財政金融委員会、外交防衛委員会連合審査会
⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。
会
会議録情報#0
令和五年六月六日(火曜日)
午前十時開会
─────────────
出席者は左のとおり。
財政金融委員会
委員長 酒井 庸行君
理 事
浅尾慶一郎君
大家 敏志君
西田 昌司君
横沢 高徳君
上田 勇君
委 員
佐藤 信秋君
白坂 亜紀君
馬場 成志君
広瀬めぐみ君
藤川 政人君
古川 俊治君
宮沢 洋一君
宮本 周司君
勝部 賢志君
柴 愼一君
秋野 公造君
横山 信一君
浅田 均君
梅村 聡君
大塚 耕平君
井上 哲士君
神谷 宗幣君
堂込麻紀子君
外交防衛委員会
委員長 阿達 雅志君
理 事
岩本 剛人君
佐藤 正久君
小西 洋之君
平木 大作君
音喜多 駿君
委 員
猪口 邦子君
小野田紀美君
武見 敬三君
中曽根弘文君
堀井 巌君
松川 るい君
吉川ゆうみ君
羽田 次郎君
福山 哲郎君
宮崎 勝君
金子 道仁君
榛葉賀津也君
山添 拓君
伊波 洋一君
高良 鉄美君
事務局側
常任委員会専門
員 神田 茂君
常任委員会専門
員 小松 康志君
参考人
慶應義塾大学法
学部教授 細谷 雄一君
防衛ジャーナリ
スト
獨協大学非常勤
講師
法政大学兼任講
師 半田 滋君
─────────────
本日の会議に付した案件
○我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要
な財源の確保に関する特別措置法案(内閣提出
、衆議院送付)
─────────────
〔財政金融委員長酒井庸行君委員長席に着く〕
この発言だけを見る →午前十時開会
─────────────
出席者は左のとおり。
財政金融委員会
委員長 酒井 庸行君
理 事
浅尾慶一郎君
大家 敏志君
西田 昌司君
横沢 高徳君
上田 勇君
委 員
佐藤 信秋君
白坂 亜紀君
馬場 成志君
広瀬めぐみ君
藤川 政人君
古川 俊治君
宮沢 洋一君
宮本 周司君
勝部 賢志君
柴 愼一君
秋野 公造君
横山 信一君
浅田 均君
梅村 聡君
大塚 耕平君
井上 哲士君
神谷 宗幣君
堂込麻紀子君
外交防衛委員会
委員長 阿達 雅志君
理 事
岩本 剛人君
佐藤 正久君
小西 洋之君
平木 大作君
音喜多 駿君
委 員
猪口 邦子君
小野田紀美君
武見 敬三君
中曽根弘文君
堀井 巌君
松川 るい君
吉川ゆうみ君
羽田 次郎君
福山 哲郎君
宮崎 勝君
金子 道仁君
榛葉賀津也君
山添 拓君
伊波 洋一君
高良 鉄美君
事務局側
常任委員会専門
員 神田 茂君
常任委員会専門
員 小松 康志君
参考人
慶應義塾大学法
学部教授 細谷 雄一君
防衛ジャーナリ
スト
獨協大学非常勤
講師
法政大学兼任講
師 半田 滋君
─────────────
本日の会議に付した案件
○我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要
な財源の確保に関する特別措置法案(内閣提出
、衆議院送付)
─────────────
〔財政金融委員長酒井庸行君委員長席に着く〕
酒
酒井庸行#1
○委員長(酒井庸行君) これより財政金融委員会、外交防衛委員会連合審査会を開会をいたします。
我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法案を議題といたします。
本日は、本案の審査のため、二名の参考人から御意見をお伺いいたします。
御出席いただいております参考人は、慶應義塾大学法学部教授細谷雄一君及び防衛ジャーナリスト・獨協大学非常勤講師・法政大学兼任講師半田滋君でございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席をいただき、誠にありがとうございます。
皆様からの忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、細谷参考人、半田参考人の順にお一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えをいただきたいと存じます。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることになっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず細谷参考人にお願いをいたします。細谷参考人。
この発言だけを見る →我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法案を議題といたします。
本日は、本案の審査のため、二名の参考人から御意見をお伺いいたします。
御出席いただいております参考人は、慶應義塾大学法学部教授細谷雄一君及び防衛ジャーナリスト・獨協大学非常勤講師・法政大学兼任講師半田滋君でございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席をいただき、誠にありがとうございます。
皆様からの忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、細谷参考人、半田参考人の順にお一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えをいただきたいと存じます。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることになっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず細谷参考人にお願いをいたします。細谷参考人。
細
細谷雄一#2
○参考人(細谷雄一君) 今日は、このような貴重な機会に発言をさせていただけますこと、大変光栄に存じます。
私の方からは、今、国際環境は大きく変わりつつあります。その国際環境が大きく変わりつつある中で、このような防衛費の問題どのように考えたらいいか、防衛力の増強の問題をどのように考えたらいいかということを三点を強調してお話をさせていただきたく存じます。
その前に、まず冒頭に大砲とバターのお話をさせていただければと思います。多くの方は御存じのとおり、大砲とバターという言葉が一世紀ほど前からしばしば使われるようになりました。大砲とは防衛費、軍事費に国家の予算を使う。そして、バターとは社会保障や経済のために予算を使うと。どちらにより多くの支出をするかということは、多くの国にとってこの一世紀、常に大きな悩みであり難しい課題でございました。言ってみれば、そのどちらも必要ということを前提にすれば、その中でどのような最適な均衡点を見出すかということが、恐らくは優れた政治の課題だったんだろうと思います。
そのように考えたときに、この参議院の場で財政金融委員会、そして外交防衛委員会の先生方が集まってこのような連合審査会をなさるということは、この均衡点を見出す上では最良の機会ではないかというふうに考えてございます。
一方で、イギリスの歴史家で「大国の興亡」という本を書いて一九八〇年代に随分と話題になりましたポール・ケネディという歴史家がおりました。私の専門がイギリス外交史でございますが、このポール・ケネディは幾つかの本の中で、十九世紀のパックス・ブリタニカのイギリスの強さの根拠とは、十分な軍事力を持っていたことと健全な財政が背後にあったということ、このどちらもがパックス・ブリタニカの強さの秘密であると。
そう考えますと、実は余り十分に考慮されないこの財政の健全さというものが国の強さの根底にあるということを考えますと、改めてこの最適な均衡点、大砲とバターの最適な均衡点というものが重要だということがうかがえるような気もいたしております。そのように考えますと、安全保障環境が改善すれば、当然ながら平和の配当と呼ばれるより多くの支出をバターのために使える。一方で、安全保障環境が悪化すれば、好ましくないと多くの人が考えるだろうけれども、やはり多くの支出を防衛費、軍事費に使わざるを得ない。
そう考えますと、今の日本が、これ一点目でございますけれども、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面している、これは岸田総理の言葉でございますけれども、このことが現在のような形で防衛費、防衛関連費というものを増加させる大きな必要の根拠になっているのだろうというふうに感じております。
日本は現在、かつてないほど厳しい安全保障環境の中にございます。日本は、世界の中でも最も不安定で、最も軍事衝突が発生しやすいと考える地域に位置してございます。このことは既に多くの方々が、こちらでも御指摘されていらっしゃる方もいます。そのような中で、日本は防衛力の強化を通じて、侵略や軍事攻撃を未然に防いで平和を維持するための抑止を強化して、さらには安全保障上の同盟国やパートナー諸国との安全保障協力を強化することが喫緊の課題になっているのだろうと思います。
既に多くの方が御存じかと存じますけれども、今から二年前の三月十日には、アメリカのインド太平洋軍のフィリップ・デービッドソン司令官が、アメリカの上院軍事委員会の公聴会で、今後六年以内に中国が台湾を侵攻する可能性があると証言しました、これは二〇二七年ということになりますが。これについては多くの議論がございます、賛否多くの議論がございますが、今年の一月に日本に来て発言した際に、この退官されたフィリップ・デービッドソン氏は、今年の一月の自民党本部での講演では、この自らの認識に変わりはないということを発言してございます。
さらには、昨年の秋でございますけれども、アメリカ海軍のマイケル・ギルディ作戦部長が、中国による作戦、中国による台湾侵攻が二〇二三年までに起きる可能性は排除できないという見方を示しました。多くの専門家は、必ずしもそこまで中国の軍事侵攻というものを喫緊の問題とは捉えてございませんが、しかしながら、この地域の安全保障環境が悪化しているということは恐らく疑いがないのではないかと思います。
さらには、トランプ政権での対中政策を担当したマット・ポッティンジャー氏が日経新聞の取材に対して、日本の戦略が決定的な抑止力になるという発言をしております。つまり、日本の抑止力というものによって中国の軍事行動に大きな影響を与えられるということが発言の趣旨だろうと思います。
そして次に、三ページに移りまして、今日、本日お話ししたい二点目でございます。
そのような安全保障環境の悪化というものを背景としまして、世界全体で防衛力強化が急速に進んでございます。これはもちろん望ましくないことでございますけれども、それを前提に日本の防衛政策というものも考えなければならない。このような安全保障環境の悪化ということを受けて、世界の主要国は過去二十年ほどの間に防衛費を増大させて、そして防衛力を強化してきました。
例えば、資料の九ページの表の四を御覧いただきますと、アメリカと中国がこの過去二十年間にいかに軍事費を広げてきたかと、この二つの国が今や世界を動かす大きな原動力となっているということでございます。そして、それ以外の国々、特にNATO諸国も、GDP比で二%の防衛費支出というものを数値目標として、それぞれが防衛費を増額しているのが現状でございます。
ドイツ、イギリス、フランスのような主要な民主主義国は、当然ながら国内では大きな問題がございます。コロナ禍での財政支出も増え、そして今はインフレ、そしてエネルギー価格の高騰と、まさに国民はバターを求めて大きな声を上げているわけでございますけれども、そのようなドイツ、イギリス、フランスでも今後急激に防衛費を増やす必要というものが指摘されて、ドイツでも、日本同様に国内のGDP比で二%超へと国防費を増やすということが国内で議論され、政府から提案がされました。
続いて、今度は四ページ目の三番目、最後に私が申し上げたい点ございますけれども、このような世界の大きな潮流の中で、やはり国際社会で日本は責任ある主要国としての義務があるんだろうと思います。
これは、日本が今年、G7サミットの議長国として広島サミットで大きな役割担った、その中で、首脳コミュニケの中で、我々は、より安全で豊かな未来を築くため、中核となる外交政策及び安全保障上の課題に対して結束する。また、我々は、差し迫ったグローバルな課題に対処し、国際システムがこれらの課題に効果的に対応できることを確保するために、幅広いパートナーと共に取り組むという決意を再確認する。言わば日本は、フリーライダーとなって国際社会において十分な責務を果たさないような国家ではなく、やはりその主要国として、責任ある大国として国際社会の平和と安全のために十分な役割を担うべきだろうというふうに考えております。
昨年の二月のロシアによるウクライナ侵攻以来、先ほど申し上げたとおり、日本を取り巻く安全保障環境はより一層悪化し、さらにはAIや無人機、ミサイル技術などの開発が加速してございます。そのような現状を踏まえますと、旧来型の装備や技術というものが日本の防衛力を考える上では日本の弱さになってしまうと、技術開発というものを著しく向上させなければ、このような安全保障環境の中で日本が取り残されて、旧来型の装備というものが日本の安全を守る上では十分でなくなってしまうということが言えるのだろうと思います。
当然ながら、日本にとっては、このような侵略、軍事攻撃が発生しないように、同盟国との信頼関係、協力関係、さらには政府が繰り返し述べているような法の支配に基づいた国際秩序を強化することによって軍事力を使わなくてよいような国際環境をつくることがまず最初に必要でございますが、同時に、そのような秩序が大きく崩れ、今回のウクライナがロシアに侵略されたように、全く想定外の形での軍事衝突が発生したときに、やはり日本政府が、日本国民の安全を守り、日本を防衛をする十分な力を持ち、また、それが発生しないような十分な抑止力を持つということも必要になっているというふうに考え、今回の法案を私は支持いたします。
私からは以上でございます。
この発言だけを見る →私の方からは、今、国際環境は大きく変わりつつあります。その国際環境が大きく変わりつつある中で、このような防衛費の問題どのように考えたらいいか、防衛力の増強の問題をどのように考えたらいいかということを三点を強調してお話をさせていただきたく存じます。
その前に、まず冒頭に大砲とバターのお話をさせていただければと思います。多くの方は御存じのとおり、大砲とバターという言葉が一世紀ほど前からしばしば使われるようになりました。大砲とは防衛費、軍事費に国家の予算を使う。そして、バターとは社会保障や経済のために予算を使うと。どちらにより多くの支出をするかということは、多くの国にとってこの一世紀、常に大きな悩みであり難しい課題でございました。言ってみれば、そのどちらも必要ということを前提にすれば、その中でどのような最適な均衡点を見出すかということが、恐らくは優れた政治の課題だったんだろうと思います。
そのように考えたときに、この参議院の場で財政金融委員会、そして外交防衛委員会の先生方が集まってこのような連合審査会をなさるということは、この均衡点を見出す上では最良の機会ではないかというふうに考えてございます。
一方で、イギリスの歴史家で「大国の興亡」という本を書いて一九八〇年代に随分と話題になりましたポール・ケネディという歴史家がおりました。私の専門がイギリス外交史でございますが、このポール・ケネディは幾つかの本の中で、十九世紀のパックス・ブリタニカのイギリスの強さの根拠とは、十分な軍事力を持っていたことと健全な財政が背後にあったということ、このどちらもがパックス・ブリタニカの強さの秘密であると。
そう考えますと、実は余り十分に考慮されないこの財政の健全さというものが国の強さの根底にあるということを考えますと、改めてこの最適な均衡点、大砲とバターの最適な均衡点というものが重要だということがうかがえるような気もいたしております。そのように考えますと、安全保障環境が改善すれば、当然ながら平和の配当と呼ばれるより多くの支出をバターのために使える。一方で、安全保障環境が悪化すれば、好ましくないと多くの人が考えるだろうけれども、やはり多くの支出を防衛費、軍事費に使わざるを得ない。
そう考えますと、今の日本が、これ一点目でございますけれども、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面している、これは岸田総理の言葉でございますけれども、このことが現在のような形で防衛費、防衛関連費というものを増加させる大きな必要の根拠になっているのだろうというふうに感じております。
日本は現在、かつてないほど厳しい安全保障環境の中にございます。日本は、世界の中でも最も不安定で、最も軍事衝突が発生しやすいと考える地域に位置してございます。このことは既に多くの方々が、こちらでも御指摘されていらっしゃる方もいます。そのような中で、日本は防衛力の強化を通じて、侵略や軍事攻撃を未然に防いで平和を維持するための抑止を強化して、さらには安全保障上の同盟国やパートナー諸国との安全保障協力を強化することが喫緊の課題になっているのだろうと思います。
既に多くの方が御存じかと存じますけれども、今から二年前の三月十日には、アメリカのインド太平洋軍のフィリップ・デービッドソン司令官が、アメリカの上院軍事委員会の公聴会で、今後六年以内に中国が台湾を侵攻する可能性があると証言しました、これは二〇二七年ということになりますが。これについては多くの議論がございます、賛否多くの議論がございますが、今年の一月に日本に来て発言した際に、この退官されたフィリップ・デービッドソン氏は、今年の一月の自民党本部での講演では、この自らの認識に変わりはないということを発言してございます。
さらには、昨年の秋でございますけれども、アメリカ海軍のマイケル・ギルディ作戦部長が、中国による作戦、中国による台湾侵攻が二〇二三年までに起きる可能性は排除できないという見方を示しました。多くの専門家は、必ずしもそこまで中国の軍事侵攻というものを喫緊の問題とは捉えてございませんが、しかしながら、この地域の安全保障環境が悪化しているということは恐らく疑いがないのではないかと思います。
さらには、トランプ政権での対中政策を担当したマット・ポッティンジャー氏が日経新聞の取材に対して、日本の戦略が決定的な抑止力になるという発言をしております。つまり、日本の抑止力というものによって中国の軍事行動に大きな影響を与えられるということが発言の趣旨だろうと思います。
そして次に、三ページに移りまして、今日、本日お話ししたい二点目でございます。
そのような安全保障環境の悪化というものを背景としまして、世界全体で防衛力強化が急速に進んでございます。これはもちろん望ましくないことでございますけれども、それを前提に日本の防衛政策というものも考えなければならない。このような安全保障環境の悪化ということを受けて、世界の主要国は過去二十年ほどの間に防衛費を増大させて、そして防衛力を強化してきました。
例えば、資料の九ページの表の四を御覧いただきますと、アメリカと中国がこの過去二十年間にいかに軍事費を広げてきたかと、この二つの国が今や世界を動かす大きな原動力となっているということでございます。そして、それ以外の国々、特にNATO諸国も、GDP比で二%の防衛費支出というものを数値目標として、それぞれが防衛費を増額しているのが現状でございます。
ドイツ、イギリス、フランスのような主要な民主主義国は、当然ながら国内では大きな問題がございます。コロナ禍での財政支出も増え、そして今はインフレ、そしてエネルギー価格の高騰と、まさに国民はバターを求めて大きな声を上げているわけでございますけれども、そのようなドイツ、イギリス、フランスでも今後急激に防衛費を増やす必要というものが指摘されて、ドイツでも、日本同様に国内のGDP比で二%超へと国防費を増やすということが国内で議論され、政府から提案がされました。
続いて、今度は四ページ目の三番目、最後に私が申し上げたい点ございますけれども、このような世界の大きな潮流の中で、やはり国際社会で日本は責任ある主要国としての義務があるんだろうと思います。
これは、日本が今年、G7サミットの議長国として広島サミットで大きな役割担った、その中で、首脳コミュニケの中で、我々は、より安全で豊かな未来を築くため、中核となる外交政策及び安全保障上の課題に対して結束する。また、我々は、差し迫ったグローバルな課題に対処し、国際システムがこれらの課題に効果的に対応できることを確保するために、幅広いパートナーと共に取り組むという決意を再確認する。言わば日本は、フリーライダーとなって国際社会において十分な責務を果たさないような国家ではなく、やはりその主要国として、責任ある大国として国際社会の平和と安全のために十分な役割を担うべきだろうというふうに考えております。
昨年の二月のロシアによるウクライナ侵攻以来、先ほど申し上げたとおり、日本を取り巻く安全保障環境はより一層悪化し、さらにはAIや無人機、ミサイル技術などの開発が加速してございます。そのような現状を踏まえますと、旧来型の装備や技術というものが日本の防衛力を考える上では日本の弱さになってしまうと、技術開発というものを著しく向上させなければ、このような安全保障環境の中で日本が取り残されて、旧来型の装備というものが日本の安全を守る上では十分でなくなってしまうということが言えるのだろうと思います。
当然ながら、日本にとっては、このような侵略、軍事攻撃が発生しないように、同盟国との信頼関係、協力関係、さらには政府が繰り返し述べているような法の支配に基づいた国際秩序を強化することによって軍事力を使わなくてよいような国際環境をつくることがまず最初に必要でございますが、同時に、そのような秩序が大きく崩れ、今回のウクライナがロシアに侵略されたように、全く想定外の形での軍事衝突が発生したときに、やはり日本政府が、日本国民の安全を守り、日本を防衛をする十分な力を持ち、また、それが発生しないような十分な抑止力を持つということも必要になっているというふうに考え、今回の法案を私は支持いたします。
私からは以上でございます。
酒
半
半田滋#4
○参考人(半田滋君) 本日は、このような機会を設けていただきまして、ありがとうございました。
今、細谷先生の方から、大砲とバターの例え話をなさいました。バランスの取れた国家をつくることの必要性というのは、これは私も全く同感であります。
今日は、その大砲とバターのうち、大砲の中身について詳しくお話をしていこうと思います。
まず、お手元の資料の一ページ目をお開きください。
これは、アメリカ政府から我が国がFMS、対外有償軍事援助という仕組みで輸入をしているアメリカ製兵器の契約額の推移を棒グラフにまとめたものです。ここでお分かりのように、二〇一二年、第二次安倍政権になって以降、急激にこの契約額が増えていることがお分かりいただけると思います。二〇一五年には四千億円を超え、そして二〇一九年には七千億を超えました。
この大幅に増え始めた二〇一五年には、これは防衛費の不足というものが見込まれてきたわけです。これほど、アメリカとの契約額が増えるほど防衛費は比例して増えていきませんでしたので、その分どこにしわ寄せが行ったかというと、国内の防衛産業に行ったということであります。
その結果として、二〇一五年の四月に、防衛省は、最長五年だった国内企業への分割払を最長十年に延長する支出年限特別措置法を成立をさせました。つまり、企業にとってみれば、支払ってもらえると思っていた五年先が実は十年先に延びてしまうことになったと。そうすると、これは当然のことながら、企業としての見込みというのが立ちにくくなるわけでありますから、企業が取引を見切っていくというのは当然であると。したがって、近年、およそ百社ほどの国内の防衛産業が防衛部門から手を引いた、その結果として今回、この国会に防衛産業強化法案が出ているという、そういった巡り合わせになっているんだということだと思います。
次に、もう一ページお開きください。
先ほどのFMSの契約額を更に二〇二三年度まで延ばしたものがこの棒グラフであります。二〇二三年度のFMSによる契約額というのは一兆四千七百六十八億円、第二次安倍政権の二〇一九年の七千億円の実に二倍の契約をアメリカと結ぶことになっているということです。主なアメリカ製兵器としましては、二千百十三億円を投入して四百発購入することにしたトマホーク、そしてまた、下にあるように、これは護衛艦「いずも」、「かが」に載せる予定の垂直離着陸ができるF35B戦闘機、また右上にあるのはイージス・アショアを船に載せたイージスシステム搭載艦、こういったものを建造するということになって過去二倍ということになっているわけ、過去最高額の二倍を記録したということであります。
もう一ページお開きください。
このFMSで購入している兵器が我が国の安全に役に立つということであればこれは全く異存のないところなんですが、例えばここに出てきますグローバルホークの場合、これは実は、陸海空自衛隊が要求したものではなく、防衛省の背広組である内局が要求したいわゆる政治案件というふうに言われています。
日本が購入するのは、これはブロック30という一つ古いタイプのものでありまして、これ三機で五百十億円で契約を結びましたが、後に、これFMSという特殊な仕組みですから、アメリカ側から六百二十九億円と、百十九億円も突然値上げをされたわけです。これは、防衛省の規則で二五%値上げされた場合にはキャンセルできるとなっていますが、この値上げ率は二三%と寸止めをされたのでキャンセルできなかったということです。
今度導入するブロック30については、アメリカ軍が、これは旧式の機体なので中国の脅威に対抗できないということで、保有する二十機を全て廃棄することを決めたということです。まだ我が国にはあと一機入ってきていませんが、あと一機もこれはブロック30というアメリカが使えないと見限ったものがやってくると。
昨年の十二月に青森県の三沢基地にこの運用するための航空隊が発足をしましたけれども、このアメリカが使えないと言ったものを使うための航空隊ができるというのはどういうことなのかと、これは無駄遣いにならないかということであります。毎年の維持管理費百二十億円のうち、そのうち三十億円が三沢にやってくるアメリカ人技術者四十名の生活費に充てられると。一人頭七千五百万円ということですから、これは三沢の物価が高いということではなくて、巨額の費用を渡し過ぎではないかということだと思います。
もう一ページお開きください。
イージス・アショアです。これは、もう既に、二〇二〇年の六月に河野防衛大臣が第一弾ロケットのブースターを安全に落とせないということからこれは中止を言い出して、安全保障会議で中止が決まりました。しかし、この中止を決めたときにはもう既にアメリカ政府に百九十六億円を払っていたと。さらに、ここで全部キャンセルをすると巨額の違約金を支払う必要が出てくるということから、これは本来陸上に置くつもりで大きく造ったレーダーをそのまま船に載せるイージスシステム搭載艦にするということが決まったわけです。実際のところ、アメリカ政府側からは、これは何度も、これは地上版のイージス・アショアですよというふうに言われましたけれども、防衛省は、いや、いいんだということで船に載せることを決めたと。
もう一ページお開きください。
これが本年度の予算書に出てくるイージスシステム搭載艦です。一隻当たり二千二百八億円、地上イージスと比べると一千億円以上高額になっています。これを二隻建造しますので、予定よりも二千億円以上お金を出すことになったということです。
また、このイージス・アショア自体が、イージスシステム搭載艦自体が、大型のレーダーを載せる必要性から幅が四十メートルと。自衛隊の艦艇でイージス護衛艦というのは幅二十一メートルですから、倍の太さになったと。非常に鈍重な船になることが決まったということなんですね。
また、もう一ページお開きください。
これがスタンドオフミサイル、本年度予算に出ているものです。一番上、一二式地対艦誘導弾能力向上型、これを本年度から量産するということです。また、その下にあります島嶼防衛用高速滑空弾、これも本年度から量産をするということです。また、一番下にトマホークというのがあります。これは今年から導入をすると。
これらが入ってくるのは全部二〇二七年度なんですね。三種類の長射程のミサイルが同時に自衛隊に入ってくると。そんなに必要なのかということが当然疑問に出るわけですが、防衛省の説明では、国産のミサイルについては開発の遅れがあるかもしれないと、さらに、量産化に追い付かないかもしれないということからトマホークを補完的に買うというようなことも言われております。
しかしながら、この三文書の閣議決定は昨年の十二月十六日ですから、半年もたたないうちにもはや配備が遅れるというのは見通しが悪過ぎないかということが言えるだろうというふうに思います。
もう一ページお開きください。
これは、昨年の十二月に朝日新聞のインタビューに答えた、海上自衛隊の現場トップだった香田洋二自衛艦隊司令官のインタビューです。今回のGDP比の二%、そして五年間で四十三兆円という、過去の五年間と比べたら十七兆円も増える防衛予算について、このように述べています。
太い字のところを御覧ください。身の丈を超えていると思えてなりません。子供の思い付きかと疑うほどあれもこれもとなっています。また、下の太い字に移ります。陸上から海上へ、大型艦を小型化へと二転三転するイージスシステムは、まさに政治的な迷走の象徴です。今回二%の掛け声が先行し、政治からもあれもこれもやるべきだという声も強かったのではないでしょうか。それに悪乗りしている防衛省・自衛隊の姿が見えるのです。
まあ、傾聴に値する言葉かなというふうに思います。
最後、検証すべき事項。
イージスシステム搭載艦は、全長二百十メートル、全幅四十メートルと報道された。鈍重な艦艇となることから小型化が再検討されている。陸上に置くべきイージス・アショアを艦艇に載せる計画自体が非現実的ではないのか。価格も高騰する。税金の無駄遣いのシンボルにならないか。一二式地対艦誘導弾能力向上型、島嶼防衛用高速滑空弾、極超音速誘導弾という三種類の国産兵器の開発は実現するのか。多額の防衛費を投入して失敗という事態にならないか。
時間がないので詳細は省きますが、実は一二式地対艦誘導弾の場合、八八式地対艦誘導弾という、短射程から短射程に改良する際に、これ開発に失敗をして、防衛省から開発企業が延滞、遅延損害金二億円を支払わされる、また契約停止処分を受けるということを受けていますので、そういった技術的な問題に不安がないかということであります。
まずは、今回見直すべきはこの防衛予算の中身であって、総枠を大ざっぱに二倍でいいんだということではないだろうというふうに考えるわけであります。
以上です。
この発言だけを見る →今、細谷先生の方から、大砲とバターの例え話をなさいました。バランスの取れた国家をつくることの必要性というのは、これは私も全く同感であります。
今日は、その大砲とバターのうち、大砲の中身について詳しくお話をしていこうと思います。
まず、お手元の資料の一ページ目をお開きください。
これは、アメリカ政府から我が国がFMS、対外有償軍事援助という仕組みで輸入をしているアメリカ製兵器の契約額の推移を棒グラフにまとめたものです。ここでお分かりのように、二〇一二年、第二次安倍政権になって以降、急激にこの契約額が増えていることがお分かりいただけると思います。二〇一五年には四千億円を超え、そして二〇一九年には七千億を超えました。
この大幅に増え始めた二〇一五年には、これは防衛費の不足というものが見込まれてきたわけです。これほど、アメリカとの契約額が増えるほど防衛費は比例して増えていきませんでしたので、その分どこにしわ寄せが行ったかというと、国内の防衛産業に行ったということであります。
その結果として、二〇一五年の四月に、防衛省は、最長五年だった国内企業への分割払を最長十年に延長する支出年限特別措置法を成立をさせました。つまり、企業にとってみれば、支払ってもらえると思っていた五年先が実は十年先に延びてしまうことになったと。そうすると、これは当然のことながら、企業としての見込みというのが立ちにくくなるわけでありますから、企業が取引を見切っていくというのは当然であると。したがって、近年、およそ百社ほどの国内の防衛産業が防衛部門から手を引いた、その結果として今回、この国会に防衛産業強化法案が出ているという、そういった巡り合わせになっているんだということだと思います。
次に、もう一ページお開きください。
先ほどのFMSの契約額を更に二〇二三年度まで延ばしたものがこの棒グラフであります。二〇二三年度のFMSによる契約額というのは一兆四千七百六十八億円、第二次安倍政権の二〇一九年の七千億円の実に二倍の契約をアメリカと結ぶことになっているということです。主なアメリカ製兵器としましては、二千百十三億円を投入して四百発購入することにしたトマホーク、そしてまた、下にあるように、これは護衛艦「いずも」、「かが」に載せる予定の垂直離着陸ができるF35B戦闘機、また右上にあるのはイージス・アショアを船に載せたイージスシステム搭載艦、こういったものを建造するということになって過去二倍ということになっているわけ、過去最高額の二倍を記録したということであります。
もう一ページお開きください。
このFMSで購入している兵器が我が国の安全に役に立つということであればこれは全く異存のないところなんですが、例えばここに出てきますグローバルホークの場合、これは実は、陸海空自衛隊が要求したものではなく、防衛省の背広組である内局が要求したいわゆる政治案件というふうに言われています。
日本が購入するのは、これはブロック30という一つ古いタイプのものでありまして、これ三機で五百十億円で契約を結びましたが、後に、これFMSという特殊な仕組みですから、アメリカ側から六百二十九億円と、百十九億円も突然値上げをされたわけです。これは、防衛省の規則で二五%値上げされた場合にはキャンセルできるとなっていますが、この値上げ率は二三%と寸止めをされたのでキャンセルできなかったということです。
今度導入するブロック30については、アメリカ軍が、これは旧式の機体なので中国の脅威に対抗できないということで、保有する二十機を全て廃棄することを決めたということです。まだ我が国にはあと一機入ってきていませんが、あと一機もこれはブロック30というアメリカが使えないと見限ったものがやってくると。
昨年の十二月に青森県の三沢基地にこの運用するための航空隊が発足をしましたけれども、このアメリカが使えないと言ったものを使うための航空隊ができるというのはどういうことなのかと、これは無駄遣いにならないかということであります。毎年の維持管理費百二十億円のうち、そのうち三十億円が三沢にやってくるアメリカ人技術者四十名の生活費に充てられると。一人頭七千五百万円ということですから、これは三沢の物価が高いということではなくて、巨額の費用を渡し過ぎではないかということだと思います。
もう一ページお開きください。
イージス・アショアです。これは、もう既に、二〇二〇年の六月に河野防衛大臣が第一弾ロケットのブースターを安全に落とせないということからこれは中止を言い出して、安全保障会議で中止が決まりました。しかし、この中止を決めたときにはもう既にアメリカ政府に百九十六億円を払っていたと。さらに、ここで全部キャンセルをすると巨額の違約金を支払う必要が出てくるということから、これは本来陸上に置くつもりで大きく造ったレーダーをそのまま船に載せるイージスシステム搭載艦にするということが決まったわけです。実際のところ、アメリカ政府側からは、これは何度も、これは地上版のイージス・アショアですよというふうに言われましたけれども、防衛省は、いや、いいんだということで船に載せることを決めたと。
もう一ページお開きください。
これが本年度の予算書に出てくるイージスシステム搭載艦です。一隻当たり二千二百八億円、地上イージスと比べると一千億円以上高額になっています。これを二隻建造しますので、予定よりも二千億円以上お金を出すことになったということです。
また、このイージス・アショア自体が、イージスシステム搭載艦自体が、大型のレーダーを載せる必要性から幅が四十メートルと。自衛隊の艦艇でイージス護衛艦というのは幅二十一メートルですから、倍の太さになったと。非常に鈍重な船になることが決まったということなんですね。
また、もう一ページお開きください。
これがスタンドオフミサイル、本年度予算に出ているものです。一番上、一二式地対艦誘導弾能力向上型、これを本年度から量産するということです。また、その下にあります島嶼防衛用高速滑空弾、これも本年度から量産をするということです。また、一番下にトマホークというのがあります。これは今年から導入をすると。
これらが入ってくるのは全部二〇二七年度なんですね。三種類の長射程のミサイルが同時に自衛隊に入ってくると。そんなに必要なのかということが当然疑問に出るわけですが、防衛省の説明では、国産のミサイルについては開発の遅れがあるかもしれないと、さらに、量産化に追い付かないかもしれないということからトマホークを補完的に買うというようなことも言われております。
しかしながら、この三文書の閣議決定は昨年の十二月十六日ですから、半年もたたないうちにもはや配備が遅れるというのは見通しが悪過ぎないかということが言えるだろうというふうに思います。
もう一ページお開きください。
これは、昨年の十二月に朝日新聞のインタビューに答えた、海上自衛隊の現場トップだった香田洋二自衛艦隊司令官のインタビューです。今回のGDP比の二%、そして五年間で四十三兆円という、過去の五年間と比べたら十七兆円も増える防衛予算について、このように述べています。
太い字のところを御覧ください。身の丈を超えていると思えてなりません。子供の思い付きかと疑うほどあれもこれもとなっています。また、下の太い字に移ります。陸上から海上へ、大型艦を小型化へと二転三転するイージスシステムは、まさに政治的な迷走の象徴です。今回二%の掛け声が先行し、政治からもあれもこれもやるべきだという声も強かったのではないでしょうか。それに悪乗りしている防衛省・自衛隊の姿が見えるのです。
まあ、傾聴に値する言葉かなというふうに思います。
最後、検証すべき事項。
イージスシステム搭載艦は、全長二百十メートル、全幅四十メートルと報道された。鈍重な艦艇となることから小型化が再検討されている。陸上に置くべきイージス・アショアを艦艇に載せる計画自体が非現実的ではないのか。価格も高騰する。税金の無駄遣いのシンボルにならないか。一二式地対艦誘導弾能力向上型、島嶼防衛用高速滑空弾、極超音速誘導弾という三種類の国産兵器の開発は実現するのか。多額の防衛費を投入して失敗という事態にならないか。
時間がないので詳細は省きますが、実は一二式地対艦誘導弾の場合、八八式地対艦誘導弾という、短射程から短射程に改良する際に、これ開発に失敗をして、防衛省から開発企業が延滞、遅延損害金二億円を支払わされる、また契約停止処分を受けるということを受けていますので、そういった技術的な問題に不安がないかということであります。
まずは、今回見直すべきはこの防衛予算の中身であって、総枠を大ざっぱに二倍でいいんだということではないだろうというふうに考えるわけであります。
以上です。
酒
酒井庸行#5
○委員長(酒井庸行君) ありがとうございました。
以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
質疑のある方は順次御発言を願います。
この発言だけを見る →以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
質疑のある方は順次御発言を願います。
堀
堀井巌#6
○堀井巌君 自由民主党の堀井巌でございます。
本日は、細谷参考人、半田参考人、大変貴重なお話を誠にありがとうございました。
それでは、まず細谷参考人にお伺いいたしたいと存じます。
先ほど御説明ありましたように、戦後最も厳しい安全保障環境に置かれている中で、我が国がどのようにこの平和をしっかり守り抜くかという観点から、今のこのヨーロッパで起こっていること、このウクライナを少し教訓に物事を考えてみたいと思っております。細谷参考人の資料の中でも、四ページにありますように、国際社会がロシアのウクライナ侵攻をなかなか防ぎ切れなかったというふうな趣旨の記述がございます。
細谷参考人にお伺いしたいのは、ソ連崩壊以来、核放棄や二〇一四年のクリミア併合等々、いろいろ歴史がございましたが、今回、なぜ国際社会はロシアのウクライナ侵略を防ぎ切れなかったのか、原因はどこにあるのか、お考えをお聞かせいただきたいと存じます。
この発言だけを見る →本日は、細谷参考人、半田参考人、大変貴重なお話を誠にありがとうございました。
それでは、まず細谷参考人にお伺いいたしたいと存じます。
先ほど御説明ありましたように、戦後最も厳しい安全保障環境に置かれている中で、我が国がどのようにこの平和をしっかり守り抜くかという観点から、今のこのヨーロッパで起こっていること、このウクライナを少し教訓に物事を考えてみたいと思っております。細谷参考人の資料の中でも、四ページにありますように、国際社会がロシアのウクライナ侵攻をなかなか防ぎ切れなかったというふうな趣旨の記述がございます。
細谷参考人にお伺いしたいのは、ソ連崩壊以来、核放棄や二〇一四年のクリミア併合等々、いろいろ歴史がございましたが、今回、なぜ国際社会はロシアのウクライナ侵略を防ぎ切れなかったのか、原因はどこにあるのか、お考えをお聞かせいただきたいと存じます。
細
細谷雄一#7
○参考人(細谷雄一君) 堀井先生から大変貴重な御質問をいただきました。ありがとうございます。
なぜ国際社会はウクライナに対するロシアの侵略を防ぐことができなかったかということは、我々日本の将来の防衛を考える上でも極めて重要な御指摘だと思っております。
基本的には、国際社会の中で安全を確保するための手段は、私は三つあると思っております。一つが国連による集団安全保障システム、二つ目が同盟国との関係に基づいた集団的自衛権、そして三つ目が個別的自衛権に基づく自主防衛ということになるわけでございますが、元々日本国憲法は、国際社会の正義、信頼、公正や信頼に基づくと、こういう国際社会に対する信頼というものを日本の安全の基礎に置いているわけですが、国連の集団安全保障システムが機能するためには国連安保理の五大国の一致がなければ動きません。これは言い換えると、今の米中対立、あるいはアメリカとロシアとの対立というものがかつてないほど国連というものを機能させなくしてしまっている。
これ、大変嘆かわしいことでございますけれども、その結果として、日本もウクライナも、あるいはその他の諸国も同様でございますけれども、自国の安全を守るためには個別的自衛権に基づく自主防衛、自主、自分たちで自分たちの国を守るということ、そしてもう一つは同盟国との関係、この二つしかないわけでございます。日本が中国という日本の五倍近い防衛費を持った、軍事費を持った国に対して防衛をするということになりますと、これは単純に考えても膨大な軍拡というものが必要になるわけでございますから、私は、アメリカとの同盟関係というものに基づいて日本の安全を守るということは適切な施策だと思っております。
一方で、ウクライナは、一九九四年、ブダペスト覚書、これは今のOSCEのブダペストでの首脳会議で開かれたものですが、このブダペスト覚書で、自国に配備されている旧ソ連時代の核兵器を廃棄することに抵抗しておりました。自分たちの国家安全保障が確保されなければ核兵器は手放したくないんだと。それに対して、当時の細川政権、実は細川総理は電話でウクライナの大統領に非核化のために核兵器を放棄してほしいというふうにお願いをしているんですね。そのため、日本は核兵器廃棄のための技術支援や経済支援を行っております。そして、そのために、十二月にブダペスト覚書でアメリカとイギリスとロシアがウクライナの国家主権と領土というものを守ることを約束しているんですね。ウクライナは核兵器を放棄するときに、あくまでもこのイギリス、アメリカ、そしてロシアによって国境線が守れる。
当時、ウクライナが最も懸念していたのはクリミア半島です。当時、ロシアの中で右派民族主義は評価されておりまして、クリミア半島を奪還せよという声が出ておりました。したがって、そのクリミア半島が将来ロシアに軍事攻撃を受けて失うということを恐れて、それに対する保障を求めました。それがブダペスト覚書です。
したがって、二〇一四年のロシアによる一方的なクリミア半島の併合と、そして昨年二月以来のロシアによる侵攻は、このブダペスト覚書を違反し、それだけではなくて、国連憲章、さらには国連憲章の二条四項、さらには一九七五年のヘルシンキ最終議定書、全て違反するものでございます。
つまり、ウクライナは、国際社会に信頼し核兵器を手放し、そして自分たちの領土を守るという決意をしたわけでございます。しかしながら、二〇一四年にロシアの侵略によってそれが裏切られてからは、急速に八年間防衛費を増強しました。当然ながら、日本よりもはるかに経済的な脆弱なウクライナで防衛費を増強するということは大変なことでございますけども、その八年間にもしもウクライナが防衛費を増強していなければ、間違いなく今回は一週間もたずにロシアに占領されて、今やかいらい国家になっていたかもしれません。
つまり、ウクライナの主権と国家の独立が保たれたのは、二〇一四年以降、ウクライナが国家の防衛のために防衛費を増額したということが今のウクライナという国家の存続につながっているということを考えますと、もちろん大砲とバターということで、国民がより多くのお金をバターに求めるのは当然でございます。しかしながら、国家存続のために今の厳しい安全保障環境の中でやむを得ず大砲のためにより多くの国の財政を支出しなければならないというのが、これウクライナのみならずヨーロッパの多くの国々の現在の大きな潮流だろうというふうに思っております。
この発言だけを見る →なぜ国際社会はウクライナに対するロシアの侵略を防ぐことができなかったかということは、我々日本の将来の防衛を考える上でも極めて重要な御指摘だと思っております。
基本的には、国際社会の中で安全を確保するための手段は、私は三つあると思っております。一つが国連による集団安全保障システム、二つ目が同盟国との関係に基づいた集団的自衛権、そして三つ目が個別的自衛権に基づく自主防衛ということになるわけでございますが、元々日本国憲法は、国際社会の正義、信頼、公正や信頼に基づくと、こういう国際社会に対する信頼というものを日本の安全の基礎に置いているわけですが、国連の集団安全保障システムが機能するためには国連安保理の五大国の一致がなければ動きません。これは言い換えると、今の米中対立、あるいはアメリカとロシアとの対立というものがかつてないほど国連というものを機能させなくしてしまっている。
これ、大変嘆かわしいことでございますけれども、その結果として、日本もウクライナも、あるいはその他の諸国も同様でございますけれども、自国の安全を守るためには個別的自衛権に基づく自主防衛、自主、自分たちで自分たちの国を守るということ、そしてもう一つは同盟国との関係、この二つしかないわけでございます。日本が中国という日本の五倍近い防衛費を持った、軍事費を持った国に対して防衛をするということになりますと、これは単純に考えても膨大な軍拡というものが必要になるわけでございますから、私は、アメリカとの同盟関係というものに基づいて日本の安全を守るということは適切な施策だと思っております。
一方で、ウクライナは、一九九四年、ブダペスト覚書、これは今のOSCEのブダペストでの首脳会議で開かれたものですが、このブダペスト覚書で、自国に配備されている旧ソ連時代の核兵器を廃棄することに抵抗しておりました。自分たちの国家安全保障が確保されなければ核兵器は手放したくないんだと。それに対して、当時の細川政権、実は細川総理は電話でウクライナの大統領に非核化のために核兵器を放棄してほしいというふうにお願いをしているんですね。そのため、日本は核兵器廃棄のための技術支援や経済支援を行っております。そして、そのために、十二月にブダペスト覚書でアメリカとイギリスとロシアがウクライナの国家主権と領土というものを守ることを約束しているんですね。ウクライナは核兵器を放棄するときに、あくまでもこのイギリス、アメリカ、そしてロシアによって国境線が守れる。
当時、ウクライナが最も懸念していたのはクリミア半島です。当時、ロシアの中で右派民族主義は評価されておりまして、クリミア半島を奪還せよという声が出ておりました。したがって、そのクリミア半島が将来ロシアに軍事攻撃を受けて失うということを恐れて、それに対する保障を求めました。それがブダペスト覚書です。
したがって、二〇一四年のロシアによる一方的なクリミア半島の併合と、そして昨年二月以来のロシアによる侵攻は、このブダペスト覚書を違反し、それだけではなくて、国連憲章、さらには国連憲章の二条四項、さらには一九七五年のヘルシンキ最終議定書、全て違反するものでございます。
つまり、ウクライナは、国際社会に信頼し核兵器を手放し、そして自分たちの領土を守るという決意をしたわけでございます。しかしながら、二〇一四年にロシアの侵略によってそれが裏切られてからは、急速に八年間防衛費を増強しました。当然ながら、日本よりもはるかに経済的な脆弱なウクライナで防衛費を増強するということは大変なことでございますけども、その八年間にもしもウクライナが防衛費を増強していなければ、間違いなく今回は一週間もたずにロシアに占領されて、今やかいらい国家になっていたかもしれません。
つまり、ウクライナの主権と国家の独立が保たれたのは、二〇一四年以降、ウクライナが国家の防衛のために防衛費を増額したということが今のウクライナという国家の存続につながっているということを考えますと、もちろん大砲とバターということで、国民がより多くのお金をバターに求めるのは当然でございます。しかしながら、国家存続のために今の厳しい安全保障環境の中でやむを得ず大砲のためにより多くの国の財政を支出しなければならないというのが、これウクライナのみならずヨーロッパの多くの国々の現在の大きな潮流だろうというふうに思っております。
堀
堀井巌#8
○堀井巌君 ありがとうございました。
次に、半田参考人にお伺いしたいと存じます。
今御説明いただきましたように、このFMSによる防衛装備の調達というのが日本は増えていますけれども、私、この国内の防衛産業が非常に今厳しい状況に置かれていることを大変危惧いたしております。他方で、なかなか、自衛隊だけが需要であれば、国内の防衛産業もずっと事業を継続することは困難であるというのも現状だろうというふうに思います。
今後、防衛力の整備ということを考えたときに、私はこの国内の防衛産業、御指摘のようにしっかりと育てていくことが重要だと思いますけれども、どのようにしていけばいいのかというのを是非教えていただきたいと思います。
あわせて、そのためには、同志国が日本の防衛的な装備というものについて非常に関心を示していると、そういったところへの移転についても考慮をしていくべきではないかという議論もございますけれども、そういった防衛装備移転についてもどのように考えておられるか、お聞かせいただきたいと存じます。
この発言だけを見る →次に、半田参考人にお伺いしたいと存じます。
今御説明いただきましたように、このFMSによる防衛装備の調達というのが日本は増えていますけれども、私、この国内の防衛産業が非常に今厳しい状況に置かれていることを大変危惧いたしております。他方で、なかなか、自衛隊だけが需要であれば、国内の防衛産業もずっと事業を継続することは困難であるというのも現状だろうというふうに思います。
今後、防衛力の整備ということを考えたときに、私はこの国内の防衛産業、御指摘のようにしっかりと育てていくことが重要だと思いますけれども、どのようにしていけばいいのかというのを是非教えていただきたいと思います。
あわせて、そのためには、同志国が日本の防衛的な装備というものについて非常に関心を示していると、そういったところへの移転についても考慮をしていくべきではないかという議論もございますけれども、そういった防衛装備移転についてもどのように考えておられるか、お聞かせいただきたいと存じます。
半
半田滋#9
○参考人(半田滋君) どうも御質問ありがとうございます。
おっしゃるように、国内の防衛産業というのは、ほとんどの場合、市場が自衛隊だけに限られていますから、その分母が小さいことによって苦しいということは、これはそのとおりだというふうに思います。
他方、もう既に我が国は防衛装備移転三原則になっておりまして、輸送とか救難といった五つの条件の下では武器を海外に売ることが可能になっています。ただし、実際に戦争したことのない日本の武器が売れるかという、それは現実的な問題としてあります。
実際に、オーストラリアが「そうりゅう」型の潜水艦が欲しいというときに、日本は手を挙げました。そして、オールジャパンでオーストラリア政府に対して売り込みを図りましたが、結局、オーストラリア政府が望んでいるような通常動力型の潜水艦で、性能、大きさ、全て合致しているにもかかわらず、一度も通常動力型潜水艦を造ったことのないフランスの企業に負けてしまったということなんですね。
それは、すなわち海外に武器を売るということは、一つは、申し上げたとおり、これまで、じゃ、自衛隊は海外で戦争したのかと。今持っている武器というのは戦場で有効なのかということが証明し切れていないということ。もう一つは、やはり外国と商売をする場合には、これは企業に任せるだけでなく、やはり政府が主導してリーダーシップを取っていかなければうまくいかないと。
フランスの場合、ある意味、詐欺的な商法とも言われました。最終的には、このフランスの潜水艦については、アメリカ政府が技術を提供するという原子力潜水艦に取って代わられるわけですよね。これはある意味、その武器の商売というのは大変奇々怪々なところがあると。そこに日本政府が応援をして、日本の企業の後押しをしていくことの難しさというのはまずあるんだということだと思います。
この度、ロシアの、ゼレンスキー大統領がG7に招かれ、あっ、招かれていないのかな、やってこられて、そして今回、自衛隊の持っている車両百台を提供することになりました。これは、日本の車両というのは世界的にも能力が高いということで売れる商品なわけですね。ただ、今まで通常に売っている車両とどこが違うかというと、銃架、銃を置く台が付いているんですね。これによって武器というふうにされて、今まではこれ売るのが困難だったんです。でも、これは実際には銃を付けて売っているわけではないので、銃立てがあるだけで武器、これはちょっと行き過ぎだと思いますね。だとすると、もっと売れるような材料というのは日本中にたくさんあるんじゃないかと。
今回、OSAですね、ODAに加えてOSAが議論されていますけれども、いきなり殺傷力のある兵器ということよりは、もっと足下を見ていけば幾らでも売れるものがあるんではないか。それらを、いわゆるOSAの枠組みをもし活用するならば上手に活用して、それをまず無償で提供するような形で、それをPR材料に使うようなことをして、日本製というものがいいものだと。それは、何も殺傷兵器でなくても、つまり日本という国の信頼度がひょっとして低いかもしれないけど、戦場で使ったことがないという意味で、そういうものじゃないものを選んでいっても十分、日本の防衛産業あるいは日本全体の企業としての海外への発展の可能性というのはあると思います。
この発言だけを見る →おっしゃるように、国内の防衛産業というのは、ほとんどの場合、市場が自衛隊だけに限られていますから、その分母が小さいことによって苦しいということは、これはそのとおりだというふうに思います。
他方、もう既に我が国は防衛装備移転三原則になっておりまして、輸送とか救難といった五つの条件の下では武器を海外に売ることが可能になっています。ただし、実際に戦争したことのない日本の武器が売れるかという、それは現実的な問題としてあります。
実際に、オーストラリアが「そうりゅう」型の潜水艦が欲しいというときに、日本は手を挙げました。そして、オールジャパンでオーストラリア政府に対して売り込みを図りましたが、結局、オーストラリア政府が望んでいるような通常動力型の潜水艦で、性能、大きさ、全て合致しているにもかかわらず、一度も通常動力型潜水艦を造ったことのないフランスの企業に負けてしまったということなんですね。
それは、すなわち海外に武器を売るということは、一つは、申し上げたとおり、これまで、じゃ、自衛隊は海外で戦争したのかと。今持っている武器というのは戦場で有効なのかということが証明し切れていないということ。もう一つは、やはり外国と商売をする場合には、これは企業に任せるだけでなく、やはり政府が主導してリーダーシップを取っていかなければうまくいかないと。
フランスの場合、ある意味、詐欺的な商法とも言われました。最終的には、このフランスの潜水艦については、アメリカ政府が技術を提供するという原子力潜水艦に取って代わられるわけですよね。これはある意味、その武器の商売というのは大変奇々怪々なところがあると。そこに日本政府が応援をして、日本の企業の後押しをしていくことの難しさというのはまずあるんだということだと思います。
この度、ロシアの、ゼレンスキー大統領がG7に招かれ、あっ、招かれていないのかな、やってこられて、そして今回、自衛隊の持っている車両百台を提供することになりました。これは、日本の車両というのは世界的にも能力が高いということで売れる商品なわけですね。ただ、今まで通常に売っている車両とどこが違うかというと、銃架、銃を置く台が付いているんですね。これによって武器というふうにされて、今まではこれ売るのが困難だったんです。でも、これは実際には銃を付けて売っているわけではないので、銃立てがあるだけで武器、これはちょっと行き過ぎだと思いますね。だとすると、もっと売れるような材料というのは日本中にたくさんあるんじゃないかと。
今回、OSAですね、ODAに加えてOSAが議論されていますけれども、いきなり殺傷力のある兵器ということよりは、もっと足下を見ていけば幾らでも売れるものがあるんではないか。それらを、いわゆるOSAの枠組みをもし活用するならば上手に活用して、それをまず無償で提供するような形で、それをPR材料に使うようなことをして、日本製というものがいいものだと。それは、何も殺傷兵器でなくても、つまり日本という国の信頼度がひょっとして低いかもしれないけど、戦場で使ったことがないという意味で、そういうものじゃないものを選んでいっても十分、日本の防衛産業あるいは日本全体の企業としての海外への発展の可能性というのはあると思います。
堀
堀井巌#10
○堀井巌君 大変ありがとうございました。
今の質問に関連しまして、細谷参考人にお伺いいたします。
先ほどの御説明の中で、新たな防衛装備についてのお話がございました。時間も、ちょっと済みません、なくなってきてしまったんですが、日本が今後整備すべき分野としてどのような分野なり新たな技術に基づく防衛装備が必要と考えておられるか、お伺いしたいと存じます。
この発言だけを見る →今の質問に関連しまして、細谷参考人にお伺いいたします。
先ほどの御説明の中で、新たな防衛装備についてのお話がございました。時間も、ちょっと済みません、なくなってきてしまったんですが、日本が今後整備すべき分野としてどのような分野なり新たな技術に基づく防衛装備が必要と考えておられるか、お伺いしたいと存じます。
細
細谷雄一#11
○参考人(細谷雄一君) 今いただきました御質問、大変重要な点かと存じます。
日本の今までの装備は、先ほどの半田先生のお話にもございましたが、やはりなかなか費用が掛かるものが非常に多かったんだろうと思います。一方で、私はこれは平和主義と民主主義のコストだと思っておりまして、例えば一九五〇年代にアメリカ・アイゼンハワー政権が、予算を制約するために、均衡財政のために、核兵器を中心としたニュールックポリシーというものに転換しました。同じようなことを日本ができるかといったら、できません。つまり、平和主義や民主主義というものを前提に専守防衛に特化することによって、非常に日本はコストが高い実は装備になっているんだろうと思います。
そういった意味では、今回、長射程のスタンドオフミサイルを導入するというのは、従来のミサイル防衛だけでは十分に日本が対応し切れないということ、言ってみれば、火事が起きてから火を消すのではなくて、火が付きそうなときにその火を消すというのが私は長射程のスタンドオフミサイルの重要な目的だと思っておりますので、先ほど申し上げたような大砲とバターの均衡点を求めてコストを下げるということと、これから従来の平和主義や民主主義という理念をいかに守っていくかということ、この二つのより難しい均衡というものをこれから求める、そういった装備が必要になっていくんだろうと思います。
この発言だけを見る →日本の今までの装備は、先ほどの半田先生のお話にもございましたが、やはりなかなか費用が掛かるものが非常に多かったんだろうと思います。一方で、私はこれは平和主義と民主主義のコストだと思っておりまして、例えば一九五〇年代にアメリカ・アイゼンハワー政権が、予算を制約するために、均衡財政のために、核兵器を中心としたニュールックポリシーというものに転換しました。同じようなことを日本ができるかといったら、できません。つまり、平和主義や民主主義というものを前提に専守防衛に特化することによって、非常に日本はコストが高い実は装備になっているんだろうと思います。
そういった意味では、今回、長射程のスタンドオフミサイルを導入するというのは、従来のミサイル防衛だけでは十分に日本が対応し切れないということ、言ってみれば、火事が起きてから火を消すのではなくて、火が付きそうなときにその火を消すというのが私は長射程のスタンドオフミサイルの重要な目的だと思っておりますので、先ほど申し上げたような大砲とバターの均衡点を求めてコストを下げるということと、これから従来の平和主義や民主主義という理念をいかに守っていくかということ、この二つのより難しい均衡というものをこれから求める、そういった装備が必要になっていくんだろうと思います。
堀
堀井巌#12
○堀井巌君 ありがとうございます。
今、私も与党の防衛装備、防衛三文書に関するワーキングチームの末席に座らせていただいて、今議論を続けているところでございます。特に今、防衛装備移転三原則についていろいろと議論を行っておりますけれども、今日、今、細谷参考人、また半田参考人から具体的に御示唆をいただいたこと、大変示唆に富むものであるというふうに存じております。本当に今日は貴重なお話をありがとうございました。
時間が参りましたので、これで終わらせていただきます。
この発言だけを見る →今、私も与党の防衛装備、防衛三文書に関するワーキングチームの末席に座らせていただいて、今議論を続けているところでございます。特に今、防衛装備移転三原則についていろいろと議論を行っておりますけれども、今日、今、細谷参考人、また半田参考人から具体的に御示唆をいただいたこと、大変示唆に富むものであるというふうに存じております。本当に今日は貴重なお話をありがとうございました。
時間が参りましたので、これで終わらせていただきます。
福
福山哲郎#13
○福山哲郎君 おはようございます。立憲民主党の福山哲郎でございます。
今日は、細谷参考人、半田参考人におかれましては、貴重な時間をいただいて、また本当にいいお話を伺えて大変有り難く思っております。細谷先生におかれましては、本当に歴史家の視点で日頃から本当にすばらしい論考をたくさん発表されておられまして、私も日頃参考にさせていただいておりますし、半田参考人におかれましては、もう現場の声を、防衛省・自衛隊、さらには地域の声をしっかりと取材をして歩かれておられることに心から敬意を表したいと思います。今日もいいお話を伺いました。
まず、細谷参考人にお伺いをしたいと思います。
細谷先生の論考によると、今回のウクライナへのロシアの侵攻は米英の多少ひ弱さが原因だったと、二〇一四年のクリミア侵攻に対してやはり弱腰だったことが今回につながっているという論考を作られています。まさに私はそのとおりだと思いますが、一方であの時期は、やっぱりアメリカは、アフガン撤退、イラク戦争の疲れ、もう本当にオバマ大統領がアメリカの戦争疲れの中でクリミアまで正直申し上げて出ていく力が、そこまでアメリカがなくなっていた証拠だというふうに思っていて、じゃ、その後出てきたトランプ大統領がアメリカ第一主義を言って国際社会のリベラル的な枠組みを本当に粉々にしたと。
これ、どちらもなかなか、アメリカの限界を感じる状況だったのが二〇一四年だったのではないかと思いますが、これ、今も状況は変わっていないと思いますが、この中で安全保障なり国際社会の枠組みをどのように次、見定めていくのかということについて、細谷参考人はどのようにお考えなのか。一時期の中国に対する楽観論がEUにあったのはもう消え去ったので、私はそれはそれでよかったと思っていますけれども、こういう、日本においての安全保障環境が不安定だ、一番危機だというのも僕は理解していますが、国際レジーム自身が壊れかけているということについて細谷先生はどのようにお考えなのかと。
それから、もう一点だけ。
先ほどまさに言われたパックス・ブリタニカの時代に十分な軍事力と健全な財政がある種の平和をもたらすという状況は、日本に当てはめて言うと、健全な財政とはことごとく違っていて、増税か歳出削減か国債発行でしか財源は出てこないわけですけれども、今回のこの法案における四十三兆円の財源は、二年目以降から甚だ不透明なわけです。つまり、バターも物価高も含めて不透明、そして実は大砲も財源が不透明という状況の中で、今回のこの法案、非常に中長期的に不透明な中での大砲を確保するということがどういった悪影響を及ぼすのか、若しくはどのような課題なのか、細谷参考人にお伺いしたいと思います。
もう一遍に言ってしまいます、先生方にゆっくりしゃべっていただきたいので。
半田参考人におかれましては、まさに具体的なお話をいただいて有り難かったんですが、イージスシステム搭載艦というのは非常に新しいチャレンジといえばチャレンジなので、チャレンジとしては意味があるのかもしれませんが、それに関しては余りにもコストとそして技術開発も含めて不透明感が漂っていて、これが逆に防衛省のお荷物になるのではないかという危機も、まあ懸念もあると思います。そして、これも五年後の配備が予定されていますが、スタンドオフミサイルも三種類まだ開発段階です。五年後と言われています。これ、これだけのものを並行して走らせることの能力が防衛省に本当に今あるのかないのかというよりかは、そんな負担を防衛省に掛けることでかえって他の装備に対するケアとか人の訓練とかも含めて、そこに副作用的なマイナスが起こらないかどうかについて非常に懸念をしています。
このことについて、今、半田さんがどのようにお考えになっているのかについてお伺いしたいのと、財源については先ほど細谷参考人にお伺いしたことと同様でして、この財源確保法は、財源確保といいながら、二年目以降は非常に財源が確保できないことを証明している私は法律だというふうに思っていて、このことについては細谷参考人と同様に、同じように質問したいと思いますので、半田参考人の問題意識をお聞かせいただければと思います。
まずは以上です。
この発言だけを見る →今日は、細谷参考人、半田参考人におかれましては、貴重な時間をいただいて、また本当にいいお話を伺えて大変有り難く思っております。細谷先生におかれましては、本当に歴史家の視点で日頃から本当にすばらしい論考をたくさん発表されておられまして、私も日頃参考にさせていただいておりますし、半田参考人におかれましては、もう現場の声を、防衛省・自衛隊、さらには地域の声をしっかりと取材をして歩かれておられることに心から敬意を表したいと思います。今日もいいお話を伺いました。
まず、細谷参考人にお伺いをしたいと思います。
細谷先生の論考によると、今回のウクライナへのロシアの侵攻は米英の多少ひ弱さが原因だったと、二〇一四年のクリミア侵攻に対してやはり弱腰だったことが今回につながっているという論考を作られています。まさに私はそのとおりだと思いますが、一方であの時期は、やっぱりアメリカは、アフガン撤退、イラク戦争の疲れ、もう本当にオバマ大統領がアメリカの戦争疲れの中でクリミアまで正直申し上げて出ていく力が、そこまでアメリカがなくなっていた証拠だというふうに思っていて、じゃ、その後出てきたトランプ大統領がアメリカ第一主義を言って国際社会のリベラル的な枠組みを本当に粉々にしたと。
これ、どちらもなかなか、アメリカの限界を感じる状況だったのが二〇一四年だったのではないかと思いますが、これ、今も状況は変わっていないと思いますが、この中で安全保障なり国際社会の枠組みをどのように次、見定めていくのかということについて、細谷参考人はどのようにお考えなのか。一時期の中国に対する楽観論がEUにあったのはもう消え去ったので、私はそれはそれでよかったと思っていますけれども、こういう、日本においての安全保障環境が不安定だ、一番危機だというのも僕は理解していますが、国際レジーム自身が壊れかけているということについて細谷先生はどのようにお考えなのかと。
それから、もう一点だけ。
先ほどまさに言われたパックス・ブリタニカの時代に十分な軍事力と健全な財政がある種の平和をもたらすという状況は、日本に当てはめて言うと、健全な財政とはことごとく違っていて、増税か歳出削減か国債発行でしか財源は出てこないわけですけれども、今回のこの法案における四十三兆円の財源は、二年目以降から甚だ不透明なわけです。つまり、バターも物価高も含めて不透明、そして実は大砲も財源が不透明という状況の中で、今回のこの法案、非常に中長期的に不透明な中での大砲を確保するということがどういった悪影響を及ぼすのか、若しくはどのような課題なのか、細谷参考人にお伺いしたいと思います。
もう一遍に言ってしまいます、先生方にゆっくりしゃべっていただきたいので。
半田参考人におかれましては、まさに具体的なお話をいただいて有り難かったんですが、イージスシステム搭載艦というのは非常に新しいチャレンジといえばチャレンジなので、チャレンジとしては意味があるのかもしれませんが、それに関しては余りにもコストとそして技術開発も含めて不透明感が漂っていて、これが逆に防衛省のお荷物になるのではないかという危機も、まあ懸念もあると思います。そして、これも五年後の配備が予定されていますが、スタンドオフミサイルも三種類まだ開発段階です。五年後と言われています。これ、これだけのものを並行して走らせることの能力が防衛省に本当に今あるのかないのかというよりかは、そんな負担を防衛省に掛けることでかえって他の装備に対するケアとか人の訓練とかも含めて、そこに副作用的なマイナスが起こらないかどうかについて非常に懸念をしています。
このことについて、今、半田さんがどのようにお考えになっているのかについてお伺いしたいのと、財源については先ほど細谷参考人にお伺いしたことと同様でして、この財源確保法は、財源確保といいながら、二年目以降は非常に財源が確保できないことを証明している私は法律だというふうに思っていて、このことについては細谷参考人と同様に、同じように質問したいと思いますので、半田参考人の問題意識をお聞かせいただければと思います。
まずは以上です。
酒
細
細谷雄一#15
○参考人(細谷雄一君) 福山先生、大変鋭い御指摘、御質問いただきまして、誠にありがとうございます。二点いただきました貴重な御質問に対してお答えをさせていただきます。
一点目でございますけれども、今後このウクライナでの経験を経てどのような方向で日本が防衛を考えていくべきかというような趣旨かと存じますけれども、私は、やはりこの日本が対外的に間違ったシグナルを送らないということが過去二十年の経験から学べることではないか。
これは、アメリカについて申し上げれば、アメリカはコソボ戦争やイラク戦争で、言ってみれば過剰な介入主義によって、ロシアに対してあたかもロシアの周辺国に対するレジームチェンジを起こすような、そういったような警戒感を与え、カラー革命が行われたとき、二〇〇四年のウクライナでのオレンジ革命のときに、ロシアのプーチン大統領は恐らくそれがアメリカの陰謀によってレジームチェンジをしたというふうに認識したんだろうと言われております。一方で、トランプ大統領の米国第一主義あるいはバイデン大統領のカブールからの撤退の決断というものが、今度は逆に過剰なアメリカの内向きな、リーダーシップの欠如というものの印象を与えてしまった。
つまり、過去二十年間、アメリカがロシアに対して、あるいは国際社会に対して過剰な介入主義と過剰なリーダーシップの放棄というような私は誤ったシグナルを与えてしまった。これは、アメリカの政策そのものを批判するというよりは、アメリカの意図というものがどのように伝わるかというストラテジックコミュニケーション、戦略的コミュニケーションの問題だと思っています。
その誤解というものを、間違っても今のアメリカ政府は今後中国、台湾に与えてはいけない、私はこれ、中国、台湾両方に対して誤ったシグナルを与えてはいけないということだろうと思います。もしもそうだとすれば、私はここでの日本の役割というのはより大きいのだろうと思います。G7において、外交を通じて日本が国際社会にどういったメッセージを送るか、より包摂的な、法の支配に基づいた外交を重視した包摂的な国際秩序を模索するというメッセージ、私は適切なメッセージだと思っております。
そして、二点目でございますけれども、簡潔に申し上げますと、私はこれからの日本の防衛力、つまりは、福山先生がおっしゃるとおりの、日本の他国に比べて非常に大きな財政赤字という中でどのように防衛力を強化するのか。そのときに、私は鍵となるのは技術革新だと思っています。
世界で多くの場合、例えば先ほど一九五〇年代のアメリカのアイゼンハワー政権のニュールック政策について申し上げました。そして、イギリスが二十世紀初頭にドレッドノート型の戦艦を造るときも、多くの場合が財政的な困難が技術革新を生み出した。私はこれが日本にはまだ足りないんだろうと思っています。
つまりは、財政支出を拡大するだけではなくて、財政支出を抑えながら防衛力を強化するための、内側からいかにして日本の技術革新を生み出すか。これは、AIであるとかドローンであるとか、ウクライナが今回の戦争で大量の自国製のドローンを使って防衛をしているわけですから、そういった意味では、日本も新しい戦場、新しい攻撃、これはサイバー攻撃も含まれますけれども、こういったものに対する技術革新とAIを用いたより高度な研究、技術開発に基づいた防衛力というもの、より少ないコストでより効果的な防衛力を充実させることが今後の課題になるだろうと思っています。
この発言だけを見る →一点目でございますけれども、今後このウクライナでの経験を経てどのような方向で日本が防衛を考えていくべきかというような趣旨かと存じますけれども、私は、やはりこの日本が対外的に間違ったシグナルを送らないということが過去二十年の経験から学べることではないか。
これは、アメリカについて申し上げれば、アメリカはコソボ戦争やイラク戦争で、言ってみれば過剰な介入主義によって、ロシアに対してあたかもロシアの周辺国に対するレジームチェンジを起こすような、そういったような警戒感を与え、カラー革命が行われたとき、二〇〇四年のウクライナでのオレンジ革命のときに、ロシアのプーチン大統領は恐らくそれがアメリカの陰謀によってレジームチェンジをしたというふうに認識したんだろうと言われております。一方で、トランプ大統領の米国第一主義あるいはバイデン大統領のカブールからの撤退の決断というものが、今度は逆に過剰なアメリカの内向きな、リーダーシップの欠如というものの印象を与えてしまった。
つまり、過去二十年間、アメリカがロシアに対して、あるいは国際社会に対して過剰な介入主義と過剰なリーダーシップの放棄というような私は誤ったシグナルを与えてしまった。これは、アメリカの政策そのものを批判するというよりは、アメリカの意図というものがどのように伝わるかというストラテジックコミュニケーション、戦略的コミュニケーションの問題だと思っています。
その誤解というものを、間違っても今のアメリカ政府は今後中国、台湾に与えてはいけない、私はこれ、中国、台湾両方に対して誤ったシグナルを与えてはいけないということだろうと思います。もしもそうだとすれば、私はここでの日本の役割というのはより大きいのだろうと思います。G7において、外交を通じて日本が国際社会にどういったメッセージを送るか、より包摂的な、法の支配に基づいた外交を重視した包摂的な国際秩序を模索するというメッセージ、私は適切なメッセージだと思っております。
そして、二点目でございますけれども、簡潔に申し上げますと、私はこれからの日本の防衛力、つまりは、福山先生がおっしゃるとおりの、日本の他国に比べて非常に大きな財政赤字という中でどのように防衛力を強化するのか。そのときに、私は鍵となるのは技術革新だと思っています。
世界で多くの場合、例えば先ほど一九五〇年代のアメリカのアイゼンハワー政権のニュールック政策について申し上げました。そして、イギリスが二十世紀初頭にドレッドノート型の戦艦を造るときも、多くの場合が財政的な困難が技術革新を生み出した。私はこれが日本にはまだ足りないんだろうと思っています。
つまりは、財政支出を拡大するだけではなくて、財政支出を抑えながら防衛力を強化するための、内側からいかにして日本の技術革新を生み出すか。これは、AIであるとかドローンであるとか、ウクライナが今回の戦争で大量の自国製のドローンを使って防衛をしているわけですから、そういった意味では、日本も新しい戦場、新しい攻撃、これはサイバー攻撃も含まれますけれども、こういったものに対する技術革新とAIを用いたより高度な研究、技術開発に基づいた防衛力というもの、より少ないコストでより効果的な防衛力を充実させることが今後の課題になるだろうと思っています。
半
半田滋#16
○参考人(半田滋君) イージスシステム搭載艦のことについてお話をします。
まず、最初、地上に置く、秋田市と山口県萩市に置く予定だったイージス・アショア、この導入の経過を振り返ってみますと、二〇一七年の一月にトランプ政権が誕生して、二月にワシントンで日米首脳会談が行われて、そこでトランプ大統領から安倍首相にバイ・アメリカンと、アメリカ製品を買ってほしいというような要望が出されて、その結果、防衛省で検討した結果、イージス・アショアを買おうということになっていったということだと思います。
このイージス・アショアのこの決定自体が、そもそも我が国が導入しているミサイル防衛システムは、もう既にイージス護衛艦を四隻から八隻に増やすということが決まっていましたし、また、地上配備型の地対空迎撃システムのPAC3も、今三十四基ほどありますが、この能力を向上させると。つまり、既存のイージス艦を増やす、また既存のPAC3の能力を向上させるということで、必ずしも必要だった装備品というふうには考えられないというふうに私は思っています。
また、ここでボタンの掛け違えがあったのは、今までと異なってアメリカ軍と違うレーダーを選んでしまったということだと思います。イージス艦のレーダーというのは、SPY1レーダーといって、日本もアメリカも同じレーダーを使っているのでスケールメリットがあるわけですね。更に言えば、開発費の割り掛け、そして改良費の割り掛けもできるから安くなると。ところが、イージス・アショアの場合には、これロッキード・マーチン社の新しいSPY6レーダーというのを日本が独自に導入をしてしまう。ヤジあっ、SPY7、失礼、SPY7レーダーを導入したと。一方、アメリカは最新型のイージス駆逐艦にはSPY6というレイセオン社のものを造っていると。
今度、SPY7レーダーというのは二台しか造らないわけですから、まず、コスト面として高くなるのは当然なわけですね。これはアメリカ製と、同じのにすれば割り掛けができたはず。そうすると、導入にお金が掛かるだけでなくて、廃棄まで恐らく二十五年から三十年使うわけですが、そのランニングコストも非常に高額になっていくんだと。これは、本来であればSPY6レーダーの方に切り替えて、そしてまた、船に載せるというようなことをやめるということが必要だと思います。SPY7とSPY6でいうと、レーダーの一辺が一メートルほど大きさが違うものですから、非常にそのレーダー自体が大きくなって、その結果、イージスシステム搭載艦が四十メートルという非常に太った船になっちゃうと。
この際、本来、どうしてもイージス・アショアを置くのであれば、その第一弾ロケットのブースターが落ちても安全な離島などに配備をするということ、船に載せるというむちゃなことをやめるということを一度原点に戻って考え直す必要があるんではないかなというふうに思っています。
もう一つ、あと財源のお話ですが、防衛力強化資金というのは、特別会計から持ってくる、あるいは国有地の売却益を充てる、あるいは借料をここに、防衛費に回す、いろんな、あちこちからかき集めて防衛費に回すものの一つですよね。
そのほかに、決算剰余金の活用とか、あるいは歳出改革とかいろいろありますけれども、いずれにしても非常に不安定な財源であり、今回の防衛力強化資金についても、例えば国有地の売却で財務省の資料を見ると、これで今、我が国が売ることのできる国有地というのはおよそ四千億円程度しかないんですね。到底、その二〇二七年度に不足すると言われている四兆円のうち税制措置で充てるという一兆円以外の三兆円、全然足りないということが言える。また、土地や建物の借料も年間大体四十億円ぐらいしかないんですね。これでは全く安定財源でもないし、足りないと。
そう考えていくと、特に決算剰余金なんかを見てみますと、これは、半分はこれ国債の利払いに充てるし、半分は補正予算の原資に充てているわけですよね。それを全部防衛予算に回すとすれば、これは国債を発行すると。結局、回り回って、防衛費を国債で充てることはしないと言った一九六六年の当時の大蔵大臣の答弁に違反するような形にならざるを得ないと。
要は、この財源が何もはっきりしていないのに、去年、岸田首相はたしか内容、予算、財源を一体で検討するとおっしゃったんだけれども、結局、決まったのは内容と予算だけで、財源を決めないままにこれ決めてしまったと、そこが今回大きな問題として残るのかなと。
今回の法案がこれ仮に通ったとしても、必ずしも安定した財源が永劫続くとは限らないんではないか、そんなふうに私は考えています。
この発言だけを見る →まず、最初、地上に置く、秋田市と山口県萩市に置く予定だったイージス・アショア、この導入の経過を振り返ってみますと、二〇一七年の一月にトランプ政権が誕生して、二月にワシントンで日米首脳会談が行われて、そこでトランプ大統領から安倍首相にバイ・アメリカンと、アメリカ製品を買ってほしいというような要望が出されて、その結果、防衛省で検討した結果、イージス・アショアを買おうということになっていったということだと思います。
このイージス・アショアのこの決定自体が、そもそも我が国が導入しているミサイル防衛システムは、もう既にイージス護衛艦を四隻から八隻に増やすということが決まっていましたし、また、地上配備型の地対空迎撃システムのPAC3も、今三十四基ほどありますが、この能力を向上させると。つまり、既存のイージス艦を増やす、また既存のPAC3の能力を向上させるということで、必ずしも必要だった装備品というふうには考えられないというふうに私は思っています。
また、ここでボタンの掛け違えがあったのは、今までと異なってアメリカ軍と違うレーダーを選んでしまったということだと思います。イージス艦のレーダーというのは、SPY1レーダーといって、日本もアメリカも同じレーダーを使っているのでスケールメリットがあるわけですね。更に言えば、開発費の割り掛け、そして改良費の割り掛けもできるから安くなると。ところが、イージス・アショアの場合には、これロッキード・マーチン社の新しいSPY6レーダーというのを日本が独自に導入をしてしまう。ヤジあっ、SPY7、失礼、SPY7レーダーを導入したと。一方、アメリカは最新型のイージス駆逐艦にはSPY6というレイセオン社のものを造っていると。
今度、SPY7レーダーというのは二台しか造らないわけですから、まず、コスト面として高くなるのは当然なわけですね。これはアメリカ製と、同じのにすれば割り掛けができたはず。そうすると、導入にお金が掛かるだけでなくて、廃棄まで恐らく二十五年から三十年使うわけですが、そのランニングコストも非常に高額になっていくんだと。これは、本来であればSPY6レーダーの方に切り替えて、そしてまた、船に載せるというようなことをやめるということが必要だと思います。SPY7とSPY6でいうと、レーダーの一辺が一メートルほど大きさが違うものですから、非常にそのレーダー自体が大きくなって、その結果、イージスシステム搭載艦が四十メートルという非常に太った船になっちゃうと。
この際、本来、どうしてもイージス・アショアを置くのであれば、その第一弾ロケットのブースターが落ちても安全な離島などに配備をするということ、船に載せるというむちゃなことをやめるということを一度原点に戻って考え直す必要があるんではないかなというふうに思っています。
もう一つ、あと財源のお話ですが、防衛力強化資金というのは、特別会計から持ってくる、あるいは国有地の売却益を充てる、あるいは借料をここに、防衛費に回す、いろんな、あちこちからかき集めて防衛費に回すものの一つですよね。
そのほかに、決算剰余金の活用とか、あるいは歳出改革とかいろいろありますけれども、いずれにしても非常に不安定な財源であり、今回の防衛力強化資金についても、例えば国有地の売却で財務省の資料を見ると、これで今、我が国が売ることのできる国有地というのはおよそ四千億円程度しかないんですね。到底、その二〇二七年度に不足すると言われている四兆円のうち税制措置で充てるという一兆円以外の三兆円、全然足りないということが言える。また、土地や建物の借料も年間大体四十億円ぐらいしかないんですね。これでは全く安定財源でもないし、足りないと。
そう考えていくと、特に決算剰余金なんかを見てみますと、これは、半分はこれ国債の利払いに充てるし、半分は補正予算の原資に充てているわけですよね。それを全部防衛予算に回すとすれば、これは国債を発行すると。結局、回り回って、防衛費を国債で充てることはしないと言った一九六六年の当時の大蔵大臣の答弁に違反するような形にならざるを得ないと。
要は、この財源が何もはっきりしていないのに、去年、岸田首相はたしか内容、予算、財源を一体で検討するとおっしゃったんだけれども、結局、決まったのは内容と予算だけで、財源を決めないままにこれ決めてしまったと、そこが今回大きな問題として残るのかなと。
今回の法案がこれ仮に通ったとしても、必ずしも安定した財源が永劫続くとは限らないんではないか、そんなふうに私は考えています。
福
福山哲郎#17
○福山哲郎君 ありがとうございます。お二人の先生方においては、大変いいお話をいただきました。
先ほどのFMSの金額がどんどん大きくなることも含めて、そして五年後までに一定の、スタンドオフミサイルや今のイージス・アショアの話も含めて、実は硬直化した防衛予算の使われ方をすることによって、細谷先生の技術革新とか新しい時代に応じたAIとかというものが逆に遅れるリスクはないかということを私も懸念をしているので、その懸念を表明して、私の質疑を終わりたいと思います。
本当にありがとうございました。
この発言だけを見る →先ほどのFMSの金額がどんどん大きくなることも含めて、そして五年後までに一定の、スタンドオフミサイルや今のイージス・アショアの話も含めて、実は硬直化した防衛予算の使われ方をすることによって、細谷先生の技術革新とか新しい時代に応じたAIとかというものが逆に遅れるリスクはないかということを私も懸念をしているので、その懸念を表明して、私の質疑を終わりたいと思います。
本当にありがとうございました。
横
横山信一#18
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。
今日は、細谷先生、半田先生には大変貴重なお話を伺いまして、大変にありがとうございます。
まず初めに、細谷先生に伺いたいと思いますが、先ほどの質問の中にも対話による危機回避というのが通用しなかったというお話があって、それは国連の集団安全保障が機能しなくなっているんだというお話もありましたけれども、先生の事前にいただいた資料の産経新聞の「世界を解く」という中に、米欧がロシアの侵略が始まる前に対話による危機回避を目指したが通用しなかったということが書かれてあるんですけれども、この米欧が何をしようとしてそれがまた通用しなかったのかということ、まず少しお話をいただければと思います。
この発言だけを見る →今日は、細谷先生、半田先生には大変貴重なお話を伺いまして、大変にありがとうございます。
まず初めに、細谷先生に伺いたいと思いますが、先ほどの質問の中にも対話による危機回避というのが通用しなかったというお話があって、それは国連の集団安全保障が機能しなくなっているんだというお話もありましたけれども、先生の事前にいただいた資料の産経新聞の「世界を解く」という中に、米欧がロシアの侵略が始まる前に対話による危機回避を目指したが通用しなかったということが書かれてあるんですけれども、この米欧が何をしようとしてそれがまた通用しなかったのかということ、まず少しお話をいただければと思います。
細
細谷雄一#19
○参考人(細谷雄一君) しばしば今報道でも指摘されているのが、あるいは専門家が指摘しておられるのが、プーチン大統領はもう二〇二一年の夏の時点で侵略の計画を立てていたと。これは第二次世界大戦のヒトラーもそうですけれども、戦争をする側は動員を掛けますから、そういった意味ではいろんな準備が必要になってくるわけですね、あくまでもロシアは特別軍事作戦という言葉を用いていますけれども。したがって、それだけ準備をしていくと、その準備、計画というものを途中で修正するというものが非常に難しくなるわけですね。ですから、ロシアは、私は最初から対話をする意思がなかったんだろうと思います。むしろ、対話をするような姿勢を時に見せながら、軍事侵攻の責任が欧米にある、NATOにあるというロジックをつくることによって自分たちの侵攻を正当化しようとしたんだろうと思います。
重要なのは、相手の意思というものを見抜くということは、決して容易なことでも、場合によっては可能なことでもないと思いますけれども、相手が軍事力行使をどこまで決意しているのか、あるいは相手もまた軍事力行使というものを控えて平和というものを望んでいるのか。第二次世界大戦のときには、ヒトラーの意図というものを間違えていたわけですね。
これは、一九三六年に本格的にドイツがヨーロッパでの戦争計画を進めたときに、あるイギリスの内閣の閣僚はこういうふうに述べているんですね。我々の政策は、依然として、国際協力によって世界の軍備の制限と削減を追求するものである、それは国際連盟規約の下での我々の義務であり、また軍備競争を防ぐ唯一の手段である。
このちょうどほぼ同時期にナチスはもう戦争計画を立てて、もう時間を決めてもう戦争するつもり、そして、後には、この自分の意向が完全に欺く、相手を欺いたことをゲッベルスはある意味では侮蔑して論じているわけですね。我々は戦争計画を立てているのに、イギリスは全くそれを見抜けていなかったということを侮蔑しているわけです。
ですから、我々は、そういった平和の可能性がどこまであるのかということを最後まで諦めてはならないんですが、対話と抑止というもの、そして防衛というものをいかにして組み合わせるか。私は、その意味では、今の東アジアにおいては戦争というものは既定路線だと思っておりません。まだまだ対話というものによって、台湾の問題もそうですけれども、危機は回避できると思っています。
ですので、このウクライナの問題、つまりはプーチン大統領が恐らく前年の夏頃から軍事侵攻を計画していただろうという事情とこの今の東アジアの情勢は私は同様だとは必ずしも思っておりませんので、そういった意味では、この対話と抑止というものの組合せによって未然に私は危機を防ぐということが可能であるからこそ、逆に日本にとっては防衛費というものを増強する、防衛力を増強することが必要になっていると考えております。
この発言だけを見る →重要なのは、相手の意思というものを見抜くということは、決して容易なことでも、場合によっては可能なことでもないと思いますけれども、相手が軍事力行使をどこまで決意しているのか、あるいは相手もまた軍事力行使というものを控えて平和というものを望んでいるのか。第二次世界大戦のときには、ヒトラーの意図というものを間違えていたわけですね。
これは、一九三六年に本格的にドイツがヨーロッパでの戦争計画を進めたときに、あるイギリスの内閣の閣僚はこういうふうに述べているんですね。我々の政策は、依然として、国際協力によって世界の軍備の制限と削減を追求するものである、それは国際連盟規約の下での我々の義務であり、また軍備競争を防ぐ唯一の手段である。
このちょうどほぼ同時期にナチスはもう戦争計画を立てて、もう時間を決めてもう戦争するつもり、そして、後には、この自分の意向が完全に欺く、相手を欺いたことをゲッベルスはある意味では侮蔑して論じているわけですね。我々は戦争計画を立てているのに、イギリスは全くそれを見抜けていなかったということを侮蔑しているわけです。
ですから、我々は、そういった平和の可能性がどこまであるのかということを最後まで諦めてはならないんですが、対話と抑止というもの、そして防衛というものをいかにして組み合わせるか。私は、その意味では、今の東アジアにおいては戦争というものは既定路線だと思っておりません。まだまだ対話というものによって、台湾の問題もそうですけれども、危機は回避できると思っています。
ですので、このウクライナの問題、つまりはプーチン大統領が恐らく前年の夏頃から軍事侵攻を計画していただろうという事情とこの今の東アジアの情勢は私は同様だとは必ずしも思っておりませんので、そういった意味では、この対話と抑止というものの組合せによって未然に私は危機を防ぐということが可能であるからこそ、逆に日本にとっては防衛費というものを増強する、防衛力を増強することが必要になっていると考えております。
横
横山信一#20
○横山信一君 ありがとうございます。
もう一点、細谷先生にお伺いしたいんですけれども、今、中国の話も出てまいりましたが、先生の論考の中で、国内、力の真空という言葉を使われているんですけれども、この力の真空という、そういう場面が出てきたときには、そこに軍事侵攻を含めて力による支配が入ってくるという、それを解決するには法の支配による信頼性を回復することが大事なんだというお話をされていて、一方で、先ほどのお話の中で、今もウクライナの話が出ましたが、ウクライナの国民が学んだことは、国際組織も国際法も、それまでのロシアとの交流も国際世論も、自国に対する軍事攻撃を阻止するためには無力だったというお話があって、その法の支配による信頼性を回復して、また、その価値観を共有する国々と連携を強化することがこういう国際的な侵略を防ぐということになっていくんだと。
そういう意味では、日本外交というのは、今の中国というのを見たときに、僕は非常に、この中国の尖閣に対しての行動も、日本は何ら刺激するようなこともしていないのに一方的にどんどん押し寄せてくるみたいな状況を見ていると、非常に威圧感というか、危機感を感じてしまうわけですけれども、こういう現状を踏まえて、先生のおっしゃる法の支配による信頼性の価値観を共有する国々、こういう日本外交というのはどうあるべきなのか、教えていただきたいと思います。
この発言だけを見る →もう一点、細谷先生にお伺いしたいんですけれども、今、中国の話も出てまいりましたが、先生の論考の中で、国内、力の真空という言葉を使われているんですけれども、この力の真空という、そういう場面が出てきたときには、そこに軍事侵攻を含めて力による支配が入ってくるという、それを解決するには法の支配による信頼性を回復することが大事なんだというお話をされていて、一方で、先ほどのお話の中で、今もウクライナの話が出ましたが、ウクライナの国民が学んだことは、国際組織も国際法も、それまでのロシアとの交流も国際世論も、自国に対する軍事攻撃を阻止するためには無力だったというお話があって、その法の支配による信頼性を回復して、また、その価値観を共有する国々と連携を強化することがこういう国際的な侵略を防ぐということになっていくんだと。
そういう意味では、日本外交というのは、今の中国というのを見たときに、僕は非常に、この中国の尖閣に対しての行動も、日本は何ら刺激するようなこともしていないのに一方的にどんどん押し寄せてくるみたいな状況を見ていると、非常に威圧感というか、危機感を感じてしまうわけですけれども、こういう現状を踏まえて、先生のおっしゃる法の支配による信頼性の価値観を共有する国々、こういう日本外交というのはどうあるべきなのか、教えていただきたいと思います。
細
細谷雄一#21
○参考人(細谷雄一君) ありがとうございます。
簡潔にお答えさせていただきますが、私は、外交と防衛というものをいかに組み合わせるかということが鍵になると思っております。往々にして、この外交と防衛というものは二者背反であるように論じられることがあるわけですけれども、私は一貫して、この二つをいかに組み合わせることが重要だということを考えてございます。
例えば、今回の国家安全保障戦略、日本の防衛力強化というものが柱となっておりますけれども、一方では、五つのそのための手段として、外交が軍事力、防衛よりも先に来ているんですね。最初に来て、私、これ適切な考え方だと思います。
つまりは、外交というものを優先した上で、その上で同時に十分な防衛、抑止力を備えるという考え方、さらには、総合的な防衛体制という形で、単純に軍事力、装備に依拠するだけではなくて、より幅広く日本の国力を用いて防衛力を強化する。例えば技術力というものもその防衛力の根底に含まれると思っています。
そういったもの、より幅広い裾野で日本が総合的な防衛体制を備え、さらには外交というものを日本の安全を実現するためのまず第一の手段と考える。そういった意味では、私は現行の新しい国家安保戦略の示している方向性というものは適切なものだと考えております。
この発言だけを見る →簡潔にお答えさせていただきますが、私は、外交と防衛というものをいかに組み合わせるかということが鍵になると思っております。往々にして、この外交と防衛というものは二者背反であるように論じられることがあるわけですけれども、私は一貫して、この二つをいかに組み合わせることが重要だということを考えてございます。
例えば、今回の国家安全保障戦略、日本の防衛力強化というものが柱となっておりますけれども、一方では、五つのそのための手段として、外交が軍事力、防衛よりも先に来ているんですね。最初に来て、私、これ適切な考え方だと思います。
つまりは、外交というものを優先した上で、その上で同時に十分な防衛、抑止力を備えるという考え方、さらには、総合的な防衛体制という形で、単純に軍事力、装備に依拠するだけではなくて、より幅広く日本の国力を用いて防衛力を強化する。例えば技術力というものもその防衛力の根底に含まれると思っています。
そういったもの、より幅広い裾野で日本が総合的な防衛体制を備え、さらには外交というものを日本の安全を実現するためのまず第一の手段と考える。そういった意味では、私は現行の新しい国家安保戦略の示している方向性というものは適切なものだと考えております。
横
横山信一#22
○横山信一君 半田先生にお伺いしたいと思いますけれども、先生が共著で書かれた政策提言の「戦争を回避せよ」というのを読ませていただいたんですが、その中に非常に興味深い部分があって、それは、侵略側の心理が分析されているんですけれども、こちらの意思を軽視するかもしれない、あるいは損害を過小に見積もるかもしれない。さらに、いかなる反撃を受けても断じて譲歩できないと考えるかもしれない、これらはロシアがウクライナ侵攻で示した侵略する側の心理であるというふうに書かれてあって、このウクライナ戦争がどういう形で終結するか分かりませんけれども、それが少なからず今のロシアに対して黙認を続けている中国に対して、その影響というか、結果が影響していくんだというふうにも思うわけですけれども。中国の心理は分かりませんが、少なくとも、中国側からすると、中国を囲むようにフィリピン、台湾、日本があって、海を閉ざされているみたいに見えるかもしれませんが、我々は決してそんなことは考えていないわけで、そういう意味では中国は過剰に反応しているようには見えてしまうわけですけれども。
こうした、ウクライナ戦争が今後どうなるか分かりませんが、少なからずそれが中国に影響を与えていくということを踏まえて我が国はどのようにこの中国に対していくべきなのか、教えていただければと思います。
この発言だけを見る →こうした、ウクライナ戦争が今後どうなるか分かりませんが、少なからずそれが中国に影響を与えていくということを踏まえて我が国はどのようにこの中国に対していくべきなのか、教えていただければと思います。
半
半田滋#23
○参考人(半田滋君) ありがとうございます。
恐らく、習近平国家主席は、今回のウクライナ戦争の成り行きというのを息を殺して見詰めていると思いますね。戦争に突入したいきさつというのは様々語られていますが、しかしながら、一方的に武力で侵攻したということ自体、これは誰もが非難に値すると考えているところだと思います。プーチン大統領が一体いつ、この戦争を続けていていつまでこの最高権力者の座で居続けられるかということは自分にとっても非常に参考になることだというふうに見ているのだろうというふうに思っています。
去年の中国共産党大会で習近平国家主席が総書記を続投して、今年の三月の全人代では国家主席を三期目に入ったわけですよね。去年の共産党大会で習近平氏は、台湾の統一について、武力の放棄は約束をしないということを言いました。今回開かれたシャングリラ・ダイアログで中国の国防大臣が同じことを言っているわけですよね。つまり、中国にとってのレッドラインというのは台湾の独立なんだと。また一方で、中華人民共和国が一九四九年に建国されて以来、台湾というのは自国の内政問題であると、そして一つの中国だと、核心的利益なんだということを言い続けていて、将来の統一というものがこれは必ず果たさなければならない中国共産党の責務であるというふうに考えているわけですね。
今、恐らく中国が気にしているのはアメリカの動向だと思います。特に、バイデン大統領になってから、台湾を防衛するかという質問をされて、三回イエスというふうに答えているわけですね。一度などは、昨年の五月の日米首脳会談を日本で行った後、岸田首相と並んで行った記者会見の場で同じ質問を投げかけられて、イエスと言っていると。ということは、アメリカは直接、台湾との関係というのは、いわゆる貿易上の関係及び台湾関係法に基づく防御的兵器の売却というような、いわゆる商売上の関係、そういったものしかないはずなのに、なぜ台湾を防衛すると言っているんだと。そこが今、中国にとって大きな疑心暗鬼になっているということだと思うんですね。
また、アメリカの中では、残念なことに、共和党、そして民主党を超えて対中強硬策というものが支持をされやすい形になっていると。そうなっていくと、中国をますます刺激していくような流れになっていくだろうと思うんですね。
ここで、我が国が取るべき手段として、今、昨年の安全保障関連三文書によって敵基地攻撃能力の保有を決めました。同時に、南西シフトが具体的に強化されることが盛り込まれていて、第一五旅団、那覇市にある陸上自衛隊第一五旅団の師団化であったり、あるいは那覇病院の地下化であったり、そしてもう既に宮古、石垣、そして奄美大島に地対艦ミサイル、地対空ミサイルの部隊ができていて、我が国として、中国が南西諸島に侵攻しようとすると、その意思をくじくための能力は十分今身に付けたというふうに考えている。
しかしながら、今回の敵基地攻撃能力の保有によって、これらの離島に中国まで届く長射程のミサイルが配備されるということになっていけば、これは中国にとっても一段と身構える姿勢が強くなるということ。同時に、これは、台湾有事でアメリカが参戦するときに、アメリカ側に付いて中国と戦う意思を示しているんではないかというふうに誤解をされる可能性があるわけですね。これはそうじゃないですよと、我が国の、攻撃的兵器というふうにあなたたちが言っているものは防御的な兵器であって、これは決して中国を攻撃するものではありませんよということを言葉を尽くして説明をしなければいけないわけですね。
ですから、今回、敵基地攻撃能力の保有という言葉は三文書に書き込まれましたけれども、一体、じゃ、攻撃対象がその敵基地にとどまるのか、あるいは指揮統制機能まで実はやるつもりでいるのか、また、その攻撃の着手のタイミングというのは何なのかということを、これを外交を通じて明らかにして、日本の考えるレッドラインというのはこれなんですと。
したがって、我々は何一つ専守防衛の考えが変わっていませんよということを明確に説明する責任があると思います。そういった外交を展開していく必要がある。いま一つ説明が足りないというような印象を私は持っています。
この発言だけを見る →恐らく、習近平国家主席は、今回のウクライナ戦争の成り行きというのを息を殺して見詰めていると思いますね。戦争に突入したいきさつというのは様々語られていますが、しかしながら、一方的に武力で侵攻したということ自体、これは誰もが非難に値すると考えているところだと思います。プーチン大統領が一体いつ、この戦争を続けていていつまでこの最高権力者の座で居続けられるかということは自分にとっても非常に参考になることだというふうに見ているのだろうというふうに思っています。
去年の中国共産党大会で習近平国家主席が総書記を続投して、今年の三月の全人代では国家主席を三期目に入ったわけですよね。去年の共産党大会で習近平氏は、台湾の統一について、武力の放棄は約束をしないということを言いました。今回開かれたシャングリラ・ダイアログで中国の国防大臣が同じことを言っているわけですよね。つまり、中国にとってのレッドラインというのは台湾の独立なんだと。また一方で、中華人民共和国が一九四九年に建国されて以来、台湾というのは自国の内政問題であると、そして一つの中国だと、核心的利益なんだということを言い続けていて、将来の統一というものがこれは必ず果たさなければならない中国共産党の責務であるというふうに考えているわけですね。
今、恐らく中国が気にしているのはアメリカの動向だと思います。特に、バイデン大統領になってから、台湾を防衛するかという質問をされて、三回イエスというふうに答えているわけですね。一度などは、昨年の五月の日米首脳会談を日本で行った後、岸田首相と並んで行った記者会見の場で同じ質問を投げかけられて、イエスと言っていると。ということは、アメリカは直接、台湾との関係というのは、いわゆる貿易上の関係及び台湾関係法に基づく防御的兵器の売却というような、いわゆる商売上の関係、そういったものしかないはずなのに、なぜ台湾を防衛すると言っているんだと。そこが今、中国にとって大きな疑心暗鬼になっているということだと思うんですね。
また、アメリカの中では、残念なことに、共和党、そして民主党を超えて対中強硬策というものが支持をされやすい形になっていると。そうなっていくと、中国をますます刺激していくような流れになっていくだろうと思うんですね。
ここで、我が国が取るべき手段として、今、昨年の安全保障関連三文書によって敵基地攻撃能力の保有を決めました。同時に、南西シフトが具体的に強化されることが盛り込まれていて、第一五旅団、那覇市にある陸上自衛隊第一五旅団の師団化であったり、あるいは那覇病院の地下化であったり、そしてもう既に宮古、石垣、そして奄美大島に地対艦ミサイル、地対空ミサイルの部隊ができていて、我が国として、中国が南西諸島に侵攻しようとすると、その意思をくじくための能力は十分今身に付けたというふうに考えている。
しかしながら、今回の敵基地攻撃能力の保有によって、これらの離島に中国まで届く長射程のミサイルが配備されるということになっていけば、これは中国にとっても一段と身構える姿勢が強くなるということ。同時に、これは、台湾有事でアメリカが参戦するときに、アメリカ側に付いて中国と戦う意思を示しているんではないかというふうに誤解をされる可能性があるわけですね。これはそうじゃないですよと、我が国の、攻撃的兵器というふうにあなたたちが言っているものは防御的な兵器であって、これは決して中国を攻撃するものではありませんよということを言葉を尽くして説明をしなければいけないわけですね。
ですから、今回、敵基地攻撃能力の保有という言葉は三文書に書き込まれましたけれども、一体、じゃ、攻撃対象がその敵基地にとどまるのか、あるいは指揮統制機能まで実はやるつもりでいるのか、また、その攻撃の着手のタイミングというのは何なのかということを、これを外交を通じて明らかにして、日本の考えるレッドラインというのはこれなんですと。
したがって、我々は何一つ専守防衛の考えが変わっていませんよということを明確に説明する責任があると思います。そういった外交を展開していく必要がある。いま一つ説明が足りないというような印象を私は持っています。
横
金
金子道仁#25
○金子道仁君 おはようございます。日本維新の会、金子道仁でございます。
本日は、両参考人の貴重な御説明、御意見、本当に傾聴させていただきました。ありがとうございました。
早速質問させていただきたいと思います。
細谷先生にまず最初に御質問したいと思うんですが、既に何回か質疑の中にも出てきました大砲とバターについて、私もそこから一つ御質問したいと思っております。
我が国は、防衛費も倍増、そして子ども・子育て予算も今回倍増ということで、大砲かバターかではなくて、大砲もバターもということで今、国のかじが切られている、そのような考えだと思いますが、他方で、先生が御説明いただいたパックス・ブリタニカの中の健全財政がこの世界の安定に非常に重要であったという御意見もまた貴重だと思います。
大砲もバターもという中で、財政をどのように健全に保っていくのか、先ほど先生、その中で日本の鍵になるのは技術革新であると、技術革新によって少ないコストで防衛力を強化していくことが今、日本に求められていることではないかという御提言をいただきました。それもまさにそのとおりだと思うんです。
ただ、この少ないコストで防衛力を強化するための技術革新を行うということは、日本の社会全体の中で、非常な危機感というんでしょうか、このままでは国ももたないのではないかというぐらいの危機感を持って国民全体がその革新を努力していく、そのような雰囲気が必要だと思っております。
我が党は、そのような意味でも、歳出改革こそが今重要なのではないか、バターも大砲もということをするのであれば、まず無駄を省いていく、抜本的な行財政改革が必要、非常に重要ではないか、それに国民全体が一致して取り組んでいく必要があるのではないか、そのように考えておりますが、細谷先生に是非、専門と少し違うかもしれませんが、国、我が国に対しての提言であったり、現在の各国の取組であったり、このような状況の中での歳出削減、行財政改革について最初に御提言いただければと思います。
この発言だけを見る →本日は、両参考人の貴重な御説明、御意見、本当に傾聴させていただきました。ありがとうございました。
早速質問させていただきたいと思います。
細谷先生にまず最初に御質問したいと思うんですが、既に何回か質疑の中にも出てきました大砲とバターについて、私もそこから一つ御質問したいと思っております。
我が国は、防衛費も倍増、そして子ども・子育て予算も今回倍増ということで、大砲かバターかではなくて、大砲もバターもということで今、国のかじが切られている、そのような考えだと思いますが、他方で、先生が御説明いただいたパックス・ブリタニカの中の健全財政がこの世界の安定に非常に重要であったという御意見もまた貴重だと思います。
大砲もバターもという中で、財政をどのように健全に保っていくのか、先ほど先生、その中で日本の鍵になるのは技術革新であると、技術革新によって少ないコストで防衛力を強化していくことが今、日本に求められていることではないかという御提言をいただきました。それもまさにそのとおりだと思うんです。
ただ、この少ないコストで防衛力を強化するための技術革新を行うということは、日本の社会全体の中で、非常な危機感というんでしょうか、このままでは国ももたないのではないかというぐらいの危機感を持って国民全体がその革新を努力していく、そのような雰囲気が必要だと思っております。
我が党は、そのような意味でも、歳出改革こそが今重要なのではないか、バターも大砲もということをするのであれば、まず無駄を省いていく、抜本的な行財政改革が必要、非常に重要ではないか、それに国民全体が一致して取り組んでいく必要があるのではないか、そのように考えておりますが、細谷先生に是非、専門と少し違うかもしれませんが、国、我が国に対しての提言であったり、現在の各国の取組であったり、このような状況の中での歳出削減、行財政改革について最初に御提言いただければと思います。
細
細谷雄一#26
○参考人(細谷雄一君) 金子先生からとても重要な論点を御提示いただいたと思っております。
私は財政が専門ではございませんけれども、冒頭に申し上げたような大砲とバターをどういうふうに最適な均衡点を見付けるか、これが日本の国力あるいは日本の将来にとって鍵となってくる重要な要素だろうと思っております。
その上で私が考えますのが、私の専門であるイギリスを例に申し上げますと、イギリスでは当然ながら、先ほどにも少し触れましたとおり、今回のウクライナ戦争を受けて、更に従来の二・〇%の防衛費を二・五%まで増やすということをスナク首相が述べております。当然ながら国内に様々な抵抗や批判もございますけれども、イギリスの場合はスペンディングレビューという、つまり歳出のレビュー、見直しですね、つまり定期的にその歳出というものがどの程度健全に行われているかというこのレビューというものが非常に根付いた文化があると思っています。
ですから、政策として、例えば将来どうなるかということがなかなか分からない中で予算を組み、また支出をするわけですから、やはりそれを定期的に点検していくというのが私は鍵になるだろう。言い換えると、当然ながら、私は今回、防衛費、防衛関連費を大幅に増やす中で、本当に必要なものと、実は、実際にそれを検討、導入したとき、整備したときにそうではないものがあるんだろうと思います。
そのそうではないものをいかにして検証するか。先ほどの半田先生の冒頭での御報告はそのような点にも関連していらっしゃったのだろうと思いますけれども、いかにしてその支出、一度支出したものというものを検証し、そしてその中で不要なものというものを変更していくか。私、これがやはり私は、イギリスと比べたとき、日本はまだまだ検討の余地があるんだろうと思っています。
そういった大幅な防衛力増強のための、強化のための支出が必要であるということとセットで、恐らく、そういったイギリスが定期的に行っているスペンディングレビューと同じような形でこの防衛支出の中で本当に必要なものとそうではないものというものを、事後的な検証というものをより積極的に行っていくのが鍵ではないかと考えております。
この発言だけを見る →私は財政が専門ではございませんけれども、冒頭に申し上げたような大砲とバターをどういうふうに最適な均衡点を見付けるか、これが日本の国力あるいは日本の将来にとって鍵となってくる重要な要素だろうと思っております。
その上で私が考えますのが、私の専門であるイギリスを例に申し上げますと、イギリスでは当然ながら、先ほどにも少し触れましたとおり、今回のウクライナ戦争を受けて、更に従来の二・〇%の防衛費を二・五%まで増やすということをスナク首相が述べております。当然ながら国内に様々な抵抗や批判もございますけれども、イギリスの場合はスペンディングレビューという、つまり歳出のレビュー、見直しですね、つまり定期的にその歳出というものがどの程度健全に行われているかというこのレビューというものが非常に根付いた文化があると思っています。
ですから、政策として、例えば将来どうなるかということがなかなか分からない中で予算を組み、また支出をするわけですから、やはりそれを定期的に点検していくというのが私は鍵になるだろう。言い換えると、当然ながら、私は今回、防衛費、防衛関連費を大幅に増やす中で、本当に必要なものと、実は、実際にそれを検討、導入したとき、整備したときにそうではないものがあるんだろうと思います。
そのそうではないものをいかにして検証するか。先ほどの半田先生の冒頭での御報告はそのような点にも関連していらっしゃったのだろうと思いますけれども、いかにしてその支出、一度支出したものというものを検証し、そしてその中で不要なものというものを変更していくか。私、これがやはり私は、イギリスと比べたとき、日本はまだまだ検討の余地があるんだろうと思っています。
そういった大幅な防衛力増強のための、強化のための支出が必要であるということとセットで、恐らく、そういったイギリスが定期的に行っているスペンディングレビューと同じような形でこの防衛支出の中で本当に必要なものとそうではないものというものを、事後的な検証というものをより積極的に行っていくのが鍵ではないかと考えております。
金
金子道仁#27
○金子道仁君 ありがとうございます。
我が国であれば行政事業レビューがそのイギリスのスペンディングレビューと対比される制度であるかと思うんですが、制度があったとしても、実際にそれが実効的に行財政改革につながっているかどうかというところは検証する必要があると思います。私も、このイギリスのスペンディングレビュー、また勉強させていただきたいと思っております。
続いて、半田参考人に御質問させていただきたいと思います。
御説明の中で三点ポイントがあったかと思います。まず最初は、FMSの増大による国内防衛産業が圧迫という点。二つ目は、現場の意見を十分に反映していないような防衛力強化の内容が行われていると。三つ目が、国内防衛産業の開発能力に対して疑問があると。その三点が先生の御説明のポイントではなかったかと理解しております。
九ページ目に検討すべき事項という形で懸念の表明がされているわけですけれども、是非先生に、この検討すべき事項を踏まえて、具体的に提言として先生はどのようなことを先生の立場で考えておられるか、どのような形にすることが防衛力の実質的な強化につながるとお考えか、この検討すべき事項を踏まえた提言をお聞かせいただけますでしょうか。お願いいたします。
この発言だけを見る →我が国であれば行政事業レビューがそのイギリスのスペンディングレビューと対比される制度であるかと思うんですが、制度があったとしても、実際にそれが実効的に行財政改革につながっているかどうかというところは検証する必要があると思います。私も、このイギリスのスペンディングレビュー、また勉強させていただきたいと思っております。
続いて、半田参考人に御質問させていただきたいと思います。
御説明の中で三点ポイントがあったかと思います。まず最初は、FMSの増大による国内防衛産業が圧迫という点。二つ目は、現場の意見を十分に反映していないような防衛力強化の内容が行われていると。三つ目が、国内防衛産業の開発能力に対して疑問があると。その三点が先生の御説明のポイントではなかったかと理解しております。
九ページ目に検討すべき事項という形で懸念の表明がされているわけですけれども、是非先生に、この検討すべき事項を踏まえて、具体的に提言として先生はどのようなことを先生の立場で考えておられるか、どのような形にすることが防衛力の実質的な強化につながるとお考えか、この検討すべき事項を踏まえた提言をお聞かせいただけますでしょうか。お願いいたします。
半
半田滋#28
○参考人(半田滋君) どうもありがとうございます。
今、防衛省の中を見ますと、元々いわゆる官僚組織である内部部局、これは内局と言います、それと制服組である各幕僚監部、この距離が今非常に開いている時期になっていると思っています。本来であれば、これは同じ防衛省という役所の中で意思疎通をして、そして現場で武器を使うユーザーである制服組の意見を聞いた上で、そしてまた、そこに無駄はないかとか、あるいは誇張はないかと、そういったことも精査をした上で我が国の防衛予算というものを今までは作ってきたんだというふうに理解しています。
ところが、ここ近年を見ていますと、背広組の皆さんがどうも上の方を見ていると。よく言われることは、首相官邸、内閣人事局ができてから他の役所と同じように官邸の方の顔色ばかり見るようになっていったと。官邸の御意向という形でむしろそれが下に下りてきて、こういった武器を買うという方向で検討しているからよろしくねみたいな話になってくる。先ほど御紹介したグローバルホークなんていうのはその典型でして、陸海空ともどこも手を挙げていないけれど、内局が政治案件として入れているものですね。
また、オスプレイもそうですね。これは沖縄県の普天間基地に海兵隊が二十四機配備をするというときに沖縄から強い反対運動が起きて、であるならば、防衛省・自衛隊が買って安全性を証明すればいいだろうということになって導入してきたと。これは陸上自衛隊が運用していますけれども、このオスプレイ導入を決めた当時、陸上自衛隊にはCH47という大型ヘリコプターが五十五機あって、アメリカ陸軍に次ぐ二番目の保有台数を誇っていたわけですね。空飛ぶロールスロイスとも言われて、大型で高速のヘリコプターを大量に持っていたのに、なぜオスプレイが必要かと。その辺り、つまり現場の意見が内局を通じて政治に逆に上がっていかなくなったと。これによって、非常にゆがんだ形の防衛予算の執行が続いているのが今ではないかというふうに思います。
特に私が覚えていますのは、二〇一八年の十二月に防衛計画の大綱を改定する際に、護衛艦「いずも」型の空母化が決まったことですね。「いずも」型護衛艦というのは、本来は、やってくる外国の潜水艦をいち早く発見して、それを撃退するためのいわゆる防御型の艦艇として開発され、そのとおり運用されてきたわけです。これを空母に変えるということは、まさに攻撃的兵器に変えるわけですから、本来専守防衛である我が国が果たすべき対潜水艦戦の大きな欠落が生まれることになったと。これ今、「いずも」型護衛艦、これは「いずも」と「かが」の二隻がありますけれども、時には空母型、時には対潜水艦戦用というふうに使い分けるというふうに言っていますが、元々これ対潜水艦戦用に設計された艦艇ですから、トップヘビーになって、つまり船首が重たいわけですね。到底空母型の船として使うのはふさわしくない。新しく別に造った方がむしろ安いぐらいなんです。そういった中途半端なことを、これ防衛計画の大綱のときに閣議で「いずも」型護衛艦の空母化を決めてしまったわけですね。
私、その当時、現職の東京新聞の記者として防衛省を担当していて、海上自衛隊の皆さんの落胆する顔というのをずっと見ていました。本来、今までの話と全然違う話が上から下りてくるようになってしまった。そういったその意思疎通の悪さ、そして妙な政治決定というものが続くことによって、我が国のこの防衛の体制というものがゆがんできているのではないかということが言えるだろうというふうに思います。
先ほどの三つの意見ですね、あとはその開発能力の問題ですけれども、これらはある意味やってみなきゃ分からないというところもあります。ただし、一度に同時にこれだけ多くのものを開発をしていくということはおよそ防衛省・自衛隊にとって経験したことがないぐらいの同時開発であり、同時量産開始なんですね。一つのものを計画をしてスタートするまで、今まで大体七年から十年掛かっているのが普通だったんです。それが急に去年の閣議決定に合わせてあれもこれもというふうにどんどんどんどん急激に乗っていったと。これは能力を超えるようなものを今やろうとしていないだろうかと。これ、将来のことはよく分かりませんけれど、将来恐らく禍根を残すポイントというのはどこだったかというふうに考えていくと、大風呂敷を広げて、その枠を埋めるような形で様々な国産兵器、あるいはFMSによるアメリカ製兵器の爆買いをしたことだったのではないかと、そんなふうに反省する日が来ないように、今からでもきちんとこの防衛予算の中身を再検証して、必要でないか、必要なものであるのかということを見極めた上でもう一度考え直す必要があるというふうに思います。
この発言だけを見る →今、防衛省の中を見ますと、元々いわゆる官僚組織である内部部局、これは内局と言います、それと制服組である各幕僚監部、この距離が今非常に開いている時期になっていると思っています。本来であれば、これは同じ防衛省という役所の中で意思疎通をして、そして現場で武器を使うユーザーである制服組の意見を聞いた上で、そしてまた、そこに無駄はないかとか、あるいは誇張はないかと、そういったことも精査をした上で我が国の防衛予算というものを今までは作ってきたんだというふうに理解しています。
ところが、ここ近年を見ていますと、背広組の皆さんがどうも上の方を見ていると。よく言われることは、首相官邸、内閣人事局ができてから他の役所と同じように官邸の方の顔色ばかり見るようになっていったと。官邸の御意向という形でむしろそれが下に下りてきて、こういった武器を買うという方向で検討しているからよろしくねみたいな話になってくる。先ほど御紹介したグローバルホークなんていうのはその典型でして、陸海空ともどこも手を挙げていないけれど、内局が政治案件として入れているものですね。
また、オスプレイもそうですね。これは沖縄県の普天間基地に海兵隊が二十四機配備をするというときに沖縄から強い反対運動が起きて、であるならば、防衛省・自衛隊が買って安全性を証明すればいいだろうということになって導入してきたと。これは陸上自衛隊が運用していますけれども、このオスプレイ導入を決めた当時、陸上自衛隊にはCH47という大型ヘリコプターが五十五機あって、アメリカ陸軍に次ぐ二番目の保有台数を誇っていたわけですね。空飛ぶロールスロイスとも言われて、大型で高速のヘリコプターを大量に持っていたのに、なぜオスプレイが必要かと。その辺り、つまり現場の意見が内局を通じて政治に逆に上がっていかなくなったと。これによって、非常にゆがんだ形の防衛予算の執行が続いているのが今ではないかというふうに思います。
特に私が覚えていますのは、二〇一八年の十二月に防衛計画の大綱を改定する際に、護衛艦「いずも」型の空母化が決まったことですね。「いずも」型護衛艦というのは、本来は、やってくる外国の潜水艦をいち早く発見して、それを撃退するためのいわゆる防御型の艦艇として開発され、そのとおり運用されてきたわけです。これを空母に変えるということは、まさに攻撃的兵器に変えるわけですから、本来専守防衛である我が国が果たすべき対潜水艦戦の大きな欠落が生まれることになったと。これ今、「いずも」型護衛艦、これは「いずも」と「かが」の二隻がありますけれども、時には空母型、時には対潜水艦戦用というふうに使い分けるというふうに言っていますが、元々これ対潜水艦戦用に設計された艦艇ですから、トップヘビーになって、つまり船首が重たいわけですね。到底空母型の船として使うのはふさわしくない。新しく別に造った方がむしろ安いぐらいなんです。そういった中途半端なことを、これ防衛計画の大綱のときに閣議で「いずも」型護衛艦の空母化を決めてしまったわけですね。
私、その当時、現職の東京新聞の記者として防衛省を担当していて、海上自衛隊の皆さんの落胆する顔というのをずっと見ていました。本来、今までの話と全然違う話が上から下りてくるようになってしまった。そういったその意思疎通の悪さ、そして妙な政治決定というものが続くことによって、我が国のこの防衛の体制というものがゆがんできているのではないかということが言えるだろうというふうに思います。
先ほどの三つの意見ですね、あとはその開発能力の問題ですけれども、これらはある意味やってみなきゃ分からないというところもあります。ただし、一度に同時にこれだけ多くのものを開発をしていくということはおよそ防衛省・自衛隊にとって経験したことがないぐらいの同時開発であり、同時量産開始なんですね。一つのものを計画をしてスタートするまで、今まで大体七年から十年掛かっているのが普通だったんです。それが急に去年の閣議決定に合わせてあれもこれもというふうにどんどんどんどん急激に乗っていったと。これは能力を超えるようなものを今やろうとしていないだろうかと。これ、将来のことはよく分かりませんけれど、将来恐らく禍根を残すポイントというのはどこだったかというふうに考えていくと、大風呂敷を広げて、その枠を埋めるような形で様々な国産兵器、あるいはFMSによるアメリカ製兵器の爆買いをしたことだったのではないかと、そんなふうに反省する日が来ないように、今からでもきちんとこの防衛予算の中身を再検証して、必要でないか、必要なものであるのかということを見極めた上でもう一度考え直す必要があるというふうに思います。
金
金子道仁#29
○金子道仁君 ありがとうございます。貴重な御意見、また受け取って、また検討させていただきたいと思っております。
もう時間が迫っていますので最後になるかと思いますが、半田さん、あっ、ごめんなさい、細谷参考人にお伺いしたいことがございます。
今、AIや無人機、ミサイル開発などで非常に技術開発水準が高まって研究開発費が高騰している、そのような指摘が四ページ目にございますが、日本は今、次期戦闘機に関して国際協力を行って共同開発をしていくということがもう進んでいますけれども、サイバーやAI、無人機、そういったところでの国際協力による共同研究開発、その可能性について教えていただけますでしょうか。
この発言だけを見る →もう時間が迫っていますので最後になるかと思いますが、半田さん、あっ、ごめんなさい、細谷参考人にお伺いしたいことがございます。
今、AIや無人機、ミサイル開発などで非常に技術開発水準が高まって研究開発費が高騰している、そのような指摘が四ページ目にございますが、日本は今、次期戦闘機に関して国際協力を行って共同開発をしていくということがもう進んでいますけれども、サイバーやAI、無人機、そういったところでの国際協力による共同研究開発、その可能性について教えていただけますでしょうか。