佐藤啓の発言 (本会議)

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○佐藤啓君 自由民主党の佐藤啓です。
 自民、公明を代表し、ただいま議題となりました令和五年度地方財政計画、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案について、松本総務大臣に質問をいたします。
 まず、令和五年度地方財政計画及び地方交付税法等の一部を改正する法律案についてお尋ねいたします。
 地方財政計画は、地方交付税法第七条の規定に基づき作成される地方全体の歳入歳出総額の見込額に関する書類であり、毎年国会に提出をされます。その規模は、令和五年度において約九十二兆円となっています。
 この計画を策定する一番の目的は、我が国にある千七百を超える地方自治体が質の高い行政サービスをひとしく提供できるよう、十分な財源を確保することです。このことを通じて、国民、住民の皆様に、全国津々浦々、どの地域でも、揺り籠から墓場まで、必要な行政サービスを受けられるという安心感を持っていただけるような環境をつくっていくことが必要です。
 また、地方自治体は、それぞれに地理的、文化的な特性があり、多様です。その個性を生かした町づくりを進めていくための財源の確保も必要です。加えて、時々の社会経済情勢を踏まえた取組に対する財源の確保も重要です。
 この地方財政計画が単なる数字の羅列ではなく血の通った計画となるためには、地域の実情をよく知る地方自治体からの要望や意見を十分に酌み取った上で、それらを適切に反映した内容にしていく必要があります。
 目下、少子高齢化、人口減少が加速化し、また、燃料価格、物価高騰による国民生活への影響が懸念されています。令和五年度に向けては、地方から、まず第一に、地方が自由に使える一般財源総額の確保、とりわけ地方交付税総額の確保と臨時財政対策債の発行抑制について強い要望がなされていたものと承知をしています。
 加えて、現下の重要課題である地方自治体のデジタル化の取組への支援を充実強化することや、住民の皆様への安定的な行政サービスの提供が欠かせない公立学校施設や社会福祉施設における光熱費高騰に係る支援を行うことなどを求める声が寄せられていたと認識しております。
 そこで、令和五年度の地方財政計画の策定に当たっては、地方からの声をどのように酌み取り、計画に生かしてきたのか。また、地方からの声を十分に反映した内容となっているのか、大臣の御所見をお伺いをいたします。
 次に、地方税法等の一部を改正する法律案について伺います。
 今回の地方税法改正では、二年ぶりに車体課税の改正が行われています。その大きな論点として、自動車税、軽自動車税の環境性能割について税率区分引上げの議論がありました。
 環境性能割は、自動車の取得時に課される税で、燃費性能等に応じて税率が変わります。自動車の燃費性能はメーカーの努力により年々向上をしてきていますが、それぞれの税率を適用するための燃費基準を二年ごとに引き上げることで、環境性能のより良い自動車が普及するよう後押しをする仕組みとなっています。このような制度のメンテナンスは、自動車税の税収を維持することにもつながるため、当然、地方公共団体にとっても重要な意味を持ちます。
 他方で、自動車ユーザーにとっては、燃費要件が厳しくなれば、同じ自動車でも適用される税率が上がることになるため負担の増加となります。また、自動車業界では、世界的な半導体不足を原因として、モデルチェンジや生産計画に大きな影響を及ぼし、また、納車が予定よりも大幅に遅れているなど、引き続きコロナ禍の影響を受けています。そのため、今回の地方税法改正の議論においても、一年間は燃費要件を据え置き、その後も大幅な引上げはしないよう、業界からは強い要請があったところです。
 こうした背景から、昨年の与党の議論では、環境性能割の税率区分を引き上げて、地方の貴重な財源を確保しつつ、コロナ禍に苦しむ自動車業界にも配慮すべきとの立場から議論が交わされてきましたが、どのような考え方により今回の法改正を行っているのか、大臣に伺います。
 次に、中長期的な車体課税の在り方について伺います。
 車体課税は、その在り方について以前から議論が提起されてきた税です。最近の与党税制改正大綱においても、車体課税の見直しが検討事項とされ、中長期的な視点に立って検討すべきものとされています。
 我が国の自動車業界は、欧州を始めとする急速な電動化の動きや自動運転技術の開発、シェアリングサービスの普及に伴う保有から利用への移行といった世界的な動きを見極めながら、諸外国のメーカーと競争していかなければなりません。そのような中で、適切な税制を見出していくためには議論すべき論点が数多くあると思われます。
 しかし、毎年の税制改正プロセスは、年末の一時期に限定されています。利害の構造がある程度明らかなものについて、主張をぶつけ合った上で結論を出すといった場合には適している一方、これのみでは、論点が多岐にわたるものについて、その論点を一つ一つ丁寧に整理しながら十分に議論、検討するのは難しいのではないかと感じています。
 自動車業界が百年に一度とも言われる大きな変革期に直面している中、車体課税の在り方について検討し、公平中立で、かつ自動車業界の活力を維持強化できるような税制を実現するためには、静かな環境で議論を進めていく場が必要と考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、大臣の見解を伺います。
 最後に、法人事業税の外形標準課税について伺います。
 外形標準課税は、資本金一億円を超える大企業を対象とし、平成十六年度の導入以来、地方の安定的な財源となってきました。また、平成二十七年度、二十八年度には外形標準課税の割合が拡大されました。一方で、近年では、外形標準課税から逃れるために、意図的に資本金を一億円以下に減資する法人があったり、持ち株会社、分社化の際に外形標準課税の対象範囲が実質的に縮小する事例が生じており、これらについては制度的な見直しを検討する必要があります。
 資本金一億円以下に減らす大企業が毎年一定程度あることはやむを得ないと考えます。特に、損失を埋めるための減資はあってしかるべきです。しかしながら、減資して税法上の中小企業となることで外形標準課税の対象から外れるのがその目的であれば、好ましくないと考えます。有名大企業が節税対策の一つとして資本金を一億円以下にして負担を免れているという報道も出ております。減資すること自体は合法ですが、減資をせずに苦しくとも頑張って税を納めている企業もある中で、公平性を欠くといった指摘もあります。
 一方、本来の中小・小規模事業者には十分な配慮をしなければなりません。こういった企業の大半は、経営状況が苦しい中でも、地元で従業員を雇用し、地域社会のために大きな貢献をしています。制度見直しの影響が生じないよう工夫するべきであると考えます。
 そこで、改めて、外形標準課税の制度導入の趣旨と、今後どのような方針で取り組んでいくのか、大臣にお伺いをして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣松本剛明君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 121115254X00820230310_017

発言者: 佐藤啓

speaker_id: 29305

日付: 2023-03-10

院: 参議院

会議名: 本会議