に、森林環境譲与税の有効活用についてのお尋ねがございました。
 森林環境譲与税は、森林整備及びその促進に関する施策に充てることとされており、木材利用は、木材の需要を高め、間伐材等の森林整備につながる重要な取組と認識いたしております。
 農林水産省では、森林環境譲与税の効果的な活用に向けて毎年、市町村の取組事例集を作成、公表しており、令和三年度の事例集においては、先ほど御指摘いただきました東京都日野市の事例を含め、公共施設の木質化の取組も取り上げているところでございます。
 引き続き、公共施設への木材利用を含め、優良事例を広く周知することにより、取組の横展開を図ってまいります。
 最後の御質問でございますが、路網の整備についてのお尋ねがございました。
 人工林資源が本格的な利用期を迎える中、路網は、適切な森林の整備、保全や、効率的な木材の生産、流通により、将来にわたって持続的な森林経営を行うために必要不可欠な基盤でございます。
 路網整備に当たっては、傾斜や使用する林業機械に応じて、林道と森林作業道を適切に組み合わせた整備を推進することが重要だと思っております。
 今後とも、森林整備事業等により路網整備を積極的に推進し、国産材の供給力強化に取り組んでまいります。拍手
   〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
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加藤勝信#19
○国務大臣(加藤勝信君) 下野六太議員より、子育て世帯訪問支援臨時特例事業についてお尋ねがございました。
 御指摘の事業は、先般の児童福祉法改正により令和六年度から新たに創設する子育て世帯訪問支援事業の法の施行に先駆けた事業として、令和三年度からモデル的に実施しているものであります。
 この先駆け事業では、低所得世帯の利用者負担軽減の仕組みを設けておりますが、令和六年度の子育て世帯訪問支援事業の本格実施に向けて、運用状況、また現場の御意見なども伺いながら、支援を必要とする方が活用できるよう、適切な事業の在り方を検討してまいります。拍手
   〔国務大臣永岡桂子君登壇、拍手〕
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永岡桂子#20
○国務大臣(永岡桂子君) 下野議員にお答え申し上げます。
 GIGAスクール構想に係る会計検査院の指摘につきましてお尋ねがございました。
 当該事業は、全国一斉臨時休校時においても家庭学習の機会を確保するために行ったものですが、臨時休校の状況が落ち着いたことなどによりまして、モバイルWiFiルーターの使用率が低くなったものと考えております。
 文部科学省といたしましては、その要因や家庭学習以外における活用方法等について調査しているところでございます。その結果を踏まえまして、有効活用の在り方を示し、GIGAスクール構想の推進に向け、利活用の促進に取り組んでまいります。
 以上でございます。拍手
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長浜博行#21
○副議長(長浜博行君) 石井苗子君。
   〔石井苗子君登壇、拍手〕
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石井苗子#22
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。
 私は、会派を代表して、令和三年度決算について質問いたします。
 日本維新の会は、令和三年度予算案と第一次補正予算案には反対しています。その理由の一つに、予算編成の在り方がありました。令和三年度予算には、新型コロナウイルス感染症に対応するために五兆円の予備費が組まれていたのもその理由の一つです。予算は、行政府が使途と金額を決めて提供し、立法府が承認するのが本来の姿です。行政府への白紙委任状とも言える予備費が巨額に組まれることは、財政民主主義として本来はあってはならないことです。
 特に、予備費は予見し難い予算の不足に充てるために拠出されるものであり、突発的な対応が求められる医療・検疫体制の確保のために予算が組まれるのでありましたら理解できますが、今や、原油価格・物価高騰対策にまで勝手に使途目的が拡大され、本年度第二次補正予算にも四・七兆円もの予備費が付いています。このような予算編成の在り方はもうやめにするべきです。今の感覚は異常です。巨額な予備費を続けることは国会軽視です。予備費のばらまきをやめ、財政民主主義に即した正常な予算に戻すべきと考えますが、総理はどうお考えでしょうか。
 自民党が政権に就いた平成二十四年において三九・八%であった国民負担率は、令和三年度には実績見込みで四八%でした。国民の皆さんの負担を増やし続けた結果、令和三年度の税収は、過去最大の六十七兆円になりました。
 国民の皆様は、コロナ禍で生活が苦しいのに税金を払っています。その税収が過去最大になっていることを、恐らく御存じではないと思います。社会保険料を含め、国民負担率が上昇した結果が税収の増加につながっていると総理はお考えかどうか。税収の増加の要因を御説明ください。
 国民生活救済のために岸田政権が行った経済政策は、ばらまき型事業です。しかしながら、令和三年度のコロナ関連事業に関わる予算の執行率は、五百七十二事業で六五・六%でした。即効性がなく、執行率も低い。これでは予算をつぎ込んでも経済は向上しません。
 日本維新の会が提案する経済対策は、消費税率を期間限定で一律五%とする減税です。この減税なら、国民の皆さんに広く平等に行き渡ることができます。見込まれる執行率は一〇〇%であり、行政コストはほとんど掛かりません。過去最大の税収となった今こそ、消費税減税を実施して、国民の消費を拡大させ、日本経済を成長の軌道に乗せる最大のチャンスではないでしょうか。
 総理に質問します。
 過去最大の税収を記録する一方で、国民が物価高で困窮している中、執行率が高く、国民に広く平等に行き渡る経済政策である消費税減税をなぜ否定するのでしょうか。ばらまき型事業による経済政策に総理がこだわる理由は何でしょうか。お答え願います。
 令和三年度の一般会計歳出決算額は百四十四・六兆円です。令和二年度の百四十七・五兆円に次いで過去二番目の規模となりました。しかし、年度中に予算を執行できず、四年度へ繰り越す額は二十二・四兆円と多額であり、さらに、使い道がない不用額は過去最大の六・三兆円です。国の決算全体で多額の繰越額、不用額を発生させていることについて、全く反省しているように見受けられません。総理は、十五か月予算とはっきり言葉にされていますが、憲法に定められた予算の単年度主義をどのようにお考えなのか、お答えください。
 財務大臣に質問します。
 令和三年度は、二度にわたる新型コロナウイルス緊急事態宣言の発令で、経済界は厳しい影響を受けており、GDPは名目二・四%の成長にとどまりました。経済が好循環した結果、税収が増加するなら理解できますが、現状はそうではありません。我が国の税収は平成二十七年度以降、おおよそ五十五兆円から六十兆円の程度を推移してきました。コロナ禍の状況で令和三年度の税収が六十七兆円と、対前年度比で一〇・二%も増加した背景にはどのような要因があるかをお答えください。
 厚労大臣に質問しますが、厚労省は新型コロナウイルス感染症患者の病床確保事業に交付金を交付しています。会計検査院が令和二年度に交付を受けた百六医療機関を検査したところ、既に使われている入院期間中の病床を交付の対象となる延べ病床数に計上していたり、単価がより高額な区分の病床確保料を請求していたことから、九都道府県の三十二医療機関で五十五億九百十八万円もの交付金が過大に交付されていました。
 命を救うための病床確保事業で税金の無駄が指摘されることは大変遺憾ですが、一方で、多くの赤字だった医療機関がこの交付金を受給し、黒字に転じています。財務省の財政制度等審議会もいわゆる幽霊病床の存在を指摘しており、実態解明が求められています。費用対効果の検証はどうされるのか、会計検査院の指摘に対し、厚労省としてどのように対処するのか、返金の義務を課すかまで含めてお答えいただきます。
 厚労省は、都道府県や市等の事業主体が独自に調達した生活保護システムと厚労省の情報提供ネットワークシステムを接続するために補助金を交付しています。会計検査院が平成二十六年から令和二年度の六年間で三十二都道府県の百七十五事業主体に交付された十二億三千九百四十七万円の補助金を検査したところ、二十三都道府県の三十五事業主体が改修されたシステムを全く使用していなかったことが明らかになり、これは補助金一億四千三百七十九万円が無駄な設備投資となったとも言えます。政府は、改修されたシステムを通じてマイナンバー制度を導入することで、行政機関同士が各種給付事務に必要な情報連携が可能になるとしていますが、二十三都道府県の三十五事業主体は、システム改修は終了したものの、情報照会を六年間全く実施していなかったことが判明し、補助金一億四千三百七十九万円は無駄な設備投資になりました。
 その原因の一つに、厚労省が発出する情報連携に関する通知が多数に上り、複数の参考資料も添付されており、理解に時間が掛かる問題が指摘されています。なぜこのような事態になってしまうのでしょうか。どこに問題があったのか、具体的な改善策を踏まえて、厚労大臣、お答えください。
 また、国民へのマイナンバー普及を推し進めている政府の足下でこのような事態が生じるのは問題です。システムや制度を矢継ぎ早に設けても、利用されなければ意味がありません。マイナンバーを管理するデジタル庁はこの事態をどのように見ているのか、デジタル庁としてできることはないのでしょうか。例えば、通知作成に助言をするなど、より親切な指導をするべきと考えますが、デジタル大臣の認識を伺います。
 最後に、拉致問題について総理に伺います。
 日朝首脳会談から二十年がたちましたが、全く動きが見えません。全ての拉致被害者の安全確保と即時帰国のために、政府は全力を尽くすべきです。
 先日、横田めぐみさんとの再会を誓う同級生の会の代表、池田正樹さんが私の事務所を訪れ、早急な日朝会談の開催と一刻も早い帰国を訴えていました。
 令和三年度予算案でも十七億二千五百万円の計上があります。いずれの項目も令和二年度予算から増額されていますが、総理は、拉致被害者救済予算の項目の見直しはされているでしょうか。例えば、日本と国交があり北朝鮮とも国交があるEUの国に協力を求めるなど、具体的な行動に予算を付けるおつもりがあるかどうか、公開、非公開の情報はあると思いますが、御見解をお聞かせください。
 最後になりますが、現在の物価高騰について国民の皆さんに広く平等に支援できる消費税減税が一番効果的であるということを改めて申し上げまして、私からの質問といたします。
 御清聴ありがとうございました。拍手
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
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岸田文雄#23
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 石井苗子議員の御質問にお答えをいたします。
 予備費と財政民主主義についてお尋ねがありました。
 令和四年度第二次補正予算に計上した新型コロナウイルス感染症及び原油価格・物価高騰対策予備費並びにウクライナ情勢経済緊急対応予備費は、新型コロナや物価高騰の影響に加え、緊迫しているウクライナ情勢や現時点で見通し難い世界規模の経済下振れリスクに備え、万全の対応を図るため必要な措置であると考えております。
 その上で、これまでの予備費については、年度内の予見し難い予算の不足に充てるため、予算の一部として国会で御審議いただいてきたこと、また、予備費の支出は、憲法、財政法の規定に従って事後に国会の承諾を得る必要があることから、財政民主主義に反するものではないと考えております。
 税収増加の要因についてお尋ねがありました。
 国民負担率につきましては、少子高齢化に伴う社会保障給付の増大に伴ってそのための負担も増加し、給付と負担の両面において上昇傾向が続いていると承知をしております。
 その上で、税収につきましては、近年、企業収益の伸びによる法人税収の増加と配当や雇用者報酬の伸びによる所得税収の増加に加え、社会保障財源を確保するための消費税率引上げ等の要因により、おおむね増加傾向にあるものと承知をしております。
 消費税減税等についてお尋ねがありました。
 足下の物価高騰の要因は、基本的にはエネルギー、食料品を中心とした物価高であり、こうした分野に重点を置きながら、これまでスピード感を持って、きめ細やかな対応を重層的に行ってきております。
 その上で、消費税については、急速な高齢化等に伴い社会保障給付費が大きく増加する中で、全ての世代が広く公平に分かち合う観点から、社会保障の財源として位置付けられております。
 このように、消費税は社会保障制度を支える重要な財源であるため、減税を考えてはおりません。
 令和三年度決算の繰越額や不用額についてお尋ねがありました。
 我が国では、憲法上、予算を毎年度国会で御審議いただく、いわゆる単年度主義の原則を取っており、国会における予算の審議権の確保の観点から重要な原則であると考えております。
 その上で、より長期的な視点に立った戦略的な財政運営も重要であると考えており、令和三年度決算については、新型コロナの感染の影響が不透明な中で、事業者等への支援に万全を期すため、令和四年度予算と一体で編成をし、切れ目のない支援を行うべく十分な予算措置をしたことや、地方自治体や事業者等からの申請を受けて支出するものが多いといった事情もあり、繰越しや不用が生じたものと考えております。
 政府としては、予算の効率的かつ適切な執行を行うことは重要であると考えており、会計検査院の決算検査報告や国会決議を真摯に受け止め、令和三年度決算の内容も踏まえつつ、引き続き適切に対応してまいります。
 そして、拉致問題についてお尋ねがありました。
 政府としては、北朝鮮への直接の働きかけに加え、御指摘のような国を含め、関係各国に対し、ハイレベルでのあらゆる機会において日本の立場を繰り返し説明をし、多くの国から支持と理解を得てきております。
 私自身、先般の北米、欧州訪問の機会に、各国首脳との間で拉致問題を含む北朝鮮への対応において緊密に連携することを改めて確認をしてきたところです。
 引き続き、米国や欧州各国を含め、国際社会と緊密に連携しながら、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現するべく、あらゆるチャンスを逃すことなく、全力で果断に取り組みます。
 このように、最重要課題である拉致問題については政府として様々な取組を行っているところであり、御指摘の予算についても、何が効果的かという観点から不断に検討を続けてまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。拍手
   〔国務大臣鈴木俊一君登壇、拍手〕
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鈴木俊一#24
○国務大臣(鈴木俊一君) 石井苗子議員の御質問にお答えいたします。
 石井議員からは、令和三年度の税収が増加した要因についてお尋ねがありました。
 令和三年度決算税収については、世界経済のコロナ禍からの回復に伴う需要増や円安等による好調な企業収益、雇用、賃金の緩やかな増加を背景に、法人税収や所得税収が増加したこと等の要因によって、前年度を六・二兆円上回る六十七兆円となったところであります。拍手
   〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
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加藤勝信#25
○国務大臣(加藤勝信君) 石井苗子議員より二問御質問いただきました。
 病床確保料についてお尋ねがありました。
 今般、新型コロナの病床確保料が過大に支給されていた事案が生じたことは大変遺憾であります。
 会計検査院の指摘を踏まえ、昨年、都道府県に対し、令和三年度の交付分を含め、全医療機関に同様の事例についての自主点検を依頼いたしました。適切な執行に向けて周知徹底を図るとともに、過大な支給については国庫への返還手続を進めてまいります。
 また、昨日都道府県に発出した事務連絡により、必要な看護師等が確保されていないことを理由に入院受入れ要請を断った事例の有無を把握し、適切な運用に努めることとしております。また、新型コロナ受入れ医療機関における病床確保料の状況などについて実態調査を行い、必要な見直しに向け検討を進めてまいります。
 生活保護業務におけるマイナンバーの活用についてお尋ねがありました。
 昨年十月、一部の自治体において、その方法に関する理解が不十分であることなどを要因として、生活保護業務におけるマイナンバーを活用した情報照会が実施されていない点について改善を図る必要があると指摘を受けたところであります。
 厚生労働省としては、自治体に対して、マイナンバーの活用に関するこれまでの通知等の内容を整理し、改めて周知するとともに、平易なマニュアルの作成などを進めることとしています。あわせて、都道府県において研修を実施することを依頼するなど、自治体におけるマイナンバー情報連携の更なる活用が図られるよう取り組んでまいります。拍手
   〔国務大臣河野太郎君登壇、拍手〕
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河野太郎#26
○国務大臣(河野太郎君) マイナンバー制度における情報連携の活用についてお尋ねがありました。
 マイナンバー制度は、行政の効率化と国民の利便性向上を実現し、公平公正な社会を実現するデジタル社会の基盤です。マイナンバーは、社会保障、税、災害対策の各分野の行政事務で利用されており、行政機関同士がマイナンバーを利用した情報連携を行うことで、申請手続の際に住民票の写しなどの書類の添付が不要となり、手続の負担を軽減することができます。
 このように、マイナンバーを利用した情報連携を行うことで国民がデジタルによる利便性を享受できるものであり、デジタル庁としても、厚生労働省を始めとする制度所管省庁と緊密に連携し、情報連携のより一層の活用に努めてまいります。拍手
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長浜博行#27
○副議長(長浜博行君) 芳賀道也君。
   〔芳賀道也君登壇、拍手〕
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芳賀道也#28
○芳賀道也君 国民民主党・新緑風会の芳賀道也です。
 会派を代表して、令和三年度決算につき質問します。
 冒頭、総理にお伺いします。
 長引くコロナと物価高騰で国民が不安になる中、突然増税が言われ、賃上げを企業に求めながら法人増税が飛び出す、全くちぐはぐです。国民を更に不安にさせる愚かなことだとは思いませんか。命と暮らしが危機にある国民の安心のために、増税はしないとここではっきりお約束ください。また、法人増税が賃上げに逆行するリスクはないのか、これも総理に伺います。
 我が会派は、この国会こそ賃上げ国会にしなければならないと考えています。通常国会を本気で賃上げ国会にすると国民に約束してください。総理、いかがでしょうか。
 総理は先日、異次元の少子化対策と発言されましたが、賃上げも異次元の内容を行うのか、それとも企業任せの従来型のやり方なのか、どうお考えでしょうか。あらゆる政策を総動員すると総理が言う賃上げのための方法を、国民が理解できる言葉で分かりやすく具体的にお示しください。
 大企業だけでなく中小企業でも賃上げが行わなければ意味がありません。肥料や飼料の高騰にあえぐ農家も含め、収入が増える日本を実現する必要があります。コストが上がっても価格に転嫁しにくい中小企業や農家の収益を上げる方策も、具体的に国民に分かりやすく示してください。
 年金も、物価高騰の中〇・四%減らされ、来年度は少し引上げですが、物価上昇には足りません。年金も物価上昇率以上に引き上げるべきだと考えますが、総理の見解を伺います。
 政府の電気料金高騰対策が始まりますが、山形県のアンケート調査では、八割が対策が不十分、更なる対策が必要と回答。しかし、電力会社も赤字で、やむを得ず四月以降、補助を超える値上げです。総理、更なる電気料金への支援を約束して国民を安心させてください。
 このところ、国会での議論もなく、防衛費倍増、増税など、国民に重要な決定が突然あります。国民に対しても、国会に対しても説明不足です。我が国に何が必要かを議論し、考えの違いを認め合い、話し合って未来を決める国の最高機関が国会であること、最も大切な民主主義を総理は軽んじているのですか。お答えください。
 また、国民が不安に感じる危機のときこそ、リーダーは国民に分断ではなく協力を求める希望のメッセージを発信すべきです。岸田総理にはそうしたメッセージが全く感じられません。今日こそ、トンネルの出口の明かりが見えるような、国民の希望につながる真のリーダーたる言葉を発信してください。お願いします。
 さて、今、我が国が歴史的な危機にあることを考えたとき、私は二十世紀のイギリスの歴史家アーノルド・トインビーの学説を思い出します。トインビーは、文明の歴史を比較研究し、文明は共通して発生、成長、衰退、解体の経過をたどると議論。そのキーワードは挑戦と応戦です。文明は次々に問題に当たり、その挑戦に的確に応戦できれば文明が成長し、応戦に失敗すれば文明は衰退、解体の道を進むのが歴史の法則と説いています。
 我が国がまさに時代から深刻な挑戦を受けているという危機意識から、令和三年度政府予算の執行につき三つの切り口から質問します。
 第一の挑戦は、円安、物価高と日銀の債務超過の危険性です。
 円安やウクライナ危機等の影響で原油などエネルギー価格が高騰し、輸入食材や各種材料費も上昇。また、日銀の黒田総裁は十年物国債の上限金利〇・五%を認めましたが、あと少し上昇しただけで日銀が債務超過に陥る危険性があります。政府、日銀の思惑に関係なく、日銀債務超過とマーケットが判断すれば、円安、株安、債券安のトリプル安が日本経済を襲うおそれがあります。
 一方、長期金利が上がれば必然的に政府予算の国債費が大幅増額になり、防衛費の倍増以前に増税は必須で、景気にも国民生活にも重いダメージです。
 こうした状況で、私たちの会派、国民民主党は、「財政金融政策に関する考え方」をまとめ、昨年末に第二版を決定、公開しました。第一に約五百兆の日銀保有国債の一部を永久国債化し政府の元本返済義務を減少、第二に異常な金融緩和の象徴である上場投資信託や不動産投資信託を一定期間の保有義務を課した上で日銀取引先金融機関に売却し日銀資産を圧縮、第三に名目賃金上昇率が安定的に物価上昇率プラス二%になるまで積極財政と金融緩和を継続、第四に新設の教育国債等を活用して教育、科学技術予算を十年間で倍増させ産業と経済を巡航軌道に乗せるなど、現実的な具体策を提示しました。そして、中長期的には財政金融政策正常化を目指します。
 安倍内閣以来、異次元金融緩和で事実上の財政ファイナンスを続けたことが円安と日銀の債務超過リスクが高まった原因の一つと考えますが、これに対する鈴木財務大臣の受け止めと、さきに述べた国民民主党の考え方、提言に対する見解、また円安と日銀の債務超過を根本的に止める具体策の説明をお願いします。
 仮にトリプル安が日本経済を襲った場合、債券、株式に投資する日本の年金財政も深刻なダメージを受けます。急激なハイパーインフレや株価の暴落、国債暴落が起きた場合でも現役世代の手取り収入の五〇%の年金額を支給するという百年安心年金の約束を実現するための具体策を、加藤厚労大臣、教えてください。
 昨年、予算委員会で我が会派の伊藤孝恵議員も指摘しましたが、多くのシンクタンクの試算では物価高騰による家計の支出増は約十万円。コロナ経済危機と物価高騰の中で国民に安心を与えるため、十万円のインフレ手当が必要です。総理、いかがでしょうか。
 さて、我が国の直面する挑戦は、第二に新型コロナと科学的な対応の問題です。
 我が国は、コロナ感染当初から検査が少なく、また対策を重症者に特化したため、軽症者や無症状の方の対策がおろそかになり、無症状や軽症の方から次の感染の波が発生する悪循環が続いています。
 検査、隔離、治療の圧倒的な拡大を実現できなかった理由を、加藤厚労大臣、お答えください。また、第八波の感染拡大の今、どのように検査体制、医療提供体制を増強するのか、具体策を示してください。
 新型コロナ対策で検査、隔離、治療の拡充が十分にできなかったのは、感染行政にサイエンスが欠けているからだと複数の専門家が批判。先日発表された新型コロナ感染症法上の二類から五類への変更も、科学的知見がどれだけ反映されているか疑問です。
 昨年十一月十八日、厚労委員会で東京医科歯科大学の田中学長から、現場の知見をコロナ対策に生かすには臨床現場で治療している呼吸器内科を官邸の新型コロナ専門家会議の委員に加えるとよいと答弁がありました。岸田総理の見解を伺います。
 また、新型コロナ対策に限らず、政府全体に科学的な思考が足りないと批判があります。科学技術立国をうたうなら、各省庁も技術系の官僚を増やして専門のポストにもっと継続的に割り当て、また技術系の部長、局長、事務次官を増やすべきだと考えますが、岸田総理の見解と具体的な取組を伺います。
 我が国への第三の挑戦は、人口減少と少子化です。
 二〇二一年十月一日の我が国の総人口は前年より六十四万四千人も減り、減少幅は比較可能な一九五〇年以降で最大。合計特殊出生率も前年の一・三三から更に減り、一・三〇。フランスの歴史人口学者、エマニエル・トッド氏も日本の人口減少を警告。
 二〇二一年度版少子化社会対策白書によれば、家族関係社会支出の対GDP比は二〇一八年度一・六五%で、ヨーロッパ諸国の約半分。子供関連予算をGDP比三%に増額すべきですが、人口減少、少子化に対する受け止めと子供予算のGDP比三%への増額についての意欲、その財源案を総理に伺います。
 また、児童手当法の改正で、高所得世帯の児童手当が昨年十月からカット。国民民主党は、昨年、児童手当など子供関係手当の所得制限撤廃法案を国会に提出しました。人口減少対策として世帯所得に関係なく子育てに公助を進めるのは当然ではないでしょうか。こども政策担当の小倉大臣に伺います。
 以上、トインビーによる文明への挑戦、応戦という見方から令和三年度決算に対し質問しました。安倍内閣から岸田内閣、どれもが私たちの文明が危機にあるという意識が薄く、我が国が時代の挑戦を受けているのに応戦に失敗していると指摘して、私の質問とします。拍手
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
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岸田文雄#29
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 芳賀道也議員の御質問にお答えいたします。
 防衛力強化のための税制措置と賃上げについてお尋ねがありました。
 防衛力強化と経済対策に対する考え方、これはよく整理して論ずる必要があると考えています。
 私は一貫して経済あっての財政との立場であり、だからこそ、多額の国債を発行して三十九兆円の総合経済対策を講じ、足下の物価高、円安への対策、構造的賃上げに向けた支援、七兆円の投資支援などを盛り込んだところです。
 賃上げは経済運営政策の最重要課題であり、労働市場改革を通じて、構造的な賃上げの実現に全力で取り組んでまいります。
 他方、国民の命、暮らし、事業を守るために我が国の防衛力を抜本強化するためには、責任ある財源を考えるべきであり、将来世代に先送りすることなく、今を生きる我々が対応すべきものであると考えております。
 今般、法人税の御負担をお願いすることとしておりますが、その際にも、中小企業への配慮を大幅に強化し、全法人の九四%は対象外としています。
 防衛力強化は、シーレーン確保、サプライチェーンの維持、抑止力強化による市場攪乱リスクの低減など、円滑な経済活動に直接資する面も多く、御理解をいただきたいと考えております。
 賃上げのための政策についてお尋ねがありました。
 賃上げ自体は、各企業の支払能力を踏まえながら、個別に労使が交渉し、合意した上で決定されるものですが、成長と分配の好循環の実現に向け、民間だけに任せることなく、国も政策を総動員して、賃上げに向けた環境整備に取り組んでまいります。
 まずは、この春の賃金交渉に向け、物価上昇を超える賃金引上げに取り組んでいただきたいと考えております。政府としても、賃上げ税制や補助金等における賃上げ企業の優遇などの取組に加えて、公的セクター、あるいは政府調達に参加する企業で働く方の賃金引上げなどに取り組んでまいります。
 さらに、意欲ある個人の能力を最大限生かしながら、企業の生産性を向上させ、更なる賃上げにつながる構造的賃上げを実現すべく、意欲ある個人に対するリスキリングによる能力向上支援、職務に応じてスキルが適正に評価され、賃上げに反映される日本型の職務給の確立、成長分野への円滑な労働移動を進める、こうした三位一体の労働市場改革に官民連携で着実に取り組んでまいります。
 そして、中小企業や農家、畜産農家の収益向上と年金水準についてお尋ねがありました。
 物価高騰が長引く中、中小企業や農家を含めた賃上げや所得増を実現するためには、中小企業や農家の収益を上げることが必要です。
 具体的には、中小企業における賃上げ実現に向け、ものづくり補助金、IT導入補助金、事業再構築補助金など、令和四年度補正予算に盛り込んだ施策の早期執行を通じて、生産性向上などへの支援を一層強化していきます。さらに、中小企業が継続的に賃上げできる環境整備に向けて、下請取引の適正化、そして価格転嫁を促進してまいります。
 また、農業については、足下の肥料、飼料の高騰に伴う生産コスト抑制対策や国産化を進めつつ、スマート農業や、更なる輸出拡大支援などによって、稼げる産業とすることを目指してまいります。
 年金については、長期的な給付と負担のバランスを確保することで将来にわたって持続可能な仕組みとしており、この仕組みの下で着実に支給してまいります。同時に、年金受給者を含め、住民税非課税世帯への五万円給付など、物価高対策をきめ細かく講じてまいります。
 電気料金への支援についてお尋ねがありました。
 電気料金支援の水準については、春以降に想定される全国の御家庭における平均的な負担増が二割程度と見込まれることを踏まえて、その水準と同程度の引下げとしています。これまでに引上げ、失礼、値上げ申請があった六社の申請値上げ幅は電力会社ごとに異なっておりますが、今回の電気料金支援を行うに当たっては、公平性や迅速性の観点から全国一律の値下げ幅とし、かつ一月に前倒しして値下げを実施することとしたものです。
 また、昨年九月の物価対策において措置をした電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金では、自治体の判断により地域の事情を踏まえたきめ細かい対応ができることとしており、例えば、山形県内でも、この交付金を活用して農業や製造業、介護サービスなど向けの電気代支援等、様々な対策が行われていると認識をしております。
 政府としては、まずは電気料金の値引き支援を需要家に確実にお届けできるよう、予算執行に取り組みます。その上で、今後も経済状況を注視し、必要な政策対応にちゅうちょなく取り組んでいきます。
 そして、防衛費に関する議論の在り方についてお尋ねがありました。
 防衛力の抜本的強化に当たっては、その具体的内容、予算、財源を一体的に国民にお示しするとの方針を、昨年の通常国会から、そして会見でも一貫して申し上げてきました。
 その方針に沿って、国家安全保障会議四大臣会合、有識者会議、与党ワーキングチーム、与党税制調査会など、活発な議論を積み重ねてきました。御党からも安全保障政策に関する御提言をいただき、大いに参考にさせていただきました。
 その集大成として、政府・与党としての方針を三文書や税制改正大綱の閣議決定の形でお示しをしました。議院内閣制の下では政府・与党が国政を預かっており、まずは政府・与党において一年以上にわたる丁寧なプロセスを経て方針を決定いたしました。進め方に問題があったとは考えておりません。
 政府・与党の決定を踏まえて、今国会に令和五年度予算を提出したほか、防衛財源確保法案の提出を予定しており、与野党との活発な国会論戦を行っていきます。それによって更に国民の皆様への丁寧な説明も行ってまいりたいと考えております。
 そして、希望につながるメッセージについてお尋ねがありました。
 危機のときこそ希望につながるリーダーのメッセージが大切であるという御指摘については、私も同感であります。だからこそ、今回の施政方針演説の最後に、国民の皆さんへのメッセージとして、日本国、日本全国の皆さんが輝ける、未来に希望を持てる、そんな日本をつくっていきたいと思う、こうした趣旨を申し上げました。
 私が取り組んでいる賃上げと、投資と改革による経済の好循環の実現、さらには、子ども・子育て政策の強化、女性、若者、地方の力を引き出す政策、いずれもこの国を未来に希望を持てる国としていくための取組であると考えています。
 これからも、先送りできない難しい課題に正面から愚直に立ち向かい、一つ一つ答えを出していくことで、この国を未来に希望が持てる国としていきたいと考えております。
 十万円のインフレ手当についてお尋ねがありました。
 政府は、これまで、物価高の主因たるエネルギー、食料品等に的を絞り、きめ細やかな政策を実施してきました。
 特に、家計への影響が大きい低所得世帯に対しては、昨年六月から低所得の子育て世帯に対し児童一人当たり五万円を給付し、昨年十月頃から住民税非課税世帯への五万円給付が開始され、現時点で対象世帯の約七割に給付金が支給されています。さらに、非課税世帯以外の低所得世帯への直接給付も可能な地方向けの交付金を創設するなど、重層的な支援策を切れ目なく講じてきました。
 また、現金給付以外にも、電気・ガス料金上昇の負担緩和策によって、今月使用分より家庭において電気料金の二割程度を値引きすることなどにより、九月までに四・五万円程度、エネルギー価格高騰の負担を直接的に軽減をいたします。
 こうしたきめ細やかな対応を迅速かつ着実に実行することで、物価高から国民生活を守っていきたいと考えております。
 そして、新型コロナ対策の専門家会議の委員と、技術系職員の増員、ポスト増についてお尋ねがありました。
 新型コロナ対策の専門家会議の委員については、内閣に設置する新型インフルエンザ等対策推進会議やその分科会、また厚生省のアドバイザリーボードにおいて、これまでも呼吸器内科医等の臨床現場について知見を有する方に委員をお願いするなど、適切な人選を行ってきました。
 また、科学技術立国の実現を目指し、行政を推進するに当たって、科学技術の視点を持つということ、これは委員御指摘のように重要であると認識をしており、岸田政権では新たに総理直属の科学技術顧問を置くこととしたところであります。
 このような科学技術顧問の助言もいただくとともに、各省庁においてもこのような視点を大事にしながら、技術系職員を始めとした多様な能力を持つ人材を確保、育成し、職種にとらわれない適材適所の人材配置、幹部登用を図るべき、適切に取り組んでまいりたいと考えます。
 そして、人口減少、少子化に対する受け止めと子供予算の増額についてお尋ねがありました。
 急速に進展する少子化により、昨年の出生数は八十万人を割り込むと見込まれ、我が国は社会機能を維持できるかどうかの瀬戸際と呼ぶべき状況に置かれています。子ども・子育て政策への対応は、待ったなしの先送りを許されない課題であると考えております。
 子ども・子育て政策は最も有効な未来への投資です。個々の政策の内容や規模面はもちろんのこと、地域社会や企業の在り方も含めて社会全体で子ども・子育てを応援するような、社会全体の意識を高め、年齢、性別を問わず皆が参加する次元の異なる少子化対策を実現したいと考えております。
 まずは、こども政策担当大臣の下、子ども・子育て政策として充実する内容を具体化します。そして、その内容に応じて、各種の社会保険との関係、国と地方の役割、高等教育の支援の在り方など、様々な工夫をしながら社会全体でどのように安定的に支えていくか、これを考えてまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。拍手
   〔国務大臣鈴木俊一君登壇、拍手〕
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