北岡伸一の発言 (外交・安全保障に関する調査会)

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○参考人(北岡伸一君) 総会により大きな権限を与えるのは望ましいんですが、そのためには憲章の改正が必要になって、とてもできないと思います。
 それから、リヒテンシュタイン案はもう前にも試みられて、背後にS5というグループがありまして、リヒテンシュタインのみならずジョーダン、失礼、ヨルダンとかですね、それからシンガポールとかコスタリカとかそういう国が入ったグループで出していたんですけど、それも一度出しかけて潰されているんですよね、P5の圧力で。だから、拒否権に手を触れようと、安保理の決議というのは神聖不可侵で、安保理における拒否権に手を触れるのには絶対反対というのが非常に強いのです。
 ですから、先ほど来、吉川大使と私も言っているのは、とにかくこれを突破していくのは、その総会で百二十九票取って、そして批准に回ったときに、その中国、ロシアも拒否権行使、使う、するかもしれないんですよ。だけれども、その中に彼らの友好国もいるわけですよね、きっと、その賛成しているね。それをできるかどうかというんで、そうやって踏み絵を踏ませる以外のことはなかなか難しいというので、ただ、私ども何度も申していますように、決して悲観的というよりは、もう繰り返し絶えず絶えず多数で議論していくと。
 そうすると、ロシアも本当は穏やかではないと思うんですけれども、ただ、振り返ってみてください。北朝鮮決議、に関する決議は、私が国連にいたとき、二〇〇六年の七月に初めて決議が通ったんですよ、中国、ロシアも反対しないで。最初は、九十数年、六年か八年ぐらいにあったときは何もできなかったんですよ。それ、ようやくそこでできて、その年の十月には核実験やって、これまた非難、これは制裁決議が通ってですね。しかし、何度もやってもむしろ逆戻りですよね。ただ、歴史というのはそうした行ったり来たりを繰り返しながらちょっとずつ進むものではなかろうかと。
 今回の、例えばコロナと対比してよく言うのは、例えば、二九年にはびこった大恐慌なんですよね。大恐慌のときは、しかしIMFとか世銀というのはなくて、国際的な経済協力もなかったと。それから、戦間期にも不戦条約とか国際連盟もあったし、戦争を防ぐいろんな努力があった、でも戦争起こっちゃった。ただ、かつてのような、ホロコーストのようなことはまだ起こっていないと。原爆の使用はまだ起こっていない。ですから、私は、歴史はゆっくりとらせん状にちょっとずつ進んでいく、それを信じて努力を積み重ねるしかないと、そこでいろんなことが積み重なっていくだろうと。
 明石さん言われたとおり、中田さんの話出ましたけれども、実は二〇一六年に私がJICAの理事長になった翌年にも、テロでJICA関係者が七人亡くなったんですよね。そのときも、あるお父さんは、いや、息子は本当にすばらしい人生を送らせていただいたと、お礼を言われたんですよね。もう感動しました。それから、カンボジアでいいますと、あそこで長年こつこつやった地雷除去、それが我々はコロンビアでもやっていました。今ウクライナでもやれているんですよ。
 ですから、そういう希望を捨てずに小さな努力を積み重ねていくということだろうと思っています。

発言情報

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発言者: 北岡伸一

speaker_id: 5844

日付: 2023-04-12

院: 参議院

会議名: 外交・安全保障に関する調査会