羽場久美子の発言 (外交・安全保障に関する調査会)

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○参考人(羽場久美子君) ありがとうございます。
 先ほどの御質問とも絡んでお答えしたいと思うんですけれども、現在、その安保三文書とか、それから防衛費の増額などを含めて、ほとんど憲法の改正の議論がないままに進んでおります。私、ヨーロッパに住んでおりましたときには、結構司法の側から政策が違憲であるというような提案がなされるケースが多かったんですけれども、今回の場合、その出されている政策と憲法のすり合わせがなされないまま政策だけが進んでいるところに非常に危惧を覚えます。
 おっしゃられたように、ロシア・ウクライナ戦争がある中で、なかなか旧来のように国民のレベルで今防衛が危ないというような方向よりは、むしろ防衛していかなければならないんではないかというような動きが、若者を含めて半分を超えているというような世論調査もあります。
 ただ、先ほど地図でもお示ししましたように、日本列島が極めてアジア大陸に接近している中で、これが戦争のフロントとなる、仮想敵というのが明らかに指名されながら、その最前線となっていくということは、どのような立場であっても日本国民を危機にさらすことになるので、それを果たして分かった上で受け入れられているのかというところも含めて緊急に議論していく必要があると思います。
 第一次大戦というのは、実は、その戦争が忘れられた頃にやってきた。若者たちはほとんど戦争を知らずに喜んで戦争に出ていき、そして帰ってこなかったというふうなことが言われておりますけれども、特に若者たちに対して実態の戦争の教育というものをしていかないと非常に危うい状況にあるのではないかと思います。
 もう一つは、その軍事と学問ということなんですけれども、御存じのように、日本は、どの国もですけれども、戦争のときに軍事の拡大に貢献してきた歴史があり、第二次世界大戦が終わってから、日本の学術は二度と戦争に貢献するような学問は行わないということで取決めをしました。
 そして、それは三回にわたり継続してきたわけですけれども、今回、その学術会議が再編されるというような方向も出てきていて、確かにDARPAなどを考えると、学問が今ITやAIの時代に入っているときに軍事に協力しないということは、軍事の、何でしょう、最前線、科学的なその発展にとって極めて弊害があるということは確かかもしれないんですけれども、では、どこまで協力できるのか、何が人道的であり、どこが人道を超えていくのかということが議論されないままに軍事と学問のデュアルユースが行われていくことは非常に危険なことだと思っております。
 地政学的に日本が戦争に参加していったときに最も危ない位置にあるということは先ほども述べましたけれども、そうした中で、周辺国とともに、また、政府レベルではなくて、一番その周辺国に近いボーダーにあるような自治体や市民たちが直接に隣国と話し合いながら、一体、本当に私たちにとって隣国が危険なものなのか、そして、その危険を取り除くためには何をしていく必要があるのかというのを膝を突き合わせて話し合う場を政府レベルだけではなく民間レベルでもつくっていくことが緊急なのだと思います。その意味で、政治家の皆さん方に是非それを実行していただきたいと思っております。
 ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 羽場久美子

speaker_id: 28248

日付: 2023-02-22

院: 参議院

会議名: 外交・安全保障に関する調査会