小峰隆夫の発言 (国民生活・経済及び地方に関する調査会)

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○参考人(小峰隆夫君) 御質問ありがとうございます。
 これはなかなか難しい問題で、私もまだ適切な回答が見出せない状態なんですけれども、私が「平成の経済」というのを書いて、これは書いたときには余り気が付かなかったんですけれども、最後まで来た段階で改めて自分は何を書いていたんだろうかというのを振り返ったら、あるストーリーが浮かんだと。それを今日御紹介したんですけれども。
 つまり、政策というのは国民的なやはり意識に裏付けられたものでないとなかなか実行できないということがあると。ところが、国民の認識自体はどうしても現状に引きずられてしまって、なかなか新しい問題の本質的な意味を理解することは難しいと。したがって、政策が国民の意識に近寄れば近寄るほどむしろ適切な政策が取られにくくなってしまうという、ちょっと矛盾したところがある。
   〔会長退席、理事小沼巧君着席〕
 ただ、これは民主主義の下ではどうしようもないことだということなので、これをどうやって解決していったらいいのかなというのが私の悩みなんですけども、今のところ私が考えているのは三つぐらいあって、一つは、やはり経済の専門家、まあ専門家にもいろいろいるんですけども、やはりそのときの最新のデータ、最新の理論を踏まえたオーソドックスな、正統的な経済の専門家の意見がより政策に反映されるような仕組みをつくった方がいいのではないか。その方が、やはり国民の一般の意識よりは経済の専門家の方が、完全じゃないですけれども、本当の問題点をよく見ているはずなので、できるだけそっちに近づけた方がいいのではないかというのが一つですね。
 それから二番目は、やはり情報をなるべくオープンにして、データに基づいた議論をしていくと。そのときの、例えば、これ、ちょっと例が悪いかもしれませんが、物価が上がると、国民はどうしても物価が上がって大変だから何とかしてくれという希望が出るわけですが、そうすると、じゃ、ガソリンの値段を余り上げないようにしましょうとか、電力料金上げないようにしましょうという、財政を使って物価を抑えようとするんですが、これは、私に言わせれば、物価が上がったときに一番必要なのは、電力を余り消費しないようにするとか、輸入エネルギーをなるべく節約するような方向が正しいということですが、これに補助金を出してしまうと、むしろその消費を奨励していることになってしまうわけですね。ですから、これまずいと思うんですけれども、ですから、それは一般の国民の非常にシンプルな要求に応えてしまうとかえって国民を不幸にしてしまうということで。
 しかし、私の身の回りの専門家は、やっぱりそういう直接的な補助金は問題だという認識の人が多いので、やっぱりそちらにする。で、そのためには、そういう政策をやるとどういう問題が出るのかといったようなことを分析的に、なるべく客観的な分析で示していって、それを国民の前に出していくというような、データと分析に基づいたEBPM的なアプローチというのをもっと根付かせる必要があるということで。
 三番目は、これちょっと申し上げにくいんですが、政治家の方が変わっていただいて、単純に国民の要望を吸い上げるだけではなくて、国民を説得する方の側に回っていただけるといいなというのが私の考えです。
   〔理事小沼巧君退席、会長着席〕

発言情報

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発言者: 小峰隆夫

speaker_id: 13495

日付: 2023-02-22

院: 参議院

会議名: 国民生活・経済及び地方に関する調査会