半田滋の発言 (財政金融委員会、外交防衛委員会連合審査会)
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○参考人(半田滋君) イージスシステム搭載艦のことについてお話をします。
まず、最初、地上に置く、秋田市と山口県萩市に置く予定だったイージス・アショア、この導入の経過を振り返ってみますと、二〇一七年の一月にトランプ政権が誕生して、二月にワシントンで日米首脳会談が行われて、そこでトランプ大統領から安倍首相にバイ・アメリカンと、アメリカ製品を買ってほしいというような要望が出されて、その結果、防衛省で検討した結果、イージス・アショアを買おうということになっていったということだと思います。
このイージス・アショアのこの決定自体が、そもそも我が国が導入しているミサイル防衛システムは、もう既にイージス護衛艦を四隻から八隻に増やすということが決まっていましたし、また、地上配備型の地対空迎撃システムのPAC3も、今三十四基ほどありますが、この能力を向上させると。つまり、既存のイージス艦を増やす、また既存のPAC3の能力を向上させるということで、必ずしも必要だった装備品というふうには考えられないというふうに私は思っています。
また、ここでボタンの掛け違えがあったのは、今までと異なってアメリカ軍と違うレーダーを選んでしまったということだと思います。イージス艦のレーダーというのは、SPY1レーダーといって、日本もアメリカも同じレーダーを使っているのでスケールメリットがあるわけですね。更に言えば、開発費の割り掛け、そして改良費の割り掛けもできるから安くなると。ところが、イージス・アショアの場合には、これロッキード・マーチン社の新しいSPY6レーダーというのを日本が独自に導入をしてしまう。(発言する者あり)あっ、SPY7、失礼、SPY7レーダーを導入したと。一方、アメリカは最新型のイージス駆逐艦にはSPY6というレイセオン社のものを造っていると。
今度、SPY7レーダーというのは二台しか造らないわけですから、まず、コスト面として高くなるのは当然なわけですね。これはアメリカ製と、同じのにすれば割り掛けができたはず。そうすると、導入にお金が掛かるだけでなくて、廃棄まで恐らく二十五年から三十年使うわけですが、そのランニングコストも非常に高額になっていくんだと。これは、本来であればSPY6レーダーの方に切り替えて、そしてまた、船に載せるというようなことをやめるということが必要だと思います。SPY7とSPY6でいうと、レーダーの一辺が一メートルほど大きさが違うものですから、非常にそのレーダー自体が大きくなって、その結果、イージスシステム搭載艦が四十メートルという非常に太った船になっちゃうと。
この際、本来、どうしてもイージス・アショアを置くのであれば、その第一弾ロケットのブースターが落ちても安全な離島などに配備をするということ、船に載せるというむちゃなことをやめるということを一度原点に戻って考え直す必要があるんではないかなというふうに思っています。
もう一つ、あと財源のお話ですが、防衛力強化資金というのは、特別会計から持ってくる、あるいは国有地の売却益を充てる、あるいは借料をここに、防衛費に回す、いろんな、あちこちからかき集めて防衛費に回すものの一つですよね。
そのほかに、決算剰余金の活用とか、あるいは歳出改革とかいろいろありますけれども、いずれにしても非常に不安定な財源であり、今回の防衛力強化資金についても、例えば国有地の売却で財務省の資料を見ると、これで今、我が国が売ることのできる国有地というのはおよそ四千億円程度しかないんですね。到底、その二〇二七年度に不足すると言われている四兆円のうち税制措置で充てるという一兆円以外の三兆円、全然足りないということが言える。また、土地や建物の借料も年間大体四十億円ぐらいしかないんですね。これでは全く安定財源でもないし、足りないと。
そう考えていくと、特に決算剰余金なんかを見てみますと、これは、半分はこれ国債の利払いに充てるし、半分は補正予算の原資に充てているわけですよね。それを全部防衛予算に回すとすれば、これは国債を発行すると。結局、回り回って、防衛費を国債で充てることはしないと言った一九六六年の当時の大蔵大臣の答弁に違反するような形にならざるを得ないと。
要は、この財源が何もはっきりしていないのに、去年、岸田首相はたしか内容、予算、財源を一体で検討するとおっしゃったんだけれども、結局、決まったのは内容と予算だけで、財源を決めないままにこれ決めてしまったと、そこが今回大きな問題として残るのかなと。
今回の法案がこれ仮に通ったとしても、必ずしも安定した財源が永劫続くとは限らないんではないか、そんなふうに私は考えています。