西村康稔の発言 (本会議)
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○国務大臣(西村康稔君) 田島議員からの御質問にお答えします。
民主党政権の政策の評価などについてお尋ねがありました。
私も当時、民主党の皆さんとともにFIT制度創設に関わりました。制度導入後、再エネ比率は震災前の約一〇%から倍増しております。地域と共生した再エネの更なる導入に向け、事業規律の強化や系統整備の円滑化など、再エネ特措法の改正を含むGX脱炭素電源法案を衆議院で御審議いただいております。
また、排出量取引制度は、民主党政権時代も含め長く議論されてきました。今般、二十兆円規模の先行投資支援や化石燃料賦課金との組合せ、制度導入の時間軸の設定等、成長志向型のカーボンプライシングの大きな構想の推進を決断し、本法律案で御提案させていただいているところであります。
アジア諸国との競争への影響についてお尋ねがありました。
我が国は、御指摘の中国、韓国、シンガポールに先んじ、二〇五〇年カーボンニュートラルを宣言しました。その上で、制度は、各国それぞれの経済・エネルギー事情、その他の国内政策との関係等も踏まえて設計されるものであり、開始時期等で一概に比較すべきものでないと考えております。
今後とも、成長志向型カーボンプライシング構想の実現、実行により、国際公約の達成と我が国の競争力強化、経済成長の同時達成を、同時実現を目指してまいります。
公正な移行の確保とGX経済移行債の運用についてお尋ねがありました。
GXの実現、実行に当たっては、新たに生まれる産業などへの円滑な労働移動を始めとする公正な移行の観点が重要です。その重要性も踏まえて、本法律案では脱炭素成長型経済構造への円滑な移行と規定しております。
このため、今般の成長志向型カーボンプライシング構想を実現、実行することで、企業のGX実現に向けた投資や取組を前倒し、同時にリスキリングなどの人材育成の取組とグリーン分野を含む成長分野への円滑な労働移動を進めてまいります。
また、GX移行債、経済移行債を活用した先行投資支援は、排出削減だけではなく産業競争力強化、経済成長にも寄与するものを対象としており、革新的な技術開発やその社会実装支援などを通じて、御指摘のグリーンでディーセントな雇用を創出してまいります。
GX推進戦略の策定及び公表時期についてお尋ねがありました。
GXの推進に当たっては、官民での投資の進捗状況、グローバルな動向や経済への影響、技術開発の動向などを踏まえて柔軟に、かつ予見可能性を確保しつつ取り組む必要があるため、本法律案に基づきGX推進戦略を策定することとしております。
GX推進戦略は、産業界や労働団体、消費者団体や学識経験者などの多くの有識者等の御意見を踏まえて策定した基本方針に沿って定めていく考えですが、その際には、GX実行会議等の外部有識者の意見を聞く機会も設けていきたいと考えております。
また、GXに向けた取組を早期に実現、実行していくため、法律の施行後速やかに必要な手続を適切に行った上で、GX推進戦略を閣議決定し、公表します。国会に対しては、審議等を通じて適切にその内容を説明してまいります。
GX推進機構の創設の検討についてお尋ねがありました。
産業構造審議会や各種検討会での議論なども踏まえて、総理が議長を務めるGX実行会議で取りまとめたGX実現に向けた基本方針の中に、化石燃料賦課金や特定事業者負担金の徴収、排出量取引制度の運営、債務保証等の金融支援業務を行う主体としてGX推進機構が明記され、本年二月に閣議決定いたしました。
今後、GX推進機構の設立に当たっては、経済産業大臣が、定款や事業計画書に加えて、理事長等についても認可するなど、引き続き適切なプロセスで進めてまいりたいと考えております。
GX推進機構新設の理由についてお尋ねがありました。
排出量取引制度の運営を担うとともに、官民で百五十兆円超のGX投資を引き出すため、民間で取り切れないリスクについての債務保証等の金融支援業務を行います。
本法でGX推進機構を新設としたのは、当該業務を効果的に実施可能な既存組織が存在せず、化石燃料賦課金の徴収や排出量取引制度の運営は公平性、中立性が求められることを踏まえたものであり、営利を目的としない認可法人として設立することといたしました。
今後の組織設計や業務の実施については、官民の知見を結集し、民間の創意工夫を可能な限り生かした形で進めてまいります。
GX推進機構の役員の兼業や報酬に関するお尋ねがありました。
機構の非常勤の役員については、機構の運営において民間の知識やノウハウを積極的に導入することで、組織の効果的、効率的な運営が可能となるよう、民間で事業に従事する方の任命も想定をしております。
次に、機構の常勤の役員については、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならないことを原則としております。一方、法第四十八条のただし書により、経済産業大臣の承認を受けた場合は兼業は可能となります。ただし、兼業の承認に当たっては、公平性と中立性が求められるGX推進機構の業務に支障がない範囲内で厳正に審査を行うこととします。
また、機構の支援業務の決定プロセスにおいては、利害関係を有する役員がいる場合はその意思決定プロセスに関与させないなど、適切なガバナンスを行うこととします。
役員報酬については、これまでの行政改革の中で、認可法人等の一部の給与水準は公表してきたことを踏まえ、GX推進機構においても、運営の透明性を確保するために公表することを検討しております。
GX推進機構による業務の委託についてお尋ねがありました。
本法律案では、GX推進機構について、外部機関の知見やノウハウを活用することで、より効果的、効率的に業務を実施することが可能となるよう、機構の業務の一部を委託することができる規定を設けております。
GX推進機構は、政府等で採用している一般競争入札の原則がそのまま適用される組織ではありませんが、競争性、透明性、経済性の観点から、GX推進機構においても原則として一般競争入札を採用するとともに、入札の結果についても透明性を確保していくことが重要と考えております。
GX推進機構の機構債についてお尋ねがありました。
GX推進機構において、突発的な事態により資金不足が生じた場合であっても、短期的な資金を調達し、滞りなくカーボンプライシングの徴収業務等を実施できるよう、GX推進機構が機構債を発行することができる規定を措置しております。このため、二十兆円規模の大胆な先行投資支援を行うことを目的とするGX移行債と機構債は性格や規模感が異なるものであります。
また、政府によるGX推進機構に対する債務保証については、機構債発行に当たり短期の資金調達を円滑化するため法律案に規定しているところであります。
GX経済移行債の支援基準と判断基準について、投資判断についてお尋ねがありました。
GX経済移行債の支援対象については、GX実現に向けた基本方針において、排出削減のみならず、経済成長、競争力強化も重要な要件としており、民間企業のみでは投資判断が真に困難な事業であること、事業革新性、技術革新性があるものといった考え方を支援基準としてお示ししております。こうした要件を満たせば支援対象となり得ますが、外部の有識者の意見等も踏まえつつ、支援の判断を検討してまいります。
また、GX経済移行債を活用した具体的な事業については、毎年度、財政当局との調整を経た上で国会での議決を経て決定することとしており、こうしたプロセスの中で適切に透明性、公平性を確保してまいります。
電力業界における一連の不正事案への対応についてお尋ねがありました。
大手電力による一連の不正事案は、公正な競争を阻害し、電気事業の中立性、信頼性に疑念を抱かせるものであり、極めて遺憾であります。
情報漏えい事案については、関西電力送配電など五社に対し、情報システムの分離分割、内部統制の抜本的強化、関係者の厳正な処分などの業務改善命令を行うよう電力・ガス取引監視等委員会から勧告がありましたので、厳しく対処してまいります。
カルテル問題については、公取委の処分なども踏まえ、補助金交付等の停止及び指名停止等措置を行ったところであります。電力市場の監視機能については、今後、体制面も含め強化するべく、そのための方策を検討しております。
排出量取引制度の透明性確保についてお尋ねがありました。
二〇三三年度から始まる有償オークションは、今年度から開始するGXリーグにおける排出量取引の試行実施や、二〇二六年度からの本格稼働に続く形で導入してまいります。
GXリーグでは、企業の削減目標や削減に向けた取組状況について開示する情報基盤を用意し、金融市場を含めて多くの関係者が参照できるようにすることで、透明性高く運用を行う方針であります。
こうした枠組みを段階的に発展させていく中で、国、企業共に知見やノウハウを蓄積し、御指摘の透明性の観点も含め、実効性の高い排出量取引制度としてまいります。(拍手)
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