大野泰正の発言 (予算委員会)

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○大野泰正君 ありがとうございました。本当に、全ての選択肢を持ってしっかりとエネルギーを支える、何より大切なことだと思います。
 先日、参議院の資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会で、国際政治学者である白石隆先生は、ウクライナ危機のような事態はこれからも少なくとも十年に一回ぐらいは起きるという前提で国として戦略的に対応できる体制をつくっておく必要があるとおっしゃっていました。そのとおりだと思います。それこそが危機管理だと思います。日本の置かれた状況を冷静に受け止めて、危機にも耐え得る対策を講じることが何より大切です。
 こうした中、一部のマスコミや政党からは、日本は原子力、石炭は廃止して再エネだけでエネルギーの安定供給を目指すべきだといった意見があることは承知しております。私は、エネルギー政策について様々な意見が出てくることは大変良いことだと思います。議論を闘わせながら取るべき道を選択することはとても大切ですが、エネルギーは国家運営の基盤であり、ここを誤ると国家そのものが傾きかねないことも事実であります。もちろん、再エネは重要な脱炭素電源であり、これをできる限り増やしていくことの重要性は理解していますが、一方、再エネだけで全てが賄えるかというと、我が国の地勢、地形からも厳しいのが現状です。
 御存じのとおり、我が国は四方を海に囲まれ、欧州のように他国からの電力融通を受けることは現実的ではありません。韓国との関係が急速に改善に向かっていることは大変喜ばしいことではありますが、韓国の背後には北朝鮮、中国、ロシアといった日本とは政治体制の異なる強権的な国家が存在しています。こうした状況の中で大陸と電力融通の枠組みを設けるというのは、我が国の安全を守り抜くという観点から現実的な選択肢でないことは御理解いただけると思います。
 我が国、実際に我が国の森林を除いた平地の面積はドイツの半分であり、その中に既に平地面積当たりでは世界一の水準で太陽光パネルが設置されています。更に今の倍の量を設置するとなると、相当困難なことは明白です。今日でも至る所で山肌を削って設置された太陽光パネルが数多く見られ、今後厳しくなる気象条件の中では大きな災害につながらないか大変危惧をしております。努力を重ねるとしても、我が国の電力の約四割を再エネだけで賄うという目標を達成することが容易でないことは御理解いただけると思います。
 現在、日本の総発電量は約一兆キロワットアワーとなっており、更にこれからデジタル化や電化が進めば発電量を増やさなくてはならない可能性もあります。再エネだけで賄うというのは現実的でないことは、客観的な事実として国民の皆様にも共有していただく必要があります。この事実に立ち向かうためにあらゆる選択肢の追求という考え方が今日何より重要であり、このことは日本の将来を考えたときに絶対に堅持すべき基本方針だと思います。
 原子力の活用を訴える人は当然再エネもしっかりやるべきと考える人が多いですが、なぜか再エネの活用を訴える人は原子力は駄目と二元論に陥りがちです。もちろん、福島事故の反省は国家として忘れてはなりませんが、これまで紹介してきた日本の置かれた状況を踏まえれば、私は原子力の活用も避けては通れない選択肢だと思います。事故を起こしたからこそ、その事故への痛切な反省をしっかりと生かして、より安全なものとして使っていく、これが人類の知恵なのではないでしょうか。
 安定的で安価なエネルギーや電気の供給とともに、世界が目指す脱炭素社会の実現を考えれば、脱炭素のベースロード電源として原子力の活用は現時点では避けて通れないと考えています。ベースロードがあるからこそ、先ほどもおっしゃいましたが、再エネの変動を補う火力の役割が抑えられ、結果的に安定的、安価、そしてCO2排出を抑制する電力システムが成り立ちます。もちろん、将来蓄電池の価格が安くなればベースロードの役割も変わってくるかもしれませんが、世界中の蓄電池の争奪戦が繰り広げられれば、蓄電池だけで再エネの変動を賄うことは難しくなるかもしれません。
 こうした点を考えても、当面は現状の原子力技術を高めていきながら、いずれは核融合発電等の新しいベースロードを現実のものとしていくことで将来的により安定的で安価なエネルギー供給の実現が……(発言する者あり)

発言情報

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発言者: 大野泰正

speaker_id: 6985

日付: 2023-03-23

院: 参議院

会議名: 予算委員会