森本敏の発言 (外交・安全保障に関する調査会)

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○参考人(森本敏君) NATO基準というのは、御承知のとおり、北大西洋条約機構の中で条約第五条に基づいて、その条約の加盟国の一若しくは二に対する武力攻撃を全ての国に対する攻撃とみなし、一若しくは二の国が個別的若しくは集団的手段を取って個別的若しくは集団で安全を維持するということを約束した集団防衛条約でありますので、結果としては、それぞれの国が自国の防衛をするのではなく、NATO全域の防衛のどこかの役割を果たすということを全体として行って、結果として地域全体の安全を維持するというところになっているので、全ての国がNATOの域内に部隊を動かすことができないといけない。
 そのためには、どこで弾薬が供給されても自分の持っている銃の中に入っていかないと戦力として使えないので、したがって、武器弾薬についてはNATO基準を守って、例えば小銃だったら、小銃の口径が例えば何ミリといったら何ミリで、すとんと入らないと、弾が入らないんじゃ爆発するかもしれないし、全く発砲しないということなので、それでは集団防衛ができないので、そういうルールをかなりNATOは初期の段階で作ってこれを守ってきたわけですね。
 だから、東欧の諸国がどんどんとNATOに入っていって東方拡大というのが行われるときに、東欧の社会は大体ソ連製の兵器を持っていて、鉄道でさえ、この前お話ありましたように、例えば、ポーランドとウクライナは鉄道の軌道というのが広かったり狭かったりして、途中で物を全部乗り換えないといけないようなことが起こるわけですね。だから、NATO基準というのは、何も弾だけではなく、一切の装備品についてできるだけ基準に合わせて、どこの国に行っても誰でも使えるように、したがって、困っているときには武器弾薬が供与できるようにするということをしているんです。
 日本は、インド太平洋そのものは集団防衛条約の枠組みではないので必ずしもそれが必然性がないんですが、それをやらないと、実は、例えば日本で造っている弾薬を外国に売るという場合にNATO基準を守っている国には出せないし、特に共同演習とか共同訓練をやっているときにほかの国に供与すると、あるいは、PKOに出ていって韓国に一回弾を差し上げたことがあるんですが、あれも弾の口径が合ったから日本からかなりな弾薬を、まあ一時的にですけれども、あの場合、差し上げて彼らは使ったわけですが。
 そういう戦場における基準というものを念頭に置くと、できるだけ、NATO基準に従う必要はないんですけれども、アメリカの持っている兵器だとか、あるいは周りの国の同盟国といろいろな装備の基準、これは例えば電気の周波数だとか、あるいは燃料を使うときの燃料のタイプだとか、もちろん火砲の基準だとか、いろんなものをできるだけ標準に合わせて使いやすく、かつ輸出できやすいようにするというのは非常に重要だろうと思います。
 それは結局ビジネスにも役に立ち、かつ自分たちの国を、身を守るため、何かあったときに他の国からいろんなものを供与してもらえることになるということなんで、装備品を開発するときには、どういうものについてどこの基準をモデルにして開発をし製造していくかということを、常に政府として規格を統一しながら生産活動をやるという必要があるのではないかと思います。

発言情報

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発言者: 森本敏

speaker_id: 34495

日付: 2023-04-26

院: 参議院

会議名: 外交・安全保障に関する調査会