芳賀道也の発言 (本会議)

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○芳賀道也君 国民民主党・新緑風会の芳賀道也です。
 会派を代表して、令和三年度決算につき質問します。
 冒頭、総理にお伺いします。
 長引くコロナと物価高騰で国民が不安になる中、突然増税が言われ、賃上げを企業に求めながら法人増税が飛び出す、全くちぐはぐです。国民を更に不安にさせる愚かなことだとは思いませんか。命と暮らしが危機にある国民の安心のために、増税はしないとここではっきりお約束ください。また、法人増税が賃上げに逆行するリスクはないのか、これも総理に伺います。
 我が会派は、この国会こそ賃上げ国会にしなければならないと考えています。通常国会を本気で賃上げ国会にすると国民に約束してください。総理、いかがでしょうか。
 総理は先日、異次元の少子化対策と発言されましたが、賃上げも異次元の内容を行うのか、それとも企業任せの従来型のやり方なのか、どうお考えでしょうか。あらゆる政策を総動員すると総理が言う賃上げのための方法を、国民が理解できる言葉で分かりやすく具体的にお示しください。
 大企業だけでなく中小企業でも賃上げが行わなければ意味がありません。肥料や飼料の高騰にあえぐ農家も含め、収入が増える日本を実現する必要があります。コストが上がっても価格に転嫁しにくい中小企業や農家の収益を上げる方策も、具体的に国民に分かりやすく示してください。
 年金も、物価高騰の中〇・四%減らされ、来年度は少し引上げですが、物価上昇には足りません。年金も物価上昇率以上に引き上げるべきだと考えますが、総理の見解を伺います。
 政府の電気料金高騰対策が始まりますが、山形県のアンケート調査では、八割が対策が不十分、更なる対策が必要と回答。しかし、電力会社も赤字で、やむを得ず四月以降、補助を超える値上げです。総理、更なる電気料金への支援を約束して国民を安心させてください。
 このところ、国会での議論もなく、防衛費倍増、増税など、国民に重要な決定が突然あります。国民に対しても、国会に対しても説明不足です。我が国に何が必要かを議論し、考えの違いを認め合い、話し合って未来を決める国の最高機関が国会であること、最も大切な民主主義を総理は軽んじているのですか。お答えください。
 また、国民が不安に感じる危機のときこそ、リーダーは国民に分断ではなく協力を求める希望のメッセージを発信すべきです。岸田総理にはそうしたメッセージが全く感じられません。今日こそ、トンネルの出口の明かりが見えるような、国民の希望につながる真のリーダーたる言葉を発信してください。お願いします。
 さて、今、我が国が歴史的な危機にあることを考えたとき、私は二十世紀のイギリスの歴史家アーノルド・トインビーの学説を思い出します。トインビーは、文明の歴史を比較研究し、文明は共通して発生、成長、衰退、解体の経過をたどると議論。そのキーワードは挑戦と応戦です。文明は次々に問題に当たり、その挑戦に的確に応戦できれば文明が成長し、応戦に失敗すれば文明は衰退、解体の道を進むのが歴史の法則と説いています。
 我が国がまさに時代から深刻な挑戦を受けているという危機意識から、令和三年度政府予算の執行につき三つの切り口から質問します。
 第一の挑戦は、円安、物価高と日銀の債務超過の危険性です。
 円安やウクライナ危機等の影響で原油などエネルギー価格が高騰し、輸入食材や各種材料費も上昇。また、日銀の黒田総裁は十年物国債の上限金利〇・五%を認めましたが、あと少し上昇しただけで日銀が債務超過に陥る危険性があります。政府、日銀の思惑に関係なく、日銀債務超過とマーケットが判断すれば、円安、株安、債券安のトリプル安が日本経済を襲うおそれがあります。
 一方、長期金利が上がれば必然的に政府予算の国債費が大幅増額になり、防衛費の倍増以前に増税は必須で、景気にも国民生活にも重いダメージです。
 こうした状況で、私たちの会派、国民民主党は、「財政金融政策に関する考え方」をまとめ、昨年末に第二版を決定、公開しました。第一に約五百兆の日銀保有国債の一部を永久国債化し政府の元本返済義務を減少、第二に異常な金融緩和の象徴である上場投資信託や不動産投資信託を一定期間の保有義務を課した上で日銀取引先金融機関に売却し日銀資産を圧縮、第三に名目賃金上昇率が安定的に物価上昇率プラス二%になるまで積極財政と金融緩和を継続、第四に新設の教育国債等を活用して教育、科学技術予算を十年間で倍増させ産業と経済を巡航軌道に乗せるなど、現実的な具体策を提示しました。そして、中長期的には財政金融政策正常化を目指します。
 安倍内閣以来、異次元金融緩和で事実上の財政ファイナンスを続けたことが円安と日銀の債務超過リスクが高まった原因の一つと考えますが、これに対する鈴木財務大臣の受け止めと、さきに述べた国民民主党の考え方、提言に対する見解、また円安と日銀の債務超過を根本的に止める具体策の説明をお願いします。
 仮にトリプル安が日本経済を襲った場合、債券、株式に投資する日本の年金財政も深刻なダメージを受けます。急激なハイパーインフレや株価の暴落、国債暴落が起きた場合でも現役世代の手取り収入の五〇%の年金額を支給するという百年安心年金の約束を実現するための具体策を、加藤厚労大臣、教えてください。
 昨年、予算委員会で我が会派の伊藤孝恵議員も指摘しましたが、多くのシンクタンクの試算では物価高騰による家計の支出増は約十万円。コロナ経済危機と物価高騰の中で国民に安心を与えるため、十万円のインフレ手当が必要です。総理、いかがでしょうか。
 さて、我が国の直面する挑戦は、第二に新型コロナと科学的な対応の問題です。
 我が国は、コロナ感染当初から検査が少なく、また対策を重症者に特化したため、軽症者や無症状の方の対策がおろそかになり、無症状や軽症の方から次の感染の波が発生する悪循環が続いています。
 検査、隔離、治療の圧倒的な拡大を実現できなかった理由を、加藤厚労大臣、お答えください。また、第八波の感染拡大の今、どのように検査体制、医療提供体制を増強するのか、具体策を示してください。
 新型コロナ対策で検査、隔離、治療の拡充が十分にできなかったのは、感染行政にサイエンスが欠けているからだと複数の専門家が批判。先日発表された新型コロナ感染症法上の二類から五類への変更も、科学的知見がどれだけ反映されているか疑問です。
 昨年十一月十八日、厚労委員会で東京医科歯科大学の田中学長から、現場の知見をコロナ対策に生かすには臨床現場で治療している呼吸器内科を官邸の新型コロナ専門家会議の委員に加えるとよいと答弁がありました。岸田総理の見解を伺います。
 また、新型コロナ対策に限らず、政府全体に科学的な思考が足りないと批判があります。科学技術立国をうたうなら、各省庁も技術系の官僚を増やして専門のポストにもっと継続的に割り当て、また技術系の部長、局長、事務次官を増やすべきだと考えますが、岸田総理の見解と具体的な取組を伺います。
 我が国への第三の挑戦は、人口減少と少子化です。
 二〇二一年十月一日の我が国の総人口は前年より六十四万四千人も減り、減少幅は比較可能な一九五〇年以降で最大。合計特殊出生率も前年の一・三三から更に減り、一・三〇。フランスの歴史人口学者、エマニエル・トッド氏も日本の人口減少を警告。
 二〇二一年度版少子化社会対策白書によれば、家族関係社会支出の対GDP比は二〇一八年度一・六五%で、ヨーロッパ諸国の約半分。子供関連予算をGDP比三%に増額すべきですが、人口減少、少子化に対する受け止めと子供予算のGDP比三%への増額についての意欲、その財源案を総理に伺います。
 また、児童手当法の改正で、高所得世帯の児童手当が昨年十月からカット。国民民主党は、昨年、児童手当など子供関係手当の所得制限撤廃法案を国会に提出しました。人口減少対策として世帯所得に関係なく子育てに公助を進めるのは当然ではないでしょうか。こども政策担当の小倉大臣に伺います。
 以上、トインビーによる文明への挑戦、応戦という見方から令和三年度決算に対し質問しました。安倍内閣から岸田内閣、どれもが私たちの文明が危機にあるという意識が薄く、我が国が時代の挑戦を受けているのに応戦に失敗していると指摘して、私の質問とします。(拍手)
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 芳賀道也

speaker_id: 3714

日付: 2023-01-24

院: 参議院

会議名: 本会議