鈴木俊一の発言 (本会議)
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○国務大臣(鈴木俊一君) 大塚耕平議員の御質問にお答えいたします。
まず、この十年間の金融政策の評価とデフレの原因についてお尋ねがありました。
一九九〇年代のバブル崩壊以降、生産年齢人口が減少する中、企業は賃金を抑制し、消費者も将来不安などから消費を抑制し、結果として需要が低迷しデフレが加速するという悪循環が生じたと承知しています。
こうした中で、政府と日銀は二〇一三年に共同声明を公表し、互いに連携し、それぞれの責任において必要な施策を実施してきたところであり、金融政策については、日銀が定めた物価安定目標の実現を目指して金融緩和を推進してきたと理解しております。
こうした政府と日銀の取組の結果、デフレではない状況をつくり出すなど、大きな成果を上げてきたと認識しています。
次に、経済社会構造の変化を踏まえた税制面での対応についてお尋ねがありました。
政府は、これまで、大胆な金融政策、機動的な財政政策等により、もはやデフレではないという状況をつくり出してきました。一方で、諸外国に比べ低成長となっており、賃金の伸びも小幅となっている状況が続いてきたと認識しています。
その上で、問題として挙げられている御指摘の点の全てについて、税制のみで対応しているわけではありませんが、令和五年度税制改正においては、こうした諸課題や個人金融資産等の日本のポテンシャルを踏まえた対応を行うこととしております。
例えば、欧米に比べて低い水準となっている開業率や企業の国際競争力強化の必要性といった課題を踏まえ、スタートアップエコシステムの抜本的強化や、企業の成長を先導する人材の育成を促す税制措置を講じ、生産性の向上を図ることとしております。
また、個人金融資産の過半が現預金で保有されている現状を踏まえ、家計の資産を貯蓄から投資へと積極的に振り向けることにより、資産所得倍増につなげ、可処分所得の増加を図る観点から、NISAの抜本的拡充、恒久化を行うこととしております。
引き続き、経済社会構造の変化を踏まえた税制の見直しを進めながら、持続的な経済成長につなげてまいります。
次に、日銀の国債購入についてお尋ねがありました。
現在、日銀が行っている国債買入れは、日銀が物価安定目標の実現に向けて金融政策の一環として実施しているものと承知しており、御指摘の財政ファイナンスには当たらないものと認識しております。
他方、政府としては、日銀が国債を買い入れるとの前提に立った財政運営を行うことが適切とは考えておらず、また、市場からそのような疑いを持たれ、市場の信認を失うような事態を招くことがないようにしていく必要があると考えております。
このため、政府としては、財政健全化に向けてプライマリーバランスを二〇二五年度に黒字化すること、これにより債務残高対GDP比を安定的に引き下げることとの方針の下、引き続き責任ある経済財政運営に努めてまいりたいと考えております。
次に、日銀保有国債の永久国債化やハイパー償却税制など、国民民主党の政策提案についてお尋ねがありました。
金融政策の具体的な手法は、金融緩和の出口の考え方を含め、日銀に委ねられるべきと考えており、日銀が保有する国債やETF等の取扱いについても、日銀において検討されるべきものと考えております。また、日銀保有国債の永久国債化については、政府が日銀の機能を利用して財政調達を行うこととなり、財政に対する信認や金融政策の独立性が損なわれるおそれがあることに留意する必要があると考えております。
その上で、政府としましては、人への投資の抜本的強化や官民連携による成長分野への大胆な投資拡大等を通じて、成長と分配の好循環を実現してまいりたいと考えております。
御指摘のハイパー償却税制については、デジタル化やカーボンニュートラル投資を加速するため、取得額以上の減価償却を認める制度であると承知しておりますが、デジタル化や気候変動問題への対応における民間投資を促すという観点からは、政府においても、現在、デジタルトランスフォーメーション投資促進税制やカーボンニュートラル投資促進税制などを講じているところです。
次に、少子化についてお尋ねがありました。
年少扶養控除の復活等、具体的な御提案につきましては今般の税制改正には盛り込んでいませんが、その上で、それらに対する政府の考え方を申し述べます。
まず、年少扶養控除の復活や子供に係る諸経費の所得控除制度の創設などの御指摘ですが、各種控除の在り方等については、経済社会の構造変化のほか、所得再分配や少子化対策の観点等を踏まえ、税制全体の議論の中で引き続き検討していくべき課題と考えております。
次に、いわゆるN分N乗方式については、低中所得層には累進緩和の効果が全く及ばない一方、高額所得者、とりわけ片働き世帯に税制上大きな利益が生ずることになるため、我が国への導入については極めて慎重な検討が必要と考えております。
次に、子供に関する政策の所得制限についての御指摘ですが、児童手当など各制度における所得制限の在り方については、個々の制度の目的や支援方法に応じて、それぞれの制度において定められているものと考えております。
最後に、勤務先が提供する諸手当の非課税限度額引上げや単身赴任者の帰省旅費や住宅費などの非課税措置などの御指摘ですが、原則として、給与の性格を有する手当は課税することとなっている一方で、通勤手当のように出勤費用の実費弁済として広く支給されているものは一定限度額までは特別に非課税となっております。
引き続き、こうした考え方に沿って対応してまいりたいと考えております。
次に、NISAについてお尋ねがありました。
新しいNISA制度における年間投資枠の水準については、百二十万円のつみたて投資枠は若年期から長期にわたるこつこつとした投資を支援するものである一方、成長投資枠は個人のライフステージに応じて既に積み上げた預貯金などによるまとまった資金での投資にも対応できるように二百四十万円としております。こうした投資枠は、NISAを中間層を中心とする幅広い層にとって使い勝手の良い柔軟な制度とするために適切な水準であると考えております。
また、NISA制度は、非課税保有期間における配当等や譲渡益を非課税とするものであり、こうした税制優遇措置に加えて、御提案のように、さらにNISA口座への投資額を所得控除することについては慎重な検討が必要であると考えております。
次に、いわゆる一億円の壁についてお尋ねがありました。
現下の所得税の負担率を見ると、所得が一億円を超える辺りの所得層では負担率がそれほど大きく低下していない一方、それを上回るかなりの高所得者層では負担率の低下が著しい状況にあるといった現状になっています。
このような負担率の状況等を踏まえ、与党税制調査会において幅広い観点から御議論をいただいた上で、今般、おおむね平均的な水準として、約三十億円を超えるような極めて高い水準の所得を対象として、最低限の負担を追加的に求める措置を導入することとしたものです。こうした措置により、税負担の公平性の観点から一定の対応が図られていると考えております。
政府としては、まずは、令和七年から施行される今回の改正の効果をよく見極めてまいりたいと考えております。
次に、改正電子帳簿保存法の宥恕措置等についてお尋ねがありました。
電子取引データの保存については、令和三年度税制改正において、保存要件に従ってデータのまま保存しなければならないこととされましたが、事業者の実情を踏まえ、令和五年末まで、出力書面による代替保存を可能とする宥恕措置が適用されているところです。
現行の宥恕措置は、適用期間、適用期限の到来をもって廃止することになりますが、中小企業団体等から強い要望があったことを踏まえ、今般の税制改正では、電子取引データを保存要件に従って保存することができなかったことについて相当の理由があると認められる場合には、データと出力書面による並行保存を可能とする適用期限のない新たな猶予措置を整備することとしております。
また、行政府や民間の行政手続におけるクラウド利用については、利便性の向上やセキュリティーの確保、クラウドサービスの提供主体の観点も含め、様々な検討がなされているものと承知しています。特定のクラウドサービスの使用の法定化については、こうした検討等を踏まえる必要があると考えております。
最後に、自動車関係諸税についてお尋ねがありました。
自動車関係諸税の在り方については、与党税制改正大綱において、日本の自動車戦略やインフラ整備の長期展望、カーボンニュートラル目標の実現への貢献、インフラの維持管理、機能強化の必要性などを踏まえつつ、国、地方を通じた財源の安定的な確保を前提に、受益と負担の関係も含め、中長期的な視点に立って検討を行うこととされているところです。
政府としても、与党での御議論を踏まえつつ検討を進めてまいりたいと考えておりますが、御指摘の重課税化を含め、いわゆる走行距離課税やモーター出力課税については、政府としてその導入の方針を決めているものではございません。
また、今般のエコカー減税の見直しに当たっては、現下の半導体不足等の状況を踏まえる必要があることから、異例の措置として本年末まで現行制度を据え置くこととしました。
その上で、エコカー減税は、長期にわたって現行基準を維持すれば政策インセンティブ機能が低下し、その制度趣旨が没却されてしまうことから、据置期間後である令和六年一月からは、二〇三五年の乗用車新車販売に占める電動車の割合を一〇〇%とする政府目標と整合的な形に見直し、制度の対象となる燃費基準達成度の下限を三年間で段階的に引き上げることとしております。(拍手)
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