西村康稔の発言 (本会議)
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○国務大臣(西村康稔君) 岩渕議員からの御質問にお答えいたします。
電力不正事案についてお尋ねがありました。
一連の事案は、公正な競争を阻害し、電気事業の中立性、信頼性に疑念を抱かせるものであり、極めて遺憾であります。
現在、情報漏えい事案の調査結果を踏まえながら、有識者会議では情報システムの分離、物理、物理、物理分割を求めるなどの再発防止策を議論しており、電力システム改革の趣旨に照らしながら、様々な観点を考慮しながら虚心坦懐に議論いただき、その結果を踏まえ、適切に対処してまいります。
その上で、電気料金の改定申請については、燃料価格の高騰などを背景としたものであり、電気事業法に基づいて定められた手続や審査ルールに従い、厳格かつ丁寧に審査を進めてまいります。
削減目標についてお尋ねがありました。
今回のIPCC統合報告書は、この十年間における急速かつ大幅で即時の温室効果ガス排出削減の必要性を全世界に呼びかけるものと受け止めております。
我が国は、二〇五〇年カーボンニュートラル、二〇三〇年度、二〇一三年度比四六%削減というパリ協定とも整合する国際公約を掲げており、新たな削減目標について議論する前に、まずはこの政府目標の実現に向けて、地球温暖化対策計画、エネルギー基本計画、GX実現に向けた基本方針といった政府方針に沿って全力で取り組んでまいります。
石炭火力発電についてお尋ねがありました。
閣僚会合の議論の内容について、事前のコメントは差し控えますが、各国それぞれの事情があり、道筋は多様であることを認めながら、ネットゼロという共通のゴールを目指すことを確認してまいります。
必要な供給力が十分に確保されていない段階で直ちに急激な石炭火力の抑制策を講じることになれば、電力の安定供給に支障を及ぼしかねません。そのため、二〇三〇年に向けて、当面は高効率な石炭火力発電を活用しつつ、非効率な石炭火力のフェードアウトを着実に進めるとともに、二〇五〇年に向けて、水素、アンモニアやCCUS等を活用した脱炭素型の火力に置き換える取組を進めてまいります。
原子力政策への国民的議論についてお尋ねがありました。
原子力を活用していく上で、東京電力福島第一原発事故の経験、反省と教訓をひとときも忘れることなくエネルギー政策を進めることは、これまで一貫した政府の方針であり、この方針は本年二月十日に閣議決定したGX実現に向けた基本方針においても明記されております。
事故により被災された方々の心の痛みにしっかりと向き合い、最後まで福島の復興再生に全力で取り組むことは、原子力を活用したエネルギー政策を進めてきた政府の責務であると考えております。
国民各層とのコミュニケーションの深化、充実等に国が前面に立って取り組む方針は、GX基本方針に明記されております。基本方針の策定に際しては、昨年末から一か月にわたりパブリックコメントを実施するとともに、年明け以降、全国で説明会、意見交換会を実施し、国民的な議論の実施に取り組んでおります。こうした取組は今後も進めてまいります。
GX経済移行債を活用した支援についてお尋ねがありました。
御指摘の先行投資支援は、排出削減と産業競争力強化、経済成長を共に実現するためのものであり、閣議決定したGX実現に向けた基本方針において要件を定めております。また、具体的な事業は、国会における予算案の議決を経て実施することとしております。
原子力や、水素、アンモニアと化石燃料の混焼は、我が国がエネルギーの安定供給を確保しつつ排出削減を実現する有力な手段の一つであります。将来的に、混焼にとどまらず、水素、アンモニア専焼に向けて取組を進めます。
いずれにせよ、GX経済移行債の具体的な資金使途については、外部の有識者の意見等も踏まえながら検討してまいります。
その上で、GX経済移行債については、これまでの国債と同様に、同一の金融商品として発行することに限らず、国際標準に準拠し、民間の第三者認証を得た形での発行も目指して検討してまいります。
化石燃料からの公正で公平な移行への支援などについてお尋ねがありました。
御指摘のCCSについては、電化や水素化等による脱炭素化を最大限進めても排出されるCO2を回収し、地下に貯留する技術であり、先ほどの水素、アンモニアの混焼と併せて、カーボンニュートラルを実現するために重要な技術であります。欧州でもCCSプロジェクトが進んでおり、米国でも昨年に大胆な投資促進策が決定されたところであります。
こうした技術のほか、抜本的なCO2削減を実現する水素還元製鉄、日本発の次世代太陽電池のペロブスカイトなど、我が国が先行する革新的技術の開発を進め、あわせて、アジア・ゼロエミッション共同体構想の実現、実行を通じ、アジアや世界の脱炭素化に貢献し、我が国の排出削減と経済成長、産業競争力強化を共に実現してまいります。
排出量取引制度などの成長志向型カーボンプライシングについてお尋ねがありました。
本制度では、導入時期や徐々に水準を引き上げていく方針をあらかじめ示し、二十兆円規模の大胆な先行投資支援を行うことで、早期にGXに取り組むほど将来の負担を軽くし、企業の排出削減効果の高い投資を引き出してまいります。また、今年度からGXリーグで試行的に実施し、二〇二六年度から本格的に稼働させる排出量取引制度には電力や鉄鋼を含め六百社以上が参加を表明しており、EUと同水準の国内排出量の四割以上をカバーしております。
本法律案に規定しているとおり、排出量取引制度などの実施するための具体的な詳細規定は、この法律の施行後二年以内に検討を行い、法制上の措置を講じることとしております。
これらの施策を総合的に実現、実行することにより、我が国の経済成長、産業競争力強化と排出削減を共に実現してまいります。(拍手)
〔国務大臣西村明宏君登壇、拍手〕