鈴木俊一の発言 (本会議)
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○国務大臣(鈴木俊一君) 岩渕友議員の御質問にお答えいたします。
まず、生活必需品の値上げについてお尋ねがありました。
消費者物価は、これまでの世界的な原材料価格の上昇や円安の影響により、食料品やエネルギーなど国民生活に身近な品目を中心に上昇が継続しており、特に低所得者の負担感が相対的に増加していると考えられます。
このため、特に低所得世帯に対しては、昨年六月から低所得の子育て世帯に対し児童一人当たり五万円を給付し、昨年十月頃から住民税非課税世帯への五万円給付を開始し、現時点で対象世帯の約八割に給付金が支給されるなど、重層的な支援策を切れ目なく講じてきました。
その上で、年度末に向けて、総合経済対策、補正予算の執行を加速しつつ、エネルギー、食料品価格の動向等を踏まえ、必要な追加策を検討するとともに、分厚い中間層の形成を図っていくためにも、あらゆる政策を総動員し、物価上昇を超える賃上げの実現を図ってまいりたいと考えています。
次に、消費税減税についてお尋ねがありました。
消費税については、急速な高齢化等に伴い社会保障給付費が大きく増加する中で、これをあらゆる世代が広く公平に分かち合う観点から、社会保障の財源として位置付けられております。このように、消費税は全世代型社会保障制度を支える重要な財源であるため、減税は考えておりません。
次に、インボイス制度についてお尋ねがありました。
インボイス制度は、複数税率の下で適正な課税を確保するために必要なものです。御指摘のような小規模事業者の方々の様々な御懸念について、政府一体で連携して丁寧に課題を把握しながら、きめ細かく対応してまいります。
具体的には、免税事業者を始めとした事業者の取引について、取引環境の整備に取り組むとともに、令和四年度補正予算においてインボイス対応のための支援策の充実を盛り込んでいます。
また、令和五年度税制改正においては、これまで免税事業者であった方がインボイス発行事業者となった場合の負担軽減措置や、少額のインボイス保存に関する中小事業者の事務負担軽減措置などを講ずることとしております。
引き続き、丁寧に課題を把握しながら、関係省庁で連携して必要な対応を講じてまいります。
次に、内部留保と賃上げについてお尋ねがありました。
内部留保への課税については、二重課税に当たるとの指摘があることから、慎重な検討が必要であると考えています。また、社会保険料の事業主負担の軽減については、社会保障の給付の見直し等を行わないまま単に社会保険料の事業者負担のみを引き下げれば社会保障の持続可能性に支障が生じることから、慎重な検討が必要と考えております。
その上で、政府としても、中小企業等においても物価上昇を超える賃上げに取り組んでいただくことは重要な課題であると認識しており、令和四年度税制改正で拡充した賃上げ税制において、中小企業等について税額控除率を大幅に引き上げたほか、事業再構築、生産性向上等支援と一体的に行う賃上げ支援を大幅に拡充し、さらに、下請Gメンを三百名体制に拡充するなど価格転嫁を強力に推進するなど、中小企業等においても賃上げを行うことができる環境整備にしっかり取り組んでおります。
次に、いわゆる一億円の壁についてお尋ねがありました。
この問題については、税負担の公平性を確保する観点から、市場への影響も踏まえ、総合的な検討を行うこととされていたところです。
こうした中、かなりの高所得者層では所得税の負担率の低下が著しいことなど、現下の状況等を踏まえ、このような所得税の負担構造の問題について早期に是正する観点から、与党税制調査会において幅広い観点から御議論をいただいた上で、今般、極めて高い水準の所得を対象として最低限の負担を追加的に求める措置を導入することとしたものです。
政府としては、まずは令和七年から施行される今回の改正の効果をよく見極めてまいりたいと考えております。
次に、NISAについてお尋ねがありました。
現状、NISAの利用者の七割は年収五百万円未満であるなど、NISAは中間層を含めた幅広い層の資産形成に活用されていると考えています。
さらに、今般のNISA制度の見直しを行うことによって、これまで以上に長期・積立・分散投資による資産形成を行いやすくなり、幅広い層の資産形成をより一層サポートすることができるものと考えています。
また、今般のNISAの拡充に当たっては、年間投資枠や一生涯にわたる非課税保有限度額を設定することにより、投資余力が大きい層に対する際限ない優遇とならないよう留意しております。
こうした一定の制限を設けつつ、幅広い層にとって使い勝手の良い柔軟なNISAの制度とすることで、家計の資産所得の拡大を目指していきたいと考えております。
次に、資産所得倍増プランによる投資の促進についてお尋ねがありました。
岸田内閣の目指す新しい資本主義においては、国民の所得を広く引き上げ、成長と分配の好循環を進めていくことを最重点課題として位置付けております。
そして、急速に高齢化が進展し、暮らし方が多様化する日本社会においては、家計の勤労所得だけでなく、金融資産所得も増やし、安定的な資産形成を実現していくことが重要と考えています。
社会保障制度は国民の安心や生活の安定を支えるセーフティーネットであり、政府として持続可能な制度の構築に取り組んでいるところですが、その上で、資産所得倍増プランに基づき、中間層を含めた幅広い層が自らのライフプランに応じた資産形成を実現できるよう、貯蓄から投資への流れを後押ししていきたいと考えています。
次に、詐欺的な投資勧誘への対策についてお尋ねがありました。
金融庁においては、金融商品取引業の登録を受けず違法に投資勧誘等を行っている事業者の実態把握に努め、警告書の発出、公表や警察当局との情報共有を行っています。
金融庁のホームページやSNS等も注意喚起に活用しており、御指摘の痛ましい事件も踏まえ、SNSやマッチングアプリ等で知り合った者からの投資勧誘についても注意喚起を行っています。
また、資産所得倍増プランでは、金融経済教育推進機構、仮称を設立し、官民一体となって金融経済教育に関する戦略的な対応を進めていくこととしております。その際には、家計の金融リテラシー向上に向けて、こうした投資被害に遭わないための金融教育にもしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
最後に、財政法第四条の趣旨と国会答弁の整合性等についてお尋ねがありました。
御指摘の一九六六年の福田大蔵大臣の答弁においては、防衛費は消耗的な性格を持ち、公共事業費等に準ずることは適切ではない旨の答弁があったと承知しております。
この点につき、昨年十二月に閣議決定した国家安全保障戦略等において、防衛力の抜本的強化を補完する取組として、防衛省と海上保安庁との連携や公共インフラ等が明確に位置付けられた中で、海上保安庁の船舶等が建設公債の発行対象であることを踏まえ、安全保障に係る経費全体で整合的な考え方を取る観点から、防衛省・自衛隊の施設整備や艦船建造に係る経費について建設公債の発行対象として整理することとしました。これは、従来であれば赤字国債を発行していた経費について、建設公債に振り替えることとなるものであり、防衛関係費の増額の財源とするためのものではありません。
さらに、今般の防衛力の抜本的強化に当たっては、必要となる財源は単純に赤字国債で賄うのではなく、税外収入の確保など、あらゆる工夫を行うこととしており、実際、令和五年度予算においては、防衛関係費の増額分一・四兆円に対応する財源は公債には依存しておりません。
このように、今般の防衛力の抜本的強化に際しては、公債発行に依存せず、財政規律との両立も図っており、防衛関係費が歯止めなく増加することにはならない、そのように考えております。(拍手)
〔国務大臣高市早苗君登壇、拍手〕