後藤茂之の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○国務大臣(後藤茂之君) 浜口誠議員の御質問にお答えいたします。
 本法案の保護対象についてお尋ねがありました。
 フリーランスの方を対象に、令和三年に内閣官房が関係省庁と共同で実施したアンケート調査によれば、フリーランスのうち特定の事業者から委託等を受けて仕事を行う者は約五九・〇%です。本法案の保護対象となるフリーランスについて正確な数字を申し上げることは困難ですが、令和二年に内閣官房において実施したフリーランス実態調査によるフリーランスの試算人数の四百六十二万人に先ほど申し上げた五九・〇%を単純に掛け合わせると、約二百七十三万人となります。
 保護の対象となるフリーランスに係る判断基準についてお尋ねがありました。
 本法案では、業務委託の相手方である事業者で従業員を使用しないものを特定受託事業者と定義し、この法案において保護対象となるフリーランスの範囲を明確化しています。業務委託の相手方となるフリーランスが特定受託事業者に該当するかどうかについては、まず業務委託を行う発注事業者が判断することとなりますが、本法案の適用に当たって最終的な判断を行うのは、本法案の主管省庁である公正取引委員会等となります。
 業務委託が、相手方が特定受託事業者に該当するかどうかを発注事業者が適切に判断できるよう、公正取引委員会のガイドライン等においてその判断基準を分かりやすくお示ししたいと考えています。
 越境取引への本法案の適用関係についてお尋ねがありました。
 国又は地域をまたがる業務委託については、その業務委託の全部又は一部が日本国内で行われていると判断される場合には、本法案が適用されると考えています。
 具体的には、日本に居住するフリーランスが海外に所在する発注事業者から業務委託を受ける場合や、海外に居住するフリーランスが日本に居住する発注事業者から業務委託を受ける場合について、委託契約が日本国内で行われたと判断される場合や、業務委託に基づきフリーランスが商品の製造やサービスの提供等の事業活動を日本国内で行っていると判断される場合には、本法案を適用されると考えています。
 本法案第三条の書面等で明示しなければならないその他の事項についてお尋ねがありました。
 第三条第一項では、発注事業者がフリーランスに業務委託をした場合に、給付の内容等を書面等により明示しなければならないこととしています。書面等によって明示しなければならない事項としては、現時点においては、法律案に明記されている給付の内容、報酬の額、支払期日のほか、その他の事項として、受託者、委託者の名称、業務委託をした日、給付の提供場所、給付の期日等の業種横断的な事項を定めることを予定としています。
 引き続き、様々な業種の取引状況を踏まえつつ、発注事業者の負担と取引適正化の両面でバランスを取りながら、関係者の意見をよく確認して具体的な事項を定めてまいります。
 発注事業者の禁止事項についてお尋ねがありました。
 本法案においては、御指摘の一方的な発注取消しや取引条件の一方的な設定について、これを包括的に禁止する規定を置いていません。一方、一方的な発注取消しにより、特定受託事業者の責めに帰すべき事由がないにもかかわらず、発注事業者が特定受託事業者の給付の全部又は一部を受け取らない場合には、本法案第五条第一項第一号で禁止する受領拒否に該当し、勧告等の対象となり得ると考えています。
 次に、取引条件の一方的な設定については、発注事業者が一方的に通常支払われる対価と比較して著しく低い報酬の額を不当に定める場合には、本法案第五条第一項第四号で禁止する買いたたきに該当し、勧告等の対象となり得ると考えています。
 また、発注事業者が特定受託事業者に対し、正当な理由なく自己の指定する物を強制して購入させる場合には、本法案第五条第一項第五号で禁止する購入・利用規制に該当し、勧告等の対象となり得ると考えています。
 なお、下請代金法においても、御指摘の一方的な発注取消しや取引条件の一方的な設定を包括的に禁止する規定はなく、本法案と同様に、受領拒否、買いたたき、購入・利用強制などを禁止することにより、下請取引の適正を図っているものと承知しています。
 本法案を適切に執行し、一方的な発注取消しや取引条件の一方的な設定による不利益行為の是正に取り組んでまいります。
 長時間労働を強いる契約の禁止等、フリーランスの安全衛生面での対策強化についてお尋ねがありました。
 本法案では、フリーランスの長時間労働を直接に禁止する規定は置いていません。他方、納期までの期間が通常より短い発注を行い、その結果として特定受託事業者が外注すること等を余儀なくさせられ、人件費等のコストが大幅に増加したにもかかわらず、通常の納期で発注した場合の単価と同一の単価を一方的に定めた場合には、法案第五条第一項第四号で禁止する買いたたきに該当し、勧告等の対象となり得ると考えています。
 また、議員御指摘のとおり、フリーランスの方についても、働き過ぎにより健康を害することのないよう配慮することは重要であることから、現在、厚生労働省では、個人事業者等に対する安全衛生対策のあり方に関する検討会を開催し、その中で、フリーランスの方々の作業時間が長時間になり健康を害することのないようにすることも議論していると承知をしています。この有識者検討会における検討結果も踏まえ、厚生労働省において適切な対応が取られるものと考えています。
 フリーランスの報酬額についてお尋ねがありました。
 安全衛生や保険に係る経費を報酬額に含めないこと自体は、直ちに本法案の規定に違反するものではありません。ただし、報酬額の交渉時に特定受託事業者であるフリーランスから必要とされる経費を勘案した上で報酬額を定めるよう求められたにもかかわらず、発注事業者が十分な協議をすることなく通常支払われる対価と比較して著しく低い額の、報酬の額を一方的に定めたような場合には、本法案第五条第一項第四号で禁止する買いたたきに該当し、勧告等の対象となり得ると考えています。
 本法案の内容をしっかりと周知するとともに、本法案を適切に執行することにより、買いたたきに該当するような報酬額の設定などの不利益行為の是正に取り組んでまいります。
 また、施行までの間に公正取引委員会等が策定する運用基準等において、買いたたきの考え方を含め、どのような行為が禁止行為に該当するのか、その考え方を明確化していくことを予定しています。
 仲介事業者の責任や業規制についてのお尋ねがありました。
 本法案においては、仲介事業者が単に発注事業者とフリーランスとの間の業務委託契約をあっせんしている場合には契約形態上は業務委託契約に該当しませんが、契約形態だけでなく、委託内容への関与の状況、金銭債権の内容、性格、債務不履行時の責任主体等の取引実態を総合的に判断した結果、実質的にその事業者が業務委託を行っていると評価できる場合には、本法案における規制対象である特定業務委託事業者に該当することとなります。
 内閣官房が実施したフリーランス実態調査によれば、仲介事業者が報酬や業務内容などの条件を決めているが、一方的に条件を変更されたとのトラブルが約五割を占めています。このような実態も踏まえながら、仲介事業者が業務委託を行っていると判断できる場合には、本法案を適切に執行し、フリーランスの取引適正化を図ってまいります。
 フリーランスが行政機関に安心して申し出ることができる環境整備等についてお尋ねがありました。
 本法案では、発注事業者は、ハラスメント対策として、フリーランスからの相談に対応するために必要な体制を整備しなければならないこととしています。また、発注事業者がハラスメント対策を講じていないとしてフリーランスが厚生労働大臣に申出をしたことを理由として発注事業者がフリーランスに不利益な取扱いをすることを禁止するとともに、これに違反した場合には、厚生労働大臣が指導、勧告等を行うことができることとしています。こうした制度をしっかりと周知することにより、フリーランスが安心して申出ができる環境を整備してまいります。
 実際にフリーランスからの申出があった場合には、都道府県労働局において関係者から事情を聴取し、法違反の有無を確認します。また、発注事業者が講じた対策に係る都道府県労働局の事実認定については、フリーランスの方々に異議がある場合も含め、当該事実認定に至った理由等について丁寧に説明してまいります。
 本法案の執行体制や周知、広報についてのお尋ねがありました。
 本法案の適切な執行に向けては、例えば、特定受託事業者が本法案に基づく対応を希望した場合に必要な情報共有を行うなど、公正取引委員会、中小企業庁及び厚生労働省の間の連携強化を図るとともに、今後必要な人員及び体制の確保に努めてまいります。
 さらに、本法案の適切な執行に向けては、議員御指摘のとおり、本法案の趣旨や内容を十分に周知、広報していくことが重要です。このため、事業者団体等を通じた周知、動画配信による周知に加えて、関係者への説明会、パンフレットの配布、関係省庁へのウェブサイトやSNSへの掲載など、様々な方法で広く国民に対する周知、広報に取り組んでまいります。
 なお、御指摘の労働基準監督署については、労働者性が認められるフリーランスの方々の保護を図るため、引き続き労働者性の判断が的確に行われるようにするとともに、労働基準関係法令違反が認められる場合には厳正に監督指導が行われるよう、厚生労働省において適切に対応することが重要であると考えています。(拍手)
   〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 121115254X01720230421_015

発言者: 後藤茂之

speaker_id: 29562

日付: 2023-04-21

院: 参議院

会議名: 本会議