上月良祐の発言 (国民生活・経済及び地方に関する調査会)

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○上月良祐君 まず、GとL、グローバルとローカルにおける価値観の違いについて意見を申し上げます。
 生まれたときお金を持つ世帯だったかどうか、地域でいえば東京などの大都市に近いかどうかで、それが幸せに直結するかどうかはおくとしても、スタートラインは同じではないんだと思います。所得分布が低い方に偏ってしまい、また人口減少も進む中では、スタート後の道行きの厳しさも差が大きくなっています。
 時代は、競争、競争、競争です。競争一辺倒です。グローバルは激しく厳しい競争の場で、ハイリスク・ハイリターンな世界かもしれません。しかし、競争からは逃れられないにしても、ローカル隅々まで競争一辺倒でいいのでしょうか。競争だけではない、協調や共存共栄といった対極にある価値観を大切にすべき場ではないのかと思います。
 スタートラインが違う者をただ競争にさらせば、ごく一部の例外を除き、ますます差が拡大していくでしょう。私はそれが我が国の形として決していいと思いません。もちろん自助は大切ですが、頑張りたくても頑張れなくなっているケースもあります。それを頑張ろうと思える状態まで持ってこれるかどうかも問われています。立場の弱い方々や地域には、寄り添ったり、向き合ったり、伴走したり、そういう政策や姿勢が必要ではないでしょうか。
 次に、具体的な取組としては、今現実に困っている方々への相談支援の充実に加え、重要なのは予防だと思っております。そのどちらのためにも、いわゆる支援者支援が重要です。NPO等は、孤独、孤立や困窮世帯対策において不可欠なプレーヤーです。今国会に来られた参考人の方々は別格としても、もし彼らがいなくなれば、行政や社協がその活動を代替しないといけなくなる、まさに行政機能の一部を担っている、そういう存在だと思います。
 社協までは行政の一部として位置付けられているように思いますが、NPO等を含めて、広義の、広い意味の自治体と捉える新しい自治体像を再構成すべきときだと強く考えています。これは、彼らの活動を財政的に支えていくため、理論的にも重要なことです。ボランティア精神にただ乗りするような形は持続可能だとは思いません。また、NPO等への中間支援の強化や寄附を受けやすくする仕組みも必要と考えております。
 ワーク・ライフ・バランスという言葉がありますが、私は、自分の一生はワーク・ワーク・ワークでよくて、バランスも必要ないと強く思っていました。しかし、仕事のみで地域や社会とのつながりのない人ほど相談相手も持てず、退職等を契機に孤独、孤立に陥りやすくなります。ワーク・ライフ・バランスのライフには、極めてプライベートな時間に加え、パブリック、地域との関わりも入っているのではないか、そう気付いて少し受け止めが変わりました。
 就業や社会活動への参加、とりわけそこでの役割を持つことで認知症を伴う要介護認定の率が有意に下がるというデータもありました。まさしく情けは人のためならずだと思います。薬ではなく地域とのつながりを処方する社会的処方という取組がありますが、処方されずとも、自らそういうつながりを仕事以外に持てるようにすべきだと思います。
 そして、高校生のいる世帯への支援はとても重要だと思います。その後大学へ進学できるかどうか、大学でなくても生きていくための学びをしっかり受けられるのかどうかの分かれ道になる時期です。キッズドアの渡辺理事長の指摘された準困窮世帯のこと、阿部彩先生が言われた、世帯や人のカテゴリーではなく場に着目すべきという御指摘を考慮すると、いわゆる教育困難校への支援も大切で、加配の強化などが必要だと思います。
 なお、本分野の仕事に関わってきて感じることは、緩さ、緩やかさの大切さです。対象を数値のみで切り取り過ぎたり、要件を厳格に限り過ぎたりしないで、ハンドルの遊び感とでもいうんでしょうか、柔らかく受け止め、柔軟に対応していく、その大切さを感じる場面が多いので、申し添えさせていただきたいと思います。
 どういう世帯に生まれるかは、まさに運、偶然にほかなりません。それで一生が決まったり、貧困が連鎖しないようにせねばなりません。地域についても同様だと思います。
 他方で、我が国は、強い経済や科学技術力があってこその存在感を発揮できるんだと思います。それらを回復しようとする中では、格差を広げるのではなく、市場所得、まあ給料でありますが、の向上が的確に図られるとともに、国内、特にローカルにおいて、つながりや包摂性を敷衍できるような形で進めていくよう努めるべきだと考えます。
 以上でございます。

発言情報

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発言者: 上月良祐

speaker_id: 7778

日付: 2023-04-26

院: 参議院

会議名: 国民生活・経済及び地方に関する調査会