羽場久美子の発言 (外交・安全保障に関する調査会)
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○参考人(羽場久美子君) どうもありがとうございます。これも大変重要な御指摘、感謝申し上げます。
中国ですけれども、国際政治として合理的に考えたとき、六年後に中国はアメリカを抜くとイギリスのシンクタンクが言い、経済的にですね、そして、それを世銀やIMFが承認しているという時点の中で、現在、何もしなくても経済的にアメリカを抜ける中国が、あえて台湾に侵攻し、ロシアのように世界中から孤立して、それでも小さな台湾を領有する行動に出るかというと、私はその可能性は極めて薄いのではないかと思っています。
それから、沖縄との関係についても、この二千年間、ADに入ってからの二千年間で、中国が沖縄や台湾に侵攻しようとした歴史はありません。
沖縄は、先ほども言いましたように、一四〇〇年代から一八〇〇年代にかけて、冊封体制という形で中国に貢ぎ物をしながら共有していく、中国との関係を継続していくというような行動を取ってきましたので、歴史的に、中国が台湾や沖縄にアメリカが言うようにあと六年以内に入ってくるという可能性はないと思っております。逆に、六年以内ということをなぜアメリカが強調するのかというと、六年後にアメリカが中国に抜かれるという事実があるからですね。
アメリカにとっては、中国にその覇権を譲られ、そして、アメリカのその民主主義、自由主義、そして市場経済の秩序を脅かされることについては非常に強い脅威があるのは分かります。でも、日本がこんなに目の前に中国や北朝鮮やロシアがある中で、そのアメリカの秩序を守るためにアジアに身を張って戦うべきかということで考えると、私自身は、国際政治学的な、地政学的な観点からしても、非常に日本は危うい地位にあるんだと思います。むしろ、その戦争との関係で考えても、目の前にある敵に矛となって戦うような姿勢を取らないことが日本にとっての、日本国民にとっての、日本国にとっての利益なのではないかと思っています。
そのように考えると、価値として、自由と民主主義とそして市場経済を守るという立場をアメリカやヨーロッパとともに引っ張っていくという日本の立場はとても重要だと思っていますが、他方で、軍事戦略として、それを守るために最前線でロシアや北朝鮮や中国のような核大国に沖縄や大分にミサイルを配備することで果たして勝てるかということで考えると、それをやるのは余りにも無謀で意味がないことではないかと考えております。
軍事的に考えても、私たちがやっていくべきことは、中国の兵法に三十六計逃げるが勝ちというのがありますけれども、軍事的な対抗の真っただ中に、最前線に、小さな軍事力で、中国のその数十分の一の軍事力で戦って死ぬことを選ぶのか、それとも、そこからの富を共有しながら、中国やインドや、さらにはアメリカやヨーロッパとともに世界経済を引っ張り、日本の非常にバランスの取れた政策を世界で評価していただく方を選ぶのかということで考えると、後者を取っていった方が日本国にとっても日本国民にとっても利益になるのではないかと考えておりますが、いかがでございましょうか。
以上です。