森本敏の発言 (外交・安全保障に関する調査会)
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○参考人(森本敏君) 装備品を移転するときに、過去、今まで日本が経験してきた装備移転の供与というものが、うまくいったというか、成功したって、言葉は良くないんですけど、実際に実現したかどうかというのは、いろんなやり取りをやって実現していくわけですが、取っかかり、まず取っかかりがほとんど、諸外国から重要な例えば国防大臣だとか国防次官とか参謀長とかというのが日本を訪問して、カウンターパートである我が方に要求して帰っていく。我が方は、それを出すことがまず原則に当てはまって、当てはめて正しいのか、可能なのか、政治的にも問題ないのか、その国に供与したときに本当にその国にとって意味があるのか、利益になるのかということをトータルで考えて、これは進めてみようという場合と、これはちょっとお断りした方がいいなというようなケーススタディーを常にやるわけです。
つまり、さっき僕が申し上げたように、日本がどういうものをこの国に持ってもらうと、この国の安定、この国の周りの安定、その国の産業、その国の技術、その国の雇用、その国の産業基盤が良くなるという観点ではなくて、要望に対して応じるという、まあどちらかというと、主体性、我が方に主体性がない装備移転というのを今までずっとやってきたんです。
私は、これは全く方向変換しないといけないということで、我が方がこの地域にどういうものを出すべきなのかということを我が方が考えて、まず基本的なガイドラインを作って、皆さんに意見を求めて説得して回るということをやらないといけないと。だから、出先の大使館及び大使の役割は非常に大きいところです。
従来、私はワシントン大使館に勤務して、その後、アフリカの大使館の参事官をやっていましたが、この防衛装備というのは、まあ当時のことですから、もし訓令が打たれても、どこの班がやったらいいのかということが必ずしもきちっとしていないんです、政務班なのか、あるいは経済班なのか、あるいは防衛班なのか、どちらでもないのか。だから、電報が来たら上の方が、これはおまえのところでやれとかなんとかと言って、全く新しいカウンターパートを探さないといけないんですね。武官はその国の国防省の情報部にコンタクトしていますが、そんなに軍需産業をマネージするような役所に日頃出入りしてない。もちろん政務班も、そういう軍事的なことというのは、どちらかというと防衛班に頼んでいる。経済産業関係の班も全然、そのカウンターパート、そうじゃない。
つまり、どこもない空白の穴というのが我が方の行政機構にもあって、出先の大使館にもあるんです。これをトータルで直していかないと、本当に内容のある、意味のある、そして、それが今のお話のように、本当にその国々の人々の安全につながっていくような装備移転になるかどうかというのは、トータルでなかなか見ることができない。そこを今後改善していく必要があるのではないかなと、このように考えます。