森本敏の発言 (外交・安全保障に関する調査会)
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○参考人(森本敏君) 防衛三文書、戦略三文書の中で、新しい防衛力整備計画を五年掛かりで進めているところですが、私は、その中にやっぱりプライオリティーというのがあって、いわゆる通常戦力である陸海空の防衛力を整備することはもちろん重要ですが、それは、サイバーとか宇宙の能力、圧倒した能力があって初めて運用できる。このサイバーとか宇宙の能力がないと、通常の防衛力は本当に死んでしまう。もうウクライナ戦争で嫌というほどそれを見てきたわけです。だから、グルジア紛争で圧勝したロシアがウクライナ戦争の第一段階でああいう惨めなことになったのは、アメリカが宇宙とサイバーの技術を提供したからです。
そのことを考えると、まず三つだけ申し上げたいんですけれども、今年一月の十三日だったですか、ワシントンで日米の防衛、外務の2プラス2が行われた際の共同声明の中に、宇宙における攻撃を日米安保条約第五条の適用にする可能性についてお互いに合意したということが書いてあって、これは物すごい新しい要するにステージだと思いますが、安保条約の第五条というのは、日本の施政の下における領域におけるいずれか一方に対する武力攻撃を、それぞれの憲法上の規定及び手続に従って共同の危険に対処するよう宣言すると書いてあるんで、宇宙における攻撃が日本の施政の下における領域に対する攻撃なのかということですが、そういう意味ではなくて、日本の地上にあるあらゆる宇宙のシステムに重大な影響を与える可能性があって、特に宇宙のシステムに対するサイバー攻撃というものを、我々は日米の共同の脅威だとみなして対処するということを約束し合ったわけであります。
つまり、何を申し上げたいかというと、日本が今からやらないといけないのは、サイバーインテリジェンスという分野、これがどうしても今のような状態では不十分で、これをきちっとやるためには、少なくともファイブアイズに入れるだけのシステムと、それからセキュリティークリアランスの制度設計をきちっとしないと、サイバーインテリジェンスができないと。
もう一つは宇宙の技術ですね。特に官民の技術の共用というかね、をきちっとしないと、官だけでも駄目、民だけでも駄目ということで、コンステレーションなんかはそのいい例だと思いますが、これからは官民一緒になって、アメリカが宇宙、ウクライナでやっているような、ある種の、民間の技術を官が吸い上げてつくって、いや、使って、宇宙のシステムを運用していくという新しい制度設計をオペレーションの中に取り入れる。で、その中に、今のお話のように、国産の技術をどうやって手に入れるかということを同時に考える。
トータルでこれがないと駄目なので、したがって、私は、戦略三文書の中の防衛計画については、サイバーインテリジェンスと宇宙と広い意味での情報というのが一番日本の安全保障にとってクリティカルなのではないかというふうに考えております。