三上えりの発言 (本会議)

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○三上えり君 会派、立憲民主・社民の三上えりです。
 ただいま議題となりました地域公共交通の活性化及び再生に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、会派を代表し、質問いたします。
 最初に、報道によって明らかになりました国土交通省元事務次官が利害関係のある民間企業の人事へ介入した件についてお尋ねいたします。
 当該の元事務次官は、国土交通省による聞き取りに対して、民間企業を訪問し、人事に関する話をしたことを認めました。許認可権限を有する官庁のOBが省の権限や権威を振りかざして圧力を掛けたのみならず、あらゆる形でサポートするという言葉からも、利益誘導的行為まで行われていた可能性があり、国土交通省としての構造的な関与までが疑われております。
 国土交通省は、建設、土木、陸海空の運輸、運送などの業界への許認可権限を持つ巨大な官庁です。影響力を持つ民間企業は多岐にわたります。影響力が強いだけに、OBの行為とはいえ、こうした民間企業を威圧することがあってはならないのは当然です。OBがやったこと、現役職員は関与していないとしても、国民から疑念を持たれた問題は許せません。国土交通省全体の猛省を求めます。
 斉藤国土交通大臣の指示で、官房長、人事課長による聞き取りが行われ、その結果が公表されています。身内で、かつ後輩である国土交通省職員による聞き取りでは十分な調査が行われたとは思えません。第三者である再就職等監視委員会による調査が必要であると考えますが、国土交通大臣の見解を求めます。
 また、今回の件は、現職であれば国家公務員の再就職等規制違反となる事案であることから、許認可権限を持つ各省庁において、OBに関しても人事介入に類する行為が行われていないかについて調査等を行うとともに、同様な事案の再発防止に向けた新たな規制の検討を行うべきであると考えます。河野国家公務員制度担当大臣の見解をお尋ねします。
 我が国は、人口減少、少子高齢化が加速度的に進み、特に地方部では人口流出が著しく、全国の過疎地域の面積は国土のおよそ六割に及び、市町村数の半数近くを占めています。地域公共交通の経営は、こうした長期的な人口構造、地域構造の変化等により厳しさを増し、コロナ禍の影響も相まって、大手、中小にかかわらず深刻な状況に陥っています。
 ローカル鉄道を始め地域公共交通を取り巻く現状について、政府としてどのように認識されているのでしょうか。この間の政府における地域公共交通に対する支援の状況及びその成果を含め、国土交通大臣の答弁を求めます。
 また、アフターコロナにおける地域公共交通の経営環境をどのように見通し、交通事業者や自治体を始めとする地域の関係者は、どのような観点に留意し、地域公共交通の維持、活性化を図っていくべきと考えているのか、国土交通大臣の見解を伺います。
 ローカル鉄道の在り方等に関し、地方から様々な意見、要望が示されています。本法律案の立案に当たり、自治体や交通事業者などの地域の当事者の意見を丁寧に酌み取っているのでしょうか。国土交通大臣の答弁を求めます。
 本法律案では、地活化の目的規定に地域の関係者の連携と協働の推進を追加するとともに、国の努力義務として、関係者相互間の連携と協働の促進を加えるなどとしています。地域の関係者の連携と協働による地域公共交通の再構築とは、具体的にどのような姿を想定し、どのような効果を期待しているのか、国土交通大臣の説明を求めます。また、国は、関係者相互間の連携と協働を具体的にどのように促進していくのか、併せて説明を求めます。
 本法律案は、国土交通大臣が組織する再構築協議会の創設など、ローカル鉄道の再構築に関する仕組みの創設、拡充が大きな柱となっています。
 一方で、現在も、地活化法に基づく法定協議会を始めローカル鉄道を含む地域公共交通の在り方に関して地域の関係者で協議する仕組みは存在しています。本法律案において再構築協議会を創設するに至った背景、理由、再構築協議会と既存の法定協議会等とのすみ分け、役割分担について、国土交通大臣の明確な説明を求めます。
 JRなどは、ローカル線区に係る収支状況を公表するとともに、鉄道特性が発揮できていない路線の在り方について、当該地域との協議を進める姿勢を鮮明にしています。しかし、沿線自治体からは、こうした協議の申出に対し、廃止ありきであるとして警戒感が示されるなど、ローカル鉄道の再構築に向けた協議が進展しづらい状況にあると理解しています。
 再構築協議会の対象となる具体的な路線、線区について、本法律案では定量的な要件等は規定されていません。地活化法に基づく基本方針等において、対象となる路線、線区の具体的な考え方や基準について明確に示す必要があるのではないでしょうか。加えて、JR東日本、西日本、九州などの上場四社を含むJR各社のローカル線区は再構築協議会の対象線区となるのか、国土交通大臣の説明を求めます。
 国土交通省の鉄道事業者と地域の協働による地域モビリティの刷新に関する検討会の提言では、JRのローカル線区について、JR会社法に係るいわゆる大臣指針の考え方を基本としつつ、現状を踏まえ、国が主体的に関与しながら、沿線自治体とともにその在り方を検討していくべきとしています。
 大臣指針において、JR上場四社は、国鉄改革後の輸送需要の動向等を踏まえ、現に営業する路線の適切な維持に努めるなどとされています。JR各社のローカル線区が再構築協議会の対象となり得るのであれば、大臣指針の考え方とJR上場四社のローカル線区に係る再構築に向けた取組との関係を明確に示す必要があるのではないでしょうか。国土交通大臣の見解を伺います。また、この点を地活化法に基づく基本方針に盛り込む必要があると考えますが、併せて大臣の答弁を求めます。
 再構築協議会では、廃止ありき、存続ありきといった前提を置かずに議論するとしていますが、廃線に対する警戒感をあらわにする自治体が協議に参加するためには、結論ありきの前提を置かないという点をいかに担保するのかが重要です。この点について、具体的にどのように対応されるのか、再構築協議会の立ち上げに向けた国土交通大臣の取組方針と併せて、国土交通大臣の説明を伺います。
 また、再構築協議会の円滑な運営や地域の関係者の合意に基づく交通手段再構築の実施に向けては、鉄道事業者と自治体を始め地域の関係者との信頼関係の構築が不可欠と考えます。信頼関係を構築するため、双方にどのような対応が求められるのか、国土交通省の果たすべき役割と併せて、国土交通大臣の見解を伺います。
 鉄道事業再構築事業では、上下分離等の事業構造の変更を法定しています。同事業により、自治体が鉄道施設等を保有する公有民営の上下分離に移行した事例も複数件あります。私の地元広島では、この鉄道の上下分離方式をバスで行う、いわゆる広島モデルと呼ばれるバスの上下分離方式によって、事業の生き残りを懸け再構築していく全国初の試みがあります。しかし、公有民営の上下分離では、鉄道施設等の保有主体となる自治体に大きな負担が生じます。政府においては、自治体の意見、要望を丁寧に伺って、必要な支援を講じていただきたいと考えます。鉄道の上下分離に係る支援の具体的な方向性を含め、国土交通大臣に見解を伺います。
 立憲民主党は、昨年、地域公共交通課題検討ワーキングチームを設け、様々な課題の対応策を検討し、本年三月に中間取りまとめを行いました。この取りまとめでも提言されていますが、再構築協議会で合意された事項について、国は、自治体や交通事業者の立場に寄り添い、財政的負担や人的負担の軽減のため十分な措置を講じることが大変重要と考えます。
 国の財政支援に関し、令和五年度予算において、社会資本整備総合交付金の基幹事業として地域公共交通再構築事業の創設が措置されるなど、地域公共交通関係予算が拡充されています。こうした予算が必要なところで十分に活用されるよう、国土交通省において具体的な支援対象、支援額を計画的かつ分かりやすく示すことが重要と考えます。
 政府においては、今後とも、地域の状況を注視し、個別補助の創設等財政支援の更なる充実、効果的な支援策の検討を行っていくべきと考えます。地域公共交通関係予算は、道路関係予算に比べ、予算額が圧倒的に少ないと言っても過言ではありません。過度なマイカー依存にもつながりかねない道路関係予算偏重から、地域の移動手段を守るという観点へのバランスを考慮した予算への転換を図ることが今こそ求められているのではないでしょうか。国土交通大臣の見解を伺います。
 ローカル鉄道を始めとする地域公共交通の再構築に当たり、国土交通省においては、再構築協議会を始め本法律により講ずる措置を的確に運用するとともに、地活化法に基づく法定協議会等の各地域の取組をきめ細やかにフォローしていく必要があると考えています。国土交通省の検討会の提言では、国土交通省鉄道局や地方運輸局鉄道部においては、自治体が自ら積極的に地活化法に基づく法定協議会等を通じローカル鉄道の在り方を検討するに当たり、ノウハウの共有や鉄道事業者等の関係事業者との調整を含め、様々な形でのサポートを総合的に行う体制を整備すべきとしています。
 以上を踏まえ、自治体のみならず、国土交通省においても万全の体制を整備することが求められていると考えますが、国土交通大臣の認識と具体的な対応について答弁を求めます。
 人口減少、高齢化等が加速していく中、地域によっては、民間企業が公的支援を受け、地域の公共サービスを維持する形態が存続し得ないことも想定され、公共交通をどのように位置付け、どのような方法、手段で維持、活性化していくのか、国の関与の在り方を求め、抜本的な検討を速やかに開始する必要があると考えます。今後の具体的な検討の方向性を求め、国土交通大臣の見解を伺います。
 地域公共交通の再構築に当たっては、自治体を始め地域の財政的、人的負担等を可能な限り軽減するといった観点に特に留意し、法律、予算、税のあらゆる政策ツールを総動員して地域に寄り添ったきめ細やかな対応を取ることが重要です。地域公共交通の再構築に向けた国土交通大臣の力強い決意を伺います。
 ローカル鉄道、バス、タクシー等の地域公共交通は、地域住民の通勤通学等の日常生活の足、そして観光等の地域経済の礎として地域に欠かすことのできない存在であります。引き続き、地域公共交通の現状、これに対する政府の対応状況を注視し、地域の関係者の皆様に丁寧に寄り添って、必要な施策を不断に検討し、積極的に提案するなど、地域公共交通の維持、活性化に向け全力を尽くしていくことを最後にお誓い申し上げ、私からの質問を終わりとさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣斉藤鉄夫君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 121115254X01420230412_004

発言者: 三上えり

speaker_id: 2593

日付: 2023-04-12

院: 参議院

会議名: 本会議