岸田文雄の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 音喜多駿議員の御質問にお答えいたします。
先般の私のウクライナ訪問時の警備体制についてお尋ねがありました。
現在、武力紛争下にあるウクライナでの警護については、ウクライナ政府が全面的に責任を負って実施いたしました。この対応は、これまで他の国の首脳がウクライナを訪問した際も基本的には同様であり、日本としても、ウクライナ政府等と慎重に調整を重ね、安全確保に万全を期した形で訪問を実施いたしました。
実力組織である自衛隊がどのような役割を果たし、そのために何ができるかについては、国会の民主的統制の下に置かれるべきです。自衛隊による海外の活動については、これまでも立法措置を講ずることによって実施してきており、今後もこうした考え方を維持してまいりたいと考えています。
そして、私のウクライナ訪問時の報道の在り方及び情報管理についてお尋ねがありました。
今般のウクライナ訪問に当たっては、厳重な保秘を前提に、ウクライナ政府等と慎重に調整を重ねた上で、秘密保全、安全対策や危機管理面等において遺漏のないよう最適な方法を総合的に検討いたしました。また、厳に限られた者に限り情報管理を徹底をいたしました。
具体的な方策については詳細を申し上げることは控えますが、具体的な安全対策や危機管理対策、情報管理について万全を期した措置をとりました。そして、御指摘の危険地における報道の在り方については、安全対策や情報管理等の観点から、いかなる方策が可能なのか、今後も不断に検討を行ってまいりたいと思います。
そして、私の訪問時の贈呈品についてお尋ねがありました。
今次訪問に際しゼレンスキー大統領に持参した贈呈品は、広島の必勝しゃもじに加え、平和を祈念、祈願するという意味合いを込めて、宮島御砂焼による折り紙、折り鶴をモチーフとしたランプです。贈呈品選定の理由は、ロシアによるウクライナ侵略に果敢に立ち向かっているゼレンスキー及びウクライナ国民への激励と、それに加えて、平和を祈念する思いを伝達するためのものであります。
そして、ウクライナのニーズの把握についてお尋ねがありました。
政府としては、在ウクライナ大使館を中心に緊密にウクライナ側と意見交換を行い、同時に、在京ウクライナ大使館とも意思疎通をよく行ってそのニーズの把握に努めてきております。
今般の首脳会談では、電力、地雷対策、瓦れき処理、農業の分野における日本の支援に対し、ゼレンスキー大統領から深甚なる感謝と支援の継続への期待が示されました。また、今回訪問したブチャ市において、日本から供与した発電機の支援の重要性を改めて実感できました。
今後も国際社会と連携しつつ、ウクライナ国民のニーズを踏まえ、日本の持つ経験や知見を生かしながら、切れ目なく日本らしいきめ細やかな支援、これを迅速に行ってまいります。
対ロシア制裁についてお尋ねがありました。
お尋ねの対ロ制裁の実施調整メカニズムは、既存の制裁の遵守と実施の強化を目的とした枠組みであり、その立ち上げの時期を含め、詳細は関係国と調整中であります。
エネルギーのロシア依存のフェーズアウトについては、昨年下半期の我が国のロシアからの輸入では、原油は約九割、石炭は約六割、前年比で減少しています。他方、LNGは今後も世界的に需給が一層厳しくなることが見込まれています。その上で、御指摘のサハリン・プロジェクトについては、我が国のエネルギー安全保障上重要であり、権益は維持する方針であります。引き続き、エネルギー安定供給に万全を期しつつ、G7を始めとする国際社会と連携し、適切に対応してまいります。
そして、ウクライナと国際刑事裁判所、ICCとの関係についてお尋ねがありました。
日・ウクライナ共同声明の作成過程を含め、外交上のやり取りについてはお答えを差し控えますが、双方は、ウクライナで起こっている戦争犯罪及びその他の残虐行為に関する不処罰は認められてはならないことで一致をしています。ウクライナはICCの管轄権を受諾しており、我が国としてもウクライナの事態をICCに付託をいたしました。同共同声明においても、戦争犯罪及びその他の残虐行為の不処罰はあってはならないこと、また、国際法に従って、責任を有する全ての者の責任を追及することへのコミットメントを強調したところであります。
国民保護の分野における台湾との連携についてお尋ねがありました。
日本を取り巻く安全保障環境が戦後最も厳しく複雑になる中、我が国及び我が国国民の安全と繁栄を確保するため、政府としていかなる事態に対しても対応できるよう万全を期していくこと、これは当然です。
台湾は、日本にとって極めて重要なパートナーであり、大切な友人です。一九七二年の日中共同声明を踏まえ、非政府間の実務関係として維持していくとの日本政府の立場を踏まえつつ、種々の分野で日台間の協力、そして交流、これは深化させていきたいと考えております。
ウクライナ問題における中国の立場についてお尋ねがありました。
二月二十四日、中国政府は、ウクライナ危機の政治的解決に関する中国の立場と題する文書を発表いたしました。これに対し、ゼレンスキー大統領は、理解できる点も同意できない意見もあるとした上で、全てのロシア軍の撤退が規定されていないのであれば不適切であると述べたと承知をしています。私から御指摘の中国の狙いについてお答えすることは控えますが、ウクライナの将来を決める交渉にいかに臨むのか、これはウクライナの人々が決めるべき問題であると考えております。
我が国としては、ウクライナ情勢について中国とも意見交換を行ってきており、引き続き責任ある対応、これを強く求めてまいります。
インドに対する投資戦略についてお尋ねがありました。
昨年三月、モディ首相との間で今後五年間の対インド官民投融資五兆円目標を発表いたしました。今月行われた首脳会談においても、目標達成に向け順調に実績が積み重ねられていること、これを確認をいたしました。
インドは、法の支配等の基本的価値や原則を共有し、FOIPを実現するに当たって必要不可欠なパートナーです。今後とも、日系企業のビジネス環境整備等も含めて、二国間経済関係の強化、努めてまいりたいと考えております。
そして、人権担当補佐官の役割についてお尋ねがありました。
インドは、我が国の特別戦略的グローバルパートナーであり、国際社会における諸課題について対話と協力、これを重ねてきている相手であります。
私の内閣では、人権を始めとした普遍的価値を守り抜くことを重視しており、初めて任命した専任の補佐官とともにしっかりと取り組んでいます。人権担当の総理補佐官は、外務大臣や経済産業大臣など関係閣僚と緊密に連携をし、大所高所の観点から私に対し適切な助言や提言を行ってもらっているところであります。(拍手)
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