岸田文雄の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 水野素子議員の御質問にお答えいたします。
内閣感染症危機管理統括庁の対象となる感染症等についてお尋ねがありました。
統括庁は、感染症の発生及び蔓延の防止に関し政府全体の立場からの総合的な、総合的対応が必要となる場合に、司令塔機能を担うこととしております。
感染症法上の五類感染症については、症状の程度等を踏まえ、政府全体の立場からの総合的対応が必要となる感染症とは言えないことから、基本的には統括庁が総合調整を担う場面は想定されなくなりますが、御指摘の後遺症への対応や必要な医療体制の確保などについては、所管省庁においてしっかり対応してまいります。
また、五類感染症であっても、大きく病原性が異なる変異株が出現するなど、国民生活や国民経済に重大な影響を及ぼすおそれがある場合には、統括庁において、政府全体の方針立案や各省庁の総合調整を行うこととなります。
統括庁が司令塔機能を発揮することを通じ、国民の生命、健康の保護と社会経済活動との両立を図りながら、次なる感染症危機に迅速、的確に対応してまいります。
新型コロナ後遺症及びワクチン接種後の副反応についてお尋ねがありました。
新型コロナの罹患後症状、いわゆる後遺症については、令和二年度より、実態や病態を明らかにするための調査研究を実施し、国内外の科学的知見を診療の手引きに盛り込み、幅広く医療現場へ情報提供をしています。また、後遺症の診療は、他の傷病と同様、公的医療保険制度の給付の対象となります。
新型コロナワクチン接種後の副反応が疑われる症状については、副反応疑い報告制度により情報を収集し、専門家により分析や評価を行っています。
加えて、いわゆる後遺症も含め、こうした症状の実態把握に関する新たな研究や調査も開始しています。さらに、接種後の健康被害については、予防接種法上の健康被害救済制度に基づく幅広い救済に努めております。
新型コロナ対策の検証についてお尋ねがありました。
未知の感染症危機に対し、専門家の意見を踏まえつつ新型コロナ対策を講じてきましたが、これまでの新型コロナ対策に関する予算が何に使われ、どのような効果があったかという点について、情報公開法に基づく情報公開や検証を行い、国民の皆様に丁寧に説明していくことは重要であると考えております。
政府としては、会計検査院の検査報告の趣旨をしっかりと受け止めるとともに、行政事業レビューなども活用しながら、個々の事業や施策についてしっかりと評価を行い、将来の感染症対応や今後の予算編成につなげてまいりたいと考えています。
また、経済対策に盛り込まれた主な事業については、経済財政諮問会議において執行状況のフォローアップを行い、情報開示をしているところであり、こうしたものも活用しながら、新型コロナ対策について国民に対して丁寧な説明を行ってまいりたいと考えております。
コロナ治療薬の開発状況と国産の治療薬やワクチンの開発支援等についてお尋ねがありました。
新型コロナの治療薬の開発状況については、国産の治療薬も含め、AMEDを通じた研究開発支援や、企業治験の支援を実施しており、これまでに治験を支援した四剤が医療現場で使用されているところです。
新型コロナワクチンの国産化の見込みについては、AMEDや厚生労働省による支援の結果、現在、二社から薬事承認申請がなされ、その有効性や安全性について審査を行っています。
また、製薬産業は、国民の健康、医療の向上に寄与する重要な産業であり、我が国の製薬企業が世界に通用する革新的な医薬品を生み出すよう支援することは重要であると考えています。このため、医療保険制度の枠組みの外で、厚生労働省を中心に、内閣府、経済産業省を含む関係省庁が一丸となって、創薬スタートアップに対する研究開発から実用化までの総合的な支援や、治験環境等の創薬基盤の整備などの取組を進めているところであり、引き続き、創薬力の強化に向けた製薬企業への支援、推進してまいります。
感染症対策におけるEBPM等についてお尋ねがありました。
これまでのコロナ対応について、昨年六月に取りまとめられた有識者会議の報告書では、科学的知見に基づく政策プロセスに関して、総理が司令塔となって行政各部を指揮命令し一元的に感染症対策を行う体制を強化すること、科学的知見と根拠に基づく政策判断に資するため、政府における専門家組織を強化すること、国内外の情報、データや専門知識の迅速な収集、共有、分析、評価に加え国内の疫学・臨床研究を行う能力の向上を図ることなどが次の感染症危機に向けての課題として指摘をされました。
こうした課題を踏まえて、今国会に提出している関係法案が成立すれば、今後の感染症危機に対し、政府として、統括庁の司令塔機能の下、国立健康危機管理研究機構、日本版CDCから政策ニーズに沿った科学的知見の提供を受け、それを踏まえた政策案について、新型インフルエンザ等対策推進会議から意見を伺った上で決定し、対策を講じていくこととしております。
また、新型コロナ対策においては、感染対策と経済活動の両立を図ること、これが重要であることから、新型コロナ対策・健康危機管理担当大臣と経済財政政策担当大臣の兼務が不適切であるとの指摘は当たらないと考えております。
国と地方の財政負担についてお尋ねがありました。
感染症危機が発生した際、地方自治体は、行政検査や病床の確保等、関係法令に基づいた多様な役割を果たすことになりますが、感染症拡大の迅速な防止のためには、地方自治体が感染拡大防止措置に係る財源を確保しやすくすること、これが重要です。
このため、今回の改正法案では、地方自治体の財政負担を軽減する措置として、国庫補助負担率のかさ上げ規定や、財政負担を平準化等するための地方債の発行に関する特例規定を設けるとともに、国が講ずる必要な財政上の措置の規定に補助金又は交付金の交付の例を明記したところです。感染症対応により地方自治体の財政運営に支障が生じることがないよう対応してまいります。
新たな感染症が発生した場合の内閣感染症危機管理統括庁の関与についてお尋ねがありました。
内閣総理大臣がインフル特措法に基づき政府対策本部を設置するに当たっては、まず厚生労働大臣が新たな感染症が新型インフルエンザ等感染症などに該当するか等の判断を行い、内閣総理大臣に報告することとなります。一方、統括庁においては、統括庁の内閣感染症危機管理対策官に充てられる医務技監を結節点として、統括庁と厚生労働省の間で平時から円滑な情報連携が図られることになります。
こうした仕組みにより、統括庁は、新たな感染症が発生した場合、政府対策本部の設置前から、厚生労働省との緊密な情報連携の下、初動対応を迅速に進めつつ、司令塔機能を発揮して、政府一体となって感染症危機に迅速、的確に対応することができるようになると考えております。
子育て支援における教育費についてお尋ねがありました。
政府においては、これまでも、幼児教育、保育の無償化、高校等の授業料支援、高等教育の無償化など、安定財源を確保しつつ、様々な負担軽減策を行ってまいりました。
さらに、小倉大臣が取りまとめた今後の子ども・子育て政策のたたき台において、令和六年度から給付型奨学金等について、年収六百万円程度までの世帯を対象とした多子世帯や理工農系の学生等への支援を拡大するとともに、授業料後払い制度、いわゆる日本版HECSの創設を盛り込んでいます。また、ライフイベントに応じた減額返還制度の見直しにも取り組みます。
国により国民負担率などが異なることから単純に比較することは適当ではないと考えておりますが、教育費負担の軽減を含めた子ども・子育て政策については、今後このたたき台をベースに国民的議論を進めていくため、本日、私の下にこども未来戦略会議を設置し、更に検討を進め、検討を深めてまいりたいと考えております。
そして、国家安全保障戦略等の三文書についてお尋ねがありました。
議院内閣制の下では政権与党が国政を預かっており、三文書については、政府・与党において、一年以上にわたるプロセスを経て方針を決定いたしました。この決定は、行政府としての安全保障に関する政策意図を表明するためのものであり、行政権に属する行為ですが、その過程でも、国会での質疑にお答えする形で随時説明を行ってきました。
行政府として決定した三文書の内容の一部については、御指摘のように具体的な取組に新たな立法措置が必要となるものもありますが、今後、立法府における法案の審議を通じて、その是非について御判断をいただくことになります。
その上で、国会の場で様々な御指摘をいただいて議論することは、国民の皆様に課題を理解していただく上でも重要であると認識をしています。国民の皆さんの御理解を得るべく、努力をしてまいる所存であります。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
〔国務大臣後藤茂之君登壇、拍手〕