小峰隆夫の発言 (国民生活・経済及び地方に関する調査会)
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○参考人(小峰隆夫君) 御質問ありがとうございます。
これはなかなか難しい問題で、そこが分かれば何とかなるというので、そこがなかなか分からないので多くの人が苦労していると思うんですけれども。
ちょっと私の考えはやや多くの人の考えと違うかもしれませんが、実質賃金、つまり実質的に我々が受ける賃金を増やすための道というのは基本的には私は三つしかないというふうに思っていて、一つは生産性が上がること。つまり、一人一人の生み出す、付加価値で生み出すものがより増えていけばそれは実質賃金の上昇に必ずつながるはずだという、生産性の上昇が重要だと。それから、二番目は分配率ですね。分配、企業の取り分と労働者の取り分で、労働者の取り分が上がれば上がるほどそれは実質賃金は上がりますと。それから、三番目は、交易条件なんですけれども、これは輸入物価と輸出物価の比率なんですけれども、例えば、産油国は自分たちが輸出している石油の値段が上がれば自分たちは別に働かなくても実質賃金はどんどん上がっていくわけですね。ですから、交易条件というのも重要だということですが、これ、長い目で見た場合と現在の賃金とちょっと次元が違うんですけれども、長い目で見ると、私は、基本的には企業の、企業じゃない、日本経済の成長力自身、つまり生産性が、実質生産性、付加価値生産性が上がっていく力が衰えていると。これは要するに成長戦略の問題になるんですけれども、基礎的な成長力が衰えてきたということが基本的には実質賃金の低迷の背景にある。
つまり、これは簡単な話で、我々が取り分を増やそうと思えば誰かがその取り分を生み出さなければいけないということですから、みんなでその生み出す力を増やしていけば取り分も増やしやすくなるということです。誰も生み出す力を増やさないで取り分だけ増やそうということは多分できない。これは分配率を上げればできるんですけれども、分配率を上げ続けることはできないので。企業がもうけ過ぎだというので、それを賃金に回せと言うことはできますけれども、それはもうけ過ぎを解消したらそれで終わりになってしまうので、継続的に賃金が上がるためにはやはり基礎的な成長力が重要だと。それから、交易条件の方は、これはなかなか日本の力でどうこうするわけにはいかないので、外的に与えられてしまうものだと、こういう整理をしております。