鈴木俊一の発言 (本会議)
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○国務大臣(鈴木俊一君) 浅田均議員の御質問にお答えいたします。
まず、可処分所得と賃上げ等についてお尋ねがありました。
浅田議員の御提案は、減税により消費者の可処分所得を増加させ賃上げ等につなげていくことであると理解しておりますが、政府としては、令和四年度税制改正において賃上げ税制を抜本的に拡充するとともに、中小企業等に事業再構築、生産性向上等の支援を行う際、それと一体となった賃上げ支援を大幅に拡充するなど、あらゆる政策を総動員することで賃上げを行うことができる環境整備に取り組んでまいる考えです。
また、価格転嫁対策については、賃上げ原資の確保につながるように、現在、下請Gメンを三百人体制に拡充するなど、その強力な推進に取り組んでいるところです。
政府としては、引き続き、政府、日銀が一体となって、構造的な賃上げを伴う経済成長と物価安定目標の持続的、安定的な実現に向け取り組んでまいります。
次に、成長志向型カーボンプライシング構想についてお尋ねがありました。
カーボンプライシングについては、低炭素な代替技術の有無や国際競争力への影響等を踏まえて実施しなければ、我が国経済への悪影響や国外への生産移転が生じるおそれがあることに鑑み、直ちに導入するのではなく、GXに集中的に取り組む期間を設けた上で導入することとなっていると承知をいたしております。
政府としては、カーボンプライシング導入の結果として得られる将来の財源を裏付けとしたGX経済移行債を発行し、二十兆円規模の先行投資支援を実施することで、二〇三〇年度の温室効果ガス四六%削減、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現といった国際公約と、我が国の産業競争力強化、経済成長の同時実現に向けて取り組んでまいります。
次に、カーボンプライシングの制度設計についてお尋ねがありました。
カーボンプライシングについては、財務大臣が構成員となっているGX実行会議における議論を経た上で、排出量取引制度と炭素に対する賦課金を導入することとされ、その具体的な制度設計を盛り込んだGX推進法案を国会に提出し、御審議をお願いしているものと承知しています。
財務省としても、引き続き関係省庁とともに議論、検討を行ってまいります。
次に、エコカー減税制度についてお尋ねがありました。
プラグインハイブリッド自動車や天然ガス自動車については、二〇二〇年七月に閣議決定された成長戦略フォローアップにおいて、二〇三〇年までにその普及を目指す、いわゆる次世代自動車に位置付けられるなど、環境性能に優れていると判断されることから、二回免税の対象としているところです。
次に、カーボンプライシングと自動車関連税制の見直しについてお尋ねがありました。
炭素排出に値付けを行ういわゆるカーボンプライシングについては、内閣官房よりGX推進法案が既に提出されており、今後、国会において御審議をいただくことになるものと承知をいたしております。
また、自動車関連税制の抜本的な見直しについては、電気自動車等の普及の状況を見極める必要があることなどを踏まえ、与党税制改正大綱において引き続き検討課題とされているものと承知しております。
政府としても、与党での御議論を踏まえつつ、検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、NISA拡充の為替相場への影響についてお尋ねがありました。
貯蓄から投資へを進めていくためには、家計による投資の対象として魅力ある日本の金融資本市場を構築していくことが不可欠であり、資産所得倍増プランでは、国際金融センターとしての地位を確立していくための施策も盛り込んでいます。それは同時に、海外投資家の資金を日本に呼び込むことにもつながるものと考えています。
このように、投資資金は内外の双方向に流れることが考えられ、また、為替相場は様々な要因を背景に市場において決まるものであることから、資産所得倍増に向けた取組が円安を招くとは一概に言えないと考えています。
いずれにしても、貯蓄から投資へのシフトによる我が国の経済や金融市場にもたらす影響については、十分に留意していきたいと考えています。
次に、日銀の損失と中央銀行の信認についてお尋ねがありました。
日銀の期間損益について純損失が生じた場合、民間企業と同様に、これを翌期以降に繰り越すことは法令上禁止されていないものと承知しております。
また、中央銀行の信認については、黒田総裁は、管理通貨制度の下では、通貨及び中央銀行の信認は適切な金融政策運営により物価の安定を図ることを通じて確保されるものである旨答弁されているものと承知をしており、政府としても同じ認識です。
次に、日銀法の改正経緯と日銀副総裁の発言との整合性についてお尋ねがありました。
平成九年に改正された新日銀法の下では、旧日銀法において設けられていた政府による損失補填の規定を削除しましたが、これは金融政策における日銀の自主性を確保することを目的としたものです。
昨年十二月の予算委員会における日銀副総裁の答弁の趣旨についてお答えする立場にはありませんが、その答弁の趣旨が、日銀は損失補填を目的として自由に通貨を発行することができるという趣旨でなければ、特段整合性に問題があるとは認識しておりません。
次に、金融緩和の副作用についてお尋ねがありました。
金融政策の具体的な手法は日銀に委ねられるべきと考えており、金融緩和の副作用に対しても、日銀においてこれまで様々な配慮を行ってきたと承知しております。例えば、昨年末の金融政策決定会合においては、金融緩和の効果をより円滑に波及させるとともに、金融緩和の持続性を高めるための決定がなされたと承知しています。
日銀には、引き続き、政府との連携の下、経済、物価、金融情勢を踏まえつつ、適切に金融政策運営を行われることを期待しております。
次に、成長戦略についてお尋ねがありました。
金融政策の具体的な手法については日銀に委ねられるべきと考えており、日銀において適切に判断されるものです。
そうした前提の上で、政府としては、新しい資本主義の考え方の下、科学技術・イノベーション、スタートアップ、GX、DXの四分野に重点を置いて、官民連携で投資促進を図ることを通じて社会課題の解決を成長のエンジンへと転換していくとともに、人への投資を抜本的に強化し、継続的な賃上げを実現することを通じて分厚い中間層の形成を図っていくことで、成長と分配の好循環を拡大し、力強い成長を実現してまいりたいと考えています。
最後に、少子化対策についてお尋ねがありました。
浅田委員から御提案のあった、子供を持てば持つほど税負担が軽くなるような税制上の措置を講じることについては、総世帯の約三割を占める所得税非課税世帯の方々にはメリットが及ばないこと、元々税負担の大きい高額所得者に有利となり得ることといった懸念点があることも踏まえて、丁寧に検討することが必要だと考えております。
また、御指摘の最低所得保障制度については、国が全ての個人に対して最低限の所得保障を無条件に与えるベーシックインカムということであれば、社会保険方式を基本とした我が国の社会保障制度との関係、また、年金や生活保護など既存の制度との給付の重複、追加の必要財源の確保、既に支払った保険料、積立金の扱いなど、現実的に乗り越えなければならない大きな課題があり、慎重な検討が必要であると認識しています。
いずれにせよ、最も有効な未来への投資である子供政策の強化は重要な課題であり、総理からの指示を踏まえ、今後、こども家庭庁を中心に、政策目的や支援対象の実情に応じて具体的に検討を進めていくものと承知しております。(拍手)
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